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遊星から来た兄弟

ゆうせいからきたきょうだい

「遊星から来た兄弟」とは、 円谷プロの特撮テレビドラマ『ウルトラマン』第18話のサブタイトルである。
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概要編集

1966年11月13日放送。


監督:野長瀬三摩地

脚本:南川竜(野長瀬のペンネーム)、金城哲夫

特殊技術:高野宏一


現在でも根強い人気を誇るザラブ星人、そして初の悪のウルトラマンにせウルトラマンが初登場した回である。


あらすじ編集

ある夜、東京上空に謎の霧が発生。霧に包まれた人々は次々と苦しみ倒れた。

直ちに科学特捜隊が調査に出動。森田博士が調べたところ、この霧は放射能を含んでおり、しかも地上の核実験の影響ではなく宇宙空間から降り注いでいたことが判明する。

ヴァン・アレン帯を突き抜けて来たのではないかと危惧する森田博士。

霧に包まれた東京の街をパトロールするイデ隊員アラシ隊員は、黒いフードを被った怪しい人物と出会う。

彼は「地球の兄弟」を名乗るザラブ星人で、地球と友好関係を結ぶためにやってきたという。

ムラマツキャップはこの霧を解決出来たら信じると告げる。そこでザラブ星人は東京を覆っていた霧をいとも簡単に宇宙空間に放り出した。

さらに遭難していた土星ロケットを救出し、地球の衛星軌道上まで移動してきたと告げる。


ザラブ星人は客人として科学特捜隊本部に招き入れられるが、宇宙局ではザラブ星人の処遇について議論が交わされる。

しかし会議に出席したイデの様子がおかしい。ハヤタに何度注意されても流星バッジのアンテナを立ててどこかに会議の内容を送信しようとしている。

科特隊本部ではアラシ隊員が通信のため待機していたが、フジ隊員に一服盛られて眠らされてしまう。

脳外科病院で様子を見てもらうイデ。なんとイデは何者かに催眠術で操られていた。

さらにアラシ隊員に一服盛ったフジ隊員も偽物だったことが判明する。

科特隊本部に現れるザラブ星人。すると本部の電子頭脳が破壊されてしまう。ザラブ星人は自らが作り出した電子頭脳の出力が大きすぎたため本部の電子頭脳に干渉してしまったと説明する。

ザラブ星人の様子を訝しむハヤタはザラブ星人を尾行する。


ザラブ星人が飛び立った先は地球の衛星軌道。例の土星探査ロケットだ。

宇宙ビートルから様子を見るハヤタ。なんとザラブ星人は土星探査ロケットの乗員をイデ隊員と同様に操っていた。

本部に報告しようとするハヤタだが突然ザラブ星人が現れる。ザラブ星人に捕らえられてしまうハヤタ。

ザラブ星人の真の目的は地球侵略だった。

ザラブ星人はハヤタこそがウルトラマンの正体であると考え、彼からベーターカプセルを奪おうとする。しかしハヤタはベーターカプセルを持っていなかった。


ハヤタが消息を絶った直後、科学特捜隊本部に衝撃の報せが入った。

なんと街でウルトラマンが暴れているという。

防衛軍のミサイル戦車が出動しウルトラマンを攻撃する。

宇宙局の会議に現れたザラブ星人は、ウルトラマンは地球を狙う侵略者で、科学特捜隊も彼の仲間だと吹聴し信頼を貶めようとする。


ハヤタはビルの一室に監禁されていたが、そこにホシノ少年が現れる。

工具を使ってハヤタを拘束しているテープを切ろうとするホシノ少年。しかし未知の技術で作られているテープを切ることができない。

悔しさのあまり涙を流すホシノ少年。しかし涙がテープに触れるとテープは切れてハヤタを助け出すことができた。

ホシノ少年はハヤタに「忘れ物」を託した。なんとそれはベーターカプセルだった。

ホシノ少年はビルから脱出するが、再び暴れ出した謎のウルトラマンに捕らえられてしまう。

ハヤタはウルトラマンに変身、ホシノ少年を助け出す。

ウルトラマンは謎のウルトラマンと格闘。形勢不利と見た謎のウルトラマンは逃亡を図るが、そこをウルトラマンはスペシウム光線で攻撃。すると謎のウルトラマンの姿がザラブ星人に変貌した。

暴れていた謎のウルトラマンはザラブ星人の化けた偽物だった。

二重の意味で化けの皮が剥がれたザラブ星人は最後のあがきとばかりにウルトラマンに戦いを挑む。

ふたたび格闘戦を挑むがやはり本物には敵わず、今度こそスペシウム光線でとどめを刺された。


ウルトラマンはいつも我々を守る正義の味方なのだ。


余談編集

ゲスト出演編集

ザラブ星人の声は青野武。「自分で演じてみないと役がつかめない」として自ら等身大時のスーツアクターを担当している。

森田博士は東宝特撮映画でおなじみの土屋嘉男。当時は円谷がテレビドラマを作ると聞いて残念に思っていたが、後年改めて本編を見て感激し「円谷さんが育てた素晴らしい弟子たちがテレビで頑張ってくれた」と高く評価している。

イデ隊員を診察する脳外科病院の村木博士は森山周一郎

防衛軍の司令官は高田稔。会議の出席者の中には金城哲夫の姿もある。

監督関係編集

ニセウルトラマンが登場する本話のエピソードを発案したのは野長瀬三摩地監督。またホシノ少年の涙でテープが切れるという演出を考案したのも野長瀬監督とされている。


特殊技術のクレジットは高野宏一となっているが、実際には続く第19話ともども円谷英二が自ら演出したといわれている。ただし一部資料では円谷が演出したのは第19話のみで第18話は演出していないとされている。

流用映像編集

ザラブ星人を攻撃する防衛軍のミサイル戦車の映像は『モスラ』の流用。

にせフジ隊員編集

ザラブ星人が化けたフジ隊員のメイクは桜井浩子が自ら行っている。「もっと濃く怖くしておけばよかった」とは本人談。

脚本との相違編集

脚本上では森田博士は岩本博士だった。

このほか以下の相違点が確認できる。

  • イデ隊員の様子を不審に思ったハヤタとキャップがイデを国立病院に連れて行く。
  • 完成作品ではザラブ星人はベーターカプセルについて知っているが、脚本上ではベーターカプセルのことを知らずハヤタから変身の秘密を聞き出そうとする。
  • ウルトラマンがザラブ星人を倒した後、正気に戻った土星探査ロケットの乗員が地球に通信を入れる。

戦闘BGM編集

本話から「進め!ウルトラマン」のアレンジであるM5「勝利」が戦闘BGMとして使用される。これにちなんで『シン・ウルトラマン』ではザラブとの戦闘シーンで「進め!ウルトラマン」のアレンジBGMが使用されている。


関連タグ編集

円谷プロ ウルトラマン ザラブ星人 にせウルトラマン


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