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MAC全滅!円盤は生物だった!

うるとらしりーずしじょうさいきょうさいあくかい

『ウルトラマンレオ』第40話のサブタイトルで同作はおろかシリーズ史上最恐最悪のトラウマ回。
目次 [非表示]

悪魔の惑星ブラックスターから謎の円盤が地球侵略に飛び立つ。

君達が愛するMACの運命は?スポーツセンターの仲間達は?

レオに戦いを挑んだ新しい敵・円盤生物シルバーブルーメの正体とは何か?

来週もみんなで観よう、「ウルトラマンレオ」!!


前後のエピソード


放送日編集

1975年1月10日


登場怪獣編集

ブラック指令

円盤生物シルバーブルーメ

円盤生物ブラックドーム


あらすじ編集

幻想的な宇宙空間。全てを飲み込む様な暗闇の彼方に、一つ真っ黒な星が…

シルバーブルーメ②

「地球を離れる事一千万キロの彼方・ブラックスターから今しも地球目指して一機の円盤が発進した。その名は、シルバーブルーメ」

(ナレーション)

全滅数十秒前!!

「その頃、MACステーションでは、ダン隊長以下全員が集まり、松木隊員のために細やかな誕生日パーティーを開いていた」

(ナレーション)

松木隊員に乾杯コップを交わすMACの面々。その時、突如として鳴り響く警報装置。

謎の飛行物体がMACステーション目掛けて飛んできたのだ。そして僅か14秒で、それはMACステーションに激突した。

飛行物体の正体はあのシルバーブルーメだった。

ステーション上部に触手を伸ばし、絡みつくシルバーブルーメ。窓に溶解液を撒き散らし、窓を触手でぶち割って侵入。

隊員達を襲うが、ゲンの射撃を受けて触手は引っ込んでいった。ダンは全隊員にマッキーで脱出する様命じる

ダン「ゲン、これはブラックスターの円盤生物の攻撃だ!」

ゲン「円盤生物!?」

ダン「お前も逃げろ!」

ゲン「しかし、隊長!」

ダン「俺に構うな!!」

ゲン「隊長!!」

ダン「お前は生き続けなければならん、ブラックスターの侵略から地球を守るんだ!ゲン!!」

爆発するマッキーの発着場。隊員達は続々とマッキーに乗り込み、無事に脱出するかに見えた。

しかし、シルバーブルーメの触手がそれを阻む、そのままマッキーは口に呑み込まれ、彼等は為す術なく殉職してしまった。

ダン「MACの最期は俺が見届ける、お前も逃げるんだ!」

ゲン「しかし、しかし隊長!」

ダン「馬鹿ーッ!!俺の言うことを聞け!!」

敬愛する師匠を見捨てられないゲンを、ダンは平手打ちで一括。死を覚悟したダンは、ゲンだけでも生かして地球を守らせる決断を下したのだ。

ゲン「隊長、隊長ーっ!どこにいるんですかーっ!!隊長!!」

ダン「お前はレオだ、不滅の命を持ったウルトラマンレオだ!お前の命はお前一人のものでないことを忘れるな!行けーっ!!」

ゲン「隊長ーっ!!!」

見えなくなった隊長を必死に呼び続けるゲン。彼はやむなくレオになって脱出し、助かったのだった。

しかし惨劇は止まらない…

MACステーションを破壊したシルバーブルーメはそのまま地球へと飛来。

街の中には一つの黒い影が…

突然の円盤の襲来にパニックになる街の人々。しかし、そんな事は梅雨知らずにデパートで買い物をする梅田カオル野村猛山口百子達がいた。

そしてシルバーブルーメはさも狙ったかの様に、デパートを攻撃。カオルの買おうとしていた人形は投げ出され、脱出に失敗した3人は追い詰められてしまう。そして一瞬の暗転の後、3人の姿は見えなくなった。

崩壊するデパート。溶解液まみれの人形の台詞が空しく響く。

「オベンキョウシナキャダメジャナイ、マタセンセイニシカラレルワヨ」

(カチッカチッ)

「アタシネムクナッチャッタ…オニイチャン、コモリウタウタッテ?フフフフッ」

デパートは粉々に砕け散った…

ブラック指令「シルバーブルーメ、やめろ!フッフッフ…」

円盤生物を操っていた謎の怪人物・ブラック指令は攻撃をやめるよう命令する。シルバーブルーメは煙と共に消えた。

(場面転換)

突然の襲撃に救護所が設けられ、中では警官や看護婦が誘導を行うも大パニック状態。

救護所に駆けつけたゲンは、人混みの中にカオルら3人を探す梅田トオルを発見し合流。

ゲン「トオル!」

トオル「おおとりさん!」

ゲン「トオル、どうしたんだ!?」

トオル「カオルと百子姉さんと猛さんが、買い物に出たまま帰らないんだよ!」

ゲン「何だって、本当か!?」

ゲン達は3人の名を呼びながら救護所内を探し回るものの、中々見つからない。負傷者を運ぶ看護師の中には、彼らと顔見知りらしき女性の姿もあった。

ゲン「いたか?」

トオル「いない!ここにいないとすると、もしかしたら助かったのかも知れないよ!」

ゲン「そうかも知れないな」

新聞記者「おっ、死亡者の発表だ!ちょっとすいません」

トオル「…おおとりさん」

ゲン「…行ってみよう」

「死亡者」という言葉を聞いて嫌な予感が走るゲン達。彼らもあの新聞記者に続き、死亡者名簿を探してみる事に。

3人の名前がないことを祈りながら名簿を探すゲンとトオル。しかし…

トオル「あっ!」


             

             

             

             

             


ゲン「猛!!ハッ…」


             

             

             

             

             

             


ゲン「百子さん…」

トオル「!!!」






             





             





             





             





             





             





ツルク星人の事件によってただ一人の家族となってしまったカオルさえも失い、泣き崩れるトオル。ゲンはトオルの肩に手を置くものの、彼自身の心も居た堪れない気持ちと深い悲しみに満ち、嘗て一緒に笑い合った日々を思い出す事しか出来なかった。

ナレーション「MACもスポーツセンターの仲間も、恐ろしい円盤生物の為に命を落としてしまった…ゲンはダンの最後の言葉を胸に刻み、命ある限りこの新しい敵と戦う事を心に誓った」

そんな二人を見つめる一人の看護婦…

(Aパート終了)

この時ゲンとトオルの周りの人々の泣き叫ぶ声は最早聞いていられない程に悲痛なもので視聴者の心を徹底的に抉ってくる。


静かな住宅街に響く電車の音。その線路沿いに建つ一つの家があった。

ナレーション「ここは静かな町の一角にある美山家。この美山家の2階が、ゲンとトオルの新しい生活を送る場所となった。所で、この家の主人だが…」

いずみ「おおとりさん、トオル君、ご飯ですよ!」

トオル「ハーイ!おおとりさんおおとりさん、早く行かないとまた大目玉だよ!」

ゲン「そうか、よし行こう!」

二人とは顔見知りの看護婦である美山咲子が、家族を喪った彼らを見かねて自分の家族として迎え入れてくれたのだ。こうしてゲンとトオルの新たな家族との生活が始まった。

急いで階段を駆け降りる2人に、転がり落ちたら傷の手当てはできるが、階段が壊れたら直せないと注意する咲子。

それに顔洗いと歯磨きもまだであると指摘され、2人はきまりが悪そうに慌てて洗面所へ向かう。

食卓へ並んだ2人。しかし咲子は2人の娘がまだ起きて来ない事が気になり、2人を呼び寄せる。

長女の大学生・いずみは時間にルーズな事を母に咎められ、「女らしくない」と叱られてしまうが、当のいずみはゲンにどう思うかと尋ねる。ゲンは「そんな事ないと思う」と返し、いずみは男性の見る目は確かだと上機嫌。そんな話をしていると、早くパンをくれと次女あゆみが咲子にせがんだ。

あゆみはお節介な性格らしく、トオルに「宿題はやった?」「答え写して終わりじゃ嫌よ」「この前みたいに30点じゃ駄目よ」などと口出しし、トオルもタジタジ。何でもトオルの席はあゆみのすぐ前なのだという。咲子は娘を咎めつつも、トオルの成績を心配し勉強を見てあげようかと持ちかける。トオルは焦り「大丈夫です、一生懸命やります!」と宣言した。いずみから言わせればあゆみもトオルとそう変わらないらしいが、あゆみはそんな点数はとった事がないという。他愛のない会話だが、ゲンとトオルも新生活に馴染み、笑顔が戻りつつあった。

ナレーション「…とまあ、ざっとこんな具合に明るい美山家でゲンとトオルの新しい生活が始まったのである。所で、シルバーブルーメは一体どこに姿を消したのであろうか?」

その後、学校に登校する子供達。彼のクラスメイトである田村少年らは、踏切に足止めされ通学路を急いでいた。その途中で謎の動く物体を拾ってしまう。その物体からは心臓の音まで聞こえるので友達に相談すると「機械の音だろ」と言われ、考え込んでいると学校のチャイムが鳴り響く。慌てて学校へ向かう一同。

靴箱に物体を隠した彼らは、後で3人で調べる事を約束し授業に向かう。

授業では理科の酸素についての話をしており、鼻と口をつまんで呼吸を止めてみるよう指示する教師。

これを聞いた田村達は「あれがもし動物だったら靴箱の中で呼吸ができずに死んでしまうのでは」と心配になり、田村に先生の目を盗んでロッカーの中からあの物体を出してやりに行かせる。

しかし何故かその物体は靴箱を抜け出して教室のドアを開け、入り口近くに落ちていた。生徒達は謎の物体の正体は何かとあれこれ意見を交わし、トオルは「あの円盤だ」と主張するも田村達には「何かの部品だろう」「トオルは円盤恐怖症なんだ」と信じて貰えない。トオル達の担任教師(演:石丸博也)は、円盤の正体を巡って争う彼等を諌めようと「今日宿直なので調べてみる」と言い、円盤を預かった。

その日の夜の理科室。不気味な人体模型や骨格標本が飾られた室内で、円盤が不気味に光り、空を飛んで部屋から出て行こうとしたが、そこへ宿直として学校に残っていた先生がやって来たので、円盤は室内へ残った。円盤を調べようとした先生は、何を思ったか円盤を金槌で叩いた後、火で炙ってしまう。案の定円盤の正体はシルバーブルーメであり、怒って小型のまま正体を現したシルバーブルーメに毒ガスを散布され、苦しんでいる間に彼は頭に張り付かれ、消化液でドロドロに溶かされてしまった。

それからどれ程の時間が経ったか、学校に駆けつけた用務員の男性が先生が溶かされた現場を発見する。

騒ぎをどこで聞きつけたのかゲンも学校に駆けつけると、教室の中から怪しい光が。やがて雷鳴が轟き、激しい雨が降り注ぐ。いつしか時間は翌日の朝になっており、学校には登校したばかりのトオル達の姿が。

ブラック指令「シルバーブルーメ、行け!!」

そしてシルバーブルーメは、雨の降り頻る中巨大化。指令に命じられるまま、学校を破壊せんと暴れ始め、登校直後のトオル等生徒は逃げ遅れてしまう。

一旦美山家に帰ったらしいゲンは再度学校に急行。

ゲン「どうしたーっ!!」

用務員「きっとあいつだよ!あいつが昨夜先生を食っちまったんだ!」

ゲンは校舎に乗り込んでトオル達を誘導するが、シルバーブルーメは校舎に火を放って瓦礫を崩し始める。溶解液も降り注ぐ中、ゲンは外へ子供達を脱出させる事に成功するが、シルバーブルーメの破壊活動で子供達は負傷。溶解液や泥水を大量に浴びて苦しみ、みんなが避難している場所までまだ距離があるのにこれ以上は動けなくなってしまう。

ゲン「くそっ…!レオーッ!!」

用務員「おお、ウルトラマンレオだ!!」


ゲンは生徒達を物陰に隠してレオに変身。校舎を飛び越え、シルバーブルーメに立ち向かう。自分から全てを奪った仇敵を目の当たりにして尚、復讐に囚われ優しい心を忘れることなく戦い、触手攻撃や溶解液に苦しみつつも敵を抑えつけ、用務員の男性の方へふり向いて子供達の方を指差す。

用務員「おっ、生徒を助けろと言ってるぞ!それ行け!おーい、大丈夫かーっ!!」

用務員の男性はすぐにレオの意図を読み取り、周りの大人を率いて逃げ遅れたトオル達を助けに向かった。子供達が逃げ切るまでシルバーブルーメに余計な事をされぬ様、シルバーブルーメをひっくり返すがシルバーブルーメは触手でレオを絡め取って抵抗

用務員「おーい、レオー!子供達は無事だぞー!」

ウルバト ジオラマ

彼等の避難が完了するのを見届けたレオは触手を剥ぎ取り、ひっくり返ったシルバーブルーメからマッキー2号3号とMACステーションの残骸を引きずり出し、スパーク光線で爆破した。

勝利したレオに学校の人々から歓声が飛び交う。しかし、これは新たな戦いの始まりでしかなかった。第二第三の刺客は、危機はすぐそこまで迫っているのだ。

辺りには相変わらず強い雨が降り続ける。まるでこれから巻き起こる、辛く激しく悲しき孤独なブラックスターとの対決の日々を暗示するかの様に…


その雨の中に佇む一人の影、ブラック指令はその手に持つ水晶玉を輝かせ、憎らしげに天高く叫ぶのだった。


「うぅぬ、今度こそ負けるものかァ!ブラックスター2号機、ブラックドーム!来ぉぉぉいぃぃぃ!!!」


円盤生物2号






なぜこんなことになってしまったのか編集

当時はオイルショックの影響で、高度経済成長期が終わり日本は未曽有の不景気に陥っていた。

その影響はウルトラシリーズ製作の現場にまで及び、予算のかかる防衛チームやギャラを支払わなければならない多くのレギュラーメンバーをトオル等一部を除いて降板させざるを得ない状態に陥り、円谷側としても苦渋の決断でこの史上最悪のエピソードが誕生してしまったのである。

後年の『ウルトラマンメビウス』ではMACの壊滅に伴い円盤生物関連の記録は「アウトオブドキュメント」として記録されているほか、隊員の誕生日に新種の円盤生物がやって来るというオマージュが行われ、『ウルトラマンマックス』第9話でも行われている。また、事件後にウルトラの母に救われて命を取り留めたダンがゲスト出演した『メビウス』第46話のラストでダンはヒビノ・ミライに「俺が受けた悲しい思いは、君に味わせたくない」と本編第40話について触れている。


ちなみに「じゃあオイルショックが無ければ全滅しなかったの?」とよく言われているが、『レオ』中盤のテコ入れ案として、ウルトラ兄弟がUFOに乗って戦うというものがあったが、それもMACの壊滅が前提条件だったため、いずれにせよMACは壊滅する運命にあった。



漫画版編集

内山まもるの漫画版『ウルトラマンレオ』では小学二年生掲載版第11話がこの話に該当。

映像作品同様に地球攻撃の尖兵として登場し、MAC基地を全滅させて地球に襲来するも、基地壊滅時にゲンに救出されたダンが死を決して変身したセブンがMACの置き土産である大型ミサイルを抱えて特攻。

最期はセブンの意思を継いだレオが、遺品のアイスラッガーを獲物とした新技「アイスラッガーダイナマイト・カット」で真っ二つに切り裂かれた。

なお、テレビ本編とは異なり、セブンはこの特攻で本当に死んでしまい後の『ザ・ウルトラマン』におけるジャッカル大魔王編でウルトラマンキングの奇跡によって他の兄弟共々復活を果たしている。


余談編集

  • PS2のゲーム『Fighting Evolution3』では、ウルトラモードのミッションとして本話を再現したステージが収録されている。劇中での戦闘ではあっさり倒されたシルバーブルーメであるが、ゲームではかなり嫌らしい性能となっており、更にレオの変身時間を反映した時間制限もあるため屈指の難易度を誇る。

具体的には

    • 普段は空中に浮かんでいるため攻撃が当たらず、攻撃しようと降下してきたすきをついて攻撃して撃墜し無防備な状態にしないと攻撃が当てられない。
    • しかも無防備な状態でもガードからのふっとばし攻撃をしてくる場合がある。
    • さらにSランクを取るためには一度撃墜した後つかみ攻撃をしてマッキー2号救出イベントを起こさなければならない。
    • 加えて原作同様学校を防衛する必要がある。これにより降下してこちらに攻撃してきたと同時に壊したり、ふっとばし攻撃やスパーク光線でトドメを刺して吹っ飛んでうっかり破壊してしまったりといった危険がある。
  • 白川隊員役の三田美枝子女史は、本編第32話以来8話振りに登場。
  • 白戸隊員役の松坂雅治氏と佐藤隊員役の手塚茂夫氏は、本編 第40話放送の3ヶ月後の『仮面ライダーストロンガー』第4話にて暴走族役として、再共演している。
  • この回で誕生日を迎えた松木隊員役の藍とも子女史はテレスドンがカメオ出演した『メカゴジラの逆襲』にてヒロインの真船桂を演じている。オーディションにはMACの隊員服を着て参加したらしい。



関連タグ編集

ウルトラマンレオ 円盤生物

シルバーブルーメ みんなのトラウマ

石丸博也…シルバーブルーメに食われた教師役としてゲスト出演。後に石丸氏はウルトラマンタロウのCVを長期間務めることとなる。

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