こんなこともあろうかと概要を作っておいた
『こんなこともあろうかと』とは、魔法の言葉である。
外国人が「機能多すぎ」と呆れる日本の携帯電話の様に、「こんなこと良いな、出来たら良いな」を死力の限り叩き込み尽くす、そんな日本の魂を象徴した言葉の1つ。
「そりゃ欲しかったけど、いくら何でも唐突(orシュール)すぎる」
といった感じの内容の絵に付けられるタグ。
このセリフが初めてメディアに登場した時期はどこまで時代を辿ればいいのかハッキリ分かっていない。そもそも普遍性の高いセリフ故1966年のウルトラマン・イデ隊員以前に使われた可能性もあり、今も多くの理系キャラがこの言葉を模倣する地点でお察し下さい。
トニーたけざき著のSFギャグ漫画「岸和田博士の科学的愛情」(1991 - 1998年)で主人公の天才科学者・岸和田博士が決め台詞にしていたこともあり、「SFやロボットアニメでのご都合主義的展開の前振り」として定着していった。
『宇宙戦艦ヤマト』に登場する真田志郎の台詞とされることがあり、彼の関連イラストに付けられることも多い。
また、『宇宙戦艦ヤマト』作中でのこの台詞の使われ方が、前述のような意味合いを持つに至った原因でもあると思われている。
が、実はこの台詞は【本編中一度も使われていない】
似た様なセリフにヤマト2第10話の「多分こんなこともあろうと思って」というものがあるが、しばしばこのセリフの原典とされる第一作最終話の彼のセリフは、
「反射衛星砲にヒントを得て密かに開発しておいた空間磁力メッキが役に立ったよ」である。
〈参考〉アニメ評論家・氷川竜介氏のX発言
https://x.com/Ryu_Hikawa/status/7610771223/
https://x.com/Ryu_Hikawa/status/7610814434/
ただ、一文一句正確に発言した貴重な事例も存在している。
PCエンジン「宇宙戦艦ヤマト」(1992年発売)の最終ステージ(第1作最終話に相当)で、ヤマトから脱出したデスラーが艦隊を率いて再攻撃して来るというゲームオリジナル展開を前に焦る古代達に対し、
「こんなこともあろうかと、ヤマトの兵器をパワーアップしておいたよ あの程度の艦隊、ひとひねりのはずだ!」
と発言している。実際、相手の戦艦の悉くを一撃で撃沈出来る様になっているのであるから凄い。ただ、この台詞がソースとなっているかについてはやはり確証はない。
何だかんだで「真田さんの台詞」として有名となってしまったためか、青野武がナレーションを務めた劇場版DVDのCMでは「こんなこともあろうかと、このDVDを用意した」というフレーズを使っていた。
さらには『2199』が参戦した『スーパーロボット大戦V』でも大塚芳忠ボイスで「こんなこともあろうかと…という奴だ」といってしまう始末(微妙に伝聞形っぽくなってるのがミソ)。
さらに、『小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』1巻の“第1章 航空隊帰還”423ページでも、真田さんと徳川さんのシーンでそのセリフを徳川さんがいうという描写がある。
ちなみに『機動戦艦ナデシコ』に登場するウリバタケ・セイヤはこのセリフを使う機会を常に窺っており、『機動戦士ガンダム00』の登場人物イアン・ヴァスティは劇中の外伝でいつでもこの台詞を言えるように常に万全の準備をしていると語っている。
秘密結社鷹の爪では、総統がレオナルド博士に秘密兵器を開発するよう命令→
博士「こんなこともあろうかと思って○○を作っておいたぜ!」→
吉田君「さすが博士、天才過ぎ!」というのが、一つのテンプレである。
こんなこともあろうかと「はやぶさ」関連もまとめておいた
時に西暦2009年。この台詞が思わぬところから再び脚光を浴びることとなった。
きっかけは、ニコ動に投稿された一本の応援動画である。(2009年11月20日)
「こんなこともあろうかと!」
探査機はやぶさミッションにおいて、もはや変態レベルと言っても過言ではないくらいの未来予測が行われ、世界を驚かせています。
ざっとまとめたものを、宇宙戦艦ヤマト乗組員を使って動画としてみました。
(以上、投稿者コメ)
少ない予算、過酷な宇宙環境、予期せぬトラブルをリアル「こんなこともあろうかと!」の事前予測と柔軟な応用力、出せる限りのアイデアで乗切り、前人未到の小惑星サンプルリターンに挑んだ小惑星探査(実験)衛星「はやぶさ」。
世界でまだ誰も成し得なかった困難なミッション。エンジン故障、リアクションホイール破損、ガス漏れ、過放電、長期通信途絶...。様々な困難に立ち向かっていくその姿は放射能除去装置を地球に持ち帰るためにイスカンダルを目指す宇宙戦艦ヤマトにも重なる。何としても地球にサンプルを届けるというJAXA運用チームの鉄の執念がこの決め台詞に非常にマッチし、はやぶさ人気に火をつける結果となった。
また、ファンのみならず、2010年6月10日(木)19時半放送のNHKクローズアップ現代「傷だらけの帰還 探査機はやぶさの大航海」の中で、ナレーションが技術者達の用意周到振りを「こんなこともあろうかと」と表現。
後に製作された3本の実写映画でも、決め台詞として採用されているなど、すっかり公式ネタとして定着した素振りを見せている。
勿論、JAXAの中の人たちも上で紹介した動画は巡回済である。
こんなこともあろうかと関連タグも用意しておいた
真田志郎 宇宙戦艦ヤマト 明智小五郎 岸和田博士の科学的愛情 はやぶさ(探査機)
イデ隊員…こちらは実際に言った人。ヤマトより前の作品なので、ある意味でルーツと呼べる。当時はかなり安直に同じ台詞がパロディーとして使われており、その中でも真田さんと組み合わせたものが、あまりにも違和感が無かった為、元ねたを越えて広まってしまったと思われる。
ザラブ星人、成原成行…真田さんと中の人が同じためか同様の行動をする
ウルベ・イシカワ(機動武闘伝Gガンダム)…「こんなこともあろうかと鍛え続けたこの体…」というセリフがある。
シュウ・ビ(バック・アロウ)…「こんなこともあろうかと」を地で行く人。
ドクターマン(超電子バイオマン)…これをやって部下の反乱を鎮圧した他、バイオマンも幾度となく苦しめられた。
サクガン…主人公のメメンプーが「こんなこともあろうかと」と発言、色々策を考えたのだがことごとく外れるという…。
レオナルド博士(秘密結社鷹の爪)…鷹の爪団が世界征服しようと作戦会議する際、「○○のために必要な発明品がないかどうか」と、彼に質問すれば「こんなこともあろうかと」思って作った発明品を提示するのがお約束のパターン。
竹下みいこ(D4DJ)…胡桃の悪戯が仕掛けられているということを美夢に伝えた後、「こんなこともあろうかと」思って先に仕掛けておいた悪戯を起動して、胡桃と春奈を驚かせるストーリーが存在している(詳細はみいみゆを参照)。
ロイド・フォージャー(SPY×FAMILY)…「こんなこともあろうかと」でありとあらゆる危機を(中には「こんなこともあろうかと思わんでしょ普通!!」なことも)乗り越えてきた。でもお子様と天然な妻の行動には予想出来ずに困ることも。
ノレア・デュノク(機動戦士ガンダム水星の魔女)…本編外のゲーム出演時であるが「こんなこともあろうかと、用意していた」というセリフがアーセナルベースで聞ける。
バンドウ・ヤスノブ(ウルトラマンブレーザー)防衛隊の隊員にしてメカニック担当。素早い機動力を持つ怪獣に対してこんなこともあろうかとと巨大戦力のミサイルを音速ミサイルにしておきましたとパイロットに言っている。
アルバート・ハインライン(機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM)…主人公が大ピンチに陥った際、「大丈夫です!我に新兵器あり!」と言い放ち、大きなサポートを行った。また、空間磁力メッキのオマージュまでやってのけた。
なお、同じ艦の艦長(増援が来たため艦長の座を譲り副艦長になる)は真田志郎と中の人が同じである。
勇気爆発バーンブレイバーン…主人公のブレイバーンが「こんなこともあろうかと」と発言。
表記揺れ…こんなこともあろうかと!