「地球の諸君。レオは死んだ。地球はもうブラックスターのものだ!ブニョ、戦えぇぃ!!」
データ
概要
黒づくめの服に身を包んだ不気味な風貌の男。その正体は、悪魔の惑星:ブラックスターから地球侵略のために差し向けられた尖兵である。
手にした水晶玉で円盤生物を次々と地球へ呼び寄せ、様々な侵略・破壊活動を行わせた。
その円盤生物第1号シルバーブルーメは、宇宙ステーションごと丸呑みにしてMACを全滅させるというウルトラシリーズ最大最悪のトラウマを引き起こす。
それ以降もアブソーバ、ブラックテリナ、ノーバなどで人間の心の弱さにつけこむような陰湿な作戦を展開し、挙句にはブニョによって捕えられたレオを氷漬けにした上で、ノコギリでバラバラにしてしまうという前代未聞の悪行までやってのけた。
しかし最終回、最強最後の円盤生物ブラックエンドを呼び寄せ、トオル少年を人質に取ってレオを痛めつけたまではよかったが、子供たちに飛びかかられ、押さえ込まれた隙に水晶玉を奪われてしまう。
レオの手に渡った水晶玉を投げつけられたブラックエンドは爆死し、ブラック指令も苦悶しながら泡になって溶けてしまうという悲惨な最期を遂げた。
地球防衛チームを全滅させた悪役が、よりにもよって子供たちによってたかってボコられ敗北するという、ある意味衝撃的なラストは語り草で、むしろこっちの方がトラウマになっているという視聴者も多い(しかも青龍刀を棒ではたき落とすなど子供達は戦闘慣れしている)。
また、このことから、ブラック指令としての姿は地球で活動するために設えた仮の肉体であり、本体は水晶玉の方だったのではないかと考えるファンも少なからず存在している。
ちなみに、ブニョによって指摘されるまで、仇敵であるレオの変身者がゲンであることを知らなかった。配下には当のブニョだけでなく、デモスのようにゲンがレオであることを前提に作戦を展開した者もいたにもかかわらず、肝心の事を何も聞いていなかったのだろうか。
ウルトラTVシリーズ内では(ゼットンなどラスボス怪獣ではない黒幕的な存在として)ウルトラ戦士ではなく人間の手により倒された敵側の重要キャラという現時点でかなり珍しいケースであり、現時点では他の存在は47年後のダーゴンのみである。
能力
美しいものよりも汚れたものを何よりも好む頭脳には、円盤生物の改造技術がインプットされており、ブラックスター周辺の生物を捕まえて自ら改造に乗り出すほどの科学力を誇り、水晶玉で円盤生物を操る。
レオの頭にヒビを入れる硬度を誇る青龍刀で武装しているものの、最終回では子供にあっさりはたき落とされるなど素の戦闘力は実は低いのではないかと思われる。後述の未使用の能力を見るだけだとそこまで弱そうには見えないが…。
「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」の解説によればひと睨みするだけで弱い怪獣を怯ませる眼力や対象を催眠術に掛ける魔眼、ステッキでの重力操作、ミサイルも弾くマント、ビルの屋上までひとっ飛びできるジャンプ力、テレポーテーション能力を備えているとされるが、ほとんどが未使用に終わっている…。
ウルトラマンオーブ
第22話「地図にないカフェ」にブラック店長と呼ばれる個体が登場。
詳細は該当項目を参照。
漫画
ウルトラマンレオ(漫画版)
内山まもるが『小学二年生』に掲載した漫画版では「ブラック司令官」名義で登場。こちらではウルトラマンサイズの巨人である。
ババルウ星人(TVに登場した個体の弟)曰く「宇宙で最も強い」らしく、ウルトラ兄弟から這う這うの体で逃げ延びたババルウと共謀し地球を殲滅するために暴れ回った。TV版同様シルバーブルーメを嗾けてMACを壊滅させ、ババルウの捕まえたレオの両親をタテに地球を攻め落とそうとするも、夫妻が脱出に成功すると形勢逆転。(既に死亡したセブンを除く)ウルトラ兄弟に円盤生物軍を叩きのめされ、逃げようとしたところをアストラに足止めを喰らい、最後はレオが投げつけたセブンの片身のアイスラッガーで胴体を突き破られ死亡した。
ウルトラ怪獣かっとび!ランド
ノーバを率いて舞台となる惑星ヨイトマカを襲撃したが、子供にボコボコにされる、しょぼい超能力(サイコキネシス、念写など)をさも宇宙最強であるかのように語る、人質を取ろうとするなどヘボさは相変わらずであった。
ウルトラマン超闘士激伝
エンペラ星人配下の空軍参謀として登場。
『小2』版同様ウルトラマン同様の巨体で、顔を半分道化の仮面で隠している。
暗黒司祭ジェロニモンと共謀し、ウルトラセブン21を洗脳してウルトラキーを奪取し、水星に陣取って太陽を狙撃させるという脅しに出て三大秘宝最後の一つ「ウルトラミラー」をも奪わせようとした。しかし駆け付けた超闘士ウルトラマンと守護四闘士により21の洗脳は解かれ、親友や罪なき人々の命を奪わせようとした怒りに燃える21のヴェルザードで水晶を破壊されドロドロに溶けて消滅した(この辺のやり取りは明らかに『小2』版を意識した演出になっている)。
ウルトラマン超闘士激伝新章
皇帝空間「鎧の間」でジェロニモンにより復活させられ、ジュダの兄モルドの鎧と合体し闘士ゾフィーに挑む。固有戦力差に加え、ジュダと合体したジェロニモン&アーマードダークネスと合体した元海軍参謀バルキー星人という圧倒的優位な状態でゾフィーを蹂躙するも、ダークストリームM87により穿たれたブラックホールに飲み込まれてしまう。
ウルトラマンSTORY0
文庫版最終巻に収録されている書き下ろしの特別篇に登場。
アストラが漂着したとある惑星にノーバを送り込み、破壊の限りを尽くさせるがアストラにノーバが倒されると不気味に復讐を誓い消えていった。
ULTRAMAN
星団評議会配下のエージェント。
現段階では、評議員の1人であるウバラズからその名が語られたのみであり、ブラック指令自身は直接登場はしていない(そのため、原作と同じような容姿・恰好だったのかも不明である)。
作中の描写から、原典同様、ノーバを操り、香港の街で獅子兄弟やアダドを抹殺しようと暗躍していた模様。
ゲーム
ロストヒーローズ2
顔出し出演キャラは出せないため丸カットかと思いきやカイザーベリアル配下として登場。水晶玉の輝きで目から上が隠れているという苦肉の策であった。
「並行世界の地球を一個やる」という豪快な契約でベリアルに雇用された。
戦闘時にはどんどん円盤生物を召喚してくる厄介なボス。死後に残した水晶玉(本体も同然なのに!?)はボスガンの手に渡り、円盤生物軍団を操るために利用されたが、ヒーロー達に奪われた挙句に、ブラックエンドに投げつけられて爆散した。
余談
「ブラック『司令』」と間違えられることが多いが、「ブラック『指令』」が正式な名前である。ただし、後述する『小2』版では「ブラック司令官」表記になっていたほか、『ギャラクシー☆デイズ』でもノーバから初登場時に「司令」と呼ばれている。
『レオ』でブラック指令を演じた大林氏は、時代劇「木枯らし紋次郎」で主演の中村敦夫氏の吹き替えを務めていたことがあり、ブラック指令の帽子・マント・ステッキは、紋次郎の三度笠・合羽・長楊枝を意識していたとの事。また、偶然にも大林氏の息子と娘の名前は「トオル」と「カオル」、飼い猫の名前は「レオ」である。ちなみに大林氏は『ウルトラマン80』でもザッカル役や第30話の警備隊長役を演じている。
何かとノーバとタッグを組むことが多かったりする。
『レオ』放映時とオーブ放映時に演じた役者が違った事と「指令」という名称が付く事から「ブラック指令は特定の個人を指す名称ではなく、円盤生物を操る怪獣使いの役職に対する名称ではないか?」という説が一部の間で話題となっている。そう考えると擬人化版も「同じ役職についている同族の女性」と解釈できなくもない(『怪獣娘(黒)』でブラック指令を演じた新田ひよりもイベントで「もしもブラック指令が女の子だったらこんな感じなのかも」とコメントしている)。