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健太「俺のは、ウルトラマンセブンか!」

友也「…ウルトラセブンです!」

 (『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル第2弾』より)


概要編集

ウルトラセブンがよく間違えられる呼び名。


そこで、疑問に思うだろう。なぜ後に出てくるウルトラ戦士は一部の例外を除きみな本名は「ウルトラマンなんとか」なのに、セブンだけ「マン」が付かないのだろうか?


実は放映当時、『ウルトラセブン』はウルトラマン』の世界観を受け継ぐ続編として作られたわけではなかったのだ。

そもそもウルトラマンは今日でいうウルトラシリーズ第1作『ウルトラQ』の派生作品で、ウルトラセブンもウルトラQの派生作品なのである。

裏付けというべきか否か、ウルトラマンとセブンの方向性は少し違う。ウルトラマンに登場した宇宙人はバルタン星人ダダザラブ星人メフィラス星人ゼットン星人の5種族だけ(ケムール人もちょろっと出た)であり、他は全部怪獣だった。そして怪獣たちはテレスドンジャミラジェロニモンといった一部の例外を除く自然界に存在していたもの達が、暴れ回っていたのだ。

だが『ウルトラセブン』は、全ての怪獣が宇宙人の手先として操られるか、もしくは宇宙人並の知能を兼ね備えており、中には怪獣や宇宙人の着ぐるみすら登場しない回もあった(故郷を破壊された復讐に来たギエロン星獣及び細菌であるダリーを除く)。『セブン』は『ウルトラマン』の設定を引き継ぐことなく、別の作品として放送されたのである。

しかし、『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマンジャックが登場すると世界観は一変、セブンは(薄々設定されてはいたことだが)ウルトラマン一族出身ということが克明に描写されたのだ。かくしてウルトラセブンは「ウルトラマン」と明確に世界観がリンクし、ウルトラセブンと言う名前が深く刻まれることになった。

更にその次回作『ウルトラマンA』は本来『ウルトラA』というタイトルだったが、この名前は既に玩具メーカーのマルサンで商標登録されていた為、間に「マン」を足した『ウルトラマンA』へ変更となった。

以降、出てくるウルトラマンたちは『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』、『ウルトラマン80』といった感じで全て「ウルトラマン~」と言う名前になるようになっていったのである。しかしこの『ウルトラセブン』という存在が、後々のウルトラシリーズの世界観を広げる一人者であることは確かである。



要するに編集

ウルトラセブンの表記ゆれ、よくある間違いである。



そして、『ウルトラセブン』はセブンと共に戦うウルトラ警備隊の「七番目」の戦士の意味も含まれている。


備考編集

(以下の記述は、安藤健二(2008)『封印作品の憂鬱』洋泉社による)


円谷プロの3代目社長(円谷皐氏)がサインし、チャイヨー・プロダクションのソンポート氏(円谷英二弟子の一人で、ウルトラマンを仏顔にした張本人)と1976年に交わしたとされるウルトラシリーズの海外での独占利用権の譲渡に関する契約書(英文)では、「ウルトラマンセブン(ULTRAMAN SEVEN)」と表記されている。


そして、この「ウルトラマンセブン」の表記が、円谷プロがチャイヨープロにタイの裁判闘争で勝利する一因となったのである(他にも、『ウルトラQ』を『ウルトラマン1』と表記する、英文タイトルのスペルミス、作品の本数が実際と異なるなど、複数の不可解な点が存在する)。


2008年2月、タイ最高裁は上記の契約書を偽造と判断し、チャイヨープロに対しウルトラマン関連のビジネスの停止と損害賠償金の支払いを命じる判決を出した。その判断の最重要根拠としたのは、皐氏のサインが筆跡鑑定で偽物と判定されたことである。それに加えて、「作品名や本数の誤り」が根拠として挙げられていた。問題の契約書は皐氏が作成した(タイプライターで打った)という体裁になっている。真に皐氏が作成したのであれば、そのような誤りは起こり得ないとされたのである。


日本の裁判(東京高裁)では、契約書は真正に成立したものと判断され、作品名や本数の誤りは「全くの誤りではない」として問題視されなかった。真正だとすれば、なぜ皐氏はこれほど杜撰な契約書を作り、ソンポート氏がそれで良しとしたのかが謎である。偽造だとすれば、ソンポート氏は大それた詐欺行為を目論んだにもかかわらず、それに用いる書類の作成は非常に杜撰だったことになる。


勿論、情報の流通や、文書の作成にかかる状況は、現在と1976年当時では大きく異なる。ソンポート氏がタイで参照した資料が誤っていたのかも知れない(ソンポート氏が契約書の文面を考えて皐氏に示したにせよ、偽造したにせよ)。また、タイプライターでは一度打った文字を消すことはできないため、文書の修正には多大な手間を要する(誤字脱字のない綺麗な文書を作ろうと思えば、最初から全て打ち直すしかない)。誤りには気付いていたが修正の手間を惜しんだのか、そもそも正誤の確認をする暇がないほどに慌てて作成したのか・・・。いずれにしても杜撰である。


当時を知る関係者からは、「皐氏が後で『そんな契約書は偽物だ』と言い張れるよう、意図的に誤記したのかも知れない」という意見が出ている(契約は、皐氏がチャイヨープロに設けた借金返済の代替策として結ばれたとされ、皐氏以外の円谷プロ関係者は全く関知していなかった)。それが真相であれば、皐氏の意図は30年以上も後に外国の裁判所により叶えられたことになる。単なる誤記だとしても(真正にせよ偽造にせよ)、『ウルトラセブン』が誤記を誘発しやすい名称であったことが、円谷プロを救う一因になったことになる。


ウルトラセブンと、ウルトラマンセブン。たった二文字の違いが円谷プロを救う一因になったという事実は、記憶されてもよいのではないだろうか。



間違いやすい理由として考えられるもの編集

  • 大体のウルトラマンの名前が「ウルトラマン〇〇」である事が殆どである為、それに慣れてしまった人はその例に倣って呼んでしまう。または「マン」が無いことを誤字脱字と勘違いしている。
  • 息子の名前が「ウルトラゼロ」ではなく『ウルトラマンゼロ』である為混同しやすい。
  • 思い出は億千万」の歌詞の方で覚えてしまっている(一応、一拍区切りがあるため間違えないような配慮はなされている)
  • 単にウルトラシリーズに興味がない。またはウルトラシリーズに関心があっても細かい違いがわからず、周りがそう呼んでしまうので、その呼び方が広まってしまう。
  • メディアでも、誤字を修正しない。とあるTBSのクイズ番組ではウルトラマンセブンで正解にしてしまったりした事も(誤記が広まってしまった為、その方が通りが良いからという事情もある)。

  • それから、ウルトラマンセブンと呼ばれたからって怒るのはやめて欲しい。

優しさと寛容さを忘れてはいけない




関連項目編集

思い出は億千万:正しくは「ウールトラマン、ウルトラマン、(ウルトラ)セブン」と分けて歌っている。これが誤解を広める要因の一つとなってしまった。

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