概要
1966年11月9日〜1967年9月27日まで、日本テレビ系列で全47話が放送された。
作品タイトルは「快獣ブースカ」であり、「怪獣」ではないのでお間違いのないように。
もともとは『ウルトラQ』第15話「カネゴンの繭」がベースになっており、「もしも家庭に怪獣が住んでいたら?」というテーマで、かつ当時の子供の視点に立って作られたコメディ番組である。
当時人気だった『おそ松くん』や『オバケのQ太郎』などのギャグ漫画の影響を受けており、特撮手法を駆使して空想ギャグドラマを生み出すことを企画意図にしていた。
「バラサ、バラサ」「シオシオのパー」などのいわゆる「ブースカ語」が当時の子どもたちの間で流行し、一躍人気番組となった。
そのため当初全26話の予定だったが、全47話に延長された。
テレビ放送以外にも多数の雑誌で漫画作品が連載されるなど、今でいうメディアミックス展開の先駆となったとも言われている。
本放送終了後も派生作品が製作されたり、円谷プロの公式ネット動画にブースカが登場するなど、現在でも彼の人気は高い。
2020年6月28日には「Stay At Home With ULTRAMAN ウルトラ空想科学時間」の一環として、何と第4話のyoutube公式配信が予定されている。
ストーリー
発明好きの少年、屯田大作がペットのイグアナであるブースカを「ゴジラ」の様な怪獣に仕立てようと、自作の栄養剤「クロパラ」を与えた。ゴジラとまではいかなかったが、ブースカは元の30倍の大きさになり、ユーモラスな顔とずんぐりした体、人間並みの知能と様々な超能力を持った「快獣」となった。そんなブースカを取り巻く子供達や、近所の住人達の間で繰り広げられる珍騒動を描く。
登場人物
ユーモラスな顔とずんぐりした体が特徴的な怪獣ならぬ「快獣」。元々は大作のペットのイグアナだったが、大作が自作の栄養剤「クロパラ」を与えたことにより、突然変異をおこして元の30倍の大きさになった。
性格は争いを好まず、心優しくのんびり屋で、ナイーブな感性の持ち主。人間でいえば年齢は小学5年生ぐらいの子供快獣である。
ラーメンが大好物。亀が苦手。
- 屯田大作(演:宮本智弘)
発明好きの少年。ペットのイグアナであるブースカを「ゴジラ」の様な怪獣に仕立てようと、自作の栄養剤「クロパラ」を与えたが、結果的には多少手違いが生じ、ブースカは怪獣ならぬ快獣となってしまう。
主題歌
- 「快獣ブースカ」
歌:高橋和枝、みすず児童合唱団
各話リスト
話数 | 制作No. | サブタイトル | 登場キャラ・メカ | 脚本 | 監督 | 特殊技術 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ブースカ誕生 | - | 山田正弘 | 竹前重吉 | 的場徹 | 1966年11月9日 |
2 | 8 | ブースカ出動 | - | 藤川桂介 | 満田かずほ | 的場徹 | 11月16日 |
3 | 4 | ブースカ対パースカ | パースカ砲 | 関沢新一 | 満田かずほ | 的場徹 | 11月23日 |
4 | 6 | ブースカ月へ行く | 金星人 | 市川森一 | 竹前重吉 | 的場徹 | 11月30日 |
5 | 3 | ブースカの名ガイド | - | 金城哲夫 | 満田かずほ | 的場徹 | 12月7日 |
6 | 9 | 野球珍騒動 | - | 藤川桂介 | 満田かずほ | 的場徹 | 12月14日 |
7 | 10 | スパイをやっつけろ! | - | 市川森一 | 竹前重吉 | 的場徹 | 12月21日 |
8 | 1 | ロケット騒動 | - | 山田正弘 | 竹前重吉 | 的場徹 | 12月28日 |
9 | 12 | ブースカの大冒険 | イモラ | 森田有彦、市川森一 | 満田かずほ | 的場徹 | 1967年1月4日 |
10 | 11 | あの広場を守れ! | - | 山野浩一、藤川桂介 | 竹前重吉 | 的場徹 | 1月11日 |
11 | 7 | ブー横町の学習塾 | 人間コング | 山田正弘 | 竹前重吉 | 的場徹 | 1月18日 |
12 | 14 | ブースカと七人の魔術師 | 魔術師 | 市川森一 | 満田かずほ | 的場徹 | 1月25日 |
13 | 13 | マッハ・ブースカ号 | マッハ・ブースカ号 | 川崎徹広 | 満田かずほ | 的場徹 | 2月1日 |
14 | 2 | ブースカ踊る | - | 藤川桂介 | 竹前重吉 | 的場徹 | 2月8日 |
15 | 16 | バラサで行こう! | - | 三井偠市 | 竹前重吉 | 的場徹 | 2月15日 |
16 | 15 | 氷河時代をふきとばせ! | 氷河魔女 | 市川森一 | 竹前重吉 | 的場徹 | 2月22日 |
17 | 17 | ブー冠・王冠・とんちんかん | - | 藤川桂介 | 満田かずほ | 的場徹 | 3月1日 |
18 | 18 | こちらブースカ!100番 | - | 金城哲夫 | 満田かずほ | 的場徹 | 3月8日 |
19 | 19 | ブースカにまかせて | - | 藤川桂介 | 竹前重吉 | 的場徹 | 3月15日 |
20 | 20 | 空飛ぶ円盤がやって来た! | - | 上原正三 | 竹前重吉 | 的場徹 | 3月22日 |
21 | 21 | ウルトラまんじゅうに突撃 | - | 三井偠市 | 竹前重吉 | 的場徹 | 3月29日 |
22 | 22 | 大爆発!ご用心 | - | 上原正三、市川森一 | 満田かずほ | 的場徹 | 4月5日 |
23 | 24 | ワッペン戦争 | - | 市川森一 | 鈴木俊継 | 的場徹 | 4月12日 |
24 | 23 | ぼくは一等賞 | トンビラー | 山田正弘、上原正三 | 満田かずほ | 的場徹 | 4月19日 |
25 | 25 | 夢を食べちゃった! | 白い壁の悪魔 | 三井偠市 | 鈴木俊継 | 大木淳 | 4月26日 |
26 | 26 | チャメゴン誕生 | 宇宙生物 | 藤川桂介 | 満田かずほ | 的場徹 | 5月3日 |
27 | 27 | ブースカ対チャメゴン! | - | 藤川桂介 | 満田かずほ | 的場徹 | 5月10日 |
28 | 28 | 宇宙から来たんだ | - | 上原正三 | 竹前重吉 | 大木淳 | 5月17日 |
29 | 29 | 地底戦車(タンク)で探検 | 地底タンク | 上原正三 | 鈴木俊継 | 有川貞昌 | 5月24日 |
30 | 30 | スピード銃に気をつけろ! | - | 藤川桂介 | 木俣和夫 | 大木淳 | 5月31日 |
31 | 31 | 飛んで来た遊園地 | - | 市川森一 | 満田かずほ | 有川貞昌 | 6月7日 |
32 | 32 | すてきな快獣の日 | 電子頭脳の神様 | 三井偠市、上原正三 | 川崎徹広 | 大木淳 | 6月14日 |
33 | 33 | 不思議なドンブラ島(とう) | 怪植物 | 市川森一 | 木俣和夫 | 的場徹 | 6月21日 |
34 | 34 | ドンブラ島(とう)の化け狸 | - | 市川森一 | 木俣和夫 | 的場徹 | 6月28日 |
35 | 35 | 銀河へ行こう! | カボチャ星人、織姫、牽牛、願い星 | 市川森一 | 満田かずほ | 大木淳 | 7月5日 |
36 | 39 | 踊れ!フラミンゴ | - | 上原正三、市川森一 | 野長瀬三摩地 | 有川貞昌 | 7月12日 |
37 | 36 | ナイナイ寺はドッキリ! | - | 藤川桂介 | 川崎徹広 | 大木淳 | 7月19日 |
38 | 38 | 海が呼んでる | ミミ | 上原正三、市川森一 | 野長瀬三摩地 | 有川貞昌 | 7月26日 |
39 | 37 | 百トン旋風ワッショイ! | - | 小野勝也、上原正三 | 川崎徹広 | 大木淳 | 8月2日 |
40 | 41 | 水の大行進 | 河童、雷の子 | 市川森一 | 鈴木俊継 | 大木淳 | 8月9日 |
41 | 40 | 宇宙の王様 | チャメ星人 | 藤川桂介 | 鈴木俊継 | 大木淳 | 8月16日 |
42 | 43 | 物体Xコロリン | 物体Xコロリン | 上原正三 | 鈴木俊継 | 的場徹 | 8月23日 |
43 | 42 | 魔球に突撃! | - | 山田正弘、上原正三 | 木俣和夫 | 大木淳 | 8月30日 |
44 | 44 | チビッコ台風 | - | 藤川桂介 | 木俣和夫 | 大木淳 | 9月6日 |
45 | 45 | 魔法の帽子 | - | 市川森一 | 鈴木俊継 | 的場徹 | 9月13日 |
46 | 46 | 空飛ぶ音楽堂 | - | 三井偠市 | 川崎徹広 | 的場徹 | 9月20日 |
47 | 47 | さようならブースカ | - | 市川森一 | 野長瀬三摩地 | 的場徹 | 9月27日 |
派生作品
数が多いため一部を紹介するにとどめる。
ブースカ帰ったよ!(1997年)
『快獣』の正式な続編にあたる短編。
地球の人々がすっかり自分の事を忘れてしまったことに腹を立て、地球に帰ってきたブースカ。テレビ局に就職したかつての仲間・チョロ吉と合流し、大作に会いに行こうとするのだが…?
ブースカの声、チョロ吉ともに『快獣』と同じく高橋氏・伍代参平氏が演じている。
ブースカ!ブースカ‼︎(1999年)
連続ドラマ。初代ブースカの存在も語られているものの、事実上のリメイク作品(円谷プロ曰く「イメージ的続編」)。
大作の息子・雄作が二代目ブースカ(CV:高戸靖広)を誕生させたことから、再び愉快な騒動が巻き起こる…という、『快獣』の基本的な展開をなぞった筋書き。
『快獣』のレベル3マルチバースではないかと思われる一方、『ダイナ』OVに1カットながら本作の設定でブースカたちが登場しているため本作も『ティガ』『ダイナ』の世界観、ネオフロンティアスペースが舞台になっている可能性がある。
ウルトラマンR/B第17話『みんなが友だち』
ダダとピグモンにより、ハロウィンパーティーの主賓としてどこかの森の洋館に招かれる(本当は宇宙人たちの慰労会に来てもらおうとして招待したが、ピグモンが日付を1日間違えて伝えた)。二人曰く「大御所様」。
物語終盤、ウルトラマンである二人を追い払うべく奮闘(?)したダダ(とウルトラマン変身者二人)の前に登場。「敵同士だから、として追い払ったり、戦ったりしていてはいつまでも友達になんてなれっこない」「いつかウルトラマンも怪獣も友達同士になれるようなパーティーを開きたいと思っている」と諭した。
CVは冨永みーな氏。初代、二代目とどういう関係なのか(それともどちらかのブースカが声変わりしたのか)は不明。
余談
ブースカ語である「バラサ、バラサ」や「シオシオのパー」は脚本の山田正弘、「プリプリノキリリンコ」は同じく脚本の上原正三がそれぞれ考え出した造語である。
関連タグ
ZILLA:ブースカ自体もともとイグアナからゴジラのような怪獣を作ろうとした結果誕生した「快獣」であったが、こっちは本当の意味でイグアナから誕生した。