概要
1940年代から声優として活躍した。
1970年からは、番組開始後3ヶ月で自主降板した大山のぶ代に代わって『サザエさん』の磯野カツオ役を担当。病気によって降板するまで、28年間務め続けた。2代目ではあるが登板時期が4ヶ月目と早いことや、在任期間が長く、多くの人々に知られたため「高橋が初代カツオだった」と思っているファンも多い。
1998年5月中旬、『サザエさん』収録中に、以前から患っていた骨髄異形成症候群による体調不良のために倒れ、病院に搬送される。このため、その日伊佐坂ウキエ役で収録に参加していた冨永みーなが、急遽代役としてカツオを演じた。当初は高橋が復帰するまでの一時的な措置の予定だったが、高橋の病状が思わしくなかったため、そのまま富永が3代目カツオとして正式に演じる事になった(これに伴い、上記ウキエ役は川崎恵理子に交代することとなった)。
(ネットもSNSもない時代なこともあり)何の前触れも無い重要キャストの交代劇に戸惑ったファンから、多くの問い合わせが殺到したが、その後高橋の容態が知らされると、励ましや回復、その後の番組復帰を願う声や手紙が沢山寄せられた。当時サッカー日本代表のエースとして活躍していた中田英寿や、元F1レーサーの中野信治など、大物からの激励も届き、高橋は病床でそれらの手紙を宝物として喜んでいたという。
しかし人々の復帰の願いもむなしく、病状は回復することなく1999年3月23日午後5時、逝去。70歳没。死去する3日前は70歳の誕生日を迎えたばかりだった。
なお、磯野波平役の永井一郎の話によると、危篤に陥った際、医師や関係者が「高橋さん」と呼んでも答えがなかったが、「カツオくん」と呼びかけると「はーい」と小さく返答したという。また、花沢さん役の山本圭子も見舞いに行った際、「磯野くん」と呼び掛けると、やはり同じように返事をしてくれたとのことである。
高橋の葬儀で弔辞を読んだ永井は、「カツオ、親より先に逝くやつがあるか」と涙ながらに読み上げ、参列者の涙を誘ったという。そして永井も15年後の2014年1月に死去している。ちなみにサザエ役を演じた加藤みどりは高橋を非常に尊敬し、加藤の死のショックから「立ち直れない」「(サザエさんの)声優をやめたい」と取り乱してしまったこともあった。すると、そんなタラちゃん役の貴家堂子は加藤に平手打ちをして、我に返った加藤を叱咤激励したといい、一部始終を見ていた波平役の永井は後に「アニメではサザエの方がお母さんなのになぁ」と、まるで愛娘の話をする父親のように微笑ましく回想したという。
主な代表作
『鉄人28号(1963年版)』金田正太郎 | 『黄金バット』ヤマトネタケル | 『サザエさん』磯野カツオ(2代目) |
『快獣ブースカ』ブースカ | 『ど根性ガエル』五郎 | 『E.T.』E.T. |
『ウルトラマンレオ』コロ星人 | 『超力戦隊オーレンジャー』バラグースカ | 『鋼鉄ジーグ』女王ヒミカ |
『くじらのホセフィーナ』ホセフィーナ | 『鋼鉄ジーグ』司馬まゆみ | 『ウルトラマン80』テツオン |
- 地球防衛軍テラホークス(魔女ゼルダ)
余談
高橋の前任でカツオを演じていた大山は言わずと知れたドラえもんの声の主だが、高橋自身も耳を齧られる前の黄色いドラえもんの声を演じていた時期がある(1980年放送のお正月スペシャル『ドラえもんびっくり全百科』のみ。1995年以降は一貫して横山智佐となっている)。
そのため、大山とは国民的キャラクターを二つも共同で演じてたことになる。ちなみに高橋は他にも初代スネ夫のママの声も演じており、源静香役を演じた野村道子は2代目磯野ワカメを演じ、兄妹役で共演している。
関連タグ
関連動画
2:00頃から登場(サザエ役の加藤も一緒)。生前の高橋を映した数少ない動画の1つ。