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科特隊宇宙へ

かとくたいうちゅうへ

「科特隊宇宙へ」とは、特撮テレビドラマ『ウルトラマン』第16話のサブタイトルである。
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1966年(昭和41年)10月30日放送。

監督:飯島敏宏

脚本:千束北男(飯島敏宏のペンネーム)

特撮監督:高野宏一


STORY編集

人類初となる金星探査ロケット「おおとり」号が打ち上げられようとしていた。

このロケットの開発者である毛利博士は岩本博士の宇宙工学分野におけるライバルで、岩本博士もまた金星探査ロケット「フェニックス」号を開発していた。

まだ不安が残る状態のままロケットの打ち上げを強行した毛利博士は、自らこのロケットに飛行士として乗り込む傍ら、科学特捜隊にロケットの最終チェックとその後のモニターを依頼した。

ハヤタ隊員の乗った小型ビートルや地上の人々が見守る中、ロケットは無事打ち上げられた。

人類初の金星探査ロケット開発者の座を岩本博士が獲得できず悔しがるホシノ少年。しかし岩本博士は一番乗りになるため不安の残る状態のままロケットを打ち上げた毛利博士に対し、自分はより完成度を高めた状態で打ち上げたい。考え方の違いだと励ます。


大気圏を離脱し、金星へと向かうおおとり号。船内で食事を楽しむ毛利博士をモニターする科学特捜隊の面々。すると本部に不審な電波が飛び込んできた。イデ隊員はすぐさま宇宙語翻訳機「パンスペース・インタープリター」に接続、そしてモニターに飛び込んできたのは…


バルタン2

ウルトラマンによって全滅させられたはずのバルタン星人だった


彼らはスペシウム光線によって宇宙船を破壊され、20億3千万の同胞ほとんどを失ったものの、わずかな生き残りが居住可能な惑星「R惑星」にたどり着くことができた。しかし地球を諦めたわけではないバルタン星人たちは人類への復讐戦を宣言、手始めにおおとり号を襲撃したのであった。


おおとり号救出のため、科特隊は岩本博士に依頼しジェットビートルに水爆の原理を応用した「ハイドロジェネート・サブロケットエンジン」を搭載・改装し、ムラマツキャップハヤタ隊員アラシ隊員の3名がおおとり号救出のため宇宙へ出撃していった。


一方そのころおおとり号では、


「さあ、宇宙船のみんなを指揮して地球へ出発だ!」

手のひらサイズのバルタン星人に命令を発している毛利博士の姿があった。


バルタン星人がおおとり号を襲った目的はここにあった。毛利博士の体を乗っ取り科特隊に救助を依頼する一方、別動隊が手薄となった地球を占領してしまうという作戦だった。

スペシウム光線は強力だが人類にそれを使うすべはない。そして地球にウルトラマンはひとりしかいない。

同時に2ヵ所で戦えば手薄になった地球を我が物にできるという算段だった。


そしてウルトラマンについても同時に2か所で戦闘を行えば手も足も出ないという読みがあった。

しかしすでに人類はスペシウムを使うすべを獲得していた。


こんなこともあろうかと、2丁作っておきました」


イデ隊員発明の新兵器「マルス133」。理論上はスペシウム光線に匹敵する威力を持つ光線銃。

地球に襲来したバルタン星人は、迎撃に出動したイデ隊員のジェットビートルを包囲する。


「弓矢八幡、マルス133の威力を受けてみよ!」<イデ>


マルス133の威力は絶大。ビートルを包囲していたバルタン星人は次々撃墜され、光波バリアーで守られた宇宙船に撤退した。

光波バリアーの前にはさすがのマルス133も通じない。バルタン星人は工業地帯を襲うがやはり決め手に欠ける。


一方おおとり号から毛利博士を救出したムラマツたちは地球に帰還しようとするが、その矢先に毛利博士が変貌する。

高笑いと共に念力を放つ毛利博士。ビートルは謎の惑星に不時着してしまった。


ハヤタの目の前で毛利博士からバルタン星人二代目が姿を現す。

ハヤタはベーターカプセルを使いウルトラマンに変身、スペシウム光線を放つも胸部に隠されていた新兵器「スペルゲン反射鏡」によって跳ね返され、さらに重力嵐で視界を奪われてしまう。

バルタン星人はスペシウム光線の防御に成功し攻撃に移るべくとびかかるが、ウルトラマンにはまだ決め手があった。

飛びかかって来たバルタン星人に新技「八つ裂き光輪」を放つウルトラマン。頭上から光輪を浴びたバルタン星人は真っ二つになってしまった。


ウルトラマンは地球で暴れ回るバルタン星人を倒すべく大技「テレポーテーション」で地球へ飛ぶ。

空港で暴れるバルタン星人は光波バリアーで八つ裂き光輪をも無効化する。

しかしウルトラマンは目から放つ「ウルトラアイスポット」で光波バリアーを無効化。八つ裂き光輪でとどめを刺した。


アラシは死んだように眠っているハヤタを救出する。ビートルは動かせず帰還は絶望的かと思われたムラマツたち3人だったが、そこに岩本博士が完成させたフェニックス号が着陸する。

岩本博士に救出され、ムラマツたちも地球への帰還の途についた。


余談編集

  • 毛利博士が最終的にどうなったのかは不明。バルタン星人に乗り移られた際に死亡したという説が有力視されている。
  • 岩本博士の研究施設に『怪獣大戦争』のP-1号の模型のほか、ジェットビートルのフライトシミュレーターらしきものが置かれている。
  • 本話で初登場した八つ裂き光輪宇宙ビートルマルス133は以降も準レギュラー的に登場している。
  • 脚本初稿のタイトルは「ドクター・モーの冒険」。印刷台本の時点で「科特隊宇宙へ」に改題されている。
  • 台本には宇宙ビートルでムラマツたちが飛び立った直後、宇宙空間で地球に向かうバルタン星人の宇宙船とすれ違う描写があった。
  • 飯島監督は「バルタン星人が宇宙忍者ということになったので設定をいじって能力を追加した」とコメントしている。
  • 「ハイドロジェネード・サブロケット」も飯島監督の命名で、ハイドロは水素、ジェネードはジェネレーターに由来しているが、「ああいうデザインになるとは思っていなかった」と語っている。
  • ラストシーンでは次回に先駆けてホシノ少年が隊員服を着て岩本博士に同行している。

関連タグ編集

ウルトラマン バルタン星人二代目 科学特捜隊 マルス133 スペルゲン反射鏡

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