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青い空、ポプラ並木の時計台、鈴蘭に浜茄子、楽しい夏休み

しかし、ゲン達を待ち受けていたのは恐怖の伝説であった。

北の海で伝説と戦うゲン!その伝説とは!?

北海道シリーズ第1弾!

みんなで見よう「ウルトラマンレオ」!!

放送日編集

1974年8月16日

登場怪獣編集

半魚人ボーズ星人

STORY編集

洋上、北海道行きのフェリーの上で輪投げに興じるカオルトオル、そしてそれを見守る百子。すると背後の階段から、全身をシーツで包んだ怪人物が現れ、百子の肩を触る。怖がる百子を守ろうとトオルが輪を投げつけると、その正体が露わになった。当然ゲンである。

脅かされた百子はむくれてしまうが、ゲンはバカやってなんぼだと笑う。

トオルはお化けのふりをしていたゲンに北海道にもお化けがいるのか尋ねるが、ゲンはそんなのは調べて来なかったという。するとカオルがゲンが今度の旅行のために北海道の事を熱心に調べていたと明かしてからかい、皆それにつられて笑う。

百子にどんな食べ物があるのか尋ねられたゲンは、腕組みすると…

ゲン「うーん、今の季節だったらトウモロコシがまず1番!それに、ツブ貝、ホッキ貝、ホタテ貝、毛蟹に鰊にシャケ、それから、ラーメンに…ジャガイモ!!」

「ジャガイモ」の部分で百子を指差し、またも頬を膨らませる百子。そんな様子を見てゲンは大笑いするのだった。

(場面転換)

ゲン達の目的地である北海道の海岸の岩場にて、1人の中年男性が釣りをしていた。10日もの間1匹もあがらないことに不満をたれつつ煙草をふかす男性。すると釣竿が急に大きく揺れ、突然の当たりに男性は慌てて竿を構えて獲物を引っ張る。すると海中からあらわれたのは…

半魚人ボーズ星人

全身真っ青の半魚人だった!

何年ぶりのことかと喜ぶ男性だったが、その異形の姿を見て「海坊主」だと驚愕し、鉄パイプを拾い上げて何度も殴打。海坊主は血を吐いて動かなくなったが、男性は1人戦慄するのだった。

(場面転換)

北海道へ無事着いたゲン達は、海岸へ駆けていく。

ゲン「あーやっと着いた!何たってここまで来れば海は空いてる!」

百子「でも、海岸に人がいないと何だか海水浴の様な気分が出ないわ」

ゲン「贅沢言ってらぁ…"東海の、小島の磯の白砂に、我なき飢えて、ジャガイモと戯る"」

百子「まぁ、言ったわね!もうっ」

三度目の膨れっ面になりつつも遊ぼうとするゲンと百子。すると海岸に、1つの鋭い怒声が響く。見れば、近くの小屋から釣具を持って出てきたトオルとカオルを、漁師風の男性が追って出てきたのである。すると男性はゲンをトオルらの仲間だと認めて睨みつけ、トオルとカオルを突き放す。彼の話によると、この村には盆に殺生をすると海坊主に祟られるという言い伝えがあるのだという。トオルは「そんなの古い」と反発するが、現にこの村は昔は秋アジ=シャケの大群が押し寄せてきたのに、今では掟を破った者がいたせいで年に数えるほどしか獲れなくなってしまっていた。どうかこれ以上海坊主を怒らせるのはやめてくれと頼む漁師だが、トオルはゲンはMACの隊員だから海坊主なんかイチコロにしてくれると自信満々に話す。するとその会話を、物陰から少年がじっと見つめていた…

その後、海岸にて馬跳びで遊ぶゲンら一行に、先程の少年が話しかけてきた。

少年の名は和男。ゲンがMACの隊員だと聞きつけ、海坊主が出たらやっつけて欲しいと言う。トオルはMACの中で最も優秀な隊員だとゲンを紹介し、和男も安心するが、そこへまたしてもあの漁師の男性が現れる。「そんなことを聞きにきたと言うことはお前の父ちゃんは漁をしているんだな」と推測し、和男は否定するが漁師は疑り深く詰め寄る。言い返せない和男は逃げ出してしまった。ゲンがすぐ漁師を止め、嗜めるものの漁師は「掟は掟」だと語り、ゲンは疑問を抱くのだった。

そして辺りに雷鳴が轟き、浜を走り続ける和男の前にあるものがあった。そう、それは昨日あの男性が…いや、和男の父が殺した筈の海坊主の死体だった。そして雷の光を浴び、海坊主の眼に光が灯る…

そう、海坊主は息を吹き返したのだ。海坊主は物陰に隠れる和男に狙いを定め、ゆっくりと歩み寄る。和男も慌てて逃げ出した…

(場面転換)

その頃、和男の家にて父が明かりをつけながら、昨夜の事は誰にも言ってはならないと妻の三江に釘を刺していた。そこ和男が駆け込み、息を切らしながら「海坊主を見た」叫ぶ。

父は動揺しつつも「そんな馬鹿な、海坊主はこの世にいる筈がない、海坊主は俺が昨夜…」とまで言いかけたが、直後再び雷鳴が鳴り響く。「まさか…!?」と妻と身を寄せ合う父に、和男は早く逃げないとやられてしまうと言って出て行く。そして家の壁を破り、遂に海坊主が現れた。

海坊主は右腕の鞭で三枝を巻き取り、左手の一撃で倒す。妻をやられた怒りで包丁片手に挑んできた和男父も、同様の技で返り討ちに。和男は戸の影に隠れて全てを見ていたが、その存在に気付いた海坊主は標的を移す。

和男は助けを呼びながら浜へ逃げるが、海坊主の名を聞いた村の人々は皆震え上がって家に隠れ、助けに駆けつけたのはゲンだけだった。

海岸へ追い込まれ、首を鞭で絞められる和男だったが、すんでの所でゲンが間に合い、海坊主と格闘戦を開始。海坊主の鞭殺法を受けつつも怯まず立ち向かい、互角に立ち回る。近くの物置にはあの漁師夫妻がいたが、念仏を唱えながら震えるばかりで誰も助けに行こうとしない。

ゲンは背負い投げや蹴りの連打で海坊主を海へ追い詰めたが、あと一歩のところで海坊主は水中へ逃げ込んでしまった。

そしてゲンは村へと戻るものの、和男宅ではいくら和男が呼びかけ揺さぶっても、彼の両親が目を覚ますことはなかった。2人の命を守ることができなかった無念に、ゲンは怒りをたぎらせるのだった。

(Aパート終了)

やがて村にダンらMACの面々が到着し、事件の調査に当たった。梶田が寺の住職から借りてきた巻物には、100年前にも現れたという海坊主の足跡が描かれていた。海坊主が100年も生きていることに驚く白土だが、巻物を受け取ったダンは足跡を「ボーズ星人」のものだと断定。巻物を梶田に渡し、白土や佐藤と共に昨夜の足跡と比べに行かせた。すると、隊服に着替えたゲンが怒って駆け込んでくる。

ゲン「隊長!この村の人達はひどい…自分達の仲間が目の前で殺されかかってるのに、誰一人助けようとしないんです!!」

ダン「お前は他人の力を借りて戦おうとしていたのか?」

ゲン「違います!!隊長今日だって、一人ぼっちになってしまった和男君に、誰も同情すらしないんですよ!?」

ダン「…村の掟だ」

ゲン「冗談はよしてください!こんな掟は、無くしてしまうべきです!」

ダン「ゲン!お前は星人を逃してしまったんだぞ?お前がやらなければならないことは唯一つだ」

ゲン「隊長!」

ダン「星人を倒すことに全精力を注ぎ込むんだ!それが容易でないことは今にわかる…」

興奮したゲンを諌めるため、その怒りを星人打倒に向けさせようとするダン。すると、梶田達が戻ってくる。

梶田「隊長!100年前の足跡と、昨日のものが一致しました!」

ダン「そうか!海岸のパトロールを強化するんだ」

3人「はい!」

ゲン「隊長それよりMACの潜水艇を、出動させたらどうでしょうか」

ダン「いかん!村人達の反感を買うような方法は避けるんだ」

ゲン「そんな生温い方法で、ヤツを倒せるんですか!?」

ダン「チャンスを待つんだ!星人は100年以上もここに住み着いて、村人の心の中に入り込んでいる…いきなり現れた我々を信じ込ませることの方が、無理というもんだ」

白土「おおとり、隊長の言う通りだ…!」

ゲン「ヤツは伝説を隠れ蓑にして、100年もの間、村々を騙し続けてきたんだ…!なんて卑怯なヤツだ!!」

ダン「落ち着くんだゲン…!それより海岸のパトロールを強化して、立ち入り禁止にするんだ」

3人「はい!!」

憤りを抑えきれない様子のゲンに危機感を覚えるダン。1人でも多くの命を守る為には、冷静さは欠かせないのだ。

(場面転換)

その頃、和男は梅田兄妹の前で、銛を研いでいた。そんなことで海坊主をやっつけられるか疑問を持つカオルだが、和男は漁師の父が使い方を教えてくれたから平気だと言い、試しに近くの木に投げてみせる。銛は見事木の真ん中に突き刺さり、トオルもカオルも感心。両親を殺した海坊主を倒す為、和男もまた1人戦っていたのだ。

(場面転換)

そして一方、あの漁師夫妻は海へ出るために船を出す準備をしていた。妻に心配されるが、魚をとる訳じゃないから平気だと返す漁師。しかし、少し彼が目を離した隙に、海から海坊主が、否、ボーズ星人が忍び寄り…彼の妻へ襲い掛かった!和男の両親をやったのと同様の技で、女性は殺害されてしまう。漁師は慌てて助けを呼び、その言葉にゲンが、パトロール中の3人が、そして和男が現場に急ぐ。

鞭を首に巻かれ、最早これまでかと思われたその時、真っ先に駆けつけた和男の投げ銛がボーズ星人に命中。その隙に漁師の男性は首から鞭を外し、九死に一生を得た。

ボーズ星人は銛を引き抜き、和男に投げ返そうとするが、続いてゲンが背後から星人を蹴り飛ばす。銛を奪い取って星人と格闘し、白土ら3隊員も銃撃で援護。大量のマックガン掃射を浴びた星人はまたしても海へ逃げていった。

しかし、今度は漁師の男性の妻が犠牲になってしまった。最愛の女房を喪った男性は悲しみに暮れ、平気だと言ってしまった妻に、そしてゲンらMACに謝る。大丈夫だと信じていた海坊主が遂に何もしない者にまで手を出したことから、女房の仇をとってくれ、船でも何でもいるものは使ってくれと頼む。その言葉にゲン達は船を使い、海へ星人を追おうとするが、遅れて現れたダンに止められる。ダンは星人が再び現れる前に住民を至急避難させるよう命じ、隊員達も皆それに応じる。しかしゲンだけを呼び止める。

ダン「ゲン!お前は残れ。星人は今度は巨大化する、その為に必ず倒さねばならん…お前のためにも、MACのためにも失敗は許されん」

ゲン「はいっ!」

ダン「俺について来い」

2人はマックカーで河川敷へ移動。広い場所へ出てダンはゲンに語る。

ダン「"肉を切らせて骨を切る"という言葉がある…」

ゲン「…。」

ダン「それがこれだ!」

いきなりダンは鞭でゲンに攻撃を開始。突然の奇襲に戸惑いつつも、ゲンはボーズ星人の鞭対策特訓を開始。しかし激しい鞭の攻撃を避けることは難しく、地面を転げてしまうゲン。それでも容赦なく追撃をかけてくるダンの鞭を右に左に躱し、立ち上がるが今度は身体を巻き取られてしまう。ダンは鞭を外し、ゲンに手渡す。

ダン「俺が星人だったら、今頃お前は死んでいただろう…今度はお前が俺を打ってみろ」

ゲン「隊長…」

ダン「いいから打ってみろ!」

ゲンが鞭を受け取り、振るった時だった。

ダンは避けるどころか真っ直ぐに向かって来ると、自ら鞭を身体に巻きつけた。そして鞭を巻き取りながら、ゲンに接近。そして一瞬アイコンタクトを交わすと、そのまま鞭を身体に巻きながら接近を続け、ゲンを吹っ飛ばした。ダンは鞭を身体から取り去り、ゲンに聞かせる。

ダン「星人がお前だったら…?」

ゲン「…!」

ダン「あの星人に勝つ方法はこれだ!」

ゲン「…うん!」

するとダンのマックシーバーに連絡が入る。星人が出現したが、村人は全員避難させたとのことだった。ゲンは村へと急ぐ。

半魚人ボーズ星人

海岸から巨大化したボーズ星人が上陸。激しい波を立てて荒れ狂うボーズ星人は、鞭で打ち鳴らして村を襲撃。

直ちにマッキー2号と3号が駆けつけ、星人を爆撃。しかしボーズ星人は強敵であり、マッキー2号を鞭で巻き取って墜落させてしまう。地上から白土達3人もマックガンで応戦するが、星人は彼らに狙いを定めて進撃、ピンチに陥ってしまう。追い込まれた佐藤が道路から民家の庭に落ちてしまった。

そこへゲンが駆けつけ、獅子の瞳が光る…!

ゲン「レオーッ!!」

星人の振り下ろした鞭へ稲妻が降り注ぎ、そこからレオが姿を現した。首に鞭を巻きつけながらボーズ星人に立ち向かう。

レオの登場に白土は安堵し、梶田と共に佐藤を助ける。そこへマックカーが停まり、乗っていたダン、和男、そして漁師の男性が降りて対決を見守る。

家族を奪われた者達の為にも、絶対に負けられない戦いが始まった。レオはボーズ星人に投げ捨てられ、鞭攻撃を浴びるものの、立ち上がって引き抜いた木を投げつけ、バク転で距離を取る。そして鞭を振り翳した星人に突撃、攻撃される前に海へ投げ飛ばす。そしてマウントをとって何度も殴りつけ、体制をひっくり返されても蹴りで押し返し、抱き合って転がりながら村の地面へ移動。お互いに立って膝蹴りをかまし、再び距離を置く。

そして、ボーズ星人がまたも鞭攻撃を仕掛けた時だった。レオはダンに伝授された通りの動きで鞭を身体に巻きつけて星人に接近、手刀で鞭の腕を切り裂いた!

SET FIRE !!

右腕を丸ごと失って苦しむ星人に、レオは奪った鞭で殴打。そしてそのまま一方的に攻撃を続け、ボーズ星人をリフトアップすると回転した後、頭から地面に叩きつけた。

ボーズ星人は一度は立ち上がるものの、もう力はそれだけしか残っておらず、倒れて青い煙を吐き出した。

そして煙に包まれ、その姿が見えなくなった頃、再び星人は立ち上がった。しかし、首から下は骨だけになっていた。

当然そんな執念だけの状態で戦える訳もなく、すぐに星人は崩れ去って爆発し果てるのだった。

レオが仇を討ってくれたことに和男は涙ぐみ、漁師の男性も和男を抱きしめるのであった。ダンもレオの勝利に笑顔を見せ、隊員達と共に引き上げる。

(場面転換)

その後、帰るゲン達に和男と漁師の男性が笑顔で見送りにやって来た。

漁師「おおとりさん、本当にありがとう。何か伝説がなくなってしまうのは寂しいけど、安心して暮らせるようになったんだから…ありがとう!」

ゲン「いやぁ…」

百子「和男君はこれからどうするの?」

漁師「この子は、わしが面倒見させてもらいます。幸か不幸かわしらには子供がおらんでしたからな」

ゲン「よかったなぁ、和男君!」

カオル「羨ましいわ、和男さんには新しいお父さんができたのね」

トオル「カオル、僕達にもお父さんとお母さんがいるじゃないか」

カオル「えー?」

トオル「ほら見てごらん?お父さんと、お母さん」

そう言ってゲンと百子を見比べると、その目には2人が熟年夫婦のように映るのだった。ゲンと百子も満更でもない様子だが…

カオル「なんだぁおおとりさんがお父さんだなんて」

ゲン「言ったなこいつぅ!」

辺りが笑いに包まれる。

そしてフェリーに乗り込み、帰っていくゲン達。

和男は海岸で手を振りながら、それを見送るのだった。

和男「さようならー!さようならー!!」

余談編集

次回予告のナレーションでも言っているように、本話より3話北海道ロケとなる。


本話より新隊員として佐藤大介が登場。

 

第15話にてゲンが免許皆伝を認められて以降、実に4話振りの特訓回でもある。


和男役を演じた小山梓氏は、本編第41話でもトオルの友人役としてゲスト出演している。


本話にて出撃のチャンスを逃したマックシャークは以後出撃することなく終わった。


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