さらばウルトラマン
さらばうるとらまん
- 『ウルトラマン』最終話(第39話)のタイトル。
- 『ウルトラマンパワード』最終話(第13話)「The Final Showdown?」の邦題。さらばウルトラマン(ウルトラマンパワード)の項目を参照。
宇宙恐竜ゼットン登場。いつも『ウルトラマン』をご覧くださいまして、ありがとうございます。
さて来週は、『ウルトラマン』もいよいよ最終回を迎えることになりました。
最後にお送りする『ウルトラマン』の集大成「さらばウルトラマン」にご期待ください。<某本より引用>
地球に迫る宇宙船軍団。 そして最後の怪獣ゼットンが出現する!ウルトラマンの必殺技をことごとく跳ね返す強敵、果たしてウルトラマンと地球の運命は!? 次回、新ウルトラマン列伝『ゼットン襲来!さらばウルトラマン』<列伝版>
「果てしなき大宇宙の彼方から、空飛ぶ円盤の群れが地球を目指して飛んで来た。各国の人工衛星はいち早くその異変をキャッチして、地球上にSOSの電波を発信した。科学特捜隊パリ総合本部でも、ニューヨーク支部でも、ロンドン、モスクワ両支部でも、我が国・科学特捜隊本部でも、その恐るべきニュースをキャッチしていた。そして、地球全体が恐怖のどん底にたたきこまれたのである」(ナレーター)
科学特捜隊本部作戦室
円盤群が地球到着まであと40分。
岩本博士の推測で謎の円盤群は1930年代から40年間、地球侵略を企んでいたことをムラマツキャップに語る。
次第に地球へ接近する円盤群は、各国の人工衛星を次々と破壊し、遂に大気圏へと突入。
電波鑑識センターから北緯28度東経155度20分(ハワイ北東500キロ地点)に無数の円盤群を確認と連絡が入る。
日本の空を守るため、飛び立った自衛隊の精鋭達が侵攻する円盤群に応戦するが、返り討ちにあい、全滅してしまう。
パリ本部からの報告により、円盤群の目的は最大の障害となる科学特捜隊とウルトラマンを撃滅した後、世界各国を総攻撃すると判明。
「出動準備! さっきイデが言った通り、我々の敗北は地球全体の敗北に繋がることになる。日本支部の生命を賭けて闘ってもらいたい! フジ君は連絡員として本部に残ってくれ。出動!」(ムラマツ)
科特隊は出動。フジと岩本博士を作戦室に待機させ、ムラマツたち4人はジェットビートルの格納庫へ走る。岩本博士は、昨日完成した新兵器を隊員たちに渡すため、それを取りに一旦作戦室を出る。だがその直後、不気味な腕が博士を襲った。
日本上空
日本へ迫り来る円盤群を迎え撃つ2機のジェットビートル。
円盤群の光線を回避し、ビートルのロケット弾で反撃。次々と円盤を撃墜する。
科学特捜隊本部作戦室
その頃、作戦室に戻った岩本博士は突然フジに襲い掛かった。
フジの首を絞めて気絶させると、手に持った光線銃で通信機と動力室を破壊した。
日本上空
2機のビートルの大活躍により、円盤群は壊滅。しかし、残り一機の大型円盤は岩山へ逃走。
ムラマツとハヤタのビートルが後を追うが、見失ってしまった。
しばらく探索を続けるため、アラシ、イデのビートルに本部帰還命令を出す。
科学特捜隊本部
本部に帰還したアラシとイデは、煙に包まれる作戦室に倒れていたフジを救出。
意識を取り戻したフジから犯人は岩本博士であることを聞かされる。
作戦室を出て階段を下りる途中、逃げ出す岩本博士の姿を目撃するアラシ。
後から本部に戻って来たムラマツとハヤタも合流し、イデにフジを任せて追跡を開始する。
本部の外へ飛び出した岩本博士をアラシが取り押さて殴りつけると、奇怪で醜悪な宇宙人の姿に変わる。にせ岩本博士の正体はゼットン星人であった。ハヤタがマルス133で星人を撃つ。
「ゼットン・・・・ゼットン・・・・・」と断末魔をあげ、ゼットン星人は消滅した。
その直後、断末魔と反応するかのように地底に潜伏していた大型円盤が姿を現す。円盤が着陸した後、内部の青い球体が風船のように大きく膨らみ爆発。
黄色の煙幕の中から電子音のような声を発する黒い怪獣が出現した。ゼットン星人の切り札、宇宙恐竜ゼットンである。
『ゼットン・・・・ピポポポポ・・・』
科特隊本部に前進するゼットンにマルス133で銃撃するハヤタだったが、ビクともしない。
本物の岩本博士の救助を求める通信が入り、本部へ急行するハヤタとアラシ。間に合わないと見たハヤタはベーターカプセルを手に持ち、ウルトラマンに変身。
キャッチリングでゼットンの動きを止めるが分散。
瞬間移動でウルトラマンの背後に回り込み、頭部から一兆度の火球を撃つゼットン。これを避けて八つ裂き光輪を放つも、電磁バリヤーで粉々に粉砕されてしまう。格闘戦を挑むが、ゼットンの圧倒的な力の前にウルトラマンのカラータイマーが赤く点滅する。
「ウルトラマンの体は地球上では急激に消耗する。エネルギーがなくなると胸のカラータイマーが鳴る。ウルトラマン立て!」(ナレーター)
振り払ったウルトラマンはスペシウム光線を発射。
だが、ゼットンは光線を吸収。波状光線に変えて撃ち返し、胸のカラータイマーを破壊。ウルトラマンの目の光は消え、ゆっくりと大地に倒れる。
これまでの怪獣たちとの戦いが走馬灯として蘇る。その絶望的な光景に、呆然と立ち尽くす科学特捜隊の隊員たち。
「ウルトラマン死んじゃ駄目! 立つのよ! 起き上がってウルトラマン!! あなたが死んでしまったら地球はどうなるの!? ウルトラマン!!!」(フジ)
「頑張れよ!」(アラシ)
「立つんだ!」(イデ)
フジ、アラシ、イデは、倒れているウルトラマンに向かって叫ぶ。しかし、その声は届かなかった。
ウルトラマンの死を確認したゼットンは、再び科特隊本部へ進撃する。本部の防衛とウルトラマンの仇を討つため、ゼットンに立ち向かおうとするアラシとイデに、岩本博士はある物を渡す。それは、昨日科学センターで完成したばかりの兵器、ペンシル爆弾(通称:無重力弾)である。スーパーガンに無重力弾を装着し、ゼットンの元へ走るアラシとイデ。無重力弾は試作品のため、一発しかない。
火球を放ち本部を破壊するゼットンに、アラシはイデの肩を借りて無重力弾を撃つ。見事、胸元に命中。ゼットンの体は宙に舞い上がり、大爆発を起こして空中に散った。
爆風によりゼットンの肉片が降り注いだ後、勝利を確信するイデ。
「おぉっ! 我々の勝利だ!!」(イデ)
科学特捜隊本部の消火活動が行われるなか、空からもう一人のウルトラマンが飛んできた。M78星雲光の国からウルトラマンを迎えに来たのである。もう一人のウルトラマンは身体を高速回転させ、赤い光の玉をつくり、瀕死のウルトラマンを吸い込む。その正体は宇宙警備隊員ゾフィーだった。
「ウルトラマン、目を開け! 私はM78星雲の宇宙警備隊員ゾフィー。さあ、私と一緒に光の国へ帰ろう、ウルトラマン」(ゾフィー)
「ゾフィー、私の体は私だけの物ではない。私が帰ったら一人の地球人が死んでしまう」(ウルトラマン)
「ウルトラマン、お前はもう十分地球のために尽くしたのだ。地球人が許してくれるだろう」(ゾフィー)
「ハヤタは立派な人間だ。犠牲にはできない。私は地球に残る」(ウルトラマン)
「地球の平和は人間の手で掴みとることに価値があるのだ。ウルトラマン、いつまでも地球にいてはいかん」(ゾフィー)
「ゾフィー、それならば私の命をハヤタにあげて地球を去りたい」(ウルトラマン)
「お前は死んでもいいのか?」(ゾフィー)
「構わない、私はもう2万年も生きたのだ。地球人の命は非常に短い。それにハヤタはまだ若い。彼を犠牲にできない」(ウルトラマン)
「ウルトラマン、そんなに地球人が好きになったのか。よし、私は命を2つ持って来た。その一つをハヤタにやろう」(ゾフィー)
「ありがとう、ゾフィー」(ウルトラマン)
「じゃあ、ハヤタと君の体を分離するぞ」(ゾフィー)
ゾフィーが与えた2つの命によって、ウルトラマンとハヤタは復活した。
赤い光の玉から分離し、それを持って宇宙へ運ぶゾフィー。
「不思議な赤い玉ね」(フジ)
「仲間が迎えに来たんだ」(ムラマツ)
「すると、もうウルトラマンは…」(イデ)
「我々の前に、二度と姿を現すことはないんですか?」(アラシ)
「地球の平和は我々科学特捜隊の手で守り抜いていこう」(ムラマツ)
万感の想いを込めて見守る隊員たちのもとに駆けつけるハヤタ。
「ハヤタ、どこ行ってたんだ!? ウルトラマンが地球を去るぞ!」(イデ)
「キャップ、あれですよ! あの赤い玉ですよ! 僕は竜ヶ森で衝突して…衝突して今までどうなってたのかな…?」(ハヤタ)
ウルトラマンと分離したハヤタは、竜ヶ森の出来事以降の記憶がなかった。
「ウルトラマン、さようなら!」(フジ)
「さようならー! ウルトラマン! ウルトラマーン!!」
子供たちの声が響き渡るなか、手を振って別れを告げる科特隊。
ウルトラマンはゾフィーとともに光の国へ帰還するのであった。
「さようならウルトラマン。人類の平和と正義を守るため、遥かM78星雲からやって来たウルトラマン。凶暴な怪獣たちを倒し、宇宙からの侵略者と戦ってくれた我らのウルトラマンが、とうとう光の国へと帰る日が来たのです。ウルトラマンも、この地球が平和な光に満ちた星となることを祈ってるに違いない。ウルトラマンありがとう! ウルトラマンさよなら!!」(ナレーター)
ウルトラマン ー完ー
- ゾフィーの声を演じたのは、第20話「恐怖のルート87」からナレーターを務めた浦野光。
- 本放送当時、ラストシーンを見た子供たちは星空を見上げて、ウルトラマンに別れの言葉をかけたのは有名な話の一つ。
- 劇中、ゾフィーは命を2つ持ってきてウルトラマンとハヤタを救っているが、長い間「物体として存在しない命をどうやって持ってきて生き返らせたのか? そもそも、この命はなんだったのか?」といったことがしばしばネタにされていた。しかし後年の設定により、光の国ではその科学力で「本来形のない命を固形化する」技術を持っていることが判明している。
- 光線技を反射されて倒されるというシーンがしばしば、パロディの題材にされることが多い。
- 『ウルトラマンメビウス』では、プロトマケットウルトラマンメビウスがプロトマケットゼットンを倒そうとする際、トリヤマ補佐官の命令でうっかりメビュームシュートを発射してしまい、それを跳ね返されて倒されてしまう。このシーンが完全に「さらばウルトラマン」と同じ演出になっていた。なお、この直後にクゼ・テッペイ隊員が「ゼットンに光線技は禁物」と発言していたり、*マケット怪獣であったとはいえ)人類とウルトラマンメビウスがゼットンに勝利を収めていることから、光の国・地球人の双方ともに、この頃には(少なくともオリジナルの個体に関しては)倒すための対策がしっかりと構築されていた様子。
- 沖縄で放送されたアニメ『はいたい七葉』では、イーナがゼットンに"シーサーファイヤー"という火炎を浴びせるも、バリアで防がれた挙句、お株を奪うかのように1兆度の火の玉をお見舞いされて倒されてしまうシーンがあるが、ここでも「さらばウルトラマン」のパロディが行われている(下の動画の2:10あたりから。さらに、ラストシーンで本当に「さらば!ウルトラマン!!」という台詞が出てきたりする。
- 風上旬の漫画『ウルトラ怪獣擬人化計画 feat. POP Comic code』でも、テンペラー星人がゼットンにウルトラ兄弟必殺光線を撃ち返されて敗れた際に同様の演出がある。
- さらに、単行本のおまけイラストでは倒れたところを踏みつぶされている。これは、ゼットンがウルトラマンを投げ飛ばしカラータイマーを踏みつぶして倒すというお蔵入りになってしまったシーンを再現したもの。外伝漫画とはいえお蔵入りになったシーンを描いて大丈夫なのか心配だったそうだが、円谷側からは特に修正の指示はなかったとのことで、「よく許可してくれたなぁ」と思ったとか。
- また、その次の回ではメフィラス星人にその容赦のない性格を批判する際に最終回の内容が引き合いに出され、「大体ウルトラマンを倒すにしても あんな倒し方デリカシーなさすぎだろ!」「こちとらドンびきだよ!!」とツッコまれていた。
- 2016年3月29日放送の『新ウルトラマン列伝』第142話は「さらばウルトラマン」が特集された(タイトルは「ゼットン襲来!さらばウルトラマン」)。なお、この回の放送を最後に、『新ウル伝』は放送時間帯を土曜日の朝9:00に変更され、2011年の放送開始以来4年半に渡って続いていた夕方の時間帯での放送はこの回が最後となり、最終回らしく幕を閉じることになった。
- バルタン星人Jrは去り際に「さらば、ウルトラマン!」と捨て台詞を残して去っていった。
- 毎話歴代ウルトラシリーズのサブタイトルが台詞に隠されている『ウルトラマンオーブ』第17話では、「さらば、ウルトラマン!」という台詞が使われている。
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