データ
形式番号 | GX-9901-DX |
---|---|
全長 | 17.0m |
重量 | 7.8t |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
パイロット | ガロード・ラン |
概要
新連邦軍が人工島「ゾンダーエプタ」において、「新たな時代を象徴する強大な力を持ったMS」として秘密裏に開発していた新型MS。かつてジャミル・ニートが搭乗していたガンダムエックス2号機からデータを流用して開発されているが、移植したのはあくまでもフラッシュシステムやサテライトシステム等のシステム周辺のみで機体自体は新造であり、最新技術により出力・機動性・装甲等の基本性能がガンダムXから飛躍的に向上している。
頭部には髭の様な装飾(それ故に『元祖髭ガンダム』と呼ばれているが、次作の主人公機の髭の印象が余りにも強すぎたため、ダブルエックスの髭の印象は薄い)があるが、おそらく頭部アンテナ込みでX字のシルエットを演出するためのもの。ダブルエックスの名称はおそらく頭部と背部のサテライトシステム、二つのXをかけたものといえなくない。
機体の強奪を防ぐ意図で本来ならば、ダブルエックス専用のGコンでしか動かせないハズだった。しかし、ガンダムXからのシステムデータをそのまま流用、移植していたため、
ガロード・ランの持つGコンでも機体を起動させる事が出来たのだ。
そして、ガロードがゾンダーエプタから奪取し、以降は彼の乗機として活躍する。
主人公機でありながら怖い面構えと黒を基調とした悪役オーラが印象的。
GX同様、地形を問わない汎用性と重装甲・高機動を併せ持ち、各スペックが高次元で纏まった戦後に開発されたMSとしては最も強力な機体の一つ。
その基本性能はAW世界最強ランクに位置しており、ガンダムXやそのXの改修型であるXディバイダーでは脱出不可能だったガンダムアシュタロンのアトミックシザースを拘束状態から引きちぎる程のパワーを持つ他、追加増設されたスラスターによって機体の機動性も更に向上しており、接近戦でも極めて優れた運動性を発揮する。
オプション武装を除くと通常兵装はライフル、サーベルといったオーソドックスなものがメインであるが、ハイパービームソードや専用バスターライフルといった個々の武装は大出力だったガンダムXの各武装を遥かに上回り、どれもアフターウォー世界のMSの携行兵器としては最強クラスのものを装備しており、あらゆる距離で圧倒的な戦闘力を持つ。何十ものビーム攻撃の直撃やビームサーベルで滅多斬りにされても無傷で耐える程の重装甲等、装甲の強さは半ばネタ扱いされており、ビームの直撃を受けても致命傷になり得ない驚異的な生還力で、宇宙でも革命軍を手こずらせた。
新連邦から奪取された機体故に新連邦側に機体の特性が把握されている事もあり、奪取以降はニュータイプ研究所の試験も兼ねてニュータイプ候補生及びコルレルやガブル、ブリトヴァ、ラスヴェートといった一点特化型ないしは特殊装備を有するMSを刺客として度々送り込まれるが、機体の素性の良さやガロードの技術・機転、そして仲間たちとの連携もあり、全て撃破に成功している。
劇中で使用されている専用のバスターライフル、ディフェンスプレートは正規品ではなく、キッド・サルサミルが独自に作成調達した物だが、奪取前の本機が酷似した物を装備しており、キッドがダブルエックスに残されていたデータを元に複製・製造した可能性がある。
自衛力強化のため頭部以外にも機関砲を持ち、胸部インテーク下に2門(ブレストランチャー)、肩部に2門(マシンキャノン)あり、頭部とあわせて6門となる。
また原作では使用していないがGハンマーやロケットランチャーガン等のオプション武装も豊富である。
Gファルコンが合体し合体形態であるGファルコンダブルエックスとなる。
火力・機動性が強化され、MSとしては破格の高機動性と、戦闘機としては有り得ない程の重武装機として非常に高次元でバランスの取れた機体となる。オプションである増設Eパックによりマイクロウェーブ無しでもツインサテライトキャノンを発射可能になる。原作アニメでは移動用の収納形態メインで合体形態で戦闘は行わなかった。
武装
ツインサテライトキャノン(サテライトシステムMk-Ⅱ)
本機最大の特徴はガンダムエックスのサテライトキャノンの改良型であるツインサテライトキャノンを搭載する点である。
サテライトシステムはMk-Ⅱとなり、容量や冷却効率などの基本性能が大幅に上昇し、従来の長さの砲身1門では出力に耐えられなくなった。モビルスーツに搭載する為には砲身の大型化よりも分割化が現実的であり、同軸の2門から同時発射するビームを合成して一軸の巨大なビームとして扱うことで、サテライトキャノンの数倍以上の破壊力を得るに至った。実質的な破壊力は計測不能。その威力は一撃で島を消滅させ、数万km単位の超遠距離からコロニーレーザーを破壊、最終決戦でのサテライトキャノン同士の激突で月の3分の1近い規模の大爆発が起きる等、常軌を逸した破壊力を誇る。
また、一度のスーパーマイクロウェーブ受信するだけでガンダムエックスでは不可能だった連射も可能となっており、原作アニメでは3連射までが確認されている。
機体各部に格納式のエネルギーラジエータープレート(ビームに変換しきれない余剰エネルギーを熱放散する放熱板)を追加、ツインサテライトキャノン使用時に展開され、金色に輝き放熱を行う。また、この際ラジエタープレートから排出された高熱の余剰エネルギーが副次的に防護フィールドの様な役割を果たし、周囲にMSを近付けさせない。実際、この機能でツインサテライトキャノン発射時にフロスト兄弟のガンダムの接近を阻止する場面がある。
システムは既に認証済みのGX2号機から流用しているためニュータイプ能力による認証は必要なく、月面施設の送電システムにはGX2号機という認識で扱われている(「GX-9900 NT-002」と表記)。機体が未完成状態だったサテライトシステムの初回起動時はGX2号機と有線接続によってダブルエックス側のサテライトシステムを起動させていた。
システムの起動にもこれまでのGX系列同様にGコンが必要となり、本機には専用のGコンも製作されていたが、GXのGコンとも互換性があったため使用される事はなかった。
発射体勢に展開していない時は、折り畳まれた背部のリフレクターと砲身2門でX字のシルエットを形成している。
DX専用バスターライフル
本機専用の大型ビームライフル。
前作の主役機の武装と同名だが、特に関連性や共通点は無い。アフターウォーにおけるバスターライフルとは各ガンダムに合わせて専用の改造が施された「ガンダムタイプ用の高出力型ビームライフル」といった位置づけとなっている。
本機の物は長銃身によりビームの収束率が高く、徹底的な軽量化により取り回しにも優れる。出力も高く、標準的なビームライフルの数倍の威力を発揮する。射線上の複数のMSを撃破する事も可能等、非常に優秀な武装である。
ディフェンスプレート
左前腕に装備する小型の実体シールド。
軽量かつ取り回しが良く強靭で、文字設定上は「正規軍の装備でなければ傷一つ付ける事は出来ない」強度も併せ持つ。対ビーム処理により、ビーム攻撃に対しても優れた防御力を発揮する。人数の少ないフリーデンチームの性質上、一対多の戦闘がメインとなる為、本機にとっては防御の要でもある。ダブルエックスの登場以降は専ら正規軍相手に戦うため、たまに損壊する。エネルギーラジエータープレートのカバー装甲にマウントすることも、グリップで手持ちすることも可能。
一部の模型商品ではスケール上の都合からかグリップをオミットしているケースがある。ちなみにダブルエックスのラジエーターカバー装甲は、プレートを装備するために左腕のみ窪んでいる仕様のため、実はダブルエックスは左右対称ではなかったりする。ただしMGではフレキシブルアーム接続に変更されたため、ラジエーターカバーは左右対称になっている。
ヘッドバルカン×2
ガンダム作品では標準的な、頭部に装備したバルカン砲。小口径で牽制や威嚇、ミサイル迎撃等に用いる。
マシンキャノン×2
肩部に装備された機関砲。デザイン的には前作の彼等が装備していた物と同じ。
なぜか設定では抹消されていたり、下記のブレストランチャーと同武装扱いされたりすることが多い。
基本的には高威力のブレストランチャーが優先されるので使用される場面の少ない不遇の武装だが、一応コルレル戦で発砲描写がある。
ブレストランチャー×2
ガンダムエックスのブレストバルカンと同じ位置に装備されている三砲身式のガトリング砲。
大口径ガトリングであり、MSをこれだけで破壊可能な威力を持つ。マルチパーパス仕様でもあり、様々な弾種を発射可能。
上記の肩部マシンキャノンを勝手に含める資料もあるが、当時の設定資料や作中の描写を見る限りでは、ブレストランチャーはインテーク下部の機銃のみを指すのが正しい。
ハイパービームソード×2
ダブルエックスの白兵武装。左右スカートに一基ずつ装備されている。
出力が非常に高く、GXの大型ビームソードを凌ぐ巨大なビーム刃を発生させる、MSの単機能武器としてはAW世界で最強の武装の一つ。ガロードは初陣でこの武装を容易く使いこなし、新連邦の軍勢を次々と斬り捨てていった。
Gビット
設定のみで原作アニメでは登場しなかった。GX2号機のフラッシュシステムを移植しているため、ダブルエックスもGビットの指揮・連携機能を有しているとの設定があり、GXビットを使用することが可能。
システム自体は2号機で使われたものと同一であり、サテライトシステムと同様にGビット側からはGX2号機として認識される。
未使用武装
以下、本編で使われず放映当時1/100HGのボーナスパーツとして存在していた武装。一部はゲームでも採用されている。一応本編では格納庫を映した場面で一部だけ映っている。
初代のハイパーハンマーをオマージュした装備で打突部位はスラスター付きの鉄球となっており投擲後もコントロールが可能。またワイヤー式なので収納時グリップ部位と鉄球のみに短縮化したりワイヤー射出しない状態でもメイス的に使えなくもない。接近戦や水中戦でも威力を発揮する。
両刃タイプのビームサーベル。出力はハイパービームソードを上回る。ゲームでは他武装に比べ差別化がしづらいためかあまり登場しない。
ビーム刃の穂先を持つ実体槍。敵のリーチ外からの攻撃が可能。EXVSでは投擲武装扱いになっている。
ロケットランチャーガン
カンプピストルやRPG-7の様に大型ロケット弾頭を銃型の射出機に先込めして射出する重火器。大型弾頭の為に携行弾数は少ないが、その分非常に高い破壊力を持つ。
ゲームなどでは
Gジェネレーションシリーズ
初参戦は初代から。概ねどのシリーズでも高い基本性能とツインサテライトキャノンによる爆発的火力が魅力の機体。特にマルチロックシステムが登場したwars以降は非常に強力な機体となっている。クロスレイズではマルチロックシステムが廃止されたが、ツインサテライトキャノンが貫通属性かつ長射程、特殊射撃であらゆる敵に刺さる為、トップクラスのアタッカーとして最高難易度のインフェルノでも活躍可能。
Another Century's Episodeシリーズ
『ACE3』にて参戦。ストーリーにもガンダムXが大きくシナリオに関わる(ただしルート分岐での加入であり、別ルートだとこっちが代わりに加わる)。
やはりツインサテライトキャノンも使用可能。使うためのボタンを押してから、そのままボタンを押し続け、背面が金色に輝き粒子のようなものが出た時に、ボタンを離すと発射されという発射までに時間がかかるのが難点。これは通常のガンダムXも同様。
通常だとあまり使いやすい武装が乏しいが、経験値を貯めるとGファルコンを戦闘中に呼び出しドッキングできるようになり、多少改善される。
実は本作のサテライトキャノンは、MW受信時に月の方を向く仕様があるため月の方角の水平撃ちしかできないという難点を抱えている。
VSシリーズ
ガンダムVSガンダムNEXTの第2時解禁で参戦。通常のガンダムXと同じくコストは3000GP。パイロットはガロードとティファの二人乗り。
そしてツインサテライトキャノンは凄まじい爆風が伴う大火力ビームとなっている。
前作ガンダムXと同じく射撃CSでサテライトキャノンのチャージを貯める仕様であり、最大でストック最大3発。さらに一出撃に一回だけ呼べるモビルアシストはGファルコンであり、合体して即サテライトキャノン…とサテライトキャノン特化機体となっている。
ただし足回りはイマイチ。
また射撃CSでのチャージ中はメイン射撃が使用不可なので、射撃戦を徹底されるとサテライキャノンが使い辛くなってしまう。
- EXTREME V.S.シリーズ以降
EXVSシリーズ以降は、通常のガンダムXに代わり登場。
サテライトキャノンは時間経過でリロードされるようになり、変形コマンド入力(ジャンプボタンを押しながらレバー2回倒す)でGファルコンを呼び出しドッキングして飛行する。またGビットを呼び出しメイン射撃に合わせて援護させるアシストも実装。
MB以降ではビームジャベリンやGハンマーといった原作未使用武器も実装されている。
当初はツインサテライトキャノン頼みの機体であったがFBではガンダムエアマスターバーストやガンダムレオパルドデストロイ呼び出し追加。さらに変形時の性能や格闘性能も強化。特に横格闘は格闘機と比較されるほど。
結果的に射撃・格闘・変形といった多彩な沢を持ち、サテライトキャノンというワンチャン武装を持った使いやすいオールラウンダー機体となった。
クロスブーストの時代までEXバーストしてもサテライトキャノンは弾数回復はしなかったのだが、代わりにEXバースト中のサテライトキャノンはGファルコンとドッキングして強化したそれを発射する(SAもあったが、EXバーストでのリロード回復変更時に合わせて削除)。
バーストアタックはGビット2機と一緒にサテライトキャノンをぶっ放す。もはや殲滅兵器レベルの大爆発を引き起こす。
スーパーロボット大戦シリーズ
平成のガンダム作品の中では参戦回数は少ないがいくつかの作品に参戦している。
概ね、『高い基本性能とツインサテライトキャノンによる大火力が特徴的な機体』という位置づけの調整がされることが多く、作品によっては原作のように条件が揃わなければツインサテライトキャノンを撃てない事も。
ただし、近年の作品では高火力のGファルコンとの連携攻撃が追加され、ツインサテライトキャノン使えなくても十分な火力を出せる場合も。
最大の特徴は通常兵器版とMAP兵器にそれぞれ存在するツインサテライトキャノン。『α外伝』や『Zシリーズ』では原作通りに月が出ていないと使えない。作品によってはマップ毎に月への射線の有無が設定されており、月があるマップでは毎ターンチャージが行われ、一定ターン毎に発射が可能と、どうしても使うのにターンを有する使用となっている。
その代わり、通常盤はスーパーロボットの必殺技クラスの大ダメージであり、MAP兵器版はジム神様以外では数少ない射程無限と、どちらも強力な武装となっている(攻撃範囲は中心に空白部の在る二本の直線という形になっているが、砲身が2つ付いているのは負荷低減等の理由で二門に分割しているだけでそれぞれで個別に撃つわけではない)。
Zシリーズは初代Zからの常連だったのだが第3次Ζ時獄篇ではリストラされ、このまま終わる…かと思いきやZシリーズ完結作の天獄篇に復活参戦。 初めからツインサテライトキャノンが撃てるようになり月が出ていれば毎ターン(出てないと2ターン)発射可能に変更。
そしてMAP兵器版のツインサテライトキャノンは中心の隙間がなくなったうえ、射程も幅3マス×12マスかつ直線マスは無限という凄まじい性能となっており、精神コマンド面でもこれまでの作品では熱血止まりだったガロードが魂を取得できるので本作に登場するガンダムの中でもトップクラスの殲滅力を持つ。
立体物
放送当時に1/144、1/100スケールでラインナップを果たす。1/100スケールではリフレクターのパーツが金メッキで再現されているなど中々の豪華仕様だった。後にBB戦士Gジェネシリーズにラインナップされ、ガシャポン「SDガンダムフルカラーシリーズ」にラインナップ。
それから長い間忘れられたように立体物は出ていなかったが、2013年にロボット魂が発売。同時期にはオールガンダムプロジェクトの一環としてHGAWとしてキット化された(関節のデザインが異なるため注意)。プラモ化されたのは放送当時の1996年以来だった。そして、2015年に念願のMGが発売された。これにより20世紀までに映像化されたガンダム作品の主役機は全てMGで立体化されたことになる。
関連動画
関連イラスト
表記ゆれ
関連タグ
機動新世紀ガンダムX ツインサテライトキャノン ガンダムX Gファルコン 15年目の亡霊