概要
通称「天一(てんいち)」。
「こってり」と呼ばれる非常に濃厚でクリーミーなスープのラーメンを提供することで有名(詳細は後述)。サイドメニューや定食なども充実している。
本店は京都市左京区にあり、2017年5月30日現在、天下一品グループ系列店含め、246店舗を展開する。
発祥の地である京都を含む関西圏、および人口が集中する首都圏を中心に、北は北海道、南は沖縄県まで全国規模で出店し、ハワイにも店舗を持つ(ただし岩手県など、出店されていない県もいくつかある)。
基本的に駅前や繁華街など人通りの多い地域に出店され、昼時や夕飯時にはサラリーマンや学生らで混雑し、特に週末の夜などには、ほろ酔いのお父さん方が「〆(締め)のラーメン」を求めて行列を作ることもしばしば。
なけなしの貯金から屋台を作りラーメン屋を始めるも、初日の売り上げはわずか11杯に終わった。
発奮した木村は日夜、研究を重ね、4年後についに「こってり」の味を完成させる。
それとほぼ同時期に屋台から店舗業務へと転向。
以後数十年の歳月をかけ、一代にして現在の全国チェーン店へと成長させた。
毎年10月1日は「天下一品の日」となっており、ラーメン(あるいはラーメンを含む定食メニュー)を注文すると、ラーメン(並)無料券がもらえるため、当日は各店舗前に長蛇の列ができることも少なくない。
また、当日から十日間ほどは「天下一品祭り」を開催。クジ引きが用意され、ミニサイズのどんぶり鉢などのオリジナルグッズが景品として配布される。
「こってり」と「あっさり」
ラーメンは、注文時に「こってり」スープか「あっさり」スープかを選ぶことができる。
特に「こってり」は、天下一品の看板とも言うべき人気メニューであり、人々が足繁く店に通う理由となっている。
乳白色のポタージュ状のスープは、「突き刺した箸が立つ」「一円玉が浮かぶ」などの都市伝説が生まれるほどにクリーミーであり、これが麺や具材にしっかり絡みつくことで、普通のラーメン以上に「こってり」とした味わいが生まれる。
その製造レシピは、社長と数名の幹部のみが知る企業秘密とされている。
外見や濃厚な風味から豚骨ラーメンを連想する人も多いが、関係者の話によれば、スープのベースは鶏ガラおよび11種類の野菜を長時間にわたって煮込んだものであり、豚骨はメインの具材に含まれていないとのことである。
競争が激しいラーメン業界においても、この「こってり」を再現することは難しいらしく、天一のみで提供される唯一無二の味となっている。
そして、熱心なファンの中には、「天一の『こってり』は最早ラーメンではなく、『こってり』という名の別の料理である」と豪語する者もいる。
一方の「あっさり」は、同じく鶏ガラを基本とした透き通ったスープで、「正統派中華そば」とも言うべき逸品に仕上がっている。
しかし、上述の「こってり」のインパクトがあまりに強過ぎる故か、どうしても影が薄くなりがちであり・・・
「『あっさり』を注文したら周りの客に驚かれた」「一緒に行った友人に『何故こってりを頼まないのか』と説教された」といった不遇なエピソードも多い。
これらのミスマッチの打開策としてか、一部の店舗では「こってり」スープと「あっさり」スープを混ぜ合わせた「こっさり」なるメニューを提供するところもある。
また別の店では、逆に「あってり」という名前のスープを作っているところもあり、さらに同じ「こっさり(もしくは『あってり』)」であっても、配分などが微妙に異なるためか、店舗ごとに味が違うという感想がネットなどで報告されている。
なお、関西圏ではこれらをまとめて「屋台の味」という名前で販売している。(創業当初の味に近いことが由来)
最後に、「こってり(並)」の一杯あたりの総カロリーは949kcalと、一般的なラーメンの倍近くになるため、上述のような「〆のラーメン」にするには大きな危険を伴うことを忘れてはならない。
なお、「あっさり」は380kcal。詳細は下記のリンク先を参照。
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