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オシャレ魔女ラブandベリー

おしゃれまじょらぶあんどべりー

2000年代を代表する、セガの女児向けトレーディングカード・アーケードゲーム。通称はラブベリ。
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セガ(のちのセガ・インタラクティブ)より2004年から2008年にかけて展開された、女児向けトレーディングカードアーケードゲーム。(いわゆるTCG)通称はラブベリ

同時に関連メディアミックスの総合名称でもあるが、その展開には企画意図に伴う一定の方向性がかけられている。その意味からもラブベリのメディア展開は、本作以前および本作以降に発表された他の女児向けの方向性からは一線を画している

のちの『アイカツ!』(バンダイ)や『プリティーシリーズ』(タカラトミー)に至る少女向けファッションカードゲームの嚆矢とすら呼ばれるパイオニアにして金字塔である。

概要

2004年10月よりデパートのアミューズメント施設や、地域ストアのゲームコーナーなどにて稼働を始めた。プレイ料金は100円。

当時男児の間で爆発的に人気を博した『甲虫王者ムシキング』の女の子向け作品で、筐体も同じであった。ただ後述のマーケティングの事情からムシキング以上に気を配りファミリー向け・公共性の高い場所(一般の人の目がきちんと届く場所)にのみ筐体を置く事を重視した点が挙げられ、筐体設置店の方もそのマーケティングに沿った配慮が強く求められた。

2006年ニンテンドーDSに移植。バーコードリーダーとのパッケージング販売で、アーケードのトレーディングカードがそのまま使える仕様になっていた。日本ゲーム大賞2007年特別賞を受賞。セガの家庭用ゲームではバーチャファイター以来となったミリオンタイトルを獲得している。

2007年トムス・エンタテインメントにより映画化されているが、ラブベリのメディア映像化は(ゲーム自体を除けば)これがほぼ唯一の作品である。

ゲーム内容

キャラクターデザインはセガのお家芸とも言える3DCGによるリアル系。基本的にはファッションのコーディネイト能力を競うというオシャレ重視系の内容を持つ。
オシャレ魔女の世界からオシャレの勉強のため、人間界へとやって来た、仲良しの見習いオシャレ魔女である「ラブ」と「ベリー」が『ナンバーワンのオシャレ魔女』になるためにライバルとなって競い合い、プレイヤーはラブあるいはベリーにコーディネートを教えて、その手助けをする、という内容のゲーム。
「ラブ」「ベリー」のキャラクター選択から、髪型洋服のカードをスキャンしファッションのコーディネイトを行い「オシャレパワー」を得た後に、ダンスゲーム(音ゲー)に挑戦してポイントを競う。コーディネートとダンスゲームの総合ポイントが高いほうが勝ち。
ゲームモード(難易度)は当初「かんたん」と「むずかしい」のみが存在する1人用ゲームだったが、ゲームの人気とプレイヤーの成長にともない2005年秋からプレイヤー対戦を含んだ6モードに増えた。
なおストーリー性は「ゲームの目的を提示する」程度の最低限に抑えられ、ほぼ完全に廃されている。(プレイヤーが進行やフラグ立て等を行いクリアするような形のストーリーは無い)ゲームの流れだけを見れば、とにかくラブやベリーを着飾らせ、優れたパフォーマンスを行わせる事に一点特化されているゲームである。

マーケティングの傾向

萌え絵(アニメ絵)を排除したリアル系のデザインや、コーディネートやオシャレ性を最重要視させたゲーム内容により、女児向け作品につきものである大きいお友達からの支持は得られなかった……と言われているが、実は初めから「ラブベリは女の子のもの、大きいお友達は邪魔 」としてメインプレイヤーとなる女児たちを守るため大きいお友達の支持など不要と切り捨てて積極的かつ徹底的に排除し「女の子のためだけのコンテンツ」に特化させてメディア展開を回した。そのためオタクが好むような要素(アニメ絵、ドラマ性、過度なキャラクターバックボーンによる個性の肉付け、など)はあえて取り入れず、同様にオタクが好むようなメディアへの展開は積極的には行っていない。(家庭用ゲーム化も劇場版も「女の子たちの要望があったから」という理由で行われ「次」を意識したマーケティングはあえて行っていない。劇場版では「物語を作る」性質上、多少のドラマ性とキャラクター性をキャラクターに付与しているが、これはラブベリ運営側が映画の時点で「すでに展開を終わらせる」事を意識していたからこその事でもある)
イベントに関しても異性・大人は(付き添いの母親以外は)極力排除する方針を取り、アミューズメント施設に対してもこの方向に沿うように要請し対策をとった。このため当時の女の子たちは、イベントに押し寄せるキモヲタ(今で言うところの(闇の)アイカツおじさんプリパラおじさん)の存在を恐れる必要は全くなく、あくまでも女の子たちだけで楽しむことができたのである。(それが運営側が意図した事でもあった)

ところがラブベリの「女の子のためだけのコンテンツ」とこだわってメディア展開や宣伝を意図的に制限したことは、結果的には世代交代の失敗に繋がってしまった。
後述に詳しいが、2006年までは大ブームを起こしたにも関わらず、2007年に入ると突然の大不振となって撤退準備に入っている。これは「その当時の女の子」が成長してラブベリを卒業してしまった事で「お客さん」を急速に失った事が原因とされる。プレイヤーの世代をあまりにも限定していたため、卒業も同時期に起こってしまったというわけだ。
そして2007年当時の前後にはライバルメーカーによる、同傾向後追い・別傾向後発の女児向けトレーディングカードアーケードゲームが多く稼働するようになり、市場飽和(対象ユーザー世代への過剰供給)へと状況が傾いた。さらにはこれら後発のゲームはラブベリの市場との差別化のためにアニメ化なども辞す事は無く「年齢・性別にこだわらない幅広い世代に対してのアピール」へと踏み込んだ。それはラブベリ運営側が「今現在、ラブベリを楽しんでくれている子どもたち」のために決してしてはいけない禁じ手としてきたことだったが、ライバルメーカーの年齢や性別にこだわらない幅広い世代へのアピールは「ラブベリを知らない新しい世代」であるもっと小さな女の子たちの目に止まる機会を増やす事につながり、結果的には新世代の女の子たちはそれらのライバルメーカーのゲームへと分散してしまう事になった。逆にTVアニメなどのメディア展開をしていなかったラブベリは「新しい世代」の女の子たちを惹きつける力を相対的な形で弱めてしまっていたのである。
この急速すぎる衰退はセガからしても予想外かつショッキングだったようで、のちにセガの取締役となった人々はラブベリ(および同時代に展開していた各コンテンツ)に関して「他社と比較しても寿命が短い。これは、ビジネス上大変な損失といわざるを得ない」とあえて辛辣な発言をしている。

DS版が特別賞止まりになった(ゲームマニアからの支持を獲得しきらなかった)事、展開映像メディアが映画のみにとどまった(テレビに展開すれば否応なく大きいお友達を引き付けてしまい、それは運営が最も忌避すべきと考えていた)事なども相まって、ゼロ年代を代表する爆発的人気作として名前は広く知られているにも関わらず、このコンテンツを実際に見た・触れたという経験がある世代は極めて限定されてしまっている。

そのためか、pixivでも知名度に対して投稿作品が少なめな傾向がある。

キャラクター

トキメキときめくラブ
小学校時代のアーケードゲーム



トキメキときめくベリー
ベリーさん



稼動終了まで

登場するとともに当時の小学生女子たちより爆発的な人気を博した。その人気はバラエティ番組でパロコントが出されるほど。最盛期には小学館の女子向け雑誌8誌でコミカライズが連載されていた。
またセガが、ゲームに登場したデザインの洋服や靴などを実際に販売するショップ「LB Style Square」を展開し、アパレル事業に参入した。ゲーム会社が率先してアパレル事業に着手するのは、ゲーム業界としてもアパレル業界としても、これが史上初の試みであった。

また(親の)財布の破壊者として女児社会に君臨しプリキュアシリーズを廃止寸前・存亡の危機にまで追い込んだ(当時は『ふたりはプリキュアMaxHeart』および『ふたりはプリキュアSplash☆Star』『Yes!プリキュア5/5GoGo!』)事でも知られる。

なお、もっとも驚くべきは、これを大きなお友達からの支持を完全に切り捨てた上で母親と子どもだけを味方にし、アニメ等メディアへの展開ナシでやってのけた事である。
上述の通り漫画は小学館が担当したが、これに関してもメディア側の積極的かつ大規模なマーケティングやイベンティングはあえてしない方針を取り、ほぼ純粋なゲーム筐体だけのアピールで人気をつかみ取った。(メディア展開を広く行わなかったのは上述した「大きいお友達の排除」を主眼目的にとったがゆえのものとみられている)

アニメ映画は作られているが、これは筐体稼働の終了を決定した2007年に「最後のお祭り」として行ったもの。ここでも「大きいお友達排除」の姿勢は変わらなかった。

上記の通り2006年にDS(携帯用ゲーム)に移植。この頃には他社からも女児向けトレーディングカード・アーケードゲームの後追いが次々に出されて市場が飽和状態になっていき、稼働率も低下していった。それでも、これまで続けてきたパイオニアとしてのブランド力で人気を保ち続けていったが2007年に「一定の役割を終えた」として2008年秋を目処に展開を停止させることを発表。それに先んじてアパレル事業も収束させた。

2008年9月に予定通り稼働終了。ただし、この稼働終了に際してはカード在庫の残る店舗に関しては、店舗側が望まない限りにおいては在庫終了まで筐体を稼働させ続ける方針を取った。(そのため店舗によっては公式の稼働終了後も数ヶ月間は稼働し続けていたケースがある)
また、稼働終了後も2013年まで公式ホームページが運営・更新されていた(現在は閉鎖)。

ラブベリは最期まで「女の子たち『だけ』のための『オシャレ』なゲーム」としてその使命を全うしたのである。

超余談

同時期に徳間書店から紛らわしい名前のローティーンガールズ向けファッション誌が出ていた。その名もラブベリー。2001年の創刊で、この雑誌の方が先行である。前述の通り、ラブベリ関連の雑誌展開は小学館にて行われていたため「ラブベリー」と「ラブベリ」には関連性はない

上記の通りバラエティ番組でパロコントが出されていた。レギュラー枠として知られるのが『はねるのトびら』(フジテレビ)のコーナーゲームであった『オシャレ魔女アブandチェンジ』である。(本家さながらに「アブチェン」という愛称までつけられた)主演は北陽の虻川美穂子。内容は(ウソ企画で)読んだゲストに(壊滅的センスの持ち主である)オシャレ魔女のアブが変則的な「リズムしりとり」である「オシャレース」を挑む、というものであり原作ゲームのラブベリとは、かなり異なる内容である。(変なトラブルを呼ばないために、意識的にかなり異なる内容にした、と言う方が正しい)オシャレースで勝った側は負けた側の好きな服を横取り交換できる、というルールだが、アブの私服センスは壊滅的であるためゲストにとっては損しかない。
パロコントであるために原作とは非常に開きがあるものの、テレビ(アニメ)への進出をほぼ禁忌としていたラブベリであるがゆえに、そのファンたちにとってみればテレビで雰囲気だけとはいえソレを感じ取れるこのコーナーは貴重なものとも言えた。(パロコントゆえに嫌う者も当然いたが)
ちなみに、このアブチェンが縁になったのか2007年のラブベリ映画版では、なんと北陽がゲスト声優で出演している。まさに公式が病気セガの本気を垣間見た瞬間であった。

関連イラスト

オシャレ魔女


オシャレ魔女
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関連タグ

セガ セガの本気
リルぷりっ:繋がりは無いが後継機
データカードダス:競合の商売敵。

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