概要
セガ・エンタープライゼス(現:セガ)とヤマハが共同開発した光ディスク。
ドリームキャスト(DC)や、DCとアーキテクチャを共用したアーケードゲーム基板「NAOMI」などに採用された。
直径そのものはCDと同じ12cmだが、マルチセッションにしたCD-ROMの2セッション目を独自の高密度フォーマットで記録する方式を採用している。物理的フォーマットとしては3つの領域に分けることができ、内周領域と外周領域がデータを格納しない代わりに権利関係の2つの英文が記録面に書かれた領域を挟む形となっている。
内周領域は音楽CD/CD-ROMと同じ「ISO 9660」というフォーマットが採用されており、35MB程度の容量を有している。DC用ソフトの場合、ソフトの概要などを記述したテキストファイルが3つと、一般のCDプレイヤーで再生しないよう注意を喚起する警告メッセージが格納されている。
標準の警告メッセージは下記の動画の通りだが、ソフトによってはゲーム内キャラクターによる専用の警告メッセージが用意されていたり、PC向けのおまけデータが入っている場合もあった。
外周領域はGD-ROM独自の高密度フォーマットとなっており、約984MBの容量を有している。この部分は一般のCD-ROMドライブで読み込むことは不可能となっている他、フォーマットについてエラー訂正情報を減らす代わりにデータ量を増やしたという説が唱えられている。
こうした記録方式により、CDと同じサイズながら約1GBという容量を実現した。GD-ROMという名称もこの記録容量が由来である。
なお、このGD-ROMという独自フォーマットを採用した理由としては、大容量化に加え不正コピー対策を図っていたためであった。
しかし、後発のライバルであるプレイステーション2が容量4.7GBのDVD-ROMを採用していたため大容量のアドバンテージは崩れ、さらにはDCのシステムにプロテクトをかけていないCD-Rによって任意コード実行が可能となるというセキュリティホールがあることが発覚してしまい、シリアルポートやブロードバンドアダプタを経由したデータ転送を使用してGD-ROMからCD-Rへメディア変換を行うという不正コピー行為が横行したという。