人物
日本を代表するアニメーターの一人。漫画家としても有名だが、特に『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインで名高い。
弟子筋のアニメーターに板野一郎がおり、画風を模倣するフォロワーに漫画家のトニーたけざきがいる。
ヴイナス戦記の監督を終えた後に専業漫画家としてアニメ業界を去る。アニメをやめたきっかけは2つあり、一つは宮崎駿の『風の谷のナウシカ』や押井守の『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を見て「とても敵わない」と思ったこと。
もう一つが『巨神ゴーグ』の演出で能力の限界を感じたことであるという。
その後25年間漫画家として活躍して来た(時折小説の挿絵等も担当していた)が、機動戦士ガンダムTHEORIGINのアニメ化に伴い、再びアニメ業界へ返り咲いている。
作風
少年の成長を主軸にしており、主人公は大体が10代前半。
漫画執筆時は本人の筆圧が高い為ペンではなく削用筆を使って作画を行っており、その為独特の力強いタッチが特徴。カラーイラストの彩色は荒々しくも力強い。
キャラクターデザイン時にはS字型に腰を前方突出させた立ち姿を描き、その独特の色気のある立ち姿はファンから「やすひ腰」「安彦立ち」(主に大河原邦男の「ガワラ立ち」、カトキハジメの「カトキ立ち」との対比で呼ばれる)と親しまれているが本人曰く「虫プロ在籍時代に習った」とのこと。
『内なる天皇制』への批判
弘前大学在学中にベトナム戦争反対運動を経て学生運動に加わった過去を持つ。しかし、これら1968年から1970年の全共闘運動・大学紛争(学費の値上げなど、大学の体制や制度改革への反対、あるいは国家政策への反発から発生した共産主義色の強い紛争)は東大安田講堂事件での『敗北』を契機に(半ば自壊する形で)崩壊した。安彦自身も、一連の事件に関わった容疑で逮捕され、大学を除籍(退学)されている。
このことは安彦自身の人生に暗い影を落としているようであり、以降の彼の思想や言動にもその影響を見ることができる。
余談
1996年に超神Z―Cyberweaponと言う安彦氏本人の絵柄をリスペクトした香港の漫画作品がメディアワークスから出回ったことがあり、同作品には安彦氏が感想を述べている…。
(現在は絶版)
関連イラスト
代表作
アニメ
勇者ライディーン キャラクターデザイン・作画監督
超電磁ロボコン・バトラーV キャラクターデザイン・作画監督・絵コンテ・原画
無敵超人ザンボット3 キャラクターデザイン
機動戦士ガンダム アニメーションディレクター・キャラクターデザイン・作画監督
ロボっ子ビートン
クラッシャージョウ 監督・キャラクターデザイン・作画監督
巨神ゴーグ 原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督
白い牙-ホワイトファング物語-
アリオン 原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督
風と木の詩 監督・絵コンテ
ヴイナス戦記 原作・監督
機動戦士Ζガンダム キャラクターデザイン
機動戦士ガンダムF91 キャラクターデザイン
機動戦士ガンダムUC キャラクターデザイン
機動戦士ガンダムTHEORIGIN 漫画著作 総監督 キャラクターデザイン
小説挿絵
『クラッシャージョウ』シリーズ
『ダーティペア』シリーズ
『異次元騎士カズマ』
『機動戦士ガンダムUC』