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運転免許

うんてんめんきょ

運転免許とは、自動車(二輪車を含む)などの運転を許可されていることを示す免許証。
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概要編集

公道での自動車(四輪車・二輪車・特殊自動車)の運転を許可されたことを証明する免許証であり、国により制度は異なる。


これは法律で決まった用語であり、例えば航空機などのライセンスにはこの用語は用いられない。


日本の運転免許証編集

日本の制度では公安委員会警察庁の管理監督を受ける国家資格業務独占資格)のひとつ。

携帯可能なカードサイズになっており、定期的な更新手続きが必要である。


現在は徐々にICカード化が進められている。運転免許が必要なのは公道を走る場合なので、運転免許を持っていなくても私有地内を走ることはできる。


身分証としての機能編集

免許証は本人であることを証明するため写真入りになっており、「写真つきの身分証明書」として使える代表格のため、深夜青少年が出入りを条例等で禁じられるゲームセンターカラオケボックスや、18歳未満の未成年が出入り出来ない施設、例えば風俗店などや、成人でないと購入出来ないもの、例えば煙草R-18グッズ等を購入する際の身分証として用いられることがある。


近年では転売ヤー対策として人気アイドルやLDHなどの大手事務所ダンスグループや歌手の激戦ライブでも入場時身分証チェックが行われることが多く、免許の提示が必要になることがある。


身分証明書としての機能はパスポート(日本人の場合)や在留カード(外国人の場合)、あるいはマイナンバーカードでも代用できるのだが、これらを持っておらず、高齢などを理由に免許証を自主返納した場合、希望があれば「運転経歴証明書」を発行してもらえる。見た目は免許証とほぼ同じであり、身分証としても機能するが、当然ながら運転はできなくなる。


取得編集

各地の運転免許センターで技能試験と筆記試験が行われており、この両方に合格することで交付される。


所定の自動車学校で教習を受ければ、技能試験は免除されるため、こちらの方法で取得するのが一般的。

 自動車学校に通わず、直接運転免許センターで技能試験を受けることを「一発試験」と俗称するが、この合格基準は自動車学校の卒業検定より格段に厳しい。また、練習のために広い私有地、ぶつけても問題のない自動車などが必要になるため、この方法で取得する人はめったにいない。


海外で免許取得後3か月滞在で日本の免許証に書き換えることが可能であり、一部の国では実技等が免除される。この方法は過去裏技的に使用されたため、「免許取得後3か月滞在が必要」など現在では運用が厳しくなっている。

 

能力に伴うものであるため、有効期間が存在し、3年または5年に一回講習を受け直さないと更新されず期限切れ(ただし過去に取得したという証明にはなる)になってしまう。また、交通違反を繰り返すと、点数がつき、それがたまりすぎると取り消しになり、余りにとりすぎた場合には欠格期間( 再取得禁止期間 )が定められる。


免許の色編集

取得後すぐは、有効期限のマーカーラインが黄緑色であり、3年間有効。1年以上後に更新すると、ラインが青になる。こちらも3年間有効。免許取得後、通算5年間無事故無違反を通すと、ラインが金色になり、「優良運転者」(通称ゴールド免許)となる。有効期限が5年に延びる他、更新の際の講習が短くなる、保険料が割引になるなどの特典が受けられる。


ただし、あくまで取得してからの期間しか考慮に入れていないため、ペーパードライバーであっても、無事故無違反であればゴールド免許になれてしまうことがしばしば問題視される。


日本の運転免許の種類編集

大型自動車免許編集

車両総重量11トン以上のトラック、または定員30人以上のバスを運転する際に必要。免許証には「大型」と記載される。21歳以上かつ運転経験3年以上の者が取得できる。尚、2007年の法改正で教習車がそれまでの11トン車から20トン車に変更されたため、ある程度以上の規模を持つ教習所でしか取得できなくなっている。

なお自衛官など職務上必要と認められた場合は例外として19歳から取得できる。ただし上述した法改正に伴い、自衛隊で取得した大型免許で操縦できるのは自衛隊車両に限定され、運転の条件等に大型車は「自衛隊車両に限る」と記載されいる。このため年齢確認などで免許証を見られると一発で自衛官だとバレる。


中型自動車免許編集

車両総重量7.5トン-11トン未満、定員11-29人の車両を運転する際に必要。免許証には「中型」と記載される。20歳以上かつ運転経験2年以上の者が取得できる。教習には11トン車(かつての大型の教習車)が使用される。

    • 制定前(2007年6月1日)までに普通自動車免許を取得した者は(制定前の大型一種免許及び大型二種免許取得者含む)、これの限定免許扱いとなり、車両総重量8トン未満の車両まで運転出来る。
    • 従来の普通免許は運転可能な上限が大きすぎる、大型とのギャップがありすぎるという指摘があったため、その間を埋めるものとして制定された。

準中型自動車免許編集

車両総重量3.5トン-7.5トン未満、定員10人以下の車両を運転する際に必要。2017年3月12日より制定された、免許証には「準中型」と記載される。教習には5トン車(最大積載量2トン)のダブルキャブ車が使用されるケースが多い。18歳以上であれば普通車の運転経験がなくても取得できるので、運送関係やガテン系の企業、農業、林業、漁業等に就職する予定の人は必然的にこちらを取得することになる。

従来の中型免許は、運転歴が2年以上ないと取得できなかったため、高卒すぐに運送会社などに就職する人が、しばらく小さな車しか運転できず困るという弊害を取り除くために制定された。「中型免許制定の際にできた8トン限定免許をそのまま準中型にすればよかったのでは」とも言われたが、運転できる総重量に0.5トンの差が付けられた理由は不明。

制定前(2007年6月2日~2017年3月11日)までに普通自動車免許を取得した者は(制定前の中型一種免許及び中型二種免許、大型一種免許及び大型二種免許取得者含む)、これの限定免許扱いとなり、車両総重量5トン未満の車両まで運転出来る。

2017年12月時点での取得者は約1万人であり、その半数が18歳、つまり制限年齢に達してすぐ取った人であった。流通業界からも「若い人を採用しやすくなった」という声が上がっており、制定の目的はおおむね果たされたようである。


普通自動車免許編集

車両総重量3.5トン未満かつ最大積載量2トン未満、定員10人以下の車両が対象。免許証には「普通」と記載される。準中型同様、18歳から取得可能。中型以下の、具体的には小型ピックアップライトバン乗用車のほぼ全て(上記条件が満たされれば 軽自動車オート三輪トライクミニカー含む )が該当する。なお3tトラックは最大積載量に抵触するため不可能。また一部のキャンピングカーや小型トラックのグレードによっては最大総重量に抵触する為、5トン限定準中型免許以上の上位免許取得が必要である。


大型特殊自動車免許編集

キャタピラ式や装輪式など特殊な構造をもつ作業車を公道で走らせる際に必要となる免許。免許証には「大特」と記載される。工事現場などでの作業にはまた別の資格( 車両系建設機械、移動式クレーン運転士など )が必要となる場合がある。教習車および試験車にはホイールローダーがほぼ全てで使用される。

なお、「カタピラ限定」という限定免許もあるが、事実上陸上自衛隊戦車で公道を走るときのための免許である。一般人が取得するメリットは全くない(通常の大型特殊だけで十分)ため、民間で教習を行っている教習所が存在しないレアな免許である。免許証に「カタピラ限定」と但し書きがあれば、高確率で自衛隊経験者だと判断できる。


大型自動二輪車免許編集

大型自動二輪車( 総排気量401cc以上 )の免許。免許証には「大自二」と記載される。1996年にそれまでの自動二輪免許が「大型二輪」と「普通二輪」に分けられて以降、大型については満18歳以上でなければ取得できなくなった。その代わりに同年から自動車教習所での教習が開始された。

なお勘違いされることも多いが、1975年中型限定免許が設定され、限定なし二輪は試験場での一発試験のみとされた後も満16歳以上であれば試験(中型からのステップアップ組も含めて合格率は6-7%程度)を受けることはできたので、かつては16歳の誕生日とともにナナハンも(確率は極めて低いが)可能ではあった。


普通自動二輪車免許編集

総排気量51-400cc以内の自動二輪車の免許。一部の3輪の車両を含む。免許証には「普自二」と記載される。原付同様、16歳から取得可能。

また1996年以前に自動二輪車中型限定免許を取得して限定解除審査を受けていなかった人は更新時に同免許に移行している。


小型特殊自動車免許編集

特殊自動車の内、「大型」に該当しない車両。具体的には小型かつ低速の特殊自動車及び高速度が出ない農耕用作業用自動車など。免許証には「小特」と記載される。普通自動二輪以上の免許に含まれているため、通常は16歳以上18歳未満でトラクター田植え機などを公道で扱いたい人か、フルビッター、すなわち運転免許の種目を全部埋めようとする狙いの人くらいしか受験しないと思われる。

かつて暴走族対策で、いわゆる3ない運動が行われていた時代は、ほとんどの千葉県立、愛知県立等の高校で生徒の免許取得を校則で禁じていた。しかしながら、免許を取った生徒全員が暴走族になるわけでもないのに、一律に免許取得を制限するのはおかしいとの反発を覚える生徒も多かった。こういった校則の多くは2輪免許のみを対象としていることが大半であった事情から、一部の生徒会役員などが、学校への3ない運動抗議の意思表示として、16歳で取得可能な唯一の4輪免許である小型特殊免許を取得することも多かったと言われる。


原動機付自転車免許編集

総排気量50cc以下のバイク、あるいは20㏄未満の3輪以上の車、所謂「原チャリ」の免許。免許証には「原付」と記載される。小型特殊免許と合わせ最も短期間かつ安く取得出来る免許であり、16歳から取れるため中卒で自活する人にはあると何かと便利(昨今は高校入学がベターで16歳で取るのは嘗ての管理教育同様の風潮となっている)。


けん引自動車免許編集

車両総重量750kgを超える被けん引車両(トレーラー)を牽引する際に必要な免許。免許証には「けん引」と記載される。尚、「牽」の字が常用漢字対象外のため、「けん引」という表記となっている。

ちなみに被けん引車両の総重量が750kg以下、あるいは750kgを超える車両でも故障車であればけん引免許は必要ない。


第二種運転免許編集

旅客自動車(タクシー路線バス観光バスなど)を旅客運送のため運転、または運転代行をする際に必要な免許。準中型免許、二輪免許及び小型特殊免許には存在しない。けん引免許には二種が設定されているが、対象となる車両は非常に限られており、ごく一部の観光地で運用されているのみ。


仮運転免許編集

大型・中型・準中型・普通いずれかの第一種免許を取得しようとする者が路上教習を受ける際に必要な免許。「仮免」とも呼ばれる。有効期間は発行から半年。


国際運転免許証編集

自身が運転免許証を保有する国や地域以外での自動車運転を可能にするもの。これ単体では運転免許にならず、あくまでも本来の運転免許証に付随することが必要。


国際運転免許に関する条約はウィーン交通条約とジュネーヴ交通条約の2種類があり、日本は後者のみ締結している。日本で発給された国際免許で運転できるのはジュネーヴ交通条約締約国のみなので、ウィーン交通条約を締約した国で発給された国際免許を所持していても日本で運転することはできない(ただしドイツはウィーン交通条約締約国だが日独二国間の取り決めで国際免許が使用可となる)。此れ等以外の国々でも日本の運転免許証の当該国語訳が証明されれば運転が認められるが、当該国交通規程は守って欲しい。


余談編集


取得のための免許試験は◯×方式だが、その正解が理不尽すぎることで有名。


問題:原動機付自転車は時速50kmで公道を走ってはならない。

問題:夜の運転は危険なので気をつけて運転しなければならない。



正解は二つとも×である。理由は『時速30kmで走ってならないから』『夜じゃなくても気をつけて運転しなければならないから』という、日本語が不自由というか、命題がちゃんとしていない答えである。問題傾向としては『じゃあ〇〇ならいいのか?』という難癖をつけると考えやすい。


問題:運転中運転席から空き缶を投げ捨てては行けない。


この問題も『空き缶以外ならいいのか?』と考えて×と考える事ができる...と思いきや普通に◯だったりするので、理不尽と言われる。


ちなみに上皇陛下皇太子時代、秋篠宮殿下高円宮憲仁親王殿下は学生時代に民間の自動車教習所で取得、雅子皇后陛下や紀子妃殿下、憲仁親王妃久子殿下は民間人時代に自動車教習所で取得したエピソードがあり、前者はまだ大らかさがあった。また黒田清子氏や小室眞子佳子内親王殿下瑶子女王殿下は皇族と言う理由で個別で自動車免許取得したエピソードがある。ちなみに天皇(今上)陛下は免許取得していない。

但し皇族は我々民間人とは異なり免許取得や更新は個別で行われる。詳細は皇室をチェック。


関連項目編集

自動車 バイク

免許証 身分証明書

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