概要
中華料理も販売する中華料理店のこともラーメン屋と呼ばれることがある。
昔は内装を中華風に統一していることが多かったが、愛国消費の流れにより最近は和を意識したラーメン屋も増えている。店名も「○○軒」「○○亭」などではなく、「麺屋○○」と名乗るお店も多い。このタイプは高確率で店長が腕組みをした写真やポエムが飾ってあり、メイン客層のマイルドヤンキーに向けてマッチョイズムを全開に表明していることがしばしば。
現代日本では犬も歩けばラーメン屋にあたるぐらい多くある。人口に対してラーメン屋が多いのは1位が山形県、次が新潟県、栃木県と結構意外なメンツである。
平成ラーメン戦争
平成時代、安くてうまいラーメンはデフレ時代とマッチし、さらにグルメ番組等によってラーメン屋店主のヒーロー化がされたこともあり、日本は空前のラーメンブームに突入、全国各地で新旧入り乱れてのラーメン戦国時代へと突入していった。
他の飲食店に比してラーメンが店舗の敷地が狭小でも運営可能で、かつ無類のラーメン好きである日本人の国民性によって抵抗感が少なく、なにより頑張れば自分でも出来そうというラーメンの手軽なイメージにより、「乗るしかない、このビッグウェーブに!!」 とばかりに、次々と新たなラーメン屋が開店しては消えていく、群雄割拠の「ラーメン戦争」が繰り広げられている。
もちろん、長年の愛顧によって有名店に成り上がるラーメン屋はほんの一握りであり、その他多くの店舗は経営難や売り上げ不足、常連客の獲得の失敗などに倒れ、長くても5年前後で姿を消してしまう店が多い。
一時のブームの過熱はあったが、平成後半には徐々に小康状態へと落ち着いてきている。
それでも「その店だけの一杯」を生み出し、たとえ大成できずとも「地元に愛される老舗ラーメン屋」になれる日を夢見て、令和の世になった現在でも「ラーメン屋ドリーム」を追いかける人々は少なくない。
令和のラーメン業界の衰退
令和期に入ると物価上昇とそれに伴うラーメンの価格の上昇から、ラーメン屋業界は苦境に立たされた。「1000円を超えると売れない」と叫ばれる、いわゆる「1000円の壁」に悩むラーメン店経営者も後を絶たず、2023年には倒産や休廃業をしたラーメン店は合わせて74件と過去最多となった。
近年では、一部のファミリーレストランがロボットによる配膳システムを導入しているが、個人経営のラーメン店までが真似をするのは不可能であり、人力でやろうと人を雇おうにも収益面で厳しく、時給面で労使ともに折り合いが付かない場合も多い。
ラーメン屋に「ルール」は存在するか
- 注文は黙って素早く決めろ
- 出されたら黙々と食べ進め、長っ尻(長時間の在席)はご法度
いわゆるラーメンマニアたちの間で、実しやかに流布する謎の暗黙の了解のようなもの。
出所については不明だが、往々にして上の二項目は必ずというほど含まれていることが多い。
……が、当然なのだが、実際にそんなものはない。
これは言うならば、近現代の日本人によくある江戸っ子気質の模倣による、客側で編纂された勝手な取り決めでしかなく、店側がこれを明示してくることは「基本的に」はない。無論、人気店となって店の回転率や他の来客への配慮から、やんわりと長時間の在席を控えるよう協力を求めるラーメン屋も存在する。
謂わば、寿司や蕎麦の食べ方や、宴会における鍋奉行など、あの類いと同系である。
しかし店側としても、座席の回転率や来客数の加増を鑑みれば、決して迷惑なローカルマナーとは言えず、だからといってこれを声高にいうと客によっては不快感を催すため、扱いに難しいものになっている。
最終的な裁量は客側に託されるため、もし立ち寄ったラーメン屋が混雑していたなら、時間と場合を考えて立ち振る舞ってみて欲しい。
記事のある主な店
一蘭 野郎ラーメン 蒙古タンメン中本 くるまやラーメン 神座
彦龍…閉店。
木久蔵ラーメン…店舗は閉店した。(ただし、自宅調理用の商品は通信販売で継続)
架空のラーメン屋
- 麺屋ぼたん…バーチャルYouTuberの獅白ぼたんが作った架空のラーメン屋。(同名のラーメン屋も実際にあるが無関係である)
- ぱんだ軒…TVアニメ『デリシャスパーティ♡プリキュア』の華満らん(キュアヤムヤム)の実家で両親が経営しているラーメン屋。
- ラーメン赤猫…漫画『ラーメン赤猫』の舞台となるラーメン屋。人語を操り二足歩行する猫たちが経営しており、知る人ぞ知る隠れ家的な名店。
