概要
タイトーがブロック崩しゲームを喫茶店に納入するために、1976(昭和51)年に開発した業務用ゲーム機の筐体。その2年後の1978(昭和53)年に同社から発表された『スペースインベーダー』の大ヒットで全国に普及した。
その名のとおりテーブルのような形をしており、飲食物も置ける広さを持ったフラットなガラス製の天板の下にスクリーン(ブラウン管)とインストラクションカード(説明書)がある。コントロールパネルは前面と後面に取り付けてある。二人で交互にプレーするゲームの場合はプレー交代(1ミス、ゲームオーバーなど)毎に画面表示が反転するようになっている。
その後、風営法の影響などもありテーブル筐体の需要は減少。また、テーブル筐体では遊ぶ際の姿勢が悪くなりやすい、陽光の反射で視認性が悪いなど不便さが目立つようになり、1985(昭和60)年頃からは正面を向いて遊べる、制御卓の様な形のミディタイプ筐体とよばれる筐体や、アップライト筐体に徐々に取って代わられていった。現在の製品では一部の多人数プレイを売りとするゲームが専用のテーブル筐体として生産される程度である。
昭和レトロの象徴としてミニチュアで再現されたり、実機として使える製品が新規に生産されたりと細々とした需要は今もあるようだ。
また個人では故障したテーブル筐体をレストアして、最新の家庭用ゲーム機やWindowsPCを入れるなどの事例もみられる。
英語圏では"Cocktail Cabinet"と呼ばれている。日本では喫茶店がメインの納入先だったが、アメリカではバーやパブに置かれることが多かったことからこの呼び名になった。
余談
- タカラトミーアーツからは2009年に、この筐体を模した『インベーダー貯金箱』(1/6スケール)が発売されたこともある。2023年6月には遊びやすくリニューアルされたものが再販された。100円玉を入れ実際にプレイできる。
- このリニューアル版はDreamGear社から発売されていたアップライト型の機構を、テーブル筐体型の外装に収めたものようで、内容はファミコン版インベーダーに近いようである。