ガッツ(ベルセルク)
がっつ
「もう再度(にど)と喪失(うしなえ)ねえ」
右前髪に若干の白髪が混じる黒髪。黒目。首筋には「生贄の烙印」が刻まれている。
失われた左腕には大砲・磁石など様々なギミックが仕込まれた鋼鉄の義手が装備されている。扱う主武器は身の丈を越す巨剣、通称「ドラゴン殺し」。
主に黒基調の甲冑を纏い、使徒達からは「黒い剣士」として知られている。以前は鍛冶屋ゴドーの仕立てた上質の甲冑を身につけていたが、現在は狂戦士の甲冑を装備している。補助武器として投げナイフ・連射ボウガン・炸裂弾などを使う。
状況によって武器や戦法を使い分け、パワーファイトのみならぬ多彩な戦い振りを見せる凄腕の持ち主である。その身のこなしも、堂々たる体躯とドラゴン殺しを振り回す姿からは想像しがたいほど俊敏で、臨機応変な戦術と合わさって、数の不利を撥ね退け敵陣を翻弄する。
ただし肉体そのものは常人と比べてかけ離れているというわけではなく、苛烈な戦闘の連続となるとさすがに疲労の色を見せる。それでも遥かに頑健だが、その大部分は精神力で補っており、つまり「肉体のスペックを鋼の精神力で無理矢理底上げしている」ようなもので、これがガッツ最大の武器とも言える。
死人となった母親から生まれたことに加え、後述する「烙印」を押されたたため、現世よりも「自身の心理や精神が現実に反映される」という幽界(かくりよ)側の人間であると推察されており、これがガッツの常識外れの戦闘力の秘密とも目されている。
かつては盟友・グリフィスの元、鷹の団の切り込み隊長として名を馳せていたが、『蝕』においてグリフィスがゴッド・ハンドになるための生贄として捧げられる。
その際に左腕と右眼を失い、悪霊や妖魔に命を狙われ続けながらも、ゴッド・ハンドと使徒への復讐のために各地を放浪している。その闘いは壮絶にして苛烈。最近では狂戦士の甲冑を使用する代償として前髪の一部が白髪化し、味覚障害・感覚障害・視野狭窄まで患ってしまっている。
首筋に刻まれた烙印は、暗闇や夜になると“闇の眷属”を引き寄せる。これらは『贄』であるガッツが息絶えるときまで襲ってくるため、彼にとってまともな睡眠は大変に貴重な時間である。
もっとも、まともな眠りにありつけたとして『蝕』のトラウマから悪夢にうなされ、ひと心地着くことさえ許されない場合も多いが……。
戦いの日々の中、思い人・キャスカを「守る」事と、グリフィスに「挑む」事を己の魂に問い続ける。
『蝕』の直後はかなり荒んでおり、使徒をサディステックなまでに切り刻み、血塗れで哄笑するなどの狂いっぷりを見せていた。また、自分の戦いに誰が巻き込まれようと関知しないと言い放ち、押しかけ相棒のパックをドン引きさせている。
ただしこれは烙印に引き寄せられる魔物たちから、自分以外の人間を守ることが困難であることにも理由があり、事態に巻き込んでその運命を変えてしまった相手に対しては度々自責の念を覚え、時には涙を見せることもあった。
- もともとガッツには、その愛情に飢えた育ちのためかかなり繊細な部分があり、キャスカとの会話や短編読み切りでのエピソードでそうした性格が描写されている。
こうした事情や、かつての仲間たちを凄惨な形で失った(しかも原因を辿れば自身にも責任の一端がある)経験から、他人と関わることを避けていたガッツだが、パックを始めとして次第に旅の連れ合いが増え、彼らとの信頼関係が深まるにつれ、少しずつ変化が現れてきている。
というより、鷹の団時代も不愛想でこそあれ仲間と普通に交流していたので、時を経て精神が落ち着いていく中で「地が出てきた」と言うべきだろう。
ただし使徒への憎悪、理不尽に対する己の非力さへの怒りは、今なお心の奥で燃え滾っている。
狂戦士の甲冑を初使用したとき、暴走を止めるべくシールケがガッツの精神へダイブしたことがあり、この時ガッツは「黒い狼」を象った自らの怨憎と対峙していた。
この「黒い狼」は言わば【ガッツの復讐心】の化身であり、狂戦士の甲冑を運用するようになってからは、悪夢の中で狼と問答することも増えていった。
ちなみに、その精悍な面構え、恵まれた筋肉質の体躯、全身を覆う激戦の痕に苛烈極まりない生き様からは到底想像もつかないが、彼はどう多く見積もっても20代前半である。
- 『ベルセルク オフィシャルガイドブック』をもとに執筆した上記プロフィールによると推定年齢24歳、下記の経歴から劇中の時間経過を計算すると22歳となる。
そんなこともあって「日本漫画作品で最もハードな人生を送る主人公」の一人に名を連ねている。
経歴
0歳
- 正確な出身地は不明。臨月だった母親は赤子を胎内に宿したまま死亡(経緯は不明ながらも処刑されたようであり、惨い最期だったようである)。木に吊るされた母の死体から重力により引き出され、ガッツはこの世に生まれ出た。その場を偶然通りかかった傭兵団に発見され、団長のガンビーノと彼の情婦シスに拾われる。
3歳
- 養母のシスがペストに罹患し、死去。
6歳
- ガンビーノより傭兵として生き抜く術を叩き込まれる。稽古の最中、偶然当たったガッツの剣にガンビーノが逆上し、ガッツの鼻柱を一閃。痕は後々まで残る事になる。熱に浮かされる中、団員達の会話から自分の出生を知る。
9歳
- 初陣。初めて人を斬る。その夜に団員の一人ドノバンに襲われ、自身がガンビーノに銀貨3枚で男娼として売られた事を聞かされる。翌日の戦いでドノバンを流れ矢に見せかけて殺害した。一方、主戦場で戦っていたガンビーノは砲撃を受けて右足を失い、戦線から離脱。荒んだ生活を送る。
11歳
- 雷雨の夜、泥酔したガンビーノに自テント内で斬りかかられる。その際、2年前の初陣の夜、ガッツをドノバンに売った事は事実であり、ガッツを疎んじていたと告白される。抵抗したはずみでガンビーノを刺殺してしまい、傭兵団を脱走。(旧テレビアニメ版では上記3歳~9歳のエピソードはカットされ、この時に鼻の傷がついた事になっている)
- その後は独り身の傭兵として戦地を転戦し、宛ての無いその日暮らしが続く。この時期に自身の体格に合うような剣がなかったことから、「だんびら」のような大振りな剣を扱うことが自然と身についていく。
15歳
- 戦乱の最中、全てにおいて天才的な少年であり傭兵団「鷹の団」団長、グリフィスと出会う。その後、紆余曲折を経て入団、グリフィスと友情を結び、「鷹の団」でも指折りの戦士として成長していく。
18~19歳
- 百年戦争を戦うミッドランドで「鷹の団」が正規軍にまで上り詰める中、ガッツも切り込み隊長に任命され、団内最強の剣士として数々の武勲を打ち立て、いつしか「百人斬りのガッツ」の異名で知られるようになる(実際に百人かそれ以上の傭兵を一人で薙ぎ倒している)。ガッツ自身も、鷹の団とその仲間たちを“自らの居場所”として大切に思うようになる。だが次第にグリフィスの理想に埋もれている現状に疑問を持ち、またキャスカとも次第に惹かれ合っていく。そして「グリフィスと対等でありたい」という思いから、グリフィスを決闘で下して鷹の団から離脱。鍛冶屋のゴドーの下に寄宿し、剣の腕を磨く遊行と修行の日々を送る。
20歳
- 鷹の団がミッドランドから謀反人として追われていると聞き、助太刀に入る。そして団長代理を務めるキャスカと再会し、互いの想いを再確認し、結ばれる。グリフィスを脱獄させることに成功するも、グリフィスが引き起こした『蝕』により、髑髏の騎士に救われた自身とキャスカを残して団は壊滅。ガッツ自身も右眼と左腕を失い、首筋に烙印を刻まれて魔に追われる、呪われた身の上となる。さらにキャスカは、『蝕』の際に使徒に転生したグリフィスに凌辱され、発狂して幼児退行を起こしていた。その影響でガッツとの間に出来て宿していた子供も魔の存在となって生まれ落ち、何処ともなく去ってしまう。ゴドーの下にキャスカを預け、使徒殲滅の為にあてもなき復讐の旅路に赴く。ここまでの経緯が「黄金時代」のタイトルの元、過去編として描かれた。
22歳~
- 『蝕』より2年程が経過した頃。物語が始まった時点で本編の時系列。形振り構わないそのやり方から多くの悪縁をばら撒いてしまい、法王庁から異端の徒としてお尋ね者にされる。妖精・パックとの偶然の出会いをきっかけに、再び彼の強さに魅かれて旅の仲間たちが集うようになり、仲間を魔から守りながらもゴッドハンドへの復讐の念を拭えぬまま、旅を続けている。
旧TVアニメ「剣風伝奇ベルセルク」(1997年-1998年放送)およびゲーム版(1999年・2004年発売)での声は林延年(現・神奈延年)が担当している。
アニメ版の幼少期ガッツは福島おりね、三浦智子(23話のみ)。なお、23話については、グリフィスの夢の中に出てきた「グリフィスとキャスカの間に産まれた子供がそう名付けられている(つまりグリフィスの妄想の産物)」であるため、厳密にはガッツの幼少期ではない。
2012年2月公開の映画版・および2016年の新TVアニメ版では俳優の岩永洋昭が声優を担当している。なお岩永氏は劇場版が声優初挑戦。
劇場版の幼少期の声優は井之上潤(ただしガッツの悪夢の中であるため、映像や音は意図的にノイズが掛けられており、非常に聞き取りづらい)
ベルセルク 鷹の団 ドラゴン殺し 黒い剣士 黒い剣士一行 グリフィス(ベルセルク) キャスカ パック(ベルセルク) ガンビーノ
産女:死んだ妊婦の体から実際に胎児が押し出されることはあり、その現象が奇怪な伝承を生むことになった。ただし通常は母体が死亡すると胎児も死亡することになる。
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本文および挿絵はAI生成物です。 AI生成物に嫌悪感をお持ちの方はお戻り下さい。 明らかな原作改変、独自設定、独自展開を含みます。 原作至上主義の方はお戻り下さい。 以上の点を許容できるという奇特な御方のみ、どうぞご笑覧ください。 グリフィスが女性で、かつ原作単行本8巻『凱旋』~『栄光の瞬間』より分岐しています。 拙作R-18小説「もしグリフィスが女で、生理中のキャスカの代わりに前線に出てガッツと二人きりになったら」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22552429)の後の時間軸になります。 1.ベルセルクのメインヒロインはキャスカではなくグリフィス説を知る 2.グリフィス女体化という概念を知る 3.グリガツCPを知る 4.ジュドキャスCPを知る 5.しかしジュドキャスの供給不足に悩む 6.「誰も書いてないならAIさんに書いてもらえばいいじゃない!」←今ココ ハーメルンにも同時投稿しています(挿絵なし) https://syosetu.org/novel/349138/28,363文字pixiv小説作品