「星空に愛をこめて」
「ハイ、私がブラック指令です!」
ガイ「もうやめるんだ、店長!」
「私はもう店長ではない!」
SSP一同「店長やめて~!」「店長~!」
「だーかーらー、店長って言うな!」
演:赤星昇一郎
概要
第22話「地図にないカフェ」にて登場。
映像作品への出演は、『ウルトラマンレオ』最終回以来実に41年ぶり。
ただし、以前レオと戦ったブラック指令や円盤生物の故郷であるブラックスターとどういった関係にある存在なのかは不明である。
正式名称は初代と同様“ブラック指令”だが、その立ち位置(後述)などから書籍やファンの間などでは(初代と区別する目的も含めて)ブラック店長と呼ばれている。
本編での活躍
知る人ぞ知る「カフェ★ブラックスター」の店長。円盤生物ノーバを相棒として連れている。
店は地球侵略を目論む宇宙人達の憩いの場になっており、ババリューやジャグラーも常連客であった(店内のメッセージボードには、その他の常連客としてザラブ星人、ダダ、ペガッサ星人、フック星人、スチール星人、レギュラン星人、マノン星人、ゼネキンダール人、ネリル星人の写真が飾られている)。
カフェには迷い込んだ地球人やウルトラ戦士であるガイもやってきていたが、差別することなくコーヒーを振舞っていた(そもそも常連客には善良な宇宙人も含まれている)。また、店主として侵略者とそれを阻止しようとするウルトラマンの戦いに関しては干渉せずに中立の立場を取っており、店の中で一触即発の状態になったガイとピット星人ミューをたしなめる一幕もあった。
彼の淹れるコーヒー(1230円のブラックコーヒーのみ)は、一度口にした者を虜にさせてしまうほどの絶品だが、地球人に対しては帰り際にカフェのある場所を忘れさせていたため、「地図に無いカフェ」として話題を呼んでしまいSSPが店にやってきてしまう。
店に来た宇宙人たちが次々と地球を去ったことで店の閉店を決意しており、SSPの面々を店から追い出した後、ピット星人の誘いを断ってノーバと共に旅立とうとしたが、地球侵略を諦めていなかったノーバが巨大化する。
「あいつだけは、夢を諦めちゃいなかったんですよ……」
「私たちの夢を叶えるチャンスは、これが最後」
「あいつ一人で戦わすわけにはいかんのですよ!」
かつて自身の抱いていた地球侵略の夢を思い出し、SSPの前でノーバと一体化。オーブを追い詰めるが一歩及ばず敗れ去り、ノーバが爆死したことで一人生き残ることになる。
戦いを終えた後、ガイと再び対峙、「大切な相棒を失った私には、もう何も残っていませんよ」と悲嘆にくれるが、ガイから「あんたのコーヒーを美味しいって言った奴らがいるじゃないか」と諭され、それを聞いて安堵したような表情を浮かべ、カフェの看板を残して一人静かに姿を消した。
その後SSPのオフィスを訪れた渋川一徹の言葉から「ラーメン★ブラックスター」というラーメン店を経営していることが発覚した(これは赤星氏が『ウルトラマンティガ』にて演じたオビコと絡めたネタであると思われる)。
『レオ』では冷酷無比な性格として描かれていたが、今作のブラック指令は(地球侵略を目論んで破壊活動は行ったものの)部下を自分の相棒として大切に扱っていたり、地球人にも自分の淹れたコーヒーや料理をふるまったり、戦いの際にはコミカルな発言をしたりと、以前ほど凶悪な人物としては描かれていない。
また、子どもに殺されるという悲惨な末路を辿った原典とは異なり、地球で生活していく道を選び、地球人として一から再出発するという対照的な結末を迎えることとなった。
ちなみにこの回の「ガイのウルトラヒーロー大研究」で紹介されたのはレオだった。
余談
ノーバのことを「シンプル・イズ・ザ・ベスト!最近の怪獣はこちゃごちゃしてていかん!」と言うシーンがあるが、市野龍一監督によると、この台詞は脚本にはなく、演じた赤星氏のアドリブだったとか。
この発言はある意味、醜悪な外見に拘り過ぎてしまった平成の円盤生物への批判ともとれるが、その外見が結果として本人を含むブラックスター出身の円盤生物や宇宙人が別の道を歩めるようになったとなったのはある意味怪我の功名と言える。