概要
科学特捜隊の新兵器を開発する御殿山科学センター所長の科学者。40歳。
初登場の第5話では科特隊メンバーに対して敬語で話していた。
ジェットビートルの設計者であると同時に、フェニックス号などの高性能宇宙船も開発している。冷静な判断力とあらゆる方面の学問(※)に精通する優れた頭脳で科学特捜隊に貢献している。
通信用に科特隊バッジを所持している。
慎重な人物であり、第5話の鑑識ではミロガンダが現場に残していったものからムチン(カタツムリの粘液に含まれるもの)と放射能が含まれた「クロロフィル」(葉緑素)を検出するも、犯人を動物か植物か即座に断定する事はしなかった。
第16話の宇宙船の開発競争では毛利博士の「おおとり」に先を越されるが、勝ち負けよりもフェニックス号のテスト回数を優先している。ムラマツキャップからも科学者として勇気のある正しい生き方だと賞賛を浴びた。
その慎重さと冷静さに裏打ちされた確かな自信から、毛利博士救出の際にはジェットビートルを宇宙ビートルに改造しようと言ってのけている非常に頼りになる人物。
科学者として、人として最低限の良心を持っており、生け捕りにする事を求めたミイラ人間たちが倒された際には被害の観点から科特隊を追求することはせず、フジ隊員のミイラ人間たちを哀れむような発言にはバツの悪そうな顔をしていた。
加えて思考も非常に柔軟で目利きにも優れる。これが博士の最大の武器である。
- アラシからのスーパーガンを浴びてますますミロガンダが益々強大になって生きているという考察を述べる(第5話)
- 「死後7000年は経っている」と発表したミイラ人間が蘇った際にはそれまでの発表を撤回してある種の冬眠状態にあったと推理する(第12話)
- メタニカやモーナス菌のような油を食う微生物の存在から、犯人が石油を食う怪獣であると推測する(第13話)
- ペスターの腹部に石油が充満しているのでは?というイデの考察を一笑に付することなく、論理的に裏を取った上でフォローもしている。
- 1930年代から虎視眈々と地球を狙っていたゼットン星人が遂に本腰を入れてきたと考察し、前準備として無重力弾を開発しておく(第39話)
- ウルトラマンを迎えに現れた巨人=ゾフィーを光の国からの使者だと見抜く(同上)
最終回では前日に作った無重力弾を取りに行く際にゼットン星人が変身した偽物にすり替えられ排気ダクトに押し込められてしまうも何とか脱出。無重力弾でウルトラマンでも倒せなかったゼットンを一撃で倒した。
脚注
(※):機械工学はもちろんのこと、第5話では生物学(特に植物学)、第12話では考古学、第13話では微生物学、第25話では物理学に明るい一面を見せている。
余談
第5話の脚本上では「植物学者」と明言されていたが、本編ではその描写は無く次第に万能博士になっていった。
『ウルトラマン』のシナリオ決定稿の段階では合計12のエピソードに登場する予定だったが、演者の平田氏のスケジュールの都合により、第36話のように代役を立てたり、別のキャラクターに置き換えて対応している。
本編に多数の博士が出てくるのは本来岩本博士が登場する予定だった名残である。第36話の岩本博士も同姓の別人である可能性があり、一部資料では別枠を設けられていたり、「科学センターの博士」と無名の人物として扱われる資料もある。
また第33話のヤマモト博士は劇中で名前を呼ぶ自衛官の発声がやや不明瞭なため岩本博士として扱っている資料もある。
第22話の福山博士は現在では第19話ゲストの再登場という形になっているが、第22話本編内では名前が呼ばれる場面がなく、演者が同じであることから同一人物として扱われるようになったという経緯がある。
第24話の山川博士は脚本の最終決定稿で変更されたが、台本の登場人物表やト書きには岩本博士のまま印刷されている。
ゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』では一の谷博士の後任として科特隊顧問に就任したという設定になっている。