作風
突如襲来したドラゴンに心臓を奪われ、ドラゴンを倒すべき「覚者(かくしゃ)」としての使命を帯びてしまった主人公の冒険を描くオープンワールドアクションRPG。PS3およびXBOX360用タイトルとして発売された。
ドラゴンをはじめ、ゴブリン、サイクロプス、キメラ、グリフィン等、王道ファンタジー作品でおなじみのモンスターが多数登場する世界観が特徴で、「ポーン(戦徒)」と呼ばれる従者たちを引き連れて、広大なフィールドを旅しながら、モンスターを討伐したり、住民たちの依頼を解決してゆく。
剣、弓、魔法といった攻撃手段に加え、巨大なモンスターの体によじ登って弱点を狙ったり、鎧を纏った巨人の鎧を引き剥がしたりと、多彩な戦い方ができるのが魅力の一つ。
ポーンシステム
プレイヤーである「覚者」と、彼または彼女に常に付き従う「メインポーン」は自由にキャラクターメイキングが可能であり、条件を満たせば、容姿等を変更することも可能。
この二人のほかに、他プレイヤーのメインポーンや、あらかじめ用意された10万体に及ぶポーンの中から、最大2名のサポートポーンを引き連れ、4人パーティを構成することが可能で、自らのメインポーンを、ネットを介して他者のサポートポーンとして派遣することもできる(というよりオンラインであれば自動的に派遣されている)。
この際、宿屋に泊まった際に、派遣先からアイテムをプレゼントされ持ち帰ってきたりすることもある。また、無口である主人公が全てのムービーシーンで掛け声を出したり、悲鳴を上げたりするのも本作の特徴である。
ポーンは学習型のキャラクターであり、相対した敵の行動を覚え、その対処方法を実行していく。
高い所の敵を攻撃するために覚者(プレイヤー)のジャンプを補佐したり、高度の空から落とされた覚者を受け止める事もあり、発表当時、驚きを持って迎えられた。
ポーンは設定的には異界渡りとして知られており、人間には従順である一方で第一に付き従うのは「覚者」である。人の姿をしているが、厳密には人では無い。そのため奴隷の様な扱いをする者や異質な者として忌み嫌う人も多い。覚者の命令にはどんな命令でも従い、どんな強敵であろうとも命を賭して戦う。また、仮に強敵と戦い死んだとしても、リムと呼ばれる存在から再度呼び出すことが出来るため半ば不死身の様な存在でもある。
職業
- ファイター / 片手剣と盾を用いたバランスの良い接近戦を得意とする
- ストライダー / ダガーと弓による遠近両用スタイルに加え、巨大モンスターの体をあっという間に駆け上がる身軽さが自慢
- メイジ / 攻撃、補助、回復とあらゆるジャンルの魔法を使いこなす
という基本職のほか、上級強化職として
- ウォリアー / 両手剣、両手槌を用いて強烈な一撃を与えることを身上とする
- レンジャー / ダガーに加え、大弓による遠距離戦闘を得意とする
- ソーサラー / 広範囲に大打撃を与える範囲攻撃魔法で戦局を大きく変える
が存在し、覚者・ポーンのいずれでも習得が可能。
さらにプレイヤーである覚者のみが転職可能な混成強化職として
- アサシン / 重装鎧こそ装備できないが、片手剣、盾、ダガー、弓とあらゆる物理的攻撃手段を備え、夜間など特定の状況で圧倒的な戦闘能力を発揮する
- ミスティックナイト / 片手剣に加えてメイスと杖が使用でき、斬撃と打撃、剣と魔法の両立に加えて、魔道盾を用いた広範囲防御や自己エンチャントといった広い戦術を誇る
- マジックアーチャー / ダガーと杖、魔道弓を備え、接近戦、魔法、魔道弓と多彩な戦術がとれることに加えて、索敵能力に優れる
と、合計9種類の職業につくことができる。
基本職にも独特の長所があるため、上級強化職や混成強化職と比較して劣るものではなく、職業間で極端に強さに差があるわけでもないため、ポーンたちの職業との組み合わせも含めて、事実上の選択肢も極めて広い。
ドラゴンズドグマ
とある漁村に住む主人公は、いきなり来襲したドラゴンに宣告される。
「お前こそ、選ばれた者だ」
なぜ、自分なのか? なぜ、倒さねばならないのか?
その答えは、ドラゴンが知っている・・・
来襲したドラゴンは、主人公の体から心臓を奪い去る。
しかし、主人公は蘇る・・・
竜を倒す運命を課せられた"覚者"として。
舞台となるグランシス半島の各地に設けられた掲示板や、住民などから受注する「クエスト」をクリアしていくことで物語を進行していく形式は、同社の『モンスターハンター』を彷彿とさせるが、複数のクエストを同時に受注でき、広大なフィールドを移動しながら、様々なクエストのヒントを探していくことになるため、ゲーム自体の感覚は全く異なる。
クエストの内容は、モンスターの討伐、探し物、人物の護衛、尾行や潜入捜査まで多岐にわたり、クエスト中に他のクエストの解決策が見つかったり、あるクエストの結果が別のクエストの展開に影響を及ぼすこともあるなど、複雑に絡み合っている。
主要な登場人物
覚者(主人公/プレイヤーキャラ)
メインポーン(パートナー。いわゆる従者)
余談
- オープニングでいきなりB'zの「Into Free -Dangan-」が流れ多数のプレイヤーに困惑と衝撃を与えた。この曲は「さまよえる蒼い弾丸」を元に英歌詞を書き下ろして、様々なアレンジした物。楽曲自体は非常に良いのだが重厚なファンタジーをイメージとするにはミスマッチでありドラゴンズドグマの主題歌としては不評である。一方でインパクト自体はあり困惑と共に印象付けられたユーザーも多い。拡張版のダークアリズンでは聞けなくなっている。
- 西洋ファンタジーの雰囲気を出すためか台詞は全部英語であり、日本語非対応。日本語の字幕は出る物の小さく出るために不評であった。こちらもダークアリズンで日本語対応を行い、キャラクターに日本語音声が当てられることとなった。
- ベルセルクとコラボが行われており、ある条件でベルセルクのガッツやグリフィスの装備を買う事が出来る。このコラボはベルセルクの劇場版公開により行われたもの。ダークアリズンでは手に入れる事が出来ないが、PS3、Xbox 360版であれば、オリジナルのセーブデータを引き継がせる事により装備品を持ち越すことが出来る。
- オープンワールド型のゲームだが拠点となる場所が少なく、やや物足りない部分がある。特に活動の中心となるグラン・ソレルの他にはスタート地点であるカサディスと近辺の宿営地程度。他にも天候は晴れと曇りのみだったり、風景もあまり変わり映えしない所が多い。ストーリー自体はやや難があり、駆け足気味で最後に謎が明かされていく形となっている。
- キャラメイクの自由度は高く、老若男女が自由に作れる。一方で若い男性を主人公としてストーリーは組み立てられているので、老人キャラを作っても故郷カサディスにいる若い娘のキナとは幼馴染と言うシュールな光景が展開される。
- セーブデータを複数作れず、またキャラの成長要素と職業が絡んでいるので、ファイターでレベルを上げた後ソーサラーをやっても魔法攻撃力の少ないキャラになってしまう。完全に魔法特化職をやりたくなった場合はセーブデータを消して最初からやり直すしかない。
- クライマックスシーンでNPCとプレイヤーのラブシーンがあるのだが、このラブシーンの対象となるNPCは男女問わずであり、ノーマルカップリングもあるが、BLもGLも可能である。しかし、このゲームはNPCに話しかけると好感度は否応無しに上がっていくため、必然的に倉庫としての利用が多い「宿屋のおやじ」こと、アッサラームが最大好感度になっている事が多く、自キャラと太ったオッサンのキスシーンを見せられる事になり、阿鼻叫喚(または抱腹絶倒)となった。また、機能を持ったNPCが選ばれた場合は恋人として主人公の家に居着く事になるので、アッサラームが選ばれた場合は宿屋が使用不可になる。代替NPCは出てくる物の倉庫機能が使えないので実質不便に。ダークアリズンでは対応され、アッサラームに関しては話しかけるだけでは好感度が上がらないようになった他、仮に選ばれても完全互換のNPCが配置されるようになった。
- 上記のほかにも色々問題はあった物の、日本のゲーム会社が作った初めての本格的なオープンワールドなゲームであり、斬新なポーンシステム等の実装により評価は高く全世界で130万本を売り上げている。(日本国内であれば50万本ほど)ダークアリズンで調整を行った結果、売上は更に伸びた。
ドラゴンズドグマ:ダークアリズン
ドラゴンズドグマに追加要素や日本語の対応などを行った拡張版。
2013年4月25日発売。
主に黒呪島と呼ばれる高難度ダンジョンが追加のメインだがキャラクターなどの追加や調整も行われている。
詳細はダークアリズンにて。
シリーズ作品
ドラゴンズドグマオンライン
2015年8月31日~2019年12月5日まで運営されたMMORPG。
初代タイトルとは異なる世界・レスタニア大陸で展開される、多くの覚者たち、そしてポーンの物語である。
ドラゴンズドグマ2
ドラゴンズドグマの正当続編。
2024年3月22日発売。
10周年記念において発表された新作。世界観はそのままに、前作の並行世界として独立したストーリーが展開される。キャラメイキングの選択肢として獣人(※ネコ科)が加えられた他、エルフの集落が登場するなど、世界観の幅が広がっている。
アニメ化
2020年9月17日にNetflixにてアニメが全世界独占配信される。
ドラゴンによって家族を奪われた青年・イーサンと、彼のポーンとして顕現したハンナの旅路を描く。カサディスからの出立など原作ゲームの設定を引き継ぎつつ、復讐に燃える覚者の人間性の変質にも迫ったダークファンタジー。全7話。
『ドラゴンズドグマ』日本語吹き替え版予告編 - Netflix
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