概要
ゲームエンジンの共有化
ゲーム機の性能が上がり、グラフィックが向上するにつれ、同時に避けられない問題として「開発費の高騰化」があった。
少し想像すれば分かるが、ひとつのゲームを作るとき、キャラクターやら背景やらをイチから作っていったら膨大な時間とコストがかかる。
特に日本では、多くのゲームメーカーが開発費を抑えられる携帯ゲーム機やソーシャルゲームに移行していったことはご存知の通り。
そこで海外では、あらかじめゲームの「土台」となる部分だけ作っておいて、それを下敷きにRPGやらアクションゲームやらを作るようにするのが一般的となった。これが現在における「ゲームエンジン」と呼ばれている代物である。
一度ゲームエンジンを作ってしまえば、キャラクターや背景だけでなく、動きやライティングやら、モノによっては地形やマップさえ、全てをゲームエンジンに任せてしまえるので、ゲーム作成における負担も軽減される。
ゲームエンジンの中にはフリーで公開されているものもある。いわば誰でもこれを使って、タダでゲームを作れる(とはいえ、商用利用の場合は開発元にもよるが一定条件ごとのロイヤリティが発生する様に一部のものではロイヤリティ向けでライセンス販売している)。
インディーゲームが隆盛になった理由の一端もここにある。少人数の、あるいは個人製作のゲームであっても、グラフィックで大企業制作のものに劣らない(原理的には)ゲームが作れる時代になったのである。
代表的なゲームエンジン
アメリカに本拠地を持つユニティ・テクノロジー製のゲームエンジン。フリーで利用でき、その汎用性の高さからプラットフォームを問わず、様々なゲームに使われている。
スマホゲーム(ソーシャルゲーム)やコンシューマー向けゲーム機のPlay Station 4、Xbox、Play Station 5、Nintendo Switchの作品にもUnity製のものが多い。
RPGツクール(Maker)といったコンストラクションツールにも採用された。
ちなみにアニメーショングラフィックエンジンのLive2D(※シェアウェア)と一緒に使える。
アメリカのEpic Games製のゲームエンジン。
元々は同社の「Unreal」というFPSゲーム用に開発されたエンジンで、これを他社に販売するようになったのが始まり。ちょうどFPSゲームが流行り始めた頃に登場したので大ヒットした。
かつては同社独占していたゲームエンジンだったが、こちらも現在は100万ドル以上の収益を得ないと言う条件だが、お金を支払わずフリーで利用可能。
元々がFPS用だったのでリアルな3Dゲームに使われることが多い。常にバージョンアップが行われている。
開発者向けとしてデベロッパーコミュニティサービスのGitHubとの連携機能がある。日本語の公式サービスが充実しており、技術的な質問をエンジン開発元に直接質問できるため、大企業のCS機向けゲームではunityより採用例が多い。(バージョンについては上記の記事にて)
『ドラゴンクエストⅪ』や『JUMP FORCE』もUnreal Engine製。
株式会社CRI・ミドルウェアのサウンドエンジン。日本製なので日本のメーカーがよく利用している、低負荷で高品質なサウンド再生が売り。スペックに制限のあるスマートフォン向けゲームでよく使われる。
その他はADXとSofdecがある。
代表的なゲーム会社独自のゲームエンジン
※上記で紹介したものとは異なり、基本的にはそれぞれのゲームメーカーの自社ゲーム作品を開発する事に限定して使用されている。
- MT_Framework:カプコンのゲームエンジン。デッドライジングやドラゴンズドグマ、開発中止のロックマンDASH3もこのエンジン。
- REエンジン(カプコン):『バイオハザード7』(バイオハザードシリーズのリメイク版)や『デビルメイクライ5』など。
- ドラゴンエンジン(SEGA):龍が如くシリーズ
- ゼブラエンジン(シティコネクション):シティコネクションがプロデュースしているゲームエンジン。同社が展開する『SATURN_TRIBUTE』で使用されている。
ect…他にも色々あるので気になる方は検索してみるとよい。
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