概要
世間一般的にいうところの「お札(おさつ)」。
現在の日本で通用する紙幣は中央銀行たる日本銀行が発行する「日本銀行券」。
現在使われているたいていの紙幣は横長の長方形であるが、歴史上は縦長の紙幣のほうが先に使われていたとされる。
国によってはプラスチックで作られた紙幣が利用されている(オーストラリアなど)。「紙製じゃないんだから”紙”幣と呼ぶのはおかしい」などと突っ込まないように。
歴史
その起源は、何らかの物品を預けたときの預り証である。穀物や、金銀、硬貨などを誰かに預けた場合、その物品が誰のものなのかを証明するための証書が発行される事になる。つまり、この証書は、預けたものと同じ価値を持つことになる。この証書を他人に与えた場合、実際には物品の移動はなされず、その所有権のみが移転する。
この方法を用いて、重い物品や貨幣そのものを持ち運ぶことなく、大きな金額の商売をすることが可能となった。
それまで物品を実際に持ち運び、そして重い硬貨で商売をしていた事に比べると、その移動コストが大幅に削減されるため、非常に利便性が高いものであった。
しかし、一方でこれは国家が大いに繁栄し、そして安定していなければ難しい(その物品を預ける商店や、流通経路の信用度が低ければ、成り立たなくなるため)。
そのため紙幣は、それ自体が価値を持つ硬貨(金銀銅などで出来ているため)よりも、かなり後の時代になって登場した。こういった預り証そのものが売買の対象となった世界初の紙幣とされるのは、中国の宋で登場した「交子」とされる。また、最初から決まった額面を記載し、国家がその価値を保証した紙幣として世界で初めて登場したのは、元の「交鈔」とされる。
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