概要
MODEL2の後継となるセガのアーケードゲーム用基板。3D部分にはロッキード・マーティン(元マーティン・マリエッタ)と共同開発したReal3D/PRO-1000を搭載した。
MODEL2から様々な機能が大幅に強化されており、特にポリゴンの輪郭を滑らかにするアンチエイリアス機能、アルファチャンネル(透明度)を自由に設定できるアルファブレンディング、鏡面反射を表現するスペキュラーリフレクション、グーローシェーディング、スポットライトなど、現代の3Dグラフィックに連なる多くの表現が可能となった。家庭用機でこれらの機能を全て賄えるようになるには1998年のドリームキャスト、2000年のプレイステーション2を待たなければならない。(アンチエイリアスについては実用されるのはさらに後、PS3やXbox360の世代である)
サウンド面では、ヤマハ製のSCSPを搭載し64チャンネル再生を実現しているほか、MPEG再生ボードを追加することで圧縮音源のストリーミング再生を可能とした。スカッドレースやデイトナUSA2では、生ボーカル入りBGMという形でこの恩恵が現れている。
当時としては最高峰のハイスペック基板であったが、1998年にドリームキャストをベースとした廉価なアーケードゲーム基板「NAOMI」が登場してからは、それまでMODEL2やMODEL3の領分だった大型筐体にもNAOMI採用製品が増えていった。MODEL3のような高性能基板の系譜はこのあとSEGAHIKARUに引き継がれるが、それ以後はPCアーキテクチャを元とした基板へと移行していくこととなる。
こちらもCPUクロックの違い等で4つのバージョン(Step 1.0, 1.5, 2.0, 2.1)が存在する。
部品調達難に伴い、2017年3月31日で修理サポートは打ち切りとなっている。
仕様
- CPU:IBM PowerPC 603(32ビット・66MHz動作……後期版であるStep2.0及び2.1では166MHz動作まで引き上げ)
- GPU:ロッキード・マーティン Real3D/Pro-1000 ×2(演算200万三角ポリゴン/秒、描画6000万ピクセル毎秒)
- RAM:8MB
- 出力解像度:496×384(水平周波数24kHz)
- サウンド:ステレオPCM音源64ch、MPEG再生ボードを追加可能
- エフェクト:フルカラーテクスチャマッピング、トライリニアフィルタリング、アンチエイリアス、アルファブレンディング、スペキュラーリフレクション、フラットシェーディング、グーローシェーディング、スポットライト他ライティング、など