「過ちは、繰り返させない!」
CV:高木渉
プロフィール
年齢 | 15歳 |
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身長 | 161cm |
体重 | 53kg |
自称 | 『 炎のモビルスーツ乗り 』 |
名前の由来 | 「我が道を行く」を捩ったもの。即ち「我が(ガ)道を(ロード)行く(ラン)」 |
概要
ガンダムシリーズの主人公としては珍しい、明るく前向きな性格の持ち主の少年。
瞳の色はエメラルドグリーンで、髪の色はダークグリーン。
服はイエローとレッドのツートンのジャケットにジーンズと結構ラフな服装。
その一方で繊細な一面もある。ティファに対するあまりに一途な恋心は『X』の物語さえ牽引する、非常に重要なファクター。
『X』の監督を務めた高松信司は彼の事をこう語る。
「過去に縛られた古い世界が終わった後に新たな世界を切り拓いていくべき少年」
経歴
第7次宇宙戦争による膨大な数のコロニー落としによって、地球人類の99%以上が死滅した地獄のような世界に生まれ落ちる。
コロニー落としからしばらくは衝撃波による暴風が世界中に吹き荒れ、その後は核の冬によって全く日が差さないという激変した地球環境の中で、完全崩壊した社会インフラ、最悪と化した治安、慢性的な食糧難などによって友人や知人たちも次々と死んでいき、ガロードは少年になるまで太陽の光を見たことがなかった。父が技術者だった為、本人もメカやMSの扱いに長け、将来はメカ屋になるつもりだったという。
しかしようやく太陽の光が射すようになった頃、ガロードの住んでいた地域には、流れモビルスーツ乗りの盗賊集団に襲われ、ガロードは家族や知人たちを皆殺しにされる。
そしてガロードは天涯孤独となり、この世界を子供の身で一人で生き抜いていくことになる。
数年後、15歳になったガロードはジャンク屋やモビルスーツ狩りで生計を立てていたが、
依頼によりもぐりこんだフリーデンでティファ・アディールと出逢い一目惚れ。
引き合わせた依頼人の顔を見たティファの怯える表情を見て依頼に背き逃走、軍事施設内に放棄されていたガンダムエックスと運命的に出会い追っ手を蹴散らす。
その後はフリーデンのクルーになるが、それまで一人で生きていたためか、当初は集団生活に馴染めず、失敗を繰り返し、ガンダムXごと脱走した事もあった。
しかし持ち前の熱い魂と負けず嫌いな性格で困難を乗り越え、人間としても成長していく。
人工ニュータイプであるカリスとの対決では、ガンダムXのサテライトキャノンを破壊される程の完敗を喫して戦意を失うものの、ジャミルの叱咤による導きとキッドの手で改修されたガンダムエックスディバイダー、持ち前の操縦センスと順応性、そして自身の努力と工夫によって辛くも打ち破った。
行く先々でのティファを巡る攻防などを経験し、その度にニュータイプや戦争とは何かと考え、次第に世界に目を向けるようになる。
パイロットとしての腕前
MSパイロットとして腕は天才的でありジャミルやキッドが太鼓判を押す程。
「猛吹雪の中でビットを全て撃ち落とす」「向かってくるミサイルの群れをライフルを使い至近距離から一瞬で撃墜する」「高機動MSのバーニア部分のみを正確に狙い撃つ」等、凄まじい射撃技術を持つ。
宇宙革命軍が地球攻撃用に用意したコロニーレーザーを、脅しの為にサテライトキャノンで超長距離からギリギリ掠める砲撃を行う腕前を披露、パーラもその技量に驚嘆している。
強敵であるフロスト兄弟やカリス、ニュータイプ候補生達との戦いを経て確実にパイロットとしての力を付け、後に前大戦のエースパイロットであるランスローとも渡り合った。
宇宙世紀で言うところのオールドタイプ最強候補の1人と評する声も。
人間関係
アルタネイティブ社よりティファの奪還依頼を受けた事で出会い、お互いがお互いの人間的成長を促す理想的な関係を築く。
最初はガロードの片想いだったものの、積極的なアプローチと愛の力でティファ自身も心を開いていき、見事に彼女のハートを射止める。
最後は新婚旅行…もとい一緒に旅に出るなど、名実ともにガロードの嫁となる。
MSパイロットとしての心構えだけでなく、ガロードが人として大きく成長するきっかけを作った師匠兼父親的存在。
またジャミルにとってもガロードの存在が、自身のトラウマ克服のきっかけになっている。
MSパイロットとして、そして人間として負けられない存在。
彼らからは宿命のライバルとして見られているが、ガロードからすればティファを幾度も付け狙う鬱陶しいことこの上ない存在。
フリーデンを脱走した際、ガンダムエックスを売ろうとしていたガロードに近づくも拒絶された事で一方的に恨む。
味方になって以降はガロードに対しての気持ちは憎しみから恋愛感情に近いものになっていたようだが、結局身を引いた模様(漫画版では、それらしき発言をしている)。
MSパイロットとして最初の壁となった好敵手。彼の境遇を知り死闘の末に撃破。
生きる意味を見出せなくなった彼を説得し、カリス自身も自分を理解してくれたガロードに心を開き良き友人となる。
新連邦の工作員。
15年前のコロニー落としにより妻子を失ったことからジャミルを恨んでおり、一度はフリーデンを投降させるがティファとの交流によりガロードに協力することになる。
ダブルエックス奪取時にガロードをかばい死亡する。
彼の残した「過ちは繰り返すな」という遺言はガロードに大きな影響を残した。
ウイリス・アラミス
フリーデンが訪れ、協力したエスタルド人民共和国の若き王。と、言っても父の死後の地位を継いだばかりで、本人は優柔不断で気弱な青年。ウイリスは逞しく生きるガロードに憧れ、ガロードも王族としての責任と自由無き立場を理解し、王の立場を決して羨むことなくお互いの苦悩を分かり合った貴重な同年代の友人となる。
ガンダムサポートメカ、Gファルコンのパイロット。
ガンダムダブルエックスが不慣れな宇宙戦のために撃破寸前となった時にあらわれ、ガロードを救出する。
ガロードに淡い思いを抱いていたが、ティファを前にして胸にしまいこんだ。
搭乗機
ガロードが駆ったのは第7次宇宙大戦で使用されなかった1号機・3号機の内の1号機の方。
ガンダムXディバイダー (GX-9900-DV)
カリスの駆るベルティゴに惨敗し、中破したガンダムエックスを改修した姿。
修復不能のサテライトキャノンが取り外され爆発力は抑えられたものの、全体的な戦力バランスが向上。
ガンダムダブルエックスを奪取した後もジャミルが駆るなど、物語終了まで活躍した。
ガンダムダブルエックス (GX-9901-DX)
ジャミルが搭乗し破棄されていたガンダムX(2号機)のデータを流用し、サテライトキャノンを含めた全ての面で強化された機体。
ゾンダーエプタ島の新連邦軍基地より奪取。最終回で大破するまでガロードの愛機として活躍した。
ガンダムX 3号機 (GX-9900 NT-001)
行方不明となっていた本来の3号機(NT-003)ではなく、ディバイダーに改修された1号機を旧連邦軍研究施設の残存部品及び新造部品で復元した機体。
かつての姿と異なり肩の部分までライトブルーに塗装されている。
余談
「ガンダム、売るよ!」
ガンダムシリーズでガンダムを売り払おうと画策した2人目の主人公であり、機体を売り払う為のオークションを実行に移した主人公でもある。
(ちなみに任務のためにガンダムを自爆させた者もいる)
能力について
前作までの先輩達が生身でモビルスーツを破壊したり、自爆してもへっちゃらだったりと作中行動のインパクトが大きすぎるため比較されがちだが、実はガロードも彼らに比肩するであろう能力の持ち主である。
たとえば電子開錠機や睡眠薬入りストロー等のアイテムを持ち歩き、ピッキングや足音を立てず歩く技術等、どこぞの傭兵かそれとも怪盗紳士の三代目かと言わんばかりのスキルを持っている。
更にティファが絡むと、いわゆるオールドタイプに分類されながらもニュータイプ以上の力を発揮できる。ティファが一緒にMSに乗っているときの彼は二重の意味で無敵である。
彼の凄まじさが顕著に描写されたのは、経歴の項にもあるコロニーレーザーの狙撃シーンである。
ガロードは月とコロニーレーザーの位置関係上、地球の裏側から狙撃したのだが、目標との距離は少なくとも38万キロを超えており、そんな途方もなく離れた位置からツインサテライトキャノンのような大出力の兵器で狙い澄ました一点に攻撃を加える様は、とてもじゃないが人間業ではない。
ガンダムエックスは元々戦略兵器としての側面もあるため、そういった超長距離狙撃を支援するシステムがあった可能性もあるが、それでもそのような距離からコロニーレーザーの外壁をはぎ取るように掠めさせるという凄まじい精密さは正に神業。
ガロードがMSに乗るとこの一騎当千ぶりであるにもかかわらず、ガロード自身は生身で別の操縦者から稼働中のMSを奪えるあたりはもう反則じゃないかな……
唯一オールドタイプとしての限界と言うか、ガンダムのニュータイプもしくはそれに類する特殊技能者主人公のテンプレートであるアムロ・レイやキラ・ヤマトと違う点は、ガンダムXに乗った時点でガロードは我流ながらMS操縦技能をある程度身に付けているところ(軍に属していない点は同じだが、アムロとキラは素人どころか、当初の自陣営が初めて開発したMSであり、システムを動かすための最低のガイドブックが存在しているだけだった)。
逆に言うとそういった要素を気合と根性と周囲のサポートと「ティファ大好き」でひっくり返すという、視聴者は言うなればガロードと同じオールドタイプでありナチュラルであるがゆえの一種のカタルシスをもたらしてくれる存在である。
なお、「ニュータイプが登場する」シリーズ作品の中で「主人公がニュータイプではない」という初のパターンでもある。それが『ガンダムX』という作品の重要なポイントでもある。
声が合わない
ガンダムXの評価でついてまわるのがこれ。ガロードは美少年といって差し支えないのに声がいわゆるジャイアン枠……というもの。
アナザー3部作はいずれも、宇宙世紀の安彦良和デザインキャラから離れ、とくに前作にあたる『ガンダムW』では敵も味方もやたら美少年揃いで、ガロードも外見ではその路線にも見えるため、それを期待しているとガロードの声は、当初違和感を感じさせる。
だが、この評価はキチッとガンダムXを視聴したかどうかで変わる。ガンダムXフリークの多くは、「ガロードの声は高木渉以外考えられない」という。
芳しくない方の評価の原因は、極論すると最序盤のガロードがガロードらしくないため。AWの厳しい世界で生きてきたアウトローということで、相手に本心を見せず、気障ったらしい言い回しを好んでみたり、クライアントとのやり取りでは厭世家気取りの一面を繕ってみせたりしている。
が、第1話開始14分弱でティファに一目惚れした瞬間に化けの皮がすべて剥がれる。
本来のガロードの性格は前作のヒイロどころか、逆に「熱いガンダム」の代名詞である前々作のドモンを上回るとすら言えるほどの熱血漢であり(これは、ドモンは普段は年長者らしくある程度素を抑えているからでもある)、ティファとの関係が確立する(お互いの行動で解るがティファも第2話終盤には異性としてはすでにガロードしか見えてないのである)エピソードである第5話までを視聴し終えた時点になるとガロードの性格と高木ボイスがカッツリ噛み合うようになる。
外部作品において
ガンダムを売ろうとした繋がりで、ゲーム作品では前述のジュドーとの絡みがたまに見られる。
『スーパーロボット大戦α外伝』で共にガンダムを売ろうとしたり、『ガンダムVSガンダム』で同時に登場したりなど。
『ACE3』や『スーパーロボット大戦Z』では好きな女の子がいる少年同士で前述のレントンや『OVERMANキングゲイナー』のゲイナー・サンガとの親交があり、少年恋愛団と呼称されている。
pixivでも絡んでいるイラストが存在する。
関連イラスト
関連タグ
ティファ・アディール(ガロードの嫁 / ガロティファ) ジャミル・ニート
ウィッツ・スー ロアビィ・ロイ エニル・エル カリス・ノーティラス
ジュドー・アーシタ…ガンダムを売ろうとした主人公の先輩。
アセム・アスノ…機動戦士ガンダムAGEのアセム編の主人公。こちらも特殊能力を持たない身でありながら、努力の末にその能力を持った敵を圧倒するレベルにまで強くなった。最終的に想い人と結ばれたところも共通。