概要
1980年、岩崎書店刊。作:矢玉四郎
『はれときどきぶた』以降も、シリーズが刊行されるロングセラー(最新刊は、2013年(平成25年)7月発刊の「はれたまたまこぶた」)。
1988年3月、劇場版アニメが公開。
1997年7月から1998年9月まで、テレビアニメが放送された。
あらすじ
ある日、小学3年生の畠山則安は日記を母親に読まれてしまう。悔しがった則安は、母親を驚かせようと「明日の日記」をつけ始める。明日のことはわからないから「なんでも自由に書いてもいい」と考えた則安は、とうてい現実には起こらないような奇想天外な出来事を日記に書き始めるが、翌日、それらはすべて本当のことになってしまう。
やけくそになった則安は「"明日の天気は晴れときどきぶたでしょう"」と書くのだが……。
アニメ映画
1988年3月公開。
原作『はれときどきぶた』と『あしたぶたの日ぶたじかん』を映像化している。
キャスト
林田町会長:高木均
米田先生:鵜飼るみ子
山田:野沢雅子
スタッフ
監督:平田敏夫
脚本:竹内啓雄/高屋敷英夫
原作と相違点
「あしたぶたの日 ぶたじかん」で、ぶたの日では原作でのぶた時間の後のぶたまつりの場面が映画ではカットされている。
ラストで原作では燃え残っていた掲示板の御神木を集めて掲示板のようなものを作って、うそほんと新聞を貼った後、新聞の内容とは効果が程遠いものの少々発揮した場面が描かれていたが、映画ではそのような描写はみられなかった。
テレビアニメ
1997年7月3日から1998年9月29日までテレビ東京系列で放送された。当初は全26話の予定であったが、延長され全61話になった。
登場人物には今作独自のキャラ付けがされているほか、オリジナルの要素が多く追加され、監督のワタナベシンイチと脚本家の浦沢義雄の作風が色濃く反映されたドタバタコメディに仕上がっている。
本編、突如として「ブーブーダンス」と呼ばれる踊りのアニメが挿入されるのが大きな特徴。後半ではキャラクターソングがPVとともに挿入された。また、キャラクターソングはCD発売された。第57話Bパートは全編ミュージカル仕立てになっており、これがきっかけとなって2006年のアニメ『練馬大根ブラザーズ』に繋がった。
本編で流れるBGMは、現在でも日本テレビ・TBSのバラエティ番組などで多く使用されている。 例に、はれぶたが登場人物の頭の中の物事を実体化させるときに使われているBGMは、NHKの『着信御礼!ケータイ大喜利』内にて、視聴者がアンテナ2本を獲得した時のBGMとして使われている。
あらすじ
第1話は原作『はれときどきぶた』をなぞるが、最後に日記を消しきれず、ぶたが1匹残ってしまう。
ぶたは"はれぶた"と名づけられ、畠山家の一員になった。
だが、はれぶたには、人の空想を現実にする不思議な力があり、さまざまな騒動を引き起こすのだった。
登場人物
キャラクター設定そのものにテレビアニメ版のオリジナル要素が多く含まれる。
畠山家
小学3年生。あだ名は"十円安"。
丸頭であること以外に大きな特徴がなく、主人公らしくないのを自分でも気にしている。
極端な教育方針を掲げる母・安江の目を逃れ、心行くまで勉強するのが夢。
妹思いであり、真面目である。
畠山家で飼われるぶた。
鼻で人の頭を吸い込むことによって空想を具現化する、不思議な力を持つ。
言動は非常に人間くさい。
基本的には「ぷゆーい」としか鳴かないが、次第に鳴き声が変則的になっていき、終盤ではしゃべっているも同然になる。
実はぶた王国の王子で、お尻に王家の家紋がある(第58話でその家紋が現れた)。
畠山玉江(玉ちゃん)(CV:間宮くるみ)
則安の妹。
なぜか世間擦れしており、3歳児とは思えない発言が目立つ。
電話が嫌いで、受話器を叩き壊そうとする事もある。
則安の父。
一流大学を出て一流企業に就職するも、バブル崩壊の煽りでリストラされ、現在は印刷工場の部長を務める。
普段は常に笑ったような顔をしているが眼鏡を外すと、テレビでは放送できないほどの形相(必ず画面に映らない)になり、みんなを恐怖のどん底に突き落とす他、原作とは違いブラックユーモアをよく言う。
「ゲテモノクラブ」という「ゲテモノを料理して食べさせる楽しい会」を主催している。
またゲテモノ的なコンセプトを持った車が大好きで、レンタカーでは胴の長いリムジンやタイヤが大きい4WD、横幅が長いハッチバック等を借りてくる。
則安の母。旧姓は大森(おおもり)。
父・玉則の境遇から、"子供の将来に必要なのは学力より職業能力"と考え、則安には学校以外では"絶対に勉強させない"教育方針を採っている。また、自分を美人と思ってたりとナルシストな一面と教育方針の違いからか、和子先生とよく対立する。原作と違い、茶髪になっている。
則安の小学校の関係者
3年2組の担任教師。
自他ともに認める美人で人気者だが、ちょっとしたことでナルシストモードへ突入して暴走(これらは全て台本を見ながらしゃべっていることが第21話にて発覚)。これだけ情緒不安定なキャラながらも、学校での人気は高い。第55話では大型バイクに乗って則安の家に来ていた。
則安の友達。焼肉屋の息子。本名はワタナベ シンイチ。
監督のワタナベシンイチがモデルで、アフロヘアにルパン三世と同じ色のジャケットを着ている。
おにぎり山(CV:水田わさび)
則安の友達。医者の息子。
則安、ナベシン、おにぎり山は仲良し3人組で、親同士も付き合いがある。
3年2組のクラスメイト。
「世界の偉人は幼いころ変人扱いされていた」という逸話から、変人になりたがっている。
本来は人並みの知識と常識を持っているが意図的に変な行動を繰り返しており、努力の甲斐あってかなり変人になっている。JR東日本中央本線の駅として武蔵小金井駅があるが、大して関連性は無い。
がり勉タイプで、妙な発明をするが、ストーリーと関係がなく無視されることも多い。特技は回転。
平賀きみよ(CV:馬場澄江)
3年2組のクラスメイト。
金髪縦ロール、そばかす顔、フリフリドレス姿の、わがままなお嬢様。よく男子を振り回している。
語尾の「でましょ」や、人に命令する際の「たもーれ」という口調が特徴。
袖振マサコ(CV:松井菜桜子)
3年2組のクラスメイト。
いつも丈が長い長袖をぶらぶらさせている。
まともな台詞を殆ど言わないため謎が多いが、赤いドレスを親にねだるなど女の子らしい一面がある。
芸術家の気質があり、和子先生を絵に描きたがっている。
幼少期の体験からぶたが嫌いで、はれぶたに対抗心を燃やす。
テレビ局関係者
テレビ局BOO-TVのアナウンサーで、本編のナレーション兼ツッコミ担当。
当初は「お天気お姉さん」という名前だった。第19話にて名前が矢玉だと判明し、第20話以降「矢玉アナ」と呼ばれるようになる。
スタッフという立場を利用して番組で目立ちまくるその姿は、明らかに職権濫用で、今作を象徴するキャラクターといえる。(にもかかわらず本人は「出番が少ない」と漏らすシーンがある)
モデルは、当時テレビ東京に所属していた矢玉みゆき(現・白石海夕希)アナウンサー。
後のワタナベ監督作品のOVA『ぷにぷに☆ぽえみぃ』やアニメ版『にゃんこい!』第7話に登場した。
47話から突如として登場した、もう一人のアナウンサー矢玉アナと瓜二つだが、服装や髪の毛が全体的に黒く、指し棒の先端はクロブタになっている。態度や話し方が全体的に投げやりで、矢玉アナのようにサポート的な行動を取ることもない。主に画面枠外で矢玉アナとサブタイコールなどの役割を巡って張り合うのがお決まりパターン。「お天気お姉さん矢玉」に対して「ブラックお姉さん黒矢玉」と名乗る。
矢玉アナと比べてストーリーに影響のある行動を取ることは少なかったが、人語の話せないキャラクターの通訳も担当していた。
岩田さん(CV:鈴木琢磨)
矢玉アナの上司。
やりたい放題な矢玉アナのため、大量の始末書を書かされている。ダジャレを言うのが趣味。
モデルはテレビ東京プロデューサー(現・AT-X代表取締役社長)の岩田圭介。
畠山家の隣のアパートの住民
中華マダム福建省(CV:さとうあい)
読み方は「ちゅうかマダムぷっけんしょう」。
畠山家の隣のアパートに住む、物腰穏やかな中年女性。
その正体は中華大魔女広飛優老婆(ちゅうかだいまじょこうぴゅうろうば)。
はれぶたをチャーシューにして全宇宙を侵略するという野望を持つが、最終章では唯一則安以外で存在の消えたはれぶたを覚えている唯一の人物になっており、鍵を握る人物となっている。
広飛優老婆の相方の黒豚。
はれぶたをライバル視する。かなりキザったらしく、一度は地球を侵略したが、はれぶたに敗れてその野望が終わってしまう。その際に他のメンバーと一緒に広飛優老婆も捕虜にしてしまい、はれぶたに敗れた後には怒った広飛優老婆に焼き豚にされそうになる。
ぶた王国
ぶたパパ(CV:麻生智久)
はれぶたの父親であり、ぶた王国の王。
イノシシ帝王によって捕らわれていた。ロリコン(今で言えばペドフィリア)で、最終回では玉ちゃんに一目ぼれする。
ぶたママ(CV:さとうあい)
はれぶたの母親であり、ぶた王の后。
はれぶたをぶた王国から宇宙へ落とした後に自分も誤まって宇宙へ落ち、そこでたまたま落ちたぶた宇宙で「ぶた女王」として崇められていたが、後に来たクロブタによって追放され、その後は宇宙温泉で女将をしていた。そして地球へ来た後には記憶喪失となっていた。
イノシシ帝国
イノシシ帝王(CV:梁田清之)
イノシシ達を率いるイノシシ帝国の帝王。
カラオケでのマイクの取り合いが原因でぶた王国を侵略していたが、はれぶたや則安たちによって敗れてしまう。野心家ではあるが、とても娘思いの子煩悩な一面もある。
イノシシ娘(CV:笹本優子)
イノシシ帝国の王女で、イノシシ帝王の娘。
幼い頃母を亡くして父に育てられた。
その他のキャラクター
畠山あかね(町屋のおばさん)(CV:渡辺美佐)
畠山家の親戚。
毎週毎週怪我や病気で病院へ入院しているとんでもない人物。しかし一度だけ入院しなかった週があり、畠山家が「大事件だ!」とパニックに陥って疫病神扱いされたことがあった。その週はストーリーの終盤で病院へ運ばれることとなり、途中で畠山家に救急車で立ち寄ったが、おばさんの姿は車の陰に隠れて見えなかった。
おじいちゃん(CV:梅津秀行)
おばあちゃん(CV:水谷優子)
則安のおじいちゃん、おばあちゃん。
玉則が部長を務める印刷工場・大森印刷の経営者。昔は暴走族だったが、実は今でも近所の老人たちとブイブイ言わせている。
また、第58話では『おはスタ』のMCだった山寺宏一と、レイモンド・ジョンソンが特別出演している(矢玉アナ及び黒矢玉が収録している気象予報スタジオを「収録場所を間違えた」まま占領しカメラに「おーはー!」と連呼しまくっているところを矢玉アナと黒矢玉に顔面を両側から挟まれつつ摘み出された。また、58話終了間際にストーリーの急展開の話を遮る形でまたしても「おーはー!」と乱入し再度矢玉アナ達に制裁を受けた)。
スタッフ
原作:矢玉四郎
シリーズ構成:浦沢義雄
キャラクターデザイン:西野理惠
美術監督:古谷彰/柴山恵理子
色彩設計:佐藤和子/斉藤裕子
撮影監督:藤倉直人
音楽:増田俊郎
音楽協力:テレビ東京ミュージック
アニメーション制作:グループ・タック
アニメーションプロデューサー:川人憲治郎
プロデューサー:岩田圭介/勝股英夫
アフレコ演出:明田川進
アフレコ演出助手:明田川仁
録音:蝦名恭範
効果:森川永子
アシスタントプロデューサー:浅見佳子
演出助手:井之川慎太郎
制作デスク:植野修也
制作担当:島村和明
番組宣伝:佐々由美/青木亮介/高谷与志人
掲載:めばえ、幼稚園、学習幼稚園/小学一年生/小学二年生
製作:テレビ東京、SPEビジュアルワークス(現・アニプレックス)
主題歌
オープニング
『強気なふたり』(第1話 - 第17話)
作詞:サエキけんぞう/作曲・編曲:桜井鉄太郎/歌:吉村由美(PUFFY)
『カレって時々ブタ』(第18話 - 第36話)
作詞:TSUNAMI/作曲・編曲:パッパラー河合/歌:TSUNAMI
『BOO~おなかが空くほど笑ってみたい~』(第37話 - 第61話)
作詞:阿久悠/作曲:筒美京平/編曲:BANANA ICE/歌:ゴスペラーズ
エンディング
『ただいま』(第1話 - 第17話、第61話)
作詞・編曲:阿部義晴/作曲:Paul Bevoir/歌:大貫亜美(PUFFY)
『ヒコーキ雲』(第18話 - 第36話)
作詞:鈴木けいすけ/作曲:竹安堅一、鈴木けいすけ/編曲・歌:フラワーカンパニーズ
『あッ豚だ!~一日ゆかいにいきるうた~』(第37話 - 第60話)
作詞:阿久悠/作曲・編曲:増田俊郎/歌:デリシャス・ピッグ(元PSY・SのCHAKA)
キャラクターソング
いずれもワタナベシンイチ:作詞/増田俊郎:作曲。
『デュッデュワ~丸頭』歌:南央美
『吸うなんて…』歌:かないみか
『絶叫マシーン』歌:三石琴乃
防災アニメ
防災アニメでは、『はれときどきぶた のりやすくんの交通安全』『はれときどきぶた のりやすくんの火の用心』『はれときどきぶたの交通安全』『はれときどきぶたの地震用心日記』が制作されており、前者2作品は原作版が、後者2作品はTVアニメ版がそれぞれベースとなっている。また、各作品とも製作・配給は東映株式会社が担当した。
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