誘導
- ウマ娘プリティーダービーのクレーンゲーム。⇒クレーンゲーム(ウマ娘)
概要
ゲームセンター等に置いてある、クレーンで景品を掴むプライズゲームである。
文字通り筐体内にクレーンが存在し、そのクレーンを操作して景品をキャッチし所定の穴に落とすと景品獲得となる分かりやすいものであり、大抵のゲームセンターには置いてある。
景品は様々で、ぬいぐるみやフィギュアにおもちゃやお菓子、更には生き物(海老や魚)まである。
現代では電子制御のものが主流だが、歴史は意外と古く1920年代にはアナログの機械式のものも存在し、1930年代には電気式のものの特許が取得されたと記録されている。
UFOキャッチャーの記事も参照のこと。
ゲーム内容
縦軸方向、横軸方向にレバーやボタンなどで移動の指示を与え、この入力が終わった時点や降下を指示するボタン入力で、通称「アーム」と呼ばれる先端パーツが降下を始める。
この先端にはものを掴むための機構(実在の重機でいうところのグラブバケット、グラップル等に近い)が備わっており、景品を掴み景品獲得口へ運ぶことで景品獲得となる。(後述)
このアームの爪は2本爪や3本爪のものが主流であるが、店舗レベルで改造を加えてゲーム性そのものを改変している場合もある。
獲得する方法は店のやり方や筐体の種類によって異なるが、概ね下記のパターンに分類される。
- 景品そのものを掴む。
- 景品をクレーンで引っ張ってずらす。
- 景品をクレーンで当ててずらす。
- 景品にフックなどが付いており、クレーンに引っ掛ける。
- 景品そのものではなく、ボールや輪を掴んで指定する位置に落とす。
- クジをクレーンで掴み、当たりが出たら景品と交換できる。
大体の場合値段は1回100円や200円であるが、500円を投入すると1回多く遊ぶことができるという優遇措置が付いている場合も多い。
特にクレーンで引っ張ったり当てるタイプの場合、「後少しで落ちそうなのに落ちない」という状況が発生しやすく、「次は取れる!」と思った結果沼にハマり、数千円単位で注ぎ込んでしまっていることも少なくない。
その性質上、台パンされやすいゲームの一つであるが、振動を与えて落とした場合は無効となったり、大抵の場合は内蔵センサーで警報が鳴ってしまう。
店にもよるが、普通に操作して景品獲得口内で引っかかってしまった場合は大抵獲得したとみなされるので、そんな時は店員さんに頼むのがいいだろう。
注意点
店舗としては営利を目的としており、大前提としてクレーンゲームは景品を取りにくいように出来ている。
クレーンを当てても微動だにしなかったり、掴んでもするりと簡単に落ちてしまうことは日常茶飯事である。
プレイヤーの技量にもよるが、獲得が困難と踏んだ場合は、冷静になって撤退し、諦めるか別の店に転戦することが望ましい。
熱くなって注ぎ込むほど、店の思う壺なのである。
最悪、ネットオークションや中古専門店で購入する事もできる。
この場合はクレーンゲーム自体を楽しむことは出来ないが、一番確実に景品を獲得できる方法である。
ちなみにネットオークションではパッケージにキズや凹みが無い・少ないかで価値が変動する。
…ところがこの特徴や心理を利用し初めからイカサマを施した悪質営業を行っていたケースが実際にあったのだ。(後述)
確率機?天井機?
こうしたクレーンゲームをプレイしていると度々目にするのが、「アームの弱さ」である。景品を掴んでも景品を途中で落としてしまう、そもそも掴めない、爪が閉まりきらないといった事態に遭遇する(特にアームが3本爪になっているものに多い)。
それもそのはず、これはある程度お金をつぎ込まないと取れない仕組みになっているのだ。
「天井」と呼ばれる設定した回収金額に達しなければ、コイルに流す電圧が低いまま(=握力が弱い)、上昇中に握力を緩める、上端部到達時に緩める、獲得口へ移動中に緩めるといったプログラムは今や、どの機種でも標準搭載といっても過言ではない。
こうした設定で景品獲得を阻む機種を指して、「確率機」という言葉が流通しているが、上述のようなプログラムの実態から見ればまるで的を外した表現と言える。「確率」という文言と機能との実態が全く乖離している。実態を表す語としては「天井機」というべきか。
攻略法?
この天井機は最近のゲームセンターでは高確率で設置されている。その為何も知らない多くのお客はこの罠に引っかかった事であろう…
ただしこれにも攻略法が無い事は無い。まず、景品を取り出し口にまで上手く近付け、そこからギリギリの所でアームが景品全体を掴むと上に上がった後に落ちた時のバウンドで取り出し口に落下してくれる事がある(勿論、絶対成功する訳ではない。そしてこの攻略法も、アームが上がりきる前に景品を落とす等のケースではどう足掻いても通用しない)。
更にタグ引っ掛けや僅かな引っ掛けにアームを入れてゲットするという攻略法も存在する。だが、アームパワーが極端に弱かったりアームの先の滑り止めが無かったり条件次第では失敗する。
また、やや邪道ではあるが他の人がプレイしているのを見て諦めたところをプレイして設定金額を到達させてゲットするというハイエナという方法もある。…勿論怪しく見ていると店員さん等に不審に思われる事が多いのでほどほどに。
景品について
クレーンゲームの景品は風俗営業法により800~1000円以内の原価のものしか入れてはいけない決まりになっている。
その為、1万円を超えるゲーム機等を景品にするのは本当はNGである(よくあるファミコン互換機はおそらく景品単価が1000円以内である為可能だと推測される)。
高額景品の場合は言い訳的抜け道として「中古品」と表記する場合があるが、本当に中古品なのかは判別困難である。
また、版権元に無許可で製作した偽物グッズもNG(カプセルトイでも類似事例があるのだが……)。個人経営のゲームセンターで散見される低クオリティなキーホルダーなどは、これに該当する。別所で人気があったことで便乗商品を出すような事例はあるが、これらは一歩間違えれば犯罪に巻き込まれる場合もあるので手を出さないことが一番だろう。
(2023年にはスイカゲームのぬいぐるみが早くもクレーンゲームに……という事例が現れてしまっている)
なお、稀に生き物(深海魚など)が入っている物も散見される。例として、2000年頃からイセエビを景品にしたクレーンゲームが稼働され、食品衛生法や動物愛護の観点から抗議があった。
問題の回避としては、怪しいと思った物には手を出さないのが一番だろう。
なお、このプライズ景品は(特にぬいぐるみ・フィギュア等)メーカー側からは絶対に個人には(新品での)販売してくれないので注意。これはゲームセンターに卸す物で最低でも何ダースと決まった納品のルールがある上に上述のような建前で非売品という扱いの為。(後述のネットオークションや中古品も参照)
絶対に取れない景品
大阪・日本橋にて、高額景品がゲットできると謳ったクレーンゲーム複数台を営業していたゲームセンターが警察に摘発された事があった(→懲役3年執行猶予4年)。
この店では筐体に改造を施し、いくら注ぎ込んでも絶対に取れないような細工をしていたのである。
更に、店員も言葉巧みに客を煽り、プレイを続行するよう誘導していた。(※)
特に悪質なのが修学旅行生を狙っていた事もあったらしく、「一般的に修学旅行のルールで旅行中はゲームセンターに行く事を禁止にしている事が多い」のをいい事に言葉巧みにカモにして、カモにされ店にむしり取られた生徒はどの道泣き寝入りするしかない事で発覚しないと見越して修学旅行生達を毒牙にかけていたらしい。
また、クジを掴むタイプには1等2等などの当たりクジが混ざっているはずだが、肝心の上位の当たりクジを入れていないケースがあるという。
ただし、クジの補充は店が依頼した外部業者が行っているため、店も全く知らない事がある。
※客から「絶対取れねえだろ」とクレームが来ても取れる事を証明するとして店員が操作する場合にはこっそり客にはわからない形で裏操作して取れる設定に切り替えて取れる事を偽証していたという。
オンラインクレーンゲーム
2015年頃になると、何とインターネット上でクレーンゲームが出来ると言うその発想はあった的なクレーンゲームが出現。
更にはクレーンゲールというショートアニメまで放送される事になった。
ただし、近年ではこのオンラインクレーンゲームにおいてもイカサマ疑惑が出ている運営サイトが噂されている。
創作物中のクレーンゲーム
ゲーム作品内のミニゲームとして実装されることもしばしば。
有名どころでは『星のカービィ』(ファミコン)やウマ娘など。
本編のゲーム性との兼ね合いや機種の性能の制限から、この手のミニゲームは簡素な物が多いがSteamなどで販売されているインディーズゲームには本物さながらに表現したものも存在している。
アニメや漫画、小説でもまたこれをテーマとしたものは少ない。
テクニックを紹介するにしても実物でそれが通用するとも限らないところに、クレーンゲームという題材の難しさがある。
自作
古今東西、クレーンゲーム愛好者の行き着く末路。
クレーンゲームを模したオモチャやコンピューターゲームで満足出来ない者たちは、筐体の実機購入かこの自作に走る。
段ボールやテープなどで作る微笑ましいものから、削り出しパーツやマイコンを組んでのフルスクラッチ、実機から剥ぎ取ったパーツを流用するなどのガチ寄りまで裾野は広大。
近年では3万円程度の中国製激安キットも流通しており敷居は低くなっている。こうしたキットなどの基板では上述の「集金設定」を設定項目上に確認できる。
自作に必要なパーツ代(ほかにも維持費修理費、人件費等が必要)等の費用はゲーセン通いの頻度によってはペイ出来るかも微妙なところもある。だが景品目的でもなければお得かもしれない?
クレーンゲームの日
2020年以降のことだが、3月3日が日本記念日協会公認のクレーンゲームの日となった。
関連イラスト
定番
なにこれ、とりにくい……。
外部リンク
関連タグ
クレーンゲール:クレーンゲームを題材にしたショートアニメ。
キャッチャーリガニー:「魔進戦隊キラメイジャー」に登場したクレーンゲームモチーフの邪面獣(巨大怪獣)。なお、等身大戦には格ゲーモチーフの怪人が出てきたため本回は双方ともゲームセンターモチーフの敵が出てきている。
智珠らんか:アプリゲームマギアレコードに登場する魔法少女(プレイキャラクター)。使う武器がクレーンゲームのアームを模しておりコマンド攻勢を見るとクレーンゲームのボタンを模した配分をされている。
クレーンバレード:ウルトラマンブレーザーの必殺技。基本的には槍状のエネルギーを投擲する技だが、第15話であまりにも体が柔らかすぎて攻撃が全て弾かれてしまう怪獣に対応すべくこの攻撃をアームとそれを操作するレバーに変化させるが、柔らかいボディと重量に耐えきれず、アームから滑って落下してしまった。
ルーク黒羽根:ヒューマンバグ大学に登場する京極組の構成員、初登場時になんとクレーンゲームのアームの力を弱くするというしょぼい詐欺をしてしまい組に干されたある意味哀れな男、その後組に復帰するもののクレーンゲーム詐欺の件でいじられ続けるのであった