NAOMI
なおみきばん
当時セガが社運を賭けて開発していた次世代ゲーム機ドリームキャストの基板と互換性をもたせることで、性能はやや控えめながらもそれまで主力だったMODEL2基板やMODEL3基板をはるかにしのぐ低コストと生産性をもたせることに成功。90年代末から00年代中盤にかけ汎用/専用筐体いずれでも、ジャンル問わず多数のゲームがリリースされた。(※実質、日本国内では2009年稼働の『ラジルギ ノア』(マイルストーン)まで同基板が使われたことから、MVS基板に次ぐほどの息の長い基板であったことが窺える)
それまでの主力であったMODEL3を凌ぐスーパーモデルたれ、として当時人気モデルであった「ナオミ・キャンベル」の名前にあやかりNAOMIと命名。公式には"New Arcade Operater's Machine Idea"の頭文字を繋いだ略称とされているが、これは公式発表の直前で決まった後付けの名称だったという。
旧式化にともない修理サポートは2017年で打ち切り。
- CPU:日立SH-4(200mhz)
- GPU:PowerVR(理論上300万ポリゴンを演算可能)
- RAM:32MB
- VRAM:16MB
- サウンドメモリ:8MB
- サウンド:PCM音源64ch
- ストレージ:GD-ROMまたはROMカートリッジ
※メモリ容量はドリームキャストより2倍多い(サウンドメモリは4倍)。
NAOMI2という上位互換基板が存在する。NAOMIのゲームも動作する。
SYSTEM SP・・・NAOMI基板のGD-ROM機能部等をSoCに集約化させた基板。メダルゲームやキッズアーケードで主に使われた。ソフトウェアはコンパクトフラッシュで供給されるのが特徴。『ムシキング』の後期シリーズ、『恐竜キング』、『ラブandベリー』でも採用されている。
ATOMISWAVE(アトミスウェイブ)・・・NAOMI/Dreamcastの余剰部品をセガから譲り受け、NAOMIのアーキテクチャーを流用して開発されたサミーのAC基板。メインメモリ(RAM)がドリームキャストと同容量(16MB)の他はNAOMIと同じスペック。ソフトウェア供給はROMのみ。2003年の「デモリッシュフィスト」(開発:ディンプス)がデビュー作で、日本国内では2006年の「メタルスラッグ6」(開発:SNKプレイモア)まで計14作品がリリースされた。
「ROMカートリッジをマザーボードから外した時点でゲームのバックアップデータが初期化される」という仕様が一部では問題視された。(例えば格闘ゲームなどでタイムリリースキャラを一度開放しても何らかの事情でROMを抜くとそのデータが全て消えてしまう等)