概要
常磐線の交流電化区間で運行されていた交直流電車は、当時3ドア・クロスシートの403系・415系が主流であり、旅客の増加に対応しきれなかった。そのため、常磐線の輸送改善を目的に、初めての4ドア通勤形車両として開発・1995年より投入されたのがE501系である。
基本設計は直流区間で運用されていた209系を基本にしている。基本10両編成と付属5両編成がそれぞれ4編成ずつ製造されたところで製造を終了した。
常磐線の交直流電車にグリーン車を連結するに当たり、上野発着列車を当該のE531系に揃えることになったことから、2007年3月のダイヤ改正に伴い上野方面への乗り入れを終了。常磐線土浦以北と水戸線で運用されるようになった。これに前後して基本編成の両先頭車と付属編成の1号車にトイレを設置する改造が行われた。
水戸線運用は2019年3月のダイヤ改正に合わせて終了し現在に至る。
2023年10月、K754編成がイベント専用車両『E501 SAKIGAKE』へと改造され、同年11月23日より運行を開始した。全席予約指定制で、乗車には事前に専用乗車券を購入する必要がある。
外観は紅梅と白梅をイメージしたカラーリングに変更され、さらに刀の柄の糸巻をモチーフとしたデザインが取り入れられている。内装は従来のロングシートのままとなっているが、新たに握り棒付近にテーブルが設置され、冷蔵庫も装備された。
2025年2月11日には、臨時列車「水戸観梅号」として小山駅へ乗り入れた。これにより、2019年3月のダイヤ改正以降途絶えていた営業運転での小山乗り入れが、約6年ぶりに実現した。
2024年3月15日のダイヤ改正により、常磐線での付属5両編成の定期運行が終了。これに伴い、K751編成が廃車となり、E501系としては初の廃車が発生した。
10両編成はダイヤ改正後も引き続き運行されているが、2025年春のダイヤ改正で土浦乗り入れの運用から撤退する予定である。
余談
京浜急行電鉄2100形と並んでシーメンス社製の通称・歌うインバータことドレミファインバータを搭載した車両として有名で、こちらは回生失効の速度域が京急よりも遅かったため、減速時にも歌うことがあったが、機器更新により歌わなくなってしまった。