DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第2話「SKaRDを作った男」に登場。
魚のような鰭を持つ体に加えて赤色に縁取られた白目、首元の鰓など、「深海怪獣」の別名通り深海魚を思わせる容姿が特徴の水棲怪獣。
チョウチンアンコウのように頭頂部から生えた触角は、暗い海中で光って獲物を誘き寄せ、危険が迫ると発光する性質がある他、伸ばして敵へ巻き付ける事もできる。
また、下顎には短い髭のような器官もあり、これはナマズやコイのものと同じ触覚器官で、海底に住む魚や甲殻類などの餌を探すために役立っている。
普段は深海に大人しく棲んでいるが、空腹になると浅瀬に上がって魚を喰い荒らし、さらには上陸して街の食糧を根こそぎ喰い尽くす程に食欲旺盛。
江戸時代中期にも出現した事が古い伝記に記録されており、地元の漁師にも「海の魔物」として言い伝えられてきた(船頭の老漁師曰く「人が海への敬いを忘れると現れる」との事)。
上陸時は体温を一定に保つため、背中の排熱口で熱を逃がしている。劇中では未遂に終わったものの、この排熱口を損傷させる事ができれば熱暴走による大きなダメージを与える事ができる可能性が指摘されており、ある意味でゲードス唯一の弱点部位と言える。
また、この事から一般的な魚類と同様、変温動物であると思われる。
能力
主な武器は口から吐く高圧水流で、使用時には首の鰓状の器官が青く発光し、ウォーターカッターのようにビルを容易く両断するほどの威力がある(ただ、軌道は直線的なので2回目以降はブレーザーにも避けられつつカウンターを受けている)。
また、頭部の触角を伸ばして相手に巻き付け、強力な電流を流し込むパルス電撃「ゲードスパルスウィップ」を放つ事ができる。
自然界ではこれらの能力で狩りをしていたのだろうか…?
泳ぐ速度はかなり速く、時速80ノット。これは1時間で約148km進むスピードで、潜水艦や駆逐艦を遥かに上回る驚異的な速度である。
活躍
5月11日、近年の海洋汚染が原因で出現。
存在が露呈した時点で既に浅瀬の魚を喰い尽くしており、自身も食糧難に陥っていたためか、タンカーや漁船などを襲撃し餌になりそうなもの(漁船の漁獲物やタンカーの積載物など)を喰い荒らしていた。
その後、地球防衛隊の潜水艦や海上艦による総攻撃を受けるも全て返り討ちでそれらを撃沈した上、逆に攻撃された事に怒り狂って(地上から遠距離攻撃が行われた事もあり)先美港に上陸。
近くにあったかまぼこ工場を襲い、かまぼこを喰い荒らした。
それでもなお怒りが収まらず(食事中にも攻撃された事も一因だったらしい)街を蹂躙していたが、ヒルマ・ゲントが変身したウルトラマンブレーザーと交戦。
口から吐く高圧水流と頭の触角でブレーザーを手古摺らせたものの、SKaRDによる援護射撃とブレーザーの手刀で触角を切断され、戦意を喪失。一目散に海中へ逃げようとするも、釣竿状に変化したスパイラルバレードによって一本釣りで海上に釣り上げられる。
最期はそのまま空中でスパイラルバレードに体を貫かれた上に串焼きにされて爆散した。
何気にブレーザーのカラータイマーが点滅する事なく倒された初の怪獣となった。
それでも前回から立て続けに現れた事で防衛隊側は事後処理に手を焼く事態となり、その結果新たに現れた世界中の新エネルギーの貯蔵プラントを狙う怪獣の対応に手を回せない状況となった。
『ウルトラマンアーク』
第17話「斬鬼流星剣」に登場。
ヘルナラクの尖兵である幽体怪獣として、タガヌラーと共に『アーク』の世界に現れる。
ヘルナラクによって送り込まれた幽体怪獣の卵から孵化した後、生前の記憶に基づいて海へ向かっていたが、SKIPがザンギルの「斬鬼流星剣」を打ち鳴らす音の波動を解析したソニッターを発射した事により実体化する。
そして実体化したところにアークが登場し交戦、触角を掴まれて空に投げ飛ばされたところをアークエクサスラッシュでアジやホッケの開きの如く真っ二つに切り開かれ、干物のようにこんがり焼かれて爆散・消滅した。
余談
- デザインを担当したのは、田口清隆監督作の『UNFIX』で大型特殊外来生物ズクジクザクラのデザインを担当したキセン氏。
- 誘引突起がある事から誤解されがちだが、デザインモチーフはアンコウではなくアジで、アジが色々な魚介のパーツで武装したイメージであるとの事。
- 「深海怪獣」という別名から、おそらく名前の由来は、クジラやアザラシなどの「海獣」を意味するギリシャ語「ケートス(古希: κῆτος, kētos)」であると思われる。また、「外道」という言葉も掛かっている説もある。外道という言葉は本来釣ろうとした魚とは異なる魚も意味しているためそれも掛かっていると思われる。
- 第2話の時点で海の怪獣を出すことは決まっていたが、グビラ等海の怪獣は居てももろ魚のデザインをしている怪獣がいないことに気づいた田口監督が、池袋等都内の水族館に出向いて鱗の具合がいい魚や顔つきのいい魚の写真を送り、その中からチョウチンアンコウのようなディテールに決まって行った。
- ソフビはウルトラ怪獣シリーズで発売。なんと通常サイズにもかかわらず、劇中と同様頭頂部の触角を引き出して伸ばせるギミックが内蔵されている。
- 第2話に登場した怪獣が海から出現するのは『ウルトラマントリガー』第2話のギマイラ以来である(ただし、あちらは本物のプールからではなくCG)。また、監督の田口氏がプール撮影をするのはこれが初めてである。しかし実際にはメイキング映像によるとプール撮影ではなかったことが判明した。
- 一部界隈で、ゲードスのソフビを野外で撮影する文化が流行している。円谷公式もそのノリを把握しているのかX(旧Twitter)にて川辺でゲードスを撮影した写真を投稿している。
関連タグ
ウルトラシリーズ
- モグルドン:地底怪獣だが一本釣りにされた怪獣繋がり。ちなみに、初登場話のタイトルも「怪獣一本釣り」。
- ペジネラ:鳴き声がかなり似ており、流用元の可能性がある。ペジネラの方が若干低くエコーがかかっているのに対し、ゲードスの方は高めでエコーがかかっていないように聞こえる。ウルトラ怪獣で声の流用又は加工して使い回すのはよくある事なので、本当にペジネラの流用でも不思議な話ではない。