君たちは、本当の勇気に出逢う
概要
2024年冬アニメとしてTBS系全国28局ネットにて放送された。また、ABEMAやU-NEXTなどによる配信も実施されている。
ただその一方で、放送当時衛星波での放送は(AT-Xですら)行われていなかったが、放送終了後にAT-X、アニマックスとかで放送されている。
放送日時は毎日放送制作ホスト作品『呪術廻戦』第2期で新規に設定された木曜23:56枠での放送だが、本作以降制作ホスト局はTBSとなっている。
監督は数々のロボットアニメに関わりがあり、同社のアプリゲーム『グランブルーファンタジー』に登場するロボミのMVでも監督を務めた大張正己が担当し、アニメーション制作は『プリンセスコネクト!Re:Dive』などを手掛けた自社スタジオであるCygamesPicturesが担当する。
初公開当初から「勇気」を強調する部分が多く、本作における重要なテーマの1つとなっている。
あらすじ
―――ふたりを繋ぐ“勇気”
人型装甲兵器『ティタノストライド=通称TS(ティーエス)』が発達した時代。
各国軍は“ハワイ オアフ島”に集結。
陸上自衛隊所属 イサミ・アオとアメリカ海兵隊所属 ルイス・スミスのふたりは戦闘の最中に出逢う。
突如、所属不明機による強襲を受け、為す術もなく散っていく兵士たち。
己の誇りをかけて戦え。
死と隣り合わせの戦場で生き残る為。
仲間を救う為。
命を信じて、“勇気”を燃やせ。
作風
本作最大の特徴は、リアルロボット路線とスーパーロボット路線の混合である。
世界観は軍事色が強いものである。
戦車を人型化したような無骨な兵器たち、グロテスクな外見の地球外生命体、飛び交う軍事用語など、世界観は紛う方なきリアルロボットの系譜に属するものである。
脚本の小柳啓伍氏は、他作品において軍事考証を担当することも多く、ミリタリー周りの完成度も非常に高い。
それに対し、主役機のブレイバーンは、意思を持ち饒舌に会話するスーパーロボットであり、外見・性格ともに、徹底的にベタな正義の味方として描写されている。
(カラフルかつ装飾過多な外見、『私』『熱い魂』など陳腐な台詞回し、極めつけは必殺技名を叫ぶなど)
また、ブレイバーンはベタなヒーローであるにもかかわらず、主人公(成人男性)に対して異常なまでに熱烈な愛情を持ち、かつそれを隠すことなく堂々とアピールしており、スーパーロボットとして見ても常軌を逸した存在である。
細部に至るまで妥協なく緻密に作り込まれたSF軍事劇に、つっこみどころの塊のようなスーパーロボットが乱入し、それまでの渋い世界観をぶち壊して敵を倒すという木に竹を接いだようなフォーマットが、異様な爽快感と不条理な笑いを生み、大きな話題となった。
所謂デウス・エクス・マキナの手法に、毛色の異なる要素を混ぜることでカタルシスを誘うテルマエ・ロマエ的な構造を持ち込んだ、計算されたちぐはぐさと言える。
キャラクター
日本人も全員、苗字が逆転しているのが特徴(例:イサミ・アオ→アオ・イサミ)。
人類
デスドライヴズ
???(リンク先ネタバレ注意)
登場メカニック
オリジナル
↓リンク先ネタバレ注意!!
実在兵器
その他多数
用語
スタッフ
原作 | Cygames |
---|---|
監督・ブレイバーンデザイン・音響監督 | 大張正己 |
シリーズ構成・軍事考証 | 小柳啓伍 |
キャラクターデザイン原案 | かも仮面 |
キャラクターデザイン | 本村晃一 |
メカニカルデザイン | MORUGA、桜水樹、寺岡賢司、石垣純哉、山根理宏、鈴木勘太 |
プロダクションデザイン | 寺岡賢司 |
プロップデザイン | 降矢瑞生、はまだまこと |
副監督 | 重原克也 |
演出チーフ | みうらたけひろ |
音楽 | 渡邊崇 |
アニメーションプロデューサー | 町口漱汰 |
制作統括 | 清田穣二 |
制作 | CygamesPictures |
製作委員会 | Cygames、TBSテレビ、ハピネット、グッドスマイルカンパニー、松竹、フィールズ、テンセント |
主題歌
OP
作詞:古屋真 / 作編曲:加藤裕介 / 歌:ブレイバーン(鈴村健一)
ED
「双炎の肖像」
作詞:古屋真 / 作曲:磯崎健史、TSUKASA / 編曲:磯崎健史 / 歌:イサミ・アオ(鈴木崚汰)、ルイス・スミス(阿座上洋平)
各話リスト
サブタイトルはブレイバーン視点のセリフになっており、作中の何処かで回収されるのが特徴。
話数 | サブタイトル | 英題 | 次回予告 | 放送日 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 待たせたな、イサミ! | Wait's Over, Isami! | リンク | 1月11日 |
第2話 | イサミィーーッ!そろそろだよな、イサミィーーッ!! | Isami?! You'll Be Here Soon, Won't You, Isami?! | リンク | 1月18日 |
第3話 | ルル……それが、彼女の名前だ | Lulu… That's Her Name. | リンク | 1月25日 |
第4話 | イサミ、キミはまだ、人というものを分かっていないようだ | Isami, It Seems You Still Have Much to Learn About People. | リンク | 2月1日 |
第5話 | それはきっと、私には出来ないことだろう | That Is One Thing Beyond My Powers. | リンク | 2月8日 |
第6話 | 絶対に大丈夫だ。なぜなら……私がブレイバーンだからだ! | Everything Will Be Okay. Because I… Am Bravern! | リンク | 2月15日 |
第7話 | どうするイサミ!こんな時、イサミならどうするんだ! | Well, Isami?! What Do You Do in a Situation Like This? | リンク | 2月22日 |
第8話 | また会おう、スミス | We Shall Meet Again, Smith. | リンク | 2月29日 |
第9話 | イサミィ!俺たちで、世界を救うんだ!! | Isami! We Must Save the World Together! | リンク | 3月7日 |
第10話 | 日本ではそれをOMIAIという | In Japan, They Call This OMIAI. | リンク | 3月14日 |
第11話 | オペレーション・ボーンファイア、開始だ! | Commence Operation Bonfire! | リンク | 3月21日 |
最終話 | 勇気爆発の、その先へ!! | Beyond Brave Bang! | リンク | 3月28日 |
※1話は話数表記もなく英語表記の方で表示。
WEBラジオ
※第一回以降はYouTubeチャンネルを参照。
事前情報・考察・反響
- 放送前に発表されていた要素としては、勇者シリーズやエルドランシリーズを思わせる作品タイトル、監督はダンクーガやドラグナーそして勇者シリーズにも参加経験のあるロボットアニメ界の巨匠大張正己…という割にメカやキャラクターはいわゆるリアルロボット物のそれとブレイバーンについての情報は徹底して伏せられており、その全容は不明な点が多かった。
- 実際、Cygamesアニメ事業部はメンバー全員ゾンビの佐賀県を舞台としたアイドル物、メイドカフェ同士が抗争する任侠物、異世界からの敵を排除するハードボイルド物など、第1話放送まで秘匿にする何かしら意表を突く要素を持ち込んでいたため、「サイゲがまた変なことしてる。」「また何かを隠してんのではないか?」と指摘するアニメファンも少なくなかった。そして大体合っていた。
- そして、いざ第一話が放送されると序盤の小柳が得意とする本格的なミリタリー描写を交えたリアルロボット調の作劇から一変、中盤はマブラヴのようなピンチに陥ったかと思いきや、終盤に勇者シリーズオマージュのスーパーロボットが助けに来るという、何を言ってるかわからねーと思うがオレも何を言ってるかわからない超展開に多くの反響があった。
- 放送前に行われた先行上映会でもとある物(お面)が会場で配布されたのだが、そこに描かれていたのはブレイバーンであった。ちなみに、先行上映会では参加者に対して「内容の口外・ネタバレ禁止」の緘口令(鈴村健一曰く「共犯者になって欲しい」)が敷かれており、参加者も公式からのお達しを厳守したため、TV放送で大反響が起こるに至った。
- なおこれらの断片的に予告する手法に関してのアイデアは大張監督の発案であり、第1話の途中までは本格的なミリタリーロボットアニメだと思わせ、その世界観にスーパーロボットを混入させるという創作手法はSF映画『インデペンデンス・デイ』『宇宙戦争』『バトルシップ』などの「地球人対異星人」を題材としたハリウッド映画がヒントになっており、ここにその世界観をぶち破るようなヒーローが来る描写を入れたいという発想が根本にある。また、侵略者に対して別の異星人が地球人を庇うために対抗するというブレイバーンの立ち位置はウルトラマンにも似ているが、これは大張監督も意識はしていなかったとしつつも認めている。
外部出演
スーパーロボット大戦DD
2024年4月18日からアプリゲーム「スーパーロボット大戦DD」のイベント『私のように熱く叫び、戦うのだ!』において期間限定という形で参戦が決定。時期的に最終回直後というかなりの速さで参戦を果たした。
なお、1つ前のアプリスパロボにおいて同じCygames関連のアニメでこちらも期間限定参戦したが、その際に登場したオリジナルロボのデザインは大張氏がデザインだった。
時系列には第6話の時間軸から主要人物が『DD』の世界に転移する形で参戦する。
以下ネタバレ
コラボ先でもブレイバーンはやりたい放題してくれた(便宜上他のキャラの絡みも記載)。
- 予告ではアニメ1話を再現したものだったが、本編は1話を踏襲しつつも新規収録。1話の映像のモーション流用(?)だが、ブレイブ斬の技名呼称はピッタリ合っている。
- スパロボのお約束として『バーンブレイバーン』の主題歌も流れるのだが、イサミから「またこの歌が流れるのか⁉」とツッコミが入る。
- スペルビアに自分の存在を忘れられてブチ切れる下りも再現。当然「勇気爆発ブレイバーン」のロゴを空中に投影して自己主張する点も変わらずで、甲児は「アニメのタイトルロゴみてぇだ。凝ってんなぁ」と感想を漏らしていた。
- 2話のイサミの扱いからシンジ君を連想するとの声が多数上がっていたが、遂に本人と共演を果たす。
- 2話での例の「ポエム」を異世界の皆さんの前でも惜しげなく堂々と披露するブレイバーン。
- こちらもリツコに話が長くなることを察されたり、ブライト艦長に「手短に」と苦言を呈されるなどスパロボDDこその面白い絡みが見られる。
- これにはブレイバーンデザイン担当の大張監督も「ブレイバーン、スパロボさんで何やってくれてるんだよ‥(ふるえ」とTwitterで反応している。
- こちらもリツコに話が長くなることを察されたり、ブライト艦長に「手短に」と苦言を呈されるなどスパロボDDこその面白い絡みが見られる。
- やられ台詞がとにかく個性的。そして最早うるさい
その他は是非、プレイして諸君自身の目で確かめてみて欲しい。
ヴェノム:ザ・ラストダンス
映画公開を記念とした特別CM動画を配信。
内容はイサミがボブに尋問を受けボブの口からヴェノムについていろいろ説明されその後、ブレイバーンが映画の告知を行いイサミと一緒に見に行くと誘うと言われ最後にOPに合わせた替え歌を披露した。
余談
- ブレイバーンの言動からタイトルを捩って「勇(イサミへの)気(持ちが)爆発バーンブレイバーン」とネタにされている。
- TBS制作ホストの深夜アニメが全てのTBS系列局で放送されたのは、2010年9月(または10月)に終了した『けいおん!!』以来約13年3ヶ月(または2ヶ月)ぶりであるが、『けいおん!!』はネット局によって放送日時が異なっていたため、本作が全系列局同時ネットとなったことは前代未聞であり、そして初めての試みであった。
- なお、大張監督によると「地元の広島県でも放送してくれるから、会社社長や役員をやっているような同級生が大勢連絡をくれた」とのことである。
- 同クール放送の『魔法少女にあこがれて』や次クール放送の『戦隊大失格』と合わせて「汚いニチアサ」と呼ばれたりもする。ちなみに『戦隊大失格』とは(地上波での)放送局が共通。
関連イラスト
関連動画
ティザーPV
第1弾PV
第2弾PV
公式エイプリルフール動画『ブレイバーン・フライパーン』
関連項目
呪術廻戦(第2期、2023年夏秋)→本作(2024年冬)→花野井くんと恋の病(2024年春)