概要
ホセ・マリア・サンチェス・シルバ原作のスペイン児童文学作品、および1979年に同作をもとに国際映画社・葦プロダクション(現:プロダクションリード)により制作されたアニメ作品である。原題は「さよならホセフィーナ」。
寂しがりやの少年サンティーとくじらの姿をした妖精ホセフィーナとの出会いと冒険、そして別れを描く。
幻のアニメ作品とも言われている。権利が切れた後にオリジナルフィルムを原作サイドに返却したことと、放送用のプリントフィルムを紛失したことにより、現在は半数のエピソードしかまともに放送できず、それ以外はフィルムの保存状態が悪いため到底放送に耐えうるものではなく、現在配信サイトでは先の半数のエピソードしか配信されていない。よって一から見ようとすると歯抜けだらけの物語を見ることになる。
アニメ監督で有名な今川泰宏がアニメーターを志すきっかけになった作品であり、当時は子供を叱りつけるのが当たり前の時代に、大人の目線を取り込んだうえで子供にも思考を促す作風が新鮮だったと言う。欠番回が多いことを嘆いている。しかし本作の完全復刻を目指すと、巨大企業のスポンサーがつかない限り、復刻するために必要な資金も集まらず、そもそも採算が取れないという。
登場人物
くじらの姿をした妖精。ホセフィーナという名前はサンティー(後述)と出会ったあとに彼によって名づけられたもの。基本的に彼女の姿はサンティーにしかみえない。ふだんはとても小さく、サンティーの洋服のポケットや部屋にあるコップのなかにいるが、夜になると自らの能力を解き放つことができ、彼とともにおとぎの世界へと飛びたつ。
- サンティー
主人公。小学校低学年ほどの年齢で内気な性格の男の子。ホセフィーナが彼にとって親友のような存在になる。
- ローザ
サンティーの妹と思われる(未詳)女の子。
- セリア
サンティーの恋人と思われる(未詳)美少女。
主題歌・エンディングテーマ
- くじらのホセフィーナ(歌:大杉久美子、コロムビアゆりかご会)
- さよならサンティー(歌:大杉久美子、フィーリング・フリー)
キャスト
ホセフィーナ:高橋和枝
サンティー:神保なおみ
ローザ:鈴木富子
セリア:松尾佳子
その他
・東芝よりVHS版が発売されていた可能性がある。
・本作はスペイン、イタリア、韓国でも放送された。
・小説版は日本語翻訳され1961年ごろ出版。さらに1979年にはアニメ版のカットを表紙にあしらった小説も出版されている(現在ではどちらも廃盤)。