データ
身長 | 40m(劇中では等身大のセブンと同じ大きさ) |
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体重 | 3万t |
出身地 | M78星雲・光の国 |
初登場作品 | 『ウルトラセブン』第48話『史上最大の侵略(前編)』 |
スーツアクター | 上西弘次 |
CV | 和田文夫 |
概要
第48話「史上最大の侵略(前編)」及び、第49話「史上最大の侵略(後編)」に登場した、セブンと全く同じ外見のM78星雲人。撮影に使われたスーツもセブンの物をそのまま流用。
セブンのことを「340号」と呼んでいることから、恒点観測員時代のセブンの上司にあたる人物と思われる。勘違いされる場合もあるが劇中では「恒点観測員」の単語は使っていない。
ゴース星人の侵略作戦が進行していく中、これまでの戦いで体力を消耗したウルトラセブンことモロボシ・ダンの夢の中に現れ、ウルトラアイをフクロウ型時計に引っかけてM78星雲に帰るように忠告する。
第49話では変身しようとするダンの前に再び現れ、「今度こそ本当に死んでしまうんだ!」と警告するが、結局彼を止めることはできなかった。
ファンからは「警告するだけで何故セブンの代わりに戦おうとしなかったのか」と突っ込まれることがあるが、セブンの上司だとすると彼も恒点観測員、つまり本来戦闘するような人物ではないと思われる(役職名の通り「観測」するのが本来のセブンの役目)。そんな彼にセブンの代わりに戦えというのは流石に酷というもの。
また、作中の描写からして直接地球に来たのではなく、『ウルトラマンジード』でのウルトラマンヒカリのようにメッセージを乗せた思念体のようなものだった可能性もある。
いずれにしても、彼がセブンに出来ることは本当に警告しかなかったのだろう。
漫画版
一峰大二氏による漫画版においては最終回で登場。
セブンとの差別化のためかデザインがアレンジされており、頭部のアイスラッガーの形状がノコギリの刃のように切れ込みの入ったモヒカン状になっているのが特徴。
本編同様セブンに帰還命令を出すが、連れ戻すことはできなかった。その後、パンドンに苦戦するセブンを助けるために宇宙からエネルギーを送りセブンをサポートし、戦いを終えた後に宇宙へと連れ帰った。
また、「フィギュア王No.118」に掲載された一峰氏による描き下ろしの『宇宙人15+怪獣35』においても登場し、宇宙獣神ゴードを連れて地球に来訪。地球から逃げようとした宇宙人をゴードに倒させたのち、セブンとともに帰還した。
名称と現在の扱い
彼の存在は、実は円谷プロにも長いこと忘れられており、後年になって彼の存在に疑問を抱いて問い合わせた金田益美氏によって円谷プロも彼の存在を思い出し、急遽セブン上司の名が付けられた……とネット上ではよく書かれるが、これは半分嘘の話。
セブン上司という名が後年付けられたのは事実であるが、急遽決まったものではなく第3次怪獣ブーム時にて改めて存在が注目された際、円谷プロによって正式に決められたものである。
一応最初は仮名だったのだが、そのまま定着した模様。
また、セブン上司の名前がつく前はビックセブンと表記される事もあった。
現在は宇宙警備隊上層部のウルトラ戦士の1人という扱いになっているが、TVや映画への再登場はおろか、歴代ウルトラマン特集をうたった書籍においても載ることはほとんどなく、どちらかと言えばウルトラ怪獣のくくりで扱われる方が多い。
上述のように本来は戦闘員ではないという設定や、『ウルトラセブン』放映当時はまだシリーズの世界観がはっきり固まっていなかったことを考えるとおかしくはないが、最終回で初登場した主人公の上司で、重傷の主人公にM78星雲に帰るように促すなど共通点が多いゾフィーが現在に至るまで各作品で活躍しているのと比べると、やはり名前の有無と作中の功績でかなり差がついたと言えるだろう。
2010年のエイプリルフールイベントでは、セブンが彼と思わしき人物から何か連絡を受けていた。
直接明言された訳ではないが、『ウルトラセブン』以降に公式媒体で彼の存在について触れられた機会は現状これくらいしかない。
ただ、2015年にマガジンハウスより刊行された『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』によると、本編のシナリオにおいて、セブン上司の姿は『ダンのテレパシーが呼んだイメージ』とされていたらしい。
この設定がもし本編でも採用されていたとしたら、声の主たるセブン上司に相当する人物は実際に存在したが、セブンに瓜二つなその姿はあくまでダンのイメージであり、実際の姿は本編では明かされておらず不明ということになる。
あくまで恒点観測員としての上司なので、ゾフィーやウルトラの父といった後の宇宙警備隊としての上司となる人物である可能性は低いだろうが、真相は不明である。
ダンの幻影説
ファンの間の異説として「セブン上司は実際には存在せず、正体はダンが見ている自身の幻影」とするものがある。
ただの観測員にすぎない自分がここまでして地球のために戦う必要はあるのか?だが、このまま地球はおろかウルトラ警備隊を見捨ても良いのか?そういったダンもといセブン自身の葛藤と自問自答を、視聴者に分かりやすい演出として見せたものではないか、というものである。
しかし台本上ではセブン上司の事は「M78星雲人」と書かれており、声もダン役の森次晃嗣氏ではなく和田文夫氏が担当している事から、当時からセブンとは別人という扱いだったのではないかとこの説に反対する意見もある。
何より前述の通り、今では一応存在はしている人物とされており、どちらにせよ最終回のストーリーにはほとんど影響はないのでネタの一種とするべきだろう。
とはいえ、セブンが無理を承知で戦い地球を救ったことは、ウルトラ兄弟やその他のウルトラ戦士が地球へやってくるきっかけとなったことは揺るがない事実である。
立体物
漫画版はともかく、本編映像ではスーツが同じなのでセブン上司として出しようもなかった……のだが、劇中の場面を切り取って立体化させた食玩「ウルトラ怪獣名鑑」にて、『史上最大の侵略』よりダンの枕元に立つ彼の姿が選出されている。
さらにシークレットVer.として、セブン上司の身体が透けているものもある。
また、食玩以外でもベッドのダンを覗き込む姿や、手を突き出して変身を制止させる姿でセブン上司のフィギュアは円谷公認でちゃんと出されている。
関連項目
ゾフィー:上記の通り、前作に登場した似たような立ち位置のウルトラ戦士。
???:『シン・ウルトラマン』に登場する外星人。彼もまた、同郷の外星人に警告していたが、結局その警告は無視された形となった。
大セブン:漫画オリジナルキャラクター。セブン上司と同一人物と考察されることもある。
ビオルノ:『ウルトラマンアーク』に登場する似たようなポジションのキャラ。こちらは人間の機械を通じて通話するような形でコンタクトを取っており、帰還命令ではなく敵が襲来してくることを戦友および一体化した地球人へと警告した。