データ
別名: | 大蟻超獣 |
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身長: | 57メートル |
体重: | 6万2千トン |
出身地: | 異次元→東京の地底 |
デザイン: | 木目憲吾 |
概要
『ウルトラマンA』第5話「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」にて初登場。
ヤプールの配下である地底エージェントギロン人が、ヤプールから貸し与えられた超獣。
武器は両腕から放つ高熱の火炎と、何でも溶解する蟻酸。
O型の女性の血液が好物であり、蟻地獄状の四次元空間に女性を引きずり込み捕食していた。
防御力もかなり高く、頭部に直撃したメタリウム光線を耐えたほどである。
設定ではハサミで新幹線を切断でき、地中を時速80kmで移動、翼を羽ばたかせて突風を起こす能力を持っているという。ただし、地上へは空間移動能力を使って行き来している(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)。
劇中での活躍
ギロン人の命令で東京地下に要塞を築くべく、蟻の巣のように穴だらけにしつつO型の女性を捕食していた。地下鉄を襲ったことで存在がTACに露見したため、地下に侵入してきたTACの地底戦車ダックビルと交戦、返り討ちにする。しかしダックビルから降りてきた美川隊員に直接爆弾を投げ付けられ、一時撤退。
駆け付けたウルトラマンエースと戦いメタリウム光線を食らいながらも耐え、エースがギロン人の罠で地下に閉じ込められた隙を突いて地上に侵攻する。
ギロン人と共に迎撃に出たTACの山中・吉村両隊員を危機に陥れ暴れるが、ゾフィーの救援で脱出したエースと交戦。
ギロン人と二体掛かりで優勢に立つも、ゾフィーも戦闘に加わり形勢逆転。エースとゾフィーの手によりギロン人とプロレスのように正面衝突させられ絶命した。
そしてタロウからニュージェネレーションまで『オイルドリンカーより弱い最弱超獣』を貼られる羽目になったのである。
ウルトラファイトビクトリー
ウルトラマンビクトリーへの復讐に燃える巨大ヤプールがビクトリーのデータを収集・解析するために送り込んだ。
休暇で地底世界に帰っていたショウとサクヤを異次元蟻地獄に引きずり込んで彼らの前に姿を現す。ビクトリーのウルトランスによる攻撃を次々と耐え切れるなど相変わらずのタフさを見せ、スパークドールズではない普通の超獣であることもあってか、ビクトリーと互角に戦い、炎攻撃で苦しめた。
だが、突如現れたウルトラマンヒカリによってビクトリーがビクトリーナイトへとパワーアップした事で形勢逆転を許してしまい、最後はビクトリーナイトのナイトビクトリウムフラッシュで倒された。
しかし、この戦闘を通してヤプールはビクトリーのデータを収集することに成功し、それを元に異次元超人ビクトリーキラーを作り出していることから、その役目は果たしたと言える。
ちなみに、戦闘中ヤプールがサクヤを狙って現れた時は、手を振って見せるというどこか愛嬌のある仕草も見せた。
『ウルトラ銀河伝説』でのベリュドラのパーツとしての登場を除けば、映像作品での再登場は実に43年振り。着ぐるみは新造で、以降の作品でも『デッカー』まで使用され続けている。
ウルトラマンオーブ
「現代のダーク・ゾーン」
第6話「入らずの森」に登場。
惑星侵略連合に協力するジャグラスジャグラーの配下として召喚される(ギロン人やヤプールとの関連は不明)。
惑星侵略連合の基地近くにSSPが接近し、さらに彼らを追ってガイ=ウルトラマンオーブが現れたため、ジャグラーが所持していた怪獣カードから実体化させた。
オーブとの戦いでは口から吐く蟻酸や両腕からの火炎で一時は優位に立つが、バーンマイトの繰り出す炎で火炎攻撃を相殺され、ハリケーンスラッシュの素早い動きに翻弄されてしまう。
たまらず地中へと逃走を図るが、一帯の地下には古代の伝説の姫・玉響(タマユラ)姫の古墳が存在していたため、古墳を荒らされまいとオーブスラッガーランスを突き刺されて地表へと引きずり出され、最後はそのまま投げ飛ばされた後、トライデントスラッシュで八つ裂きにされて空中で爆発四散した。
メフィラス星人ノストラ曰く、超獣のカードは貴重なものらしいが、今回は惑星侵略連合の面々が逃げるための時間稼ぎとオーブの始末のために使用された。
戦闘で優位に立った際に嬉しそうな仕草を見せたり、ハリケーンスラッシュがオーブスラッガーランスを召喚した際にはその様子を真似して怪訝そうな様子を見せるなど、愛嬌のある仕草も見せた。
ちなみに、戦闘中のオーブの様子から察するに蟻酸は結構臭いらしい。
ウルトラマンR/B
第8話「世界中がオレを待っている」に登場。
愛染マコトがアリブンタクリスタルをAZジャイロに装填して召喚した。怪獣クリスタルは劇中未登場だが、ムック本によるとエレメントは「蟻」。
市街地の地下から出現し、両腕からの火炎で街を焼き払っていたところに現れたウルトラマンロッソやウルトラマンブルと交戦。2人のルーブスラッガーによる攻撃にも耐え切るタフさを見せるが、最後はロッソウインドとブルフレイムの合体技・ファイヤートルネードで倒された。
『R/B』第8話監督の辻本貴則氏は、自身が愛好する『帰ってきたウルトラマン』か『A』の登場怪獣の使用を要望し、アリブンタの登場に決定した。辻本は、ヒーローより怪獣に思い入れがあることからアリブンタの描写には力が入ったといい、出現時の地面の陥没と車が逃げ惑う描写を特に見せ場に挙げている。辻本は溶解液の使用も希望していたが、表現が難しいため断念した。
第13話「秘密はイヤです!」の予告では上記の回想シーンがあったが、本編ではそれまでの登場怪獣の中で何故か唯一ハブられてしまっている。おそらく尺の都合と思われる。
ウルトラマンタイガ
第20話「砂のお城」に登場。
ヴィラン・ギルドの一員であるバド星人エル・レイが引き連れている超獣であり、地中からエネクロン社の関連施設を破壊していた。
タイタスとの戦いでは、初っぱなからタイタスプラネットハンマーを後頭部に喰らい、肉弾戦でも劣勢になるが、蟻酸で怯ませた隙に地中に潜って不意打ちを浴びせる戦法で一時優位に立つ。
しかし音であっさり見破られてしまうと、その後はタイガのゴロサンダーリングによる電撃で痺れた挙げ句、トライストリウムに背中の角を切断され、最期はトライストリウムバーストで倒された。
初登場以降はどの映像作品でも序盤に登場していたが、本作では初めて本編終盤が近い時期の登場となった。
『タイガ』第20話初期案では、タッコングがタンカーを襲って石油が値上がりし、インサイダー取引が行われるという展開が検討されていた。また、監督の武居正能氏は、近年のアリブンタでクローズアップされがちな蟻酸ではなく、『A』で描写のあった地底描写に力を入れている。
ウルトラマンデッカー
第18話「異次元からのいざない」に登場。
『ファイトビクトリー』以来となる、本来の主たるヤプールに使役されている個体(監督も『ファイトビクトリー』と同じ坂本浩一氏)で、本作の世界では初めて確認された「超獣」である。
アガムスに接触したヤプールが戦力として送り込み、ソラフネシティで大きな穴を開けて大陥没を引き起こす(この時、地下からはスフィアとは異なる高エネルギー反応が検知されており、カイザキ副隊長は「怪獣を超越したパワー」と評している)。
その後姿を現すと、口からの蟻酸攻撃でGUTSグリフォンを戦闘不能にし、デッカーとも互角以上に渡り合って苦戦させるなど、超獣らしい実力の高さを見せ付ける。さらにアガムスの操るテラフェイザーとの連携で、デッカーをピンチに追い込んだ。
しかし、奮起したカナタがミラクルタイプにチェンジすると、分身からの連携攻撃で形勢逆転され、テラフェイザー共々『A』本編をリスペクトしたかのような正面衝突を喰らって大ダメージを受ける。
最後はテラフェイザー撤退後、ダイナミックタイプのデッカーフラッシュダイナミックを喰らい撃破された。
しかしその際、ヤプールの罠に嵌まったデッカーは異次元に引きずり込まれてしまい、宇宙に飛ばされてしまうこととなる。
派生作品
ULTRAMAN
ゲーム版「BE ULTRA」にアリブンタ星人(要は宇宙人)として登場。しかし、宇宙人と明確に定義されている以外はほぼアリブンタそのまんまな外見をしている。武器は鋭い腕での近接攻撃と、手から放つロケット弾。
この他、瞬間移動能力を持っている。
酩酊!怪獣酒場
第7話にてモブとして登場したが、第1巻巻末の「酩酊!怪獣図鑑」に記載はない。
余談
- 名前の由来は”アリと、南米の肉食兵隊アリ「マラブンタ」”と書籍に記載されていたが、マラブンタと言うアリは1954年のアメリカ映画「黒い絨毯」に登場する架空の物で実在はしない。「マラブンタ」はスペイン語で「アリの移動」を指す。ちなみに企画時の名前は「アリモン」。
- 第5話の特技監督を務めた大平隆氏は、アリブンタの地底シーンでロングショットを希望していたが照明部に反対され、手前の山に照明を当てないまま撮影することとなった。しかし、このことで奥行きが出て、本編監督の真船禎氏から絶賛されたという。
- 2on2のタッグ戦で2体の怪獣を正面衝突させるという展開は同じく2on2のタッグ戦が展開された『ウルトラマンガイア』や『ウルトラマンネオス』でもオマージュされ(さすがに決まり手にはなっていない)、後に『ウルトラマンデッカー』で再びアリブンタによる正面衝突が披露された。
- 『A』第5話に登場したよみうりランドの客役を演じたのは、後に『ウルトラマンレオ』のMACの白川純子隊員役を演じた三田美枝子女史がゲスト出演している。
- 南夕子役を演じた星光子女史は、蟻地獄に引き込まれたシーンでは「ワイヤーで5分以上吊らされていたため怖かった」と語っている。
- 初登場の『A』第5話は、後に初放映から49年後の2021年5月5日に公式配信された。
- 地下鉄を襲って乗客を蟻酸で溶かして骨だけにするシーンはトラウマになった視聴者も大勢居るらしく、『ウルトラマン列伝』で『A』第5話が放送された際はそのシーンはカットされていた。
- 能力自体は非常に高く、視聴者にもトラウマを刻み込んだという意味では実績のある超獣なのだが、『A』本編でのあまりにも呆気ない倒され方が原因で、長いこと不等な扱いを受けていた超獣の1体であった。
- 『ウルトラマン超闘士激伝』や『大怪獣バトルウルトラアドベンチャー』にもヤプール軍団の兵隊として登場している。
- 平成シリーズ以降に登場したアリブンタ以外の超獣(ベロクロン、バキシム、ドラゴリー、ルナチクス)の着ぐるみは、『ウルトラマンメビウス』以降『ファイトビクトリー』や『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』で度々使用されて撮影に耐えられる状態ではなくなった為、ここ数年間撮影に使用出来る超獣の着ぐるみはごく最近作られたアリブンタのみだった。
関連タグ
アリンドウ:同じく蟻がモチーフのウルトラ怪獣。
アントラー:同じく蟻地獄で捕食を行う怪獣。こちらはアリジゴクそのまんまである。
バードン:アリブンタに最弱のレッテルを貼った元凶。こちらは登場後から徐々に弱体化されている為、アリブンタと逆転していっている。