概要
第17話「地底GO!GO!GO!」に登場するゲストキャラクター。普段は炭鉱で働く青年。
ある時、友人と二人で山登りをしていたところ、誤って足を滑らせ二人そろって宙づりになってしまう。
友人だけでも助けようと自らナイフでザイルを切断し、谷底へ落ちていったが、そこへ地球にやって来たウルトラセブンに命を救われる。
自らを犠牲にして友を救おうとした勇気ある行動に感動したセブンは、彼の姿と魂をモデルとしモロボシ・ダンを名乗り地球人として活動を開始した。
本人は気を失っていたためその事実を知らず、危機的状況から奇跡的に生還したことで仲間内から「ミラクルマン」と呼ばれるようになった。
そして、ユートムの事件で炭鉱の崩落に巻き込まれ閉じ込められるが、奇しくも再びセブンに助けられ、「ミラクルマン」としての記録を更新することとなった。
「お前は、本当にミラクルマンだよ」
自覚無くウルトラ戦士と深い縁を結んでいる点だけでも、立派に「ミラクルマン」である。
なお、炭鉱にはチュウ吉という有毒ガス対策用のハツカネズミを連れてきており、崩落に巻き込まれたのもこのチュウ吉を助けるためであったが、セブンに助けられた描写はない。
脚本ではセブンが助けに来た時点で死んでいるとされ、次郎にとっては生き埋め損になってしまった。
ウルトラマンプレミア2011
まさかの再登場。キリヤマ隊長からモロボシ・ダンの話を聞かされており、彼がセブンである事を知っている。
モロボシ・シン=ウルトラマンゼロに対してセブンの地球での戦いの話を語った。
キリヤマ隊長の息子であるキリヤマ秀作の隣人であり、毎年キリヤマ隊長の墓に花を供えていた。
ULTRAMAN(漫画)
この作品の薩摩次郎はグランドームでクレーン操縦士として働く22歳の青年であり、トガラメ星人に養成施設が襲撃された際には諸星に命を救われ、亡き父の面影を持つ彼を慕うようになる。嘘をつくと耳たぶが赤くなる特性を持つ。高所を好み、現場では高所作業を担当していた。
時空の裂け目から出現したレギオノイドによるグランドーム襲撃時に同僚で幼馴染の尾崎アンナを助けようとした際に何者かの意識を宿して上海に転送された『ZERO SUIT』を装着。『ZERO SUIT』に宿る意思を「チュー吉」と呼んで彼の頼みで正体を隠しながらU警備隊(グランドームを防衛するアンオフィシャルな組織)、ムキシバラ星人の事件後は科特隊の一員として戦う事に。
戦闘とは全く縁のない人生を歩んできたが、体幹やバランス感覚、メンタルのどれもが優れている。どういうわけか長物での戦いに適性があるようだ。ちなみにアンナに想いを寄せられているようだが、恋愛に関しては鈍感気味。
ゼロの装着者として登場したのはウルトラセブンに関わりが深い人物だからと思われる(余談だが、ゼロのネイティブ発音は「次郎」に近い)。
小説「変身障害」
「俺はもともと不死身のウルトラセブンなんだ」
- 今作では薩摩次郎の26年後の様子として、妻帯し「百合子」という中学生の娘を持つ父親となっていたこと、落盤事故以来体調を崩し茨城県内の町工場に転職していたことが描かれている。だが1ヶ月ほど前から『ウルトラセブンとしての記憶』を"思い出し"、『モロボシ・ダン』として振る舞うという奇行が目立ちはじめ、身を案じる妻の声に押され最寄りの精神科を受診する。
- ウルトラアイを装着してもセブンに変身できないという異常事態解消のため、命を取り留めていた星人達と力を合わせ事態の究明に動くのであった。
- メトロン星人の他、これまでに戦った宇宙人や地底都市の件等ウルトラ警備隊の情報も記憶してはいるものの、「(勤め先の)町工場はウルトラ警備隊の偽装施設」、「ウルトラ警備隊は給料が安い」と称し、また『モロボシ・ダン』を名乗っていても保険証の名前は『薩摩次郎』と記載されているなど、当人の記憶と妻を始めとする作中人物の視点とは食い違いがある。
- 実は、セブンが薩摩次郎の姿と魂を量子スキャナーで複写した際、脳神経細胞を構成する素粒子によって薩摩次郎・セブン(ダン)の間にテレパシーで繋がりがあることに勘付いた地底都市側の存在が、ナノマシンからなる変身機能妨害ツールを薩摩次郎に仕込みハッキングの踏み台に利用していたのだった。
- 記憶の混信はこの妨害ツールの副次効果によるもので、装置の起動を契機に密かに共有されていたダンの記憶が顕在化。次郎に妄想障害めいた症状をもたらしていた。
- 咳やめまいとった長年の体調不良もこのナノマシンが脳や肺に侵食したことによる影響で、町工場をウルトラ警備隊の施設と言い張る、セブンのお面を切り抜きウルトラアイを偽造するなどの奇行も、流入した記憶との整合をとるための無意識の防衛機制と、心身に影響を受け続けていた。
- 地底都市側の侵攻で危機にさらされた娘・百合子を救うため命を擲ち、体内に巣食ったナノマシンの破壊を決行。その甲斐もあり変身能力を喪失していた本物のモロボシ・ダンも能力を復旧。体内に流した高圧電流により9割方死ぬという大方の予想を覆し生還。ミラクルマンの面目躍如か。
- この瞬間は次郎も間違いなくヒーローであったと居合わせた宇宙人からも称えられている。
- 危機は去り記憶の流入も収まって日常へと還る中、次郎は自身の内とセブンとの繋がりが未だ在ることを感じる取るのだった。
- 『ウルトラセブン』本編時、共に落盤事故に巻き込まれたハツカネズミのチュウ吉も無事に救出されていたようであり、なんと26年間ペットとして飼育されていた。しかしその正体は……。
- 妻の話などから面倒見がよく人に慕われ、貧しくも幸福な家庭を築いていた柔らかい人柄であったことが見受けられる。
関連項目
モロボシ・ダン:ウルトラセブンが地球で行動する際に名乗った名前。
ウルトラマンゼロ:ウルトラセブンの息子。ライトと声がよく似ている。
モロボシ・シン:ウルトラマンゼロが地球で行動する際に名乗った名前。
ライト:ウルトラセブンの息子ウルトラマンゼロが地球で出会い影響を受けた地球人。ゼロと声がよく似ている。