M・A・C、通称マックと呼ばれる宇宙パトロール隊の本部は、この巨大な宇宙ステーションの中にある。MACは、宇宙からの侵略や遠く宇宙へ旅する宇宙船の安全を守るために作られた国際的な組織である。(第1話ナレーション)
概要
『ウルトラマンレオ』に登場した防衛チームで、正式名称は「Monster Attacking Crew」。
母体である地球防衛軍の下、最高司令部であるアジア本部のMACステーション、各エリアを司る4つの宇宙ステーション(アジア支部、アフリカ支部、ヨーロッパ支部、アメリカ支部)そして各支部の下に東京支部等の地方支部や関連施設がある。
その戦闘部門が本編で活躍する宇宙パトロール隊や地上パトロール隊である。
メンバー
おおとりゲンとモロボシ・ダンの二人のウルトラマンが物語の主軸であるため、MACの立ち位置は従来の防衛隊と比べて、脇役寄り。
その為、MACの活躍自体が少なく、ゲンとダン以外のメンバーにスポットライトが当たる機会も稀である。
MACにはレギュラーメンバー(宇宙パトロール隊)の他にも大勢の一般隊員が所属しており、同じMACの制服を身に纏って宇宙パトロール隊と共に活動している。
MACが巨大な組織であることが窺えるのだが、そもそも劇中での宇宙パトロール隊と一般隊員の区別が極めて曖昧であり、前述の宇宙パトロール隊の不安定さも相まって「こんな人いたっけ」感に拍車をかけているのも否めない。資料についても顔写真の入れ替わりや抜け落ちがあったりする。
レギュラー隊員の入れ替わりがあっても交代劇は描かれず、気が付いたら、あの隊員がいなくなっていて、知らないうちに新顔が加わっているという状態。結果、ダンとゲン以外のMAC隊員を誰一人として覚えていないという人も少なくない。
むしろ、ゲストとして登場する隊員のほうが、レギュラーメンバーよりも印象強いかもしれないが、レギュラーメンバーも最低限の特徴を持たせているので、救いようのない扱いの悪さではない。
MACのメンバー交代も命懸けの戦闘を行っている部隊であることを踏まえれば、リアリティがあると言える。
初期のメンバーはゲンと対立することが多く、基地内の雰囲気はギスギスしていることが多かったものの、ゲンが成長してからは大方のメンバーが入れ替わったこともあって雰囲気も改善されていき、ゲンが交代後のメンバーとも仲良く談笑するなど雰囲気も明るくなっていった。が、第40話で……。
宇宙パトロール隊(レギュラーメンバー)
MACアジア本部の隊長にして、元ウルトラ警備隊隊員。背番号は1。
*当該項目を参照。
本作の主人公。ウルトラマンレオが地球人に変身した姿で、外見年齢は20歳。背番号は7。
*当該項目を参照。
黒田明雄(演:黒田宗)
背番号3。24歳。機械整備を得意とし、第3話では赤石と共にマッキーのエンジンの換装を行った。一応MACアジア本部の初代副隊長格だが、青島からはタメ口を利かれたり、指示を飛ばされたりもすることから、ダンとの会話が多い青島が事実上の副隊長であるか黒田・青島の二人体制ではないかという考察も存在する。ゲンに対しては先輩風を吹かせる面もあったものの、彼なりにゲンを気遣う姿も時折見られた。第8話を最後に姿を消す。
青島一郎(演:柳沢優一)
背番号5。22歳。喜怒哀楽のはっきりした性格で、ゲンと対立を繰り返すが、和解する姿も何度も描かれている。第13話では濡れ衣を着せられたゲンの無罪が証明されると、いち早くゲンに知らせようとした。第14話ではゲンに「いつも特別扱いされてるからっていい気になるな」と辛辣な言葉を投げかけるものの、全てが済んだ後はスポーツセンターでトオルの空手の練習に付き合い、気さくな表情を見せた。第16話でアトラー星人の呼吸音が録音されたテープをトオルから借りてきた場面を最後に、赤石、桃井と共に姿を消す。熱い人柄から人気が高く、彼がいなくなってしまったことを惜しむ声も多い。ちなみに同話でアトラー星人と交戦した、MACのミラージュⅢの編隊が全滅してから姿を見せていないため、死亡説も囁かれる。テロップでは常に先頭をキープしていた。
赤石清彦(演:大島健二)
背番号6。20歳。メカニックに関する知識が豊富であり、第3話では黒田と共にマッキーのエンジン換装を行った。寡黙でクールな雰囲気を醸しており、第1話で黒潮島の調査に赴いた際に一応ゲンの意見は汲み取ってはいたものの、ゲンに対しては冷淡な態度をとることが多い。第14話では、ダンから殆ど有無を言わさず青島と共にゲンの特訓に付き合わされ、MAC隊員に犠牲が出る中出撃できない苛立ちでゲンを怒鳴りつける一面も見られたが、事情がわかった際には素直に謝罪している。また、マッキー1号に2回も乗れた幸運な隊員でもある。第16話を最後に姿を消す。青島同様、死亡説が囁かれる。
白川純子(演:三田美枝子)
背番号8。20歳。主にオペレーション、特に通信関連を担当する。それゆえ、劇中では無線通信で隊員たちを呼び出し「東京XX地区に星人が出現しました」といった通報をすることが多い。第4話ではマッキー2号に搭乗したり、第17話ではパトロールに出るなど状況に応じては実戦に参加することもある。ダンに対しては好意を抱いている節が見られた。第1話から登場したMAC初期メンバーが次々といなくなる中、彼女だけは第40話まで残り続けた。
桃井晴子(演:新玉恭子)
背番号9。18歳で、年齢が設定されている初期メンバーの中では最年少。白川と共に本部で通信を担当しているが、マッキーに乗り込んで出撃することも多い。第6話ではカーリー星人に襲われて負傷した模様。第16話を最後に姿を消す。青島や赤石同様死亡説が囁かれている。
平山あつし(演:平沢信夫)
黒田の後任として配属された二代目副隊長格で、第9話から登場。背番号は3だが、第17話では白土と梶田のレギュラー加入に伴い背番号がなくなっている。口数は少ないが、叫び声が特徴的。格闘が得意であり、第11話ではケットル星人相手になかなか粘っていた。第14話でも、ゲンが道場の壁に叩きつけられるほどの華麗な飛び蹴りを披露している。第18話を最後に姿を消す。
レギュラーで有りながら彼についての記述がない書籍もあり、劇中で名前を呼ばれる場面が少ないこともあり、名前を別の資料なり繰り返しの視聴で知った視聴者も多いかもしれない。現場での号令が多く、ゲン個人に声をかける場面が極めて少ない。
- 以下の隊員は背番号なし。
白土純(演:松坂雅治)
22歳。最初は第6話に登場。MAC本部とは別の宇宙ステーション所属で、ゲンとは同期の仲のいい友人だった。ゲンが、白土の恋人である洋子(ちなみに恋人の洋子役の役者は本編第47話でもテリナQに操られる女性としてゲスト出演している)をカーリー星人から守り切れずに死なせたことから険悪な関係になる。同話で恋人の敵討ちのために一時的に宇宙パトロール隊に所属し、打倒カーリー星人の一心からの特訓により2丁拳銃をマスターした。カーリー星人との戦いを終えた後もゲンを完全には許さず、「ま、お前もしっかりやるんだな」と皮肉を言って宇宙ステーションに戻っていった。
……が、その後、第17話にて再登場。いつの間にか宇宙パトロール隊のレギュラーメンバーになっていた。第6話の経歴が他のエピソードで生かされる機会こそないものの、ゲンとの仲は以前のように戻っていた。だが、後述の梶田が何度も名前を呼ばれているのに対し、白土はレギュラー定着後、ゲンから名前を呼ばれていない。実はまだ気まずい?(白土からは「おおとり!」と何度も呼びかけているのだが……おそらく、ゲンからファーストネームで呼ばれていた第6話での設定に対し、それに見合う特別な役割を与えることができなかったのが原因と思われる)。以後、第40話までレギュラーメンバーとして活躍した。
梶田一平(演:朝倉隆)
青島と赤石の代わりに配属された隊員。第17話から登場。マッキー2号の操縦の腕はかなりのものであるとされているが、劇中では一人でマッキー3号に搭乗して活躍することが多い。第18話では宇宙コウモリ殲滅の指揮を執った。ゲンや白土と同格で仲も良く、一緒に行動する場面も多かった。地味呼ばわりされることもあるが出席率は安定しており、第17話で初登場してから欠席したのは第20話と第21話の2回のみ。ダンとゲン以外の男性隊員の中では最多登場回数を誇る。ダンやゲンからよく「梶田!」と声をかけられる分、白土よりも出番が多く、佐藤の登場以後はテロップの位置が2番手になっている。第40話まで残っていたメンバーの一人。白土隊員と顔写真が入れ替わっている書籍がある。
佐藤大介(演:手塚茂夫)
MACアジア本部の三代目副隊長格。第19話から登場。初登場の時に他の隊員からタメ口を利かれていたか、本人が最終話を除き欠席した日本名作民話シリーズ終了後初登場の第34話以降は無欠席だった。以後、ゲンから「先輩」と呼ばれ、他の隊員にも指示を出すなど、副隊長格らしい動きも増えていった。優しい性格で人懐っこく、困っている人を見ると放っておけない。怪獣反応の出た郷秀樹を連行する際、基地で取り調べを受けさせる前にスポーツセンターに立ち寄って怪我の手当てをすることを提案したり、ダンが基地でコーヒーを飲んでいることをマッキーの通信機越しに当てて場を和ませるなど友好的な面がしばしば見られた。ちなみに、ダンよりも年長との裏設定がある。第40話まで残っていたメンバーの一人。
大槻美也子(演:大原みどり)
第23話と第25話に登場し、通信を担当した。第25話では佐藤や白土と怪談で盛り上がったり、ダンに通信報告をしたりと結構目立っていた。劇中で名前を呼ばれていないせいか忘れられてしまうこともある。
松木晴子(演:藍とも子)
桃井隊員の後任として配属された女性隊員。第26話から登場。通信を担当する他、等身大で出現した星人を白土や梶田と共に追跡する機会も多い。初登場回を見るに、民間人を保護する役割を担っているのかもしれない。美人で優しい性格なので人気がある。第40話では誕生日会を同僚たちに開いてもらうが……
一般隊員
鈴木(演:鹿島信哉)
第3話に登場。温厚な性格で、妻も子供好きだったため、ツルク星人に父親を殺害されたトオルとカオルを養子に迎えるはずだったが、自らもツルク星人に襲われて殉職。本編最初の殉職者でもある。
佐藤三郎(演:東龍明)
第12話に登場。関西弁を話す、アフリカ帰りの陽気な冒険野郎。彼のデビュー戦は、サイマー族の衣服のまま、ふしぎなおどりでバンゴを追い返すという衝撃的なものであった。
パトロール中にも、計器より自分の嗅覚のほうが頼りになるとして居眠りしてしまうなど、かなりマイペースな人物。その珍妙な言動のおかげでこの人のことは覚えている人は多い。その後も独自のユニークな戦法でバンゴに立ち向かった。戦いの後、ヒマラヤで雪男を探すために旅立っていった。どういうわけか、彼に対してはダンまでもが敬語で話している。ヒマラヤに旅立ったことから後述の悲劇に巻き込まれなかった可能性もある。演じた東はウルトラセブンにシャドウマンの役でも出演している。
北山洋二(演:うたた賢)
第21話に登場。スキーの名手で、オーロラ国際スキー大会での優勝経験がある。かつて、ノースサタンに襲われていたアルファ星人ニケの女神を救出したことがあり、ニケの女神に恋心を抱くようになる。前述のノースサタンとの戦闘時に、ノースサタンのガスニードルをスキーで培ったフットワークでかわした上で格闘戦に持ち込み、退却に追い込むなど高い実力が窺えるが、巨大化して現れたノースサタンからニケの女神を逃がす際にニードルが刺さった右足を切断するか否かの傷を負う。手術は成功するが、退院した時にはニケの女神は地球を去った後だった。
内田三郎(演:五代勝也)
第36話に登場。アトランタ星から生還した宇宙飛行士。高倉司令長官の一人娘・あや子の婚約者であり、高倉長官の推薦で宇宙パトロール隊に入隊する。だがその正体は内田に成りすましたアトランタ星人であり、MACウラン強奪を目論んで暗躍する。本物の内田飛行士はアトランタ星で殺害された模様。
名もない隊員たち
第3話の名無し隊員
巨大化したツルク星人との二度目の交戦の際、マックファントムに乗っていた隊員。ツルク星人の刃で機体を両断され、炎上するコクピット内で断末魔の叫びを上げる。なお背番号5がチラリと見えるが、青島とは別人。そもそもあのファントムは宇宙を飛べるのか? 東京支部の隊員だろうか?
第13話の名無し隊員
停職になったゲンの代わりとして登場した隊員。一時的な補充隊員でありながら青島らと妙によく馴染んでおり、本編後半では平山とマックロディーに同乗までしている。
第14話の名無し隊員たち
ゲンとの特訓のためにスポーツセンターに集められた名無し隊員たち。アンタレスが出現した際に平山と共にマッキーで出撃するが、撃墜され8名が殉職する。生き残った数人は道場に戻ってきていたが、ゲンの特訓には協力せず、青島らと同じように道場から去っていった。その後ゲンと道場破りの試合に1名の名無し隊員が青島らと共に立会い、正体を現したアンタレスの追跡にも参加した。
第15話の名無し隊員
等身大で現れたフリップ星人との格闘戦に身を投じた隊員。フリップ星人に投げ飛ばされ大木にぶつかり、地面に頭を打ちつけ血を吐いて殉職。背番号6をつけているが、東京支部の隊員だろうか? 同じく格闘戦に参加していた平山や青島が川に投げ飛ばされただけで無事に生還したこと、ゲンがダンの命令に背かなければおそらく死ぬことはなかったと考えると相当に運が悪い。同話ラストでダンは、彼が命を落とした大木の根本に花束を添える。
ダン「勇敢なMACの隊員を失った。失った命は返らない。ゲン、わかるか? この先どんな宇宙人が現れるかもしれん。一人の犠牲者も出さずに戦うのは難しいことだ。だが、俺達はそれをやらねばならん」
第22話の名無し隊員たち
ガロン戦にて、3名の死者と16名の負傷者が出ていることが白川隊員の口から語られる。その後、全員出動態勢を受けた名無し隊員たちが出撃していった。
名無しの女性隊員
男性隊員に比べると登場頻度は少ない。第34話での司令室のシーンの背景に2名(うち1名は髪型が白川隊員や松木隊員とは別人であり、第34話は藍とも子氏、白川隊員役の三田美枝子氏両者ともクレジットされていない)、第36話の病院でのシーンで1名確認できるのみで、貴重である。
その他の回でも、宇宙パトロール隊と共に作戦に参加している一般隊員の姿が確認できる。
これらの一般隊員は、脚本上では「隊員A」「準隊員」と表記されていた。
首脳陣
高倉司令長官(演:神田隆)
MAC最高司令部の総司令官。誠実で見識も高い人物で、ダンには特別な信頼を寄せているが、第39話でウルトラの星が地球に接近してきた際に破壊を決断するなど、感情に流されない冷徹な判断を下すこともある。一人娘・あや子は、内田隊員と婚約していた。
MAC全滅後の消息は不明だが、立場上地球で勤務して難を免れた可能性もある。
『ウルトラマンA』第14話に登場した高倉司令官と同名だが、特に関係はない模様。
制服
最初期から登場した隊員には全員背番号が割り振られていたが、途中のエピソードから登場した隊員には背番号が存在しない(背番号3を引き継いだ平山隊員だけが唯一の例外)。
『帰ってきたウルトラマン』のMATナンバーが好評だったために採用された要素だが、度重なるゲンとの対立により上下関係ばかりを感じさせるものになってしまい、第17話からダンとゲン以外のメンバーの背番号は廃止された。残った背番号1と7は実質ダンとゲンのトレードマークになっていった。
メタな話だがスーツ自体は同じものを使い廻しているようで、よく見ると後期隊員のジャケットには背番号を剥がした跡がマスキングのように残っていて、リマスターで確認しやすくなった(佐藤が3番、梶田が5番、白土が6番。ゲンのものは途中で新調されたのか、内田のジャケットにも7番の跡がある)。元々剥がして使うことも想定していたのか、第12話に登場した佐藤三郎隊員のジャケットにも6番の跡がある。
女性隊員の制服は男性用と大幅に異なり、デザイン面は演者からも好評だった一方、動きづらい素材だったらしい。ちなみにごく初期はベレー帽を被っていたが、なぜかすぐに被らなくなった。
完全な女性専用デザインの制服があるのはMACとZATぐらいである(基本的に防衛チームの制服は男女共通デザイン。女性かつオペレーターのみに専用制服があった事例ならある。彼女のはあくまでも自己アレンジ(改造制服)であろう)。
戦闘力
歴代最強と声高い前組織ZATに比べると、ストーリー構成(第3話のシナリオに「およそ、このシリーズの星人は人間の科学に負けるようなことはないのだ」と記述されている)の関係で勝ち星をもらえず、ダンも「MACの力ではあの星人は倒せん」としばしば発言している。
ツルク星人やケットル星人など、等身大で残虐な殺戮を行う凶悪宇宙人が跋扈している為、隊員達は戦闘服であるMACジャケット、接近戦武装としてMACナイフを装備し、己の肉体を武器に果敢に星人に挑んでいく。歴代防衛チームの中でも近接格闘技能はトップクラスの実力を誇る(白土隊員曰く「MACのパトロール隊と云えばこの世で最強の人間たち」)……はずなのだが、大抵は地球人を遙かに凌ぐ身体能力を誇る宇宙人が相手なので、ボコボコにされることが多い。
先述の「この世で最強の最強の人間たち」とはなんだったのか、驕りや皮肉になっているとツッコミたくなるが、そもそもこの発言自体が白土隊員の恋人をむざむざ死なせたゲンへの「そのお前がついていながら」という怒りの言葉である。
カーリー星人やケットル星人とは何度も交戦したが、白土や平山など一部の隊員は奮戦したもののいいようにやられてしまい、フリップ星人戦では前述のように殉職者が出ている。ダダとかバド星人程度なら簡単に倒せそうなんだけどなあ……
何度叩きのめされても星人に立ち向かっていき、しばしば散っていく姿はまさに殺られ役。
航空機による戦闘では乗っている隊員のカットが映らないことなど日常茶飯事で、撃墜される確率がTACやZATと同じく非常に高いばかりか、名無し隊員の乗る戦闘機は脱出できずそのまま墜落して殉職ということが何度か見受けられた。
佐藤三郎隊員も、飛来してきたマッキーを見て「これで安心や!」と笑顔を見せていたものの、その戦いぶりにだんだんと顔色が曇っていき、終いには「アカンなぁ……」と漏らしていた。
第13話にてマッキー3号が特攻でバイブ星人を倒すが、パイロットがダンであったためあまりMACの戦果にカウントされにくく、MACが劇中で倒したのは第18話のコウモリだけなどとネタにされる。ただし、この宇宙コウモリの正体がバットンであることを考えれば、巨大化前に大多数を駆除出来たことは、ある意味大殊勲と言えなくもない。
第27話にてオニオンに特殊麻酔弾を使おうとした際に至っては「でも、効くのかねえw」とあろうことかナレーターにすら笑われてしまった(ギャグ回のノリだったのもあるが、実際に半分の効果しか出なかったのが情けない)。
初期は勝ち目のない相手に隊員から犠牲が出るのを避けるため、ダンの指示で早々と退却したことを一般市民から「腰抜け」「卑怯者」と手厳しく批判されることもあった。
だが第23話では子供たちによるリトルMACなるごっこ遊びが描かれるなど、中盤からは市民からの信頼を感じさせる描写も増えていった。
ジロウ君(第25話に登場)「MACがやっつけてくれるよね!」
MACの戦力
MACステーション
MACのアジア総本部であり、東京上空400kmの静止軌道にある宇宙ステーション。
100名以上の常駐隊員が勤めている。ウルトラシリーズの宇宙ステーションといえばMATステーション、ZAT第1ステーションなど基地ごと怪獣の犠牲になるケースが多く、MACステーションもまた同様の危険に晒されており……
主題歌に乗って登場した時の見栄えは非常にいいのだが。
余談であるが、『ウルトラセブン』の時代には宇宙ステーションへの配属が「左遷」であると明確に位置付けられていた(第13話『V3から来た男』脚本のマナベ参謀の台詞より。映像ではカット)。宇宙ステーションでの勤務が、危険性や居住性において地上勤務とは比較にならぬほど悪い条件下に置かれることは容易に想像できる。『レオ』の時代には宇宙ステーションが本部として機能していることから、技術進歩によりそれらの改善がなされたものと見られる。
ゲーム『ロストヒーローズ2』ではウィンド・キューブの外部に浮かんでおり、ウィンド・キューブに空いたゲートから入る事が出来る。Wやアクセル、セブンが拠点として利用していたが、エターナルが起こした混乱に乗じてブラック指令とシルバーブルーメが乗り込み、ホロスコープススイッチをはじめとする物資を奪われて壊滅した。
MAC東京支部
アジア総本部の地上における防衛施設で、地上パトロール隊の拠点。
マックロディーやマックカーはここに配備されており、マッキー2号・3号もここから出撃することがある。
隊員の装備
マックガン
銃口が丸く膨らんだ小型銃。
隊員の基本装備として宇宙人や怪獣との戦闘に使用される。カートリッジ交換で光線銃などに換装することも可能。
DVD2巻に特典として収録されていた資料(ノートを写真撮影したであろうもの)にその他の銃器や基地や乗り物と共に詳しい解説が書かれていたが、換装出来るものの中にはなんとあのペンシル爆弾もあるとの事。
マックブラスター
6万度の高熱熱線を放つ原子熱線砲。
肩に担いで使用する為の銃床が装備されているが、ジープに設置して砲撃するといった運用方法も可能。
これよりも小型の原子炉内蔵レーザー銃「アトミックレーザー5」が開発されたが、ベキラ戦以降、全く使用されていない。
マックナイフ
近接戦闘用のナイフで滑り止め加工や腐食対策がなされている。
ケットル星人との戦いなどで使われたが、第13話ではバイブ星人に奪われ、ゲンが殺人容疑を掛けられる羽目になった悪名高い装備。
『ロストヒーローズ2』でも装備として登場。
航空戦力
マッキー1号
全長:82m 全幅:48.4m 重量:96t 最高速度:光速の98.9% 乗員:10名
普段はMACステーション上部にドッキングしている大型母艦。中央部分にマッキー2号や3号が格納でき、有事には移動司令部としても活動するらしいが、登場回数がたった2回しかなかったためにいずれの役割もほとんど果たさなかった。
ただし、物語本編に登場しなくなった後も、大型のコンテナを活用して、他のステーションや基地への人員・物資輸送船として使用されていた、という設定もある。
なお、コクピットのセットはZATのペルミダーⅡ世の物が流用されている。第1話ではレギュラーメンバーたちの背後で行き来している名無し隊員の姿が確認でき、結構広い様子。
主な武装はレーザー砲と宇宙魚雷。
マッキー2号
全長:25m 全幅:25.5m 全高:5m 重量:45t 最高速度:マッハ4 巡航速度:マッハ4 乗員:4名
MACの中型戦闘機。ロケット型のA機と、円盤型のB機に分離できるが滅多に生かされず、大抵普通の中型機程度の扱い。
第16話ではA機の特攻でアトラー星人に大ダメージを与えるが、パイロットがゲンだったためやはりMACの戦果としては評価されない。
第36話では思い出したかのように分離合体を繰り返し、エピソード内でも重要な役割を果たす。
A機とB機それぞれに2名ずつ、合わせて乗員4名と記載されることが多いが、第27話や第40話ではどちらかのコクピットに3人乗りしているので、5人乗りも可能と思われる。
主翼からはミサイル、機首からはレーザーを発射する。
ちなみにA機のコクピットは第2話のみタンデム複座だったが、第5話以降は並列座席に変更されている。しかし脱出バンクはタンデム複座のままで、齟齬が生じてしまっている。
マッキー3号
全長:12m 全幅:7m 全高:3.2m 重量:8t 最高速度:マッハ5 乗員:2名
小型戦闘機でダン隊長が好んで搭乗する。バイブ星人に特攻をして倒す、マグマ星人を圧倒するなど数少ない戦果を挙げた機体。格子状の窓が特徴だがどう開くのかスタッフにもわからないようで、第10話や第22話などでは脱出シーンだけこっそり2号の脱出バンクにすり替えられている。
主な武装は機首のレーザー砲と機体下部のミサイル砲。
マックファントム(F-4EJ ファントムⅡ)
MACのマーキングが入っている。第3話に2機登場。後半登場した機体はエンジン換装後のマッキーにも引けを取らない奮戦ぶりを見せるが、撃墜されてしまう。真っ白に塗られたRIM-7 シースパローを搭載しているのが確認できるが、マッキーと同様のものと思われるミサイル砲を使用。
真っ赤に塗装されていて、MACのマーキングも入っている。
マッキー3号を先頭にする編隊を組み第15話ではレオを援護する活躍を見せるが、第16話にてアトラー星人との交戦の末、見事に全滅する。
F-106 デルタダートと記載されることが多いが、誤り(どちらもよく似たデルタ翼機だが、インテーク形状から判別可能)。
ウルトラマンオフィシャルデータファイルでは「マックファイヤー」と記述している。
マック特殊ヘリコプター
第27話に登場。資料によっては「モスキータス」「モスキーター」といった名称を与えられていることもある。その姿は真っ赤に塗られたZATのドラゴンそのもので、同型後継機とする資料もある。桃太郎少年の乗り込んだ桃型カプセルを運搬したが、ギャグ回ゆえのあまりにも特異なシチュエーションが説明しづらいせいか、各書籍では大抵「果物を運んだ」程度の記述に留まる。「HDM壮絶」でドラゴンがリリースされたので、おそらくもっとも造形のいい模型が手に入るMACメカであろう。さあ、みんなで塗ろう!
地上戦力
マックロディー
全長:4.2m 全幅:1.9m 全高:2.1m 最高時速:260km 乗員:3名
ジープ型の戦闘車両、ZATのラビットパンダに並ぶ痛車である。機体前部に3つ装備されたアトミックバズーカにレーザー砲、設置型地雷と火力は豊富。第10話で火炎に巻かれながら激走する姿は熱い(プロップに引火してしまっているからではない)。
防御力も硬く、先述のように怪獣の高熱火炎や10tの重圧にも耐える他、内部のスーパーコンピューターやあらゆる電波を受信および送信できるオールウェーブアンテナの働きにより、現場指揮車としても活躍する。
エネルギー源は無公害原子力エンジンだが、太陽光を吸収してエネルギーにすることも可能。
改造元は三菱・ジープ(J3・J4)。
マックカー
非武装のパトロール車。第3話では鈴木隊員諸共ドアを斬られてしまったが、その後もマメに出番があった。ある意味、MACメカ最後の生き残り(後述)。使用車両は初代ホンダ・シビックで、通信時にもそのまんま「シビック」と呼ばれる(第23話)。
ジープ
「ゲーン!! 逃げるなーっ!! 逃げるんじゃなーい!!」
「お願いでーす!! やめてくださぁい!! 隊長ぉぉ!!」
かの有名なジープ特訓で、ダンが乗ってゲンを追い回した。使用車両はいすゞ・ユニキャブ。ババルウ星人戦では三菱・ジープも使用された。
マックモール
全長:22m 全幅:6.7m 重量:150t 最高時速:85km(地上)・40km(地中) 乗員:4名
「マックモール、地の底へ……」と潜っていったきり出てこなかった地底戦車。『MACのマーチ』の歌詞中に名前が出てくるのみで、その姿はスチル写真でしか拝めない。
パラボラ状の奇妙なドリルが特徴的で、溶岩を物ともしない耐熱性を持つ。主な武装は後部から機体発射されるミサイル。
水中戦力
マックシャーク
全長:65m 全幅:40m 基準排水量:900t 最高速度:50ノット(水上)・37ノット(水中) 乗員:23名
「マックシャーク、海の底……」と潜っていったきり出てこなかった潜水艇。だが幸いにも第28話にて水中のセットが組まれたため、働く姿をついでに撮ってもらえた。その姿は第28話以降のOPで拝むことができる。第19話での対ボーズ星人戦にてゲンが使用を提案した「MACの潜水艇」とはおそらくこれのことだが、海坊主を恐れる住民を刺激するのを避けるためダンに却下されている。
主な武装は原始魚雷と大型のミサイルで、防御用に光波バリヤーも組み込まれた。
その他戦力
UN-105X爆弾
ウルトラシリーズ定番(?)の惑星破壊兵器で、ババルウ星人の策略で地球に接近してきたウルトラの星を破壊する為に発射されそうになった。
テーマ曲
M-11
「まず手元にある数話分の台本を読み込み、そのすべてシーンに音楽が入ることを想定する」という冬木透氏による、ただ一曲のMACのテーマ曲。
主にマッキー2号、3号が攻撃を仕掛ける場面などで幾度となく使用された。敵わないながらも立ち向かっていくMACの勇猛さと儚さを象徴する名曲。第6話のあのジープ特訓のシーンでも使われている。
『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』でもムルロア戦で延々流されたりもした(何故か本編よりもキーが低い)。
MACのマーチ
第4話でのみ使用された挿入歌。そのバージョンも、真夏氏のボーカルが除かれたものだった(ゲンが特訓中のため)。ギスギスした初期のMACらしからぬ爽やかな曲調と歌詞(「喜びはひとつ 今燃える友情」……?)や、この歌の歌詞にしか出てこないマックモールなど、何かとネタに事欠かない。第24話でゲンが鼻歌で歌っていたりもする。
ワンダバMAC
M-11にワンダバコーラスを追加したものだが、本編未使用。あまり発進シーンが描かれなかったり、コーラスが効果音とぶつかったりするせいで、使いたくても使えなかったらしい(あと、冬木氏曰く「勢いが足りない」とか……)。
しかし再編集ビデオのMAC紹介パートで時々使われていたり、円谷プロ30周年記念の『ウルトラ・シンフォニー・コンサート』にて、「戦う地球防衛軍(ワンダバ・メドレー)」のうちの一曲として、実に20年ぶりに再演奏されていたりもする。
全滅
第40話「MAC全滅! 円盤は生物だった!」
経緯
ババルウ星人による地球とウルトラの星の衝突が回避された直後のこと。
MACステーションでは松木隊員の誕生日パーティーが開かれ、隊員たちは和気藹々とした雰囲気で誕生日会を楽しんでいた。
だが突如、レーダーが超スピードで接近する物体を捉え、対処する間も無くステーションに激突。基地上部に取り付いてしまった。これこそ悪魔の星ブラックスターから送り込まれた円盤生物第一号シルバーブルーメであった。シルバーブルーメはステーションを上部から触手で包み、強力な溶解液を流し込みながら基地を呑み込み始めた。
隊員たちはパニックに陥りながらも、ガラスを割って侵入してきた触手をマックガンでなんとか撃退し、ダン隊長の指示のもと、佐藤、梶田、白土、白川、そして松木はマッキー2号、3号で脱出を図る。
ステーション崩壊が迫る中何とかマッキーを起動させた彼らはそのまま発進ゲートへと進んだが……。
そこには既に触手が待ち受けていた。
マッキーは触手に捕まり、隊員たちは断末魔と共にシルバーブルーメの体内に消えていった。
ダンも隊長としての責務を果たすべく基地と運命を共にし、間一髪レオに変身したゲン以外の100名以上の基地職員はステーションごと飲み込まれてしまう。
レオはシルバーブルーメを捕まえようとしがみ付くも振り切られてしまい、隊員達を助ける最後のチャンスすら失われた。
こうしてMACアジア総本部は、隊員おおとりゲン1人を残して呆気なく壊滅した。
その後、地球でレオはシルバーブルーメにトドメを刺す直前に体内からマッキーを引きずり出す。
この時のマッキーは機体の原型こそ保っていたが既に溶解液に塗れて変色しており、中にいた隊員達の生存は絶望的である。
MACステーション壊滅の遠因
①総本部を宇宙ステーションにしたこと
本来宇宙人や宇宙怪獣を迎え撃つ最前線となり、非常時に脱出手段が限られる殉職率の高い宇宙ステーション(MATステーション、ZATステーションなど基地全滅の前例もある)を本部にした為、いきなり本部が破壊されることになった。
②ステーションの構造
MACステーションは、画像の様に基地上部にマッキー1号がドッキングしており、さらに2号、3号の発進ゲートも上部に存在する。シルバーブルーメに上部から取り付かれて、全てのメカが発進出来なかった。
③シルバーブルーメの速度
シルバーブルーメはレーダーの索敵範囲圏ギリギリまで小型化しており、さらにレーダーに引っかかってから僅か13秒という超スピードで取り憑いたので一切対処できなかった。シルバーブルーメとは奇襲用の円盤生物だったのではないか?
④前回のウルトラの星接近の後遺症
ウルトラの星接近の際に、MACステーションのみならず彼方此方の宇宙の関連施設が大なり小なり被害を受けていたので、そのダメージが完全には復旧していなかったのかもしれない。
「MAC全滅」後の状況
全滅と言ってもこの時壊滅したのはアジア本部であるMACステーションのみであり、外国の支部は無傷。日本でも地上の拠点であるMAC東京支部こそ第34話でのアシュランの襲撃で被害を受けていたものの、その他の施設は無事であり、高倉長官や佐藤隊員、後の『ウルトラマンメビウス』に登場するアライソ整備班長、地上パトロール隊員や当日ステーションにいなかった非番の宇宙パトロール隊員などは無事だったはずなので、組織全体が全滅したわけでは無い。
なお、軍事用語における「全滅」とは、「組織的な戦闘能力を喪失した」という意味であり、「全員が死亡した(生き残りが一人もいない)」という意味ではないことにも注意を要する。
しかし、後のGUYS総本部のアーカイブドキュメントには、MAC全滅後~UGM設立までの5年間は「アウト・オブ・ドキュメント」として記録されていることから、防衛組織としてのMACが崩壊したことは確実である。
その原因がステーション壊滅による指揮系統の崩壊なのか、それともほとんどのメカニックがステーション諸共失われてしまったのかははっきりしないが、その後日本に襲来した円盤生物達の相手は、MACより戦闘能力の低い地球防衛軍が担当する事になる。後のUGMのオオヤマキャップは、この時の防衛軍出身とのこと。
また、VHS第15巻に収録された映像特典『ウルトラマンレオの獅子奮迅!』第9回では、シルバーブルーメ襲撃の時点で、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの各基地は侵略者との戦闘で壊滅していたという設定になっている(あくまでもこの映像特典内で作られた設定である)。
最後の砦となっていたアジア本部が全滅したことでMACは主要な基地をすべて失い、崩壊に至ったのだろう。
なお、おおとりゲンはMACステーション壊滅直後に地上の病院を訪れた際に、ステーション脱出時には身に着けていなかったヘルメットとMACジャケットを装着しているが、東京支部辺りに一度報告に向かったかは定かで無い。
どうやってただ1人ステーションから生還したか説明するのは困難であるので、下手したら死亡扱いになっているのかもしれない(もしくは、奇跡的にレオに助けられたと説明した可能性がある)。
それ以降ゲンはMACシーバーと黄色に塗り替えたマックカーを私物として使っている。
これらは本来地上パトロール隊の持ち物であるが先述した通り既にMAC自体が崩壊していたのであれば、解散の際の餞別として与えられたゲンの所有物であると考えるのが妥当だろう。
仮にそうでなくとも、その時のMACには既に備品の横領を取り締まる余力すら残っていなかった事になるが果たして……。
因みにステーション崩壊に巻き込まれたダンことウルトラセブンだが、後にウルトラの母に心臓のみ(ダンの姿で宇宙漂流していた説もある)の姿で救助されていたことが明らかになった。
セブンと言い、タロウと言い、心臓1つさえ残っていれば復活出来てしまうのは流石ウルトラ一族と言えよう。
内山まもる版
執筆時期の関係か、序盤のエピソードではマッキーが準備稿のデザインで登場している。
中盤からはTV版と同様のデザインに改められるが、なぜかマッキー2号しか登場しなくなる。
出番は多くはないが、L77星人に化けてレオを襲ったバットン軍団をウルトラ兄弟と連携して数体仕留める活躍を見せている。青島の名前が出る回も存在する。
しかし『小学2年生』版では、シルバーブルーメの急襲によりやはり全滅。溶解液を直に浴びている隊員がいたりと、こちらの描写も凄惨。ダンはレオに救出されるが、脱出の際に負った傷から残された命が僅かであることを悟り、ウルトラ兄弟によって修復されたウルトラアイでセブンに変身。MACの大型ミサイルを背負ってシルバーブルーメに特攻し、その命を散らす。レオは形見として遺されたアイスラッガーを手に取り、シルバーブルーメを撃破する。
一方、『小学3年生』版ではストーリーがウルトラ兄弟とシャドウマンとの戦いにシフトするにあたり、特に描写がないままフェードアウトしてしまった。
ULTRAMAN (漫画)
外伝『ULTRAMANSUIT ANOTHER UNIVERSE』にて、多目的操練場「Multipurpose Athletic Ccenter」として登場。
川上鉄太という筆頭教官の元、ZEROSUITの装着者に選ばれた薩摩次郎の指導を行った。
余談
- 再び地球にやって来たウルトラセブンことモロボシ・ダンがMACの隊長になれたのは、ダンがかつて属していたウルトラ警備隊以来の旧知である地球防衛軍のタケナカ参謀が、ウルトラ警備隊以降のMACを含む数々の防衛チームの結成に何らかの形で関わっていたこと(これらは後に『ウルトラマンメビウス』で明らかになっている)から、その推挙があったからとの説があるとかないとか。
- マッキー1号の登場回数が少なかったのは撮影用の模型があまりにデカく重かったからだとか、誤って破損してしまったからだとか、盗難に遭ったからだとか色々言われている。
- マックシャークのミニチュアは現存しており、東映太秦映画村の映画文化館で円谷英二の写真と一緒に展示されている。
- 第6話のジープ特訓の撮影の際、真夏氏は「轢かれたら死ぬだろ!」と本気で目を血走らせていたらしい。実際、撮影に使われた中古のジープはブレーキを踏んでもすぐに止まらないような代物だったとのこと。流石にこれは当時もやりすぎと見做されたか、この回を監督した東條昭平(『帰マン』第33話『怪獣使いと少年』でも問題になり、暫くウルトラシリーズから干されていた前歴あり)は第38話まで本編監督から外されることとなった(その腹いせもとい、代わりに特撮監督としてレオのスーツアクターである二家本辰己をしごき倒した)。
- MACが第40話で全滅に追い込まれたのは、その当時のオイルショックによる物価高騰が製作費を圧迫した為、それを軽減する為にキャストのリストラと基地セット維持費のカットが行われたからである。ただ、ウルトラマンレオという作品自体が全体的にシリアスな作品であったため、終盤近くでMACが全滅してしまうという展開はそこまで違和感のあるものではない。
- 相次ぐメンバー交代や殉職、メンバーの描写の少なさ、全滅に至った末路からか、後年の『ウルトラマンメビウス』のGUYSにあるアーカイブドキュメントでは実名のあるメンバーはダンとゲンの2名しか記述されていない。各種ムック本でも隊員全員が解説されることは少なく、スチル写真の存在する前期メンバーを中心にするか、本編からのキャプチャ画像を使って後期メンバーを中心にまとめるか、書籍によって判断が分かれている様子。
- 森次晃嗣氏は、次々とMAC隊員が交代していったことを「やけくそになってるんじゃないかと思った」「劇中でちゃんと説明しないのは良くない」と述懐している。
- 初期メンバーの中でも特にゲンと対立することの多かった青島隊員だが、その内3回(第8,10,14話)は阿井文瓶氏の脚本である。実質、阿井氏の手で肉付けされたキャラと言っても過言ではないだろう。もしかしたら、メンバー交代からほどない第18話でゲンと共に行動していた白土隊員の役回りも、当初は青島隊員が担う予定だったのかもしれない。
- 鈴木隊員を演じた鹿島氏は、本編第36話でMACの医師、第45話で仁科博士役としてもゲスト出演しており、『タロウ』第33話・34話でのゾフィー、テロリスト星人、次回で登場したウルトラの父、本編第3話の3週間前の最終回に登場したバルキー星人の声を演じている。
- 白川隊員役の三田女史は『帰ってきたウルトラマン』第2話、5話、6話の坂田アキの友達、『ウルトラマンA』第5話、『ウルトラマンタロウ』第27話でも別人としてゲスト出演している。『帰マン』第2話、5話、6話本編では郷秀樹役の団時朗氏と共演したが、『レオ』に団氏がゲスト出演した第34話では三田女史が出演しておらず、団氏との再度の共演は叶わなかった。松木隊員役の藍女史とは本作の撮影の待ち時間中に意気投合して親友同士になったとか。共に女性声劇集団ステージ妃未呼や、真夏氏主催の真夏座に参加していたこともあり、三田女史は「東京XX地区に○○が出現しました」という台詞を持ちネタとして披露している。2024年にはなんと、直筆サイン入りの白川隊員のアクリルフィギュアが製作された。
- 藍女史は本編第17話でも城南スポーツクラブ練習生役としてゲスト出演している。本作にはアクションのできる女優という触れ込みで出演したため、苦労が絶えなかったらしい。ちなみに第40話の凄惨な最期を演じるにあたっては「面白い」と感じていたという。
- 白土隊員役の松坂氏は『A』第21話、『タロウ』第42話では東光太郎の中学の後輩役でゲスト出演している。また『レオ』終了後、『仮面ライダーストロンガー』第4話にて暴走族役として、佐藤隊員役の手塚茂夫氏と再び共演を果たした。
- 梶田隊員を演じた朝倉氏は、歌手志望だったことから、呑みの場ではよく弾き語りを披露していたという。1976年に『喜劇・百点満点』での主演と主題歌担当を経て、1977年にデビュー。中日ドラゴンズの旧球団歌『勝利の叫び』などを残した。その後はプロデューサーに転身し、オフィス・トゥー・ワンの重役となっていた(藤田聖子氏のツイートより)が、2023年6月30日、膵臓癌により残念ながらこの世を去った。
- 佐藤大介隊員役の手塚氏は、撮影当時は飲食店を経営しており、森次氏がMAC隊員役の演者を連れてよく訪れていた。また、『太陽にほえろ!』第111話でジーパン刑事を射殺した会田役で知られていたことから、撮影の合間に再現ドラマを演じて現場を和ませていたらしい。惜しくも『レオ』誕生30周年の年である2004年2月4日に肺癌で死去。レギュラー隊員としては最年長で隊長役の森次より年上で、森次本人とも友好関係にあり、第36話以降の待遇改善につながったと思われる。
- ブラック指令を演じた大林丈史氏は、他の出演者と共演する場面が少なくアフレコも自分だけ別だったことを「唯一、絡みの可能性のあった防衛隊は、俺が皆殺しにしちゃったし(笑)」と冗談めかして述懐している。『ウルトラマン80』第21話では平和を愛する宇宙怪獣専門の捜査官・宇宙Gメン、ザッカルも演じているが、『レオ』関係のインタビューでは「地球を粗末にすると、また破壊しに行きますよ!(笑)」とあくまでブラック指令の視点からメッセージを残している。
- 怪獣に食べられてしまったという最期もあってか、ファストフード店のマックと絡めたネタも時折見られるが、2000年から2002年にかけて、マクドナルドがスポンサーの『たたかえ! 地球ぼーえー隊MAC』というギャグ漫画が、コロコロコミックにて本当に連載されていた(作者・うおりゃー大橋)。こちらのMACは「モンスター・アタック・クルー」の略称で、普段はハンバーガー屋だが、有事にはMACとして侵略者と戦うという設定。戦闘機の登場シーンで「ワンダバダ ワンダバダ♪」と描かれているなど、ウルトラシリーズを意識したネタも見られるが、ウルトラマンレオや宇宙パトロール隊のMACを思わせる要素は残念ながら(?)特になし(一応、円盤型宇宙人≒円盤生物と戦う話はあるが……)。ちなみに連載終了の原因は、2001年9月頃から起こった狂牛病騒動。こちらのMACも、社会情勢の煽りを受けての最期を迎えてしまった。