概要
投擲までのシークエンスとしては、右手からブラックホールを思わせる黒い円状の渦が発生し、その中から光の槍が出現。それを左手で取り出し、右手に持ち替えて構えを取り、投擲する…という流れ。
当然槍であるため、タガヌラー戦のように対象との距離が離れていなければ、そのまま突き刺すことも可能。
命中した光の槍は敵の体内に入り込み、内側から赤と青のエネルギーを伴った大爆発を起こす。
後述するが非常にバリエーション豊かな使用方法が存在しており、毎回様々な方法で放っている。
なお、何らかの要因により発射不発に陥るとバレード本体が粒子状になり消滅してしまう。
スパイラルバレード大喜利(使用技一覧)
当初はバザンガ戦で見せた「投擲して怪獣を一直線に貫いて撃破する」のがスパイラルバレードの必殺技としての性質……と思われていた。
しかし、どうやら形状や使い方は(手作業などを挟むことで)自由に応用が効くようで、以降毎回違った使い方で怪獣を仕留めている。
これを受けて視聴者間で呼ばれるようになったのが「スパイラルバレード大喜利」である。
以下、ブレーザーの各話での使用方法をまとめる。
第1話・対バザンガ戦
基本の投げ方。相手へ真っ直ぐ投擲し、貫通させ撃破する。
なお上投げ投擲で紹介されることの多い本技であるが、この戦いでは下投げで投げていた。
第2話・対ゲードス戦
正式名称は『ルアーバレード一本釣り』。釣竿(しかも先端にはルアーまで付いている)に変化。
深海に逃げようとしたゲードスを一本釣りにして空中に投げ上げた後、槍状に戻して上投げ投擲。見事に串焼きにして撃破した。
ご丁寧にリールを巻く音、こんがり焼ける音も鳴っている。
特別総集編にて怪獣の特番を制作していたテラシマヅは、この光景を目にして「なんでもありだなぁ」とまさしく視聴者の言葉を代弁したような事を述べている。
なお、第7話にてゲント隊長の趣味が釣りであると判明した事から、恐らくは彼の意志を反映して釣り竿に変化したものと思われる。
第3話・対タガヌラー戦
シンプルに至近距離で刺突して撃破した。槍としての側面が表れた一撃。ニコニコでは田口清隆監督が参加している仮面ライダーBLACKSUNネタからリボルケインとネタにされていた。
第4話・対レヴィーラ戦
正式名称は『フォークバレード』。
アースガロンが液体窒素でレヴィーラの動きを止めた後、上投げで投擲して突き刺し、内部から無数の棘を発生させてレヴィーラをバラバラにした。中々えぐい。
第5話・対ドルゴ戦
正式名称は『ダブルバレード』。
ドルゴへの攻撃ではなく、その背中に備わるメガショットの除去に使用。
膝でへし折り2本の短槍状にし、身体を大きく仰け反らせて同時に投擲、メガショットの接続部に綺麗に当てて除去した。
仰け反り具合が、もはやマット運動のブリッジかイナバウアー。
そして、物理的な武器ならともかく、光線技(しかも自分が出したもの)を膝で折るのは歴代でもブレーザーが初である。
人によってはあの有名な2本に折る氷菓子だったり、別の特撮ヒーローシリーズの迷場面、仮面を付けてドヤ顔でダブルソードを構えるイラストレーターの光景が想起されるとか。
第6話・対カナン星人ハービーの宇宙船
正式名称は『トルネードバレード』。
スパイラルバレードそのものは普通。
問題なのは投げ方で、なんとその場でグニャリとボディを捻ることで勢いをつけて投擲、更に空中でカッター状に変形させて宇宙船を両断、撃墜した。
自分の身体が変形するのは前代未聞過ぎて騒然となった。回れば何とかなるならぬ捻れば何とかなると言ったところか。
ちなみに公式からも「あり得ない程に腰を捻り」と言及されている。
第10話・対デマーガ戦
正式名称は『スパイラルバレードエンブレイス』。
デマーガに対するとどめとして刺し貫こうとするが、ベビーデマーガを守る姿を見たブレーザーはまるでゲント隊長とブレーザーの意思が争うように暴走を起こし攻撃を中断、スパイラルバレードもあさっての方向に飛んでしまった。
その後、防衛隊のミサイル攻撃を咆哮で打ち消したあと、再展開したスパイラルバレードを光の糸のように変化させ、デマーガ親子を繭状の光で包んで地中に匿った。
なお、今回までブレーザーは非攻撃技を全く使用していないor持っておらず、スパイラルバレードの応用という形で初披露することとなった。劇中描写を顧みると、もしかするとブレーザー自身の心境の変化……なのかもしれない。
第15話・対ガヴァドン戦
正式名称は『クレーンバレード』。
あまりにも体が柔らかすぎて攻撃が全て弾かれてしまうガヴァドンに対し、スパイラルバレードがアームとそれを操作するレバーに変化、クレーンゲームの要領でこれを動かすことに。
しかし柔らかいボディと重量に耐えきれず、アームから滑って落下してしまった。
通じなかった相手
以上のように多彩が使い方が可能な技だが、通じなかった相手もいる。
第7話・対ニジカガチ第1戦
上投げでニジカガチに投げつけるが虹光線で相殺され、逆に衝撃波でブレーザーが吹っ飛ばされてしまった。初めて通じなかったケース。
第9話・対ガラモン戦
ガラモンに対し棍棒のように叩きつけたが、頑丈なチルソナイト製のボディには通用せずパリンと折れてしまった。
ドルゴの時といい今回といい、本当に光線でできているのかソレ?と言いたくなってしまうがツッコまないでおこう(光線を硬化・実体化させた代物とでも言うべきか)。
第11話・対ゲバルガ戦
下投げで真っ直ぐ投擲するが、ゲバルガが展開した電磁バリアによって防がれる。
それでももう一度使用しようとするが、ゲント隊長とブレーザーの意思がまたも衝突し合い不発に終わる。
第25話・対ヴァラロン(第2形態)戦
反撃を開始する際に、飛び掛かる形でヴァラロンの左顔面に突き刺し、顔を損傷させたものの、決定打とはならず振り払われてしまった。
余談
田口監督曰く、光るものを持っているのに照り返しがないのは不自然として、実際にLEDで発光する棒状のプロップを持って撮影している模様。また非発光のプロップが数種類あり、長いものと短いものを状況によって使い分けている。
『NEW GENERATION THE LIVE』でも蛍光灯に近い棒で表現されている。
第10話でデマーガ親子を包んだバリエーションについて、ブレーザーのスーツアクターである岩田栄慶氏によると現場では光の繭、繭と呼ばれていたと話している。
岩田氏の奥様の名前も眞優であり、それに絡めたポストをしている。
お隣中国ではDX玩具になっている。
日本国内でも、2024年に発売が決定(ただしプレバン限定)。
スパイラルバレード大喜利について
視聴者からは「次はどんな演出で倒すのか」という大喜利を期待するコメントが見られる。
視聴者間でのこの大喜利の反応について田口監督は、坂本浩一監督との対談にて、「そもそもブレーザーの必殺技は、従来の光線技じゃないし、光る自由自在棒みたいなことにして、各話の監督が好きに描いてもらえればなと思っています。実は第1話もアンダースローで投げているし、第1~3話から敢えてルールを外していて、そこは明らかに狙ってやっていましたね」と話している。
坂本監督もブレーザーのプロモーションビデオ撮影のためにパイロットとなる1話、2話を見た際に突如釣りを始めた事に驚愕している。
また、田口監督は今回もそのような趣向を作りたいと考えたが、光線技ではアングルの見せ方だけになってしまうため、演出の幅を広げるためにスパイラルバレードが設定された。
関連項目
ザナディウム光線:ウルトラマンエックスの必殺技で、こちらも監督達の間で誰が一番かっこよく魅せられるか大喜利がされていた。
ダジャレ/誤記:派生技が多すぎて、もはやスパイラルバレードのスパイラルパレードと化している。
アークトリッキーテクニック:後輩戦士の技の一種(?)。既存の技の組み合わせで、いくつもの派生が誕生しているのが特徴。
槍を駆使する先輩ウルトラマン達
ウルトラマンジャック、ウルトラマンゼロ:ウルトラブレスレットをウルトラランスと言う槍に変化させる事が出来る。こちらは実体武器となっている。
ウルトラマンタロウ:ウルトラマンランス(タロウランス)と呼ばれる技で、タイラント戦にてキングブレスレットの能力でタイラントの碇付きの鞭を切断し、光の槍に変えて投げつけて突き刺して討伐した。
ウルトラマン80:「ウルトラレイランス」というサクシウムエネルギーを光の槍にして投擲するスパイラルバレードと似た技を持っている。
ウルトラマンティガ:『ウルトラマンギンガ』の劇場スペシャルにてウルトラランスを使用。ジャンナインと協力しタイラントに立ち向かった。こちらはジャンナインが切り取った碇付きの鎖を空中に投げて、それをティガがキックでウルトラランスに変化させてタイラントを倒す変則技になっていた。
ウルトラマンギンガ:変身アイテムのギンガスパークを光の槍であるギンガスパークランスに変化させることができる。
ウルトラマンオーブハリケーンスラッシュ:専用武器にオーブスラッガーランスがある。こちらも実体武器であり、先が二股に分かれている。
オリジン・ザ・ファースト:厳密にはオーブ自身の技ではないが、ジャグラスジャグラーから受け取った命の樹の種を光の槍に変えて戦神に投擲した事がある。
ウルトラマンゼット:実体武器にゼットランスアローがあり、こちらは弓と槍が合わさった武器。槍としても使え、先からは光の矢を射出する事が出来る(プロップはオーブスラッガーランスのリデコである)。
ウルトラマンリブット:光の槍状武器「スプレッダーロッド」を持つ。名前の通り、使い方としては槍よりも棍に近い。蛍光灯に近い棒を持って撮影をしてるのも共通している。
その他
ウルトラマンネオス:こちらは手持ち式の光の剣を形成する「ウルトラ・ライト・ソード」という類似した必殺技を使っている他、設定上は光の槍を形成する「ウルトラ・ライト・スピア」も使える。
ネオゲッター1:ウルトラ作品では無いが、「手で発生させたプラズマを頭上で槍状(稲妻状)に形成し、ターゲットに目掛けて投擲して撃破する。」と言う酷似したシークエンスの必殺技「プラズマサンダー」を持っている。また、ゲッターロボの原作者の1人である石川賢は漫画作品でウルトラマンを手掛けた事がある。
電王・ロッドフォーム、ジュウオウザワールド:前述のリブットのように使う棍状器の使い手のヒーロー達で、こちらは『ブレーザー』第2話のように敵を釣り上げた。更に前者に至っては武器を敵に投げつけると似たような使い方をした。(ただしブレーザーは直接撃破に使っているのに対してこちらは敵の動きを封じる拘束武器の要素の方が強い)