歴史
元々は遊技場と呼ばれていた。初期はピンボール台や射的台、エレメカなどが置かれているような複合の遊技施設であったが、ビデオゲームの登場および1978年のスペースインベーダーのブームにより、インベーダーハウスと呼ばれるビデオゲーム主体の大小の遊技場が広まって以降はゲームセンターと呼ばれるようになっていった。
当時は学校やPTAから「勉強の邪魔」「無駄遣い推奨」と激しく敵視・蔑視され、大半の中学高校が校則でゲーセンへの立ち入り・アーケードゲームのプレイを禁止したため客層が偏り、ゲーム代欲しさからのカツアゲなどもあって「不良の溜まり場」扱いされることも多かった(風営法規制の対象になっている一因)。
ゲーム業界は、上記および女性が立ち寄り難いというイメージの払拭に腐心するようになり、業界内ではゲームセンターをアミューズメント施設と呼称するようになる。
また、その後のファミコンブームでのゲームの普及、UFOキャッチャー・プリクラ等ゲームファン層以外へのアピールなどもあり、現在は一般的な遊戯施設の1つというイメージが強いが、教育界からの偏見はなお強く、制服で訪れることは危険が伴う。
90年代の家庭用ゲーム機の高性能化以降は上記の校則に加え「態々ゲームセンターまで行く必要もない」「家庭でもインターネットで対戦プレイが可能」などのことから衰退していっており、家庭用には向かない大型筐体や、プライズゲームやメダルゲーム、レースゲーム、体感ゲームなどが主流となっている。
また、コンプライアンス上完全な形で家庭用ゲーム機で復刻版が出ることが絶望的な脱衣麻雀などのアダルトゲームをプレイできるのも利点。動画サイトでもお色気シーンをまとめた動画が出回っていない時にはゲーセンに行くのが1つの手。ただし令和期になるとその手のアーケードゲームは「古いゲームセンターを何店舗か探せばある」程度には置いてある確率が下がっているので注意が必要。
2020年代に入った現在ではゲームセンターはどちらかというと「定年退職者など高齢者の溜まり場」というのが実態である。パチンコ業界の斜陽化、その業界に対する風当たりが強くなったことから、パチンコ愛好家がゲームセンターに流入したという見方もある。現に、パチスロのようなスロットシステムを導入したメダル落としゲームが登場するなど、高齢者層に歩み寄った設計のゲームも見られるようになった。
2000年代から徐々に飲食店、旅館、ホテルなどに置かれた小規模な店舗は減少傾向にあり、代わりに商業施設に置かれた大規模な店舗の相対数が増加傾向にある。2006年の大店法の改正でデパートが衰退し、その影響もあって店舗数的には減少しているが規模的には大きくなっている。実はラウンドワンやGiGOといった大規模ゲームセンターに限っては、ゲームセンター市場は成長産業であったりする、という意見もある(2023年時点)。
ゲームセンターのゲームの中でも、景品ゲームに限っては家庭に代替ゲームが存在しないことから成長している分野として知られ、大規模ゲームセンターはそれに重きを置いている面がある。
ゲームセンターは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法などと通称される)の「風俗第五号営業」として法規制の対象となっている。「午前0時から朝6時までの営業は原則不可」などの規制は、風営法の規定に基づくものである。風営法適用対象の業態としては例外的に満18歳未満の者が客として出入りできる業態であるため、「満18歳未満の者は午後10時以降店舗への出入り不可(都道府県条例により、満18歳未満の者について午後6時から午後10時以降の時刻を定め、以降の店舗への出入りを不可とすることができる)」という特有の規制も存在する。
なお、ゲームセンターにおいてアーケードゲームの対戦大会が開催される場合は、優勝しても金品を賞品にすることが風営法の関係でできない。その為その手の大会が開催されるのは地方予選扱いとして本大会に進む者を決める勝負となる。
賞金を設けた大会本戦がゲームセンターではなくイベント会場になるのはその為。もっと言うと賞金も主催者ではなく協賛企業からというケースが多い。
ゲームセンターとゲームコーナーとの違い
似たようにアーケードゲームの筐体が置かれている施設をゲームコーナーと呼ぶことも多いが、これらの定義は実際には異なる。
ゲームセンターは独立した店舗(路面店)を指し、風営法の許可が必要になる。また18時以降は16歳未満の人は入店が出来なくなる。
一方、ゲームコーナーはというと、筐体が置かれている施設がショッピングモールなどと同化していて商業の一角に過ぎないものを指し、風営法の許可は必要ない。このため18時以降は16歳未満の人がいても問題ない。
ただし、ゲームコーナーを名乗るためには所謂「専有面積」(店舗全体の床面積に対するゲームコーナーの面積)が規定割合以下である必要がある。当然、ゲームセンターの一角に駄菓子コーナーを置いた程度では風営法から逃れられない。
要するに上記のスペースインベーダーブームに乗っかって筐体が設置された街角のスーパー・デパート・駄菓子屋・遊園地・ホテルや旅館施設・本屋・模型屋などはゲームコーナーに該当する。
逆に秋葉や池袋などによく見られるセガやタイトーステーションといったアミューズメント特化施設がゲームセンターの類である。
また例外として、トレーディングカードアーケードゲームは「カードを買ったおまけでゲームができる自動販売機」を名乗っているので、ゲーム機扱いされなかったりする(=何台設置しようともゲームセンター扱いされない)。当然「カードの自動販売機」を名乗るには、「ゲーム開始より前にカードが排出される」等の条件がある。
特殊な例
パチンコ・パチスロは風営法での「4号営業」に基いた店舗だが、現在のホールから法規制等で消えた台(いわゆる珍古台)を使った営業を「5号営業」であるゲームセンターとして行う事が実はできる。当然だが、5号営業では出玉を景品に変える事は通常のゲームセンター同様できない。
また、カジノゲーム自体のみ遊べるアミューズメント目的のカジノバー(裏カジノとは違う)も「5号営業」である。
両替機について
ゲームセンターに必ずある両替機は、ゲームセンター内で硬貨を使う(循環させる)為の両替として想定したものであるので単に札もしくは500円玉から小銭に崩す目的の使用は禁止されている。
これは、ゲーム以外の目的で大量に両替された日にはゲームセンター内で循環させる為の硬貨が不足してしまい、店側が銀行等の金融機関から手数料を払って売り上げから両替して硬貨を補充しなくてはいけなくなるからである。ちなみに他のところで両替というのも不利益に繋がるので注意。
特にコミケといった硬貨が多く使われる場で使用する目的での両替において、銀行での両替の手数料をケチる為にゲームセンターの両替機を利用する不届き者も中にはいる。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
エレメカ クレーンゲーム/UFOキャッチャー メダルゲーム ミドリフグ
ゲームセンターあらし 月影一平太(初登場時はゲーム代をカツアゲをしていた)
外部リンク
pixivision
- 【思わず連コイン】ゲーセン特集 - pixivision(2016年4月14日)
- 100円硬貨を握りしめて!ゲームセンターを描いたイラスト特集 - pixivision(2018年2月20日)
- 思い出の拠点。ゲームセンターを描いたイラスト特集 - pixivision(2024年1月12日)