曖昧さ回避
植物の植え替え
植物の株を移し植えること。農業で苗を田畑に植えつけたり(例として「田植え」)、園芸でポットで育てた草花を花壇やプランターに移し替えることのほか、大きく育った樹木を他に移し替えることもある。
臓器移植
提供者(ドナー)から提供された臓器を受給者(レシピエント)に移し替えることである。輸血も一種の移植といえる。
ドナーはドナーカード(臓器提供意思表示カード、また最近であれば運転免許の裏面など)で、自身が死亡した際に臓器提供するか否かの意思を表示することが可能である。
しかしながら、人体には他者の臓器を異物として認識し、排除しようとする働き(免疫)があり、移植された臓器は異物と認識されるため、その機能を失ってしまう。これが拒絶反応である。拒絶反応を抑えるには免疫抑制剤を飲み続けなくてはならず、様々な副作用は避けられない。
また、反対に移植した臓器の免疫がレシピエントを攻撃する「移植片対宿主病(Graft Versus Host Disease:GVHD)」という病態もある。
レシピエントどドナーが同一、つまり自らの臓器を移植する(自家移植)こともある。やけどの治療として、無事な皮膚を採取して培養してから受傷部位に移植するなど。自家移植は拒絶反応がないため、iPS細胞を応用して臓器を作り出す人工臓器製造技術の確立が期待されている。
ソフトウェアの移植
特定の機種向けのソフトウェアを別のプラットフォーム(ハードウェア、OSなど)で動かすために作り直すこと。
例えばWindowsのゲームをAndroidで遊ぶのは基本的に不可能である(逆はエミュレータを使えば可能)。これはパソコンとスマートフォンではCPUも何から何まで異なるからだが、WindowsPCとPS4のように同じCPUを使っていても、OSが異なれば同じゲームは動かない。これはCPU以外のハードウェアの仕様の違いのためもあるが、主にOSがWindowsとPS4では異なることによる。
しかし、異なるプラットフォームであっても、共通のライブラリ(ソフトウェアの機能部品のセット)を使っていれば移植にはそれほど手間はかからない。Unityなどのゲームエンジンはパソコン(Windows、macOS)だけでなくモバイル(iOS、Android)やウェブブラウザ(WebGL)、家庭用ゲーム機(PS4/PS5、XboxOne、Nintendo Switch)など多くのプラットフォームに対応し、移植にかかる手間を大幅に省けるようになった。