ブレーザー怪獣
ぶれーざーかいじゅう
怪獣達が海を割り、大地を砕き現れる。
その奇々怪々の姿はどうだ?
今まで見た事もないような大怪獣達が次々と迫り来るのだ……!!
(『ウルトラマンブレーザー直前スペシャル』ナレーションより)
『ウルトラマンブレーザー』プレミア発表会にて、本作には「派生型」や「リメイク」、「合体怪獣」などではない完全オリジナルの新規怪獣がかなり多く登場する事が公表され、全世界のウルトラファン・怪獣ファン達から驚愕と喝采を持って迎えられた。
プレミア発表会では、バザンガ、ゲードス、タガヌラー、レヴィーラ、ドルゴ、ニジカガチ、デルタンダル、モグージョン、ザンギル、ズグガン(成体)と、計10体もの新規怪獣が御披露目され、さらに第1~4話までの登場怪獣の名前と身長・体重も先行発表。
過去作からの再登場枠も、ガラモンやガヴァドンA、カナン星人といったこれまで再登場の機会に恵まれなかった3体に加え、デマーガの亜種となるベビーデマーガが登場する事が判明した。
その他の怪獣に関しては、ゲバルガはプレミア発表会・直前スペシャルのどちらにも登場せず、本編放送開始後に初めて存在が明かされた。また、前半ダイジェスト動画の初出し映像の中ではイルーゴが初公開され、ブルードゲバルガとヴァラロンは玩具情報解禁時に発表されている。
再登場枠の方も、通常のデマーガの登場が直前スペシャルにて判明し、レッドキング(二代目)とギガスの登場も2023年12月の情報解禁で発表された。セミ人間に関しては、本編第9話の放送で初めて明かされる事となり、ほぼサプライズ的な登場であった。
結局、新規怪獣の総数は劇場版と漫画版を含めて18種にも及び、これは『ウルトラマンギンガ』以降の作品では比較的新規怪獣が多めだった『ウルトラマンタイガ』を圧倒的に上回る多さである。
その上、第1~5話まで新規怪獣が連続で登場しており、これはウルトラシリーズ全体で見ても『ULTRASEVENX』以来、新世代ヒーローズ及び令和ウルトラマンでは初となる。
本作の主人公であるウルトラマンブレーザーが、歴代のウルトラ戦士と比較して生々しい特徴的なデザインであるように、本作の新規怪獣もまた現実に存在する生物の要素を取り入れつつも、既存のウルトラ怪獣に比べてクリーチャーめいた要素の強い奇抜なデザインが多い(各怪獣のデザインは、登場回を担当する各回の監督達が各々信頼していたり、一緒に仕事した事のあるデザイナーやイラストレーターに依頼して良いという形式が取られている)。
また、角が可動したり体の一部が伸縮・変形したりと、劇中で何らかの形態変化をする者の割合も高い。これに関しては、下記の「ウルトラ怪獣アドバンス」というギミック付きソフビをリリースする事情もあり、どの怪獣がアドバンス枠で商品化されても良いようにギミックが取り入れられたとの事。
さらに『ウルトラマンマックス』の怪獣程ではないが、(名前のみの登場も含めて)異様に強い怪獣が多いという評価が高く、地球怪獣ですらとても地球の生物とは思えないレベルのとんでもない能力や生態の持ち主ばかりである。
また、一作品のTV本編内において(途中から巨大化した場合を除く)超巨大怪獣が2体以上登場したのは『ウルトラマンガイア』以来となる。
この異例とも言える新怪獣率の高さは、今作のメイン監督である田口清隆氏が企画会議の際に「タイプチェンジをやらない代わりに新怪獣を沢山出したら?」と提案した事から始まった(また、「『ブレーザー』では野生の怪獣をたくさん出していきたいと思った」とも発言している)。
現在の円谷プロダクションには「使える怪獣リスト」と呼ばれるものがあり、同じ怪獣を使い回さざるを得ないという大人の事情込みで今まで制作していたため、その反動もあっての事だと思われる(実際に田口監督は、過去にとあるインタビューで「最近、皆さんに「(過去作の怪獣ばかり)使いすぎだ!」と怒られた」と語った事もあった)。
円谷サイド的にもこれらのここ数年のスーツ事情が続いたためそろそろ新しい怪獣を沢山出したいと思ったタイミングで田口監督から新怪獣出そうと提案が来た。
それに加え、『ブレーザー』の企画が立ち上がったのと同時期に前作『ウルトラマンデッカー』の企画が立ち上がっており、『ブレーザー』と同時進行で『デッカー』メイン監督の武居正能氏が話を作っている最中、例年より制作時期が早まったせいで『デッカー』と『ブレーザー』で使える怪獣が被るというトラブルが起きてしまった。
その為、先に放送する『デッカー』では新たにテラフェイザーやスフィアザウルスを用意しつつ、モンスアーガーやグレゴール人、アリブンタといった過去作の怪獣達が重点的に登場する運びとなり、差別化という意味も兼ねて新怪獣達を増やした事が語られている。
ちなみに、『マックス』以降亜種を含めて全ての作品に登場していたゴモラは、今作では未登場に終わった。
その為、ゴモラが登場しなかったTVシリーズは『ウルトラマンネクサス』以来となった。
また、昭和第2期ウルトラシリーズの怪獣や宇宙人がメイン怪獣として登場しなかったのは『マックス』以来であり、『タイガ』から『デッカー』までの令和シリーズ全てに登場していたパゴスも今作では登場しなかった。
ブレーザー怪獣は、ウルトラシリーズとしては珍しく、劇中での言及や公式Twitterでの新聞ツイートなどにより、それぞれの怪獣が現出した詳しい日程が判明している。
そして、新規怪獣が多く登場する作風は次回作にも引き継がれる事となった。
No. | サブタイトル | 登場怪獣・宇宙人 | デザイン | 劇中での現出日程 |
---|---|---|---|---|
1 | 「ファースト・ウェイブ」 | 宇宙甲殻怪獣バザンガ | 楠健吾 | 5月10日 |
2 | 「SKaRDを作った男」 | 深海怪獣ゲードス | キセン | 5月11日 |
3 | 「その名はアースガロン」 | 甲虫怪獣タガヌラー | 楠健吾 | 4月29日~5月13日 |
4 | 「エミ、かく戦えり」 | 軟体怪獣レヴィーラ | 百武朋 | 3月16日~6月22日 |
5 | 「山が吠える」 | 山怪獣ドルゴ | 百武朋 | 6月28日 |
6 | 「侵略のオーロラ」 | オーロラ怪人カナン星人・ハービー、オーロラ怪人カナン星人・ロビー | 成田亨 | 7月10日 |
7 | 「虹が出た・前編」 | 天弓怪獣ニジカガチ | 武藤聖馬 | 7月21日 |
8 | 「虹が出た・後編」 | 〃 | 〃 | 7月22日 |
9 | 「オトノホシ」 | ロボット怪獣ガラモン、宇宙怪人セミ人間 | 成田亨 | 8月6日 |
10 | 「親と子」 | 溶鉄怪獣デマーガ、溶鉄怪獣ベビーデマーガ | 三ノ輪さりと(原案:田口清隆) | 8月13日 |
11 | 「エスケープ」 | 宇宙電磁怪獣ゲバルガ | 川石テツヤ | 8月18日 |
12 | 「いくぞブレーザー!」 | 〃 | 〃 | 8月19日 |
13 | 「スカードノクターン」 | ― | ― | 8月23日 |
14 | 「月下の記憶」 | 月光怪獣デルタンダル | 楠健吾 | 8月23~25日 |
15 | 「朝と夜の間に」 | 二次元怪獣ガヴァドン | 成田亨 | 9月15~16日 |
16 | 「恐怖は地底より」 | 幻視怪獣モグージョン | 辻本貴則 | 9月20~21日 |
17 | 「さすらいのザンギル」 | 宇宙侍ザンギル、天弓怪獣ニジカガチ(怨霊態) | 辻本貴則(ザンギル)、武藤聖馬(ニジカガチ) | 10月10日 |
18 | 「そびえ立つ恐怖」 | 汚染獣イルーゴ | 川石テツヤ | 10月4~11日 |
19 | 「光と炎」 | 宇宙汚染超獣ブルードゲバルガ、汚染獣イルーゴ、炎竜怪獣ファードラン | 川石テツヤ(イルーゴ、ブルードゲバルガ)、後藤正行(ファードラン) | 10月12日 |
20 | 「虫の音の夜」 | 地底甲獣ズグガン | 後藤正行 | 9月頃~10月19日 |
21 | 「天空の激戦」 | 月光怪獣デルタンダルB | 楠健吾 | 12月4日 |
22 | 「ソンポヒーロー」 | どくろ怪獣レッドキング(二代目)、冷凍怪獣ギガス、炎竜怪獣ファードラン | 成田亨(レッドキング、ギガス)、後藤正行(ファードラン) | 12月11~13日 |
23 | 「ヴィジター99」 | 甲虫怪獣タガヌラー、月光怪獣デルタンダル、宇宙爆弾怪獣ヴァラロン(第1形態) | 楠健吾 | 12月20~21日 |
24 | 「第3波接近襲来」 | 宇宙爆弾怪獣ヴァラロン(第1形態→第2形態) | 楠健吾 | 1月18日 |
25 | 「地球を抱くものたち」 | 宇宙爆弾怪獣ヴァラロン(第2形態)、溶鉄怪獣デマーガ、溶鉄怪獣ベビーデマーガ、地底甲獣ズグガン(幼体)、月光怪獣デルタンダル、炎竜怪獣ファードラン | 楠健吾(ヴァラロン、デルタンダル)、三ノ輪さりと(デマーガ、ベビーデマーガ)、後藤正行(ズグガン、ファードラン) | 1月20日 |
※太字は新規怪獣、斜字は派生種。
第6話では、回想シーンでレヴィーラ、ドルゴの姿が少しだけ登場している。
第16話では、モグージョンの見せた幻覚としてライバッサー、M1号、バラバ(尻尾のみ)、タッコング(胴体のみ)、タガヌラー、カナン星人が登場している。
第17話では、怪獣の幽霊としてバザンガ、ゲードス、タガヌラー、レヴィーラ、デルタンダルが、回想シーンではザムシャーらしき宇宙人が登場している。
第22話では、田口監督が以前より若手の特撮監督育成を目的に主催している『自主映画選手権』に出展された作品の一つに登場する怪獣・ガンキリュウが劇中のCMに登場した。
ちなみに、新撮の回想シーンや第17話の幽体、総集編「ブレーザー電脳絵巻」シリーズ内のキャラクターや劇場版も含めると、ザンギルとドルゴ以外の(派生種ではない)新規怪獣全てが二回以上登場している。
ガラモンやカナン星人などの面々から解る通り、本作の世界にもM78ワールドを含めた過去作の世界を初出とする怪獣達が生息している模様。
実はOP映像で表示されるSKaRD隊員達の過去の勤務記録に、SKaRD設立前に現出した怪獣の名前が、各隊員が殲滅作戦に参加した年月と共に記載されている。
その面子を見てみると、どうやらM78ワールド出身以外にも、ネオフロンティアスペースを始めとする多種多様なマルチバースで確認された怪獣が幅広く生息している事が分かる(従来作品で言えば、『ウルトラマンX』や『ウルトラマンZ』、『新世代TD』の世界に近いものと思われる)。
なお、この世界における宇宙怪獣は、表向きは第1話に登場したバザンガが初となっていたのだが、第4話のレヴィーラの一件やゲバルガの騒ぎの後の会話を見る限り、実はそうではないのではないかという疑惑の声が視聴者の間で広がっていた。
殲滅作戦日程 | 現出した怪獣 | 初登場作品 |
---|---|---|
2016年12月 | 岩石怪獣ガクマ | ウルトラマンティガ |
2017年3月 | 磁力怪獣アントラー | ウルトラマン |
2017年12月 | 百足怪獣ムカデンダー | ウルトラマンタロウ |
2018年4月 | 剛力怪獣シルバゴン | ウルトラマンティガ |
2018年8月 | 古代怪獣キングザウルス三世 | 帰ってきたウルトラマン |
2019年5月 | 灼熱怪獣ザンボラー | ウルトラマン |
2019年5月 | 黄金怪獣ゴルドン | ウルトラマン |
2019年8月 | 海獣ゲスラ | ウルトラマン |
2020年2月 | 深海怪獣レイロンス | ウルトラマンティガ |
2020年8月 | 竜巻怪獣シーゴラス | 帰ってきたウルトラマン |
2021年10月 | 甲殻怪地底獣ゾンネル | ウルトラマンガイア |
2021年12月 | 冷凍怪獣ラゴラス | ウルトラマンマックス |
2022年1月 | プラスチック怪獣ゴキネズラ | 帰ってきたウルトラマン |
2022年2月 | 昆虫怪獣マジャバ | ウルトラマンG |
2022年3月 | 月の輪怪獣クレッセント | ウルトラマン80 |
2022年9月 | 液体大怪獣コスモリキッド | ウルトラマンタロウ |
2023年1月 | 油獣ペスター | ウルトラマン |
2023年5月 | 冷凍怪獣ペギラ | ウルトラQ |
上記の面子の中には、しれっと従来作品ではウルトラマンですら苦戦するような強豪怪獣の名前も混ざっており、こんな連中を人類の力だけでどうにかできたGGFの怪獣撃退能力の高さを評価する声も多い。
ハルノ・レツ参謀長によれば、SKaRD設立までGGFは怪獣対策に関して「散々後手に回ってきた」らしいが、それでいてこの実績である。
なお、現在判明している中で最古に現れた怪獣は、ヒルマ・ゲントの勤務記録に記載されているガクマとなっているが、それ以前に現出した怪獣や、SKaRDのメンバーが殲滅作戦に参加しなかった怪獣の存在については不明。
正確な時期は不明だが、過去には小笠原諸島多々利島(多々良島のオマージュ)にレッドキングを始めとした複数の怪獣が出現した事が第22話で語られている。
『てれびくんSUPER HERO COMICS』にて連載されているコミカライズ版に登場する怪獣。
第1話はTV版の純粋なコミカライズとなっているが、それ以降のエピソードはTV版にない完全オリジナルのストーリーが展開されており、オリジナル怪獣やアースガロンの新装備も登場。
話数 | 登場怪獣 |
---|---|
予告編 | 暴君怪獣タイラント |
1 | 宇宙甲殻怪獣バザンガ |
2(前編) | 天弓怪獣ニジカガチ、吸血海藻ジャランガ |
2(後編) | 吸血海藻ジャランガ |
特別編「大決戦!!キング怪獣軍団」 | 海獣キングゲスラ、古代怪獣キングザウルス三世、剛力怪獣キングシルバゴン、宇宙ロボットキングジョー |
※太字は新規怪獣。
本作から、ソフビ人形の新シリーズ「ウルトラ怪獣アドバンス」が始動。
ブレーザー怪獣の特徴や個性を変形・可動ギミックで再現し、全高約155ミリ級の大型サイズで立体化される。
現時点でのラインナップは、バザンガ、タガヌラー、ニジカガチ、ヴァラロンの4体。
その一方、ゲードス、レヴィーラ、ドルゴ、カナン星人、ガラモン、ベビーデマーガ、デルタンダル、ガヴァドン、モグージョン、ザンギル、ズグガン(幼体・成体)は「ウルトラ怪獣シリーズ」で、ゲバルガは「ウルトラ怪獣DX」でそれぞれ発売が決定しており、それらの商品展開も続行となる。
また、ブルードゲバルガ(とイルーゴ)は500サイズのブレーザー(チルソナイトソード装備)とセットになった「ウルトラマンブレーザー大決戦セット」として発売された。
劇場版の怪獣であるゴンギルガンも、通常の「ウルトラ怪獣シリーズ」での発売が決定した。
セミ人間は放送終了後も長らくソフビ化されていなかったが、「セミ人間 オトノホシBOX」にてコミカライズ版『ウルトラマンブレーザー』の単行本とセットになった「セミ人間 オトノホシver.」として商品化が決定。
これにより、TV本編に登場した全てのブレーザー怪獣がソフビ化された。
YouTubeのウルトラマン公式チャンネルにて、『テルアキ先生の「ブレーザーかいじゅうアカデミー」』が配信された。
毎週日曜日12時に更新。
怪獣に詳しいナグラ・テルアキ先生(演:伊藤祐輝)が、これまでに出会った怪獣達やその生態を、子供にも分かるように優しく教えてくれる。
テルアキ先生による怪獣のステータスの独特な例え方や、先生自ら熱演する怪獣の生態模写は一見の価値アリ。
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