概要
1985年4月5日から12月27日までTBS系列局の一部および福井テレビ(フジテレビ系列局)(局によっては放送時期は異なる)で全38話が放送された。
企画当初はTBS担当バンダイスポンサーだった初代日5(08~17年の二代目日5は毎日放送担当)の枠で全52話を予定していたが、放送枠が廃枠になり、TBSでは金曜夕方5時の放送となった。
しかし、関東キー局の裏番組が社会現象になったフジテレビほかの帯バラエティー番組『夕やけニャンニャン』だった為、視聴率は水をあけられた事、アメリカ合衆国で起きた超合金ブームのために『ダンクーガ』のものを含む超合金の在庫を全て輸出した結果、売り物がなくなったため打ち切られ(『アニメの仕事は面白すぎる 絵コンテの鬼・奥田誠治と日本アニメ界のリアル』より)、
同時に初代日5から続いたTBS放映バンダイスポンサーのロボットアニメ枠と、東映本社とのタッグでポピー時代の『超電磁ロボコン・バトラーV』から続いたバンダイスポンサーの変形合体ロボットアニメ(『超電磁ロボコン・バトラーV』から数えて10作目、また、東北新社の『勇者ライディーン』を含めると11作目になる)の最終作となった。しかし、ファンの熱意ある支持とキャラクター人気に後押しされて多数の続編が作られた。
もし初代日5で放送されたとしても、ラスト10分が当時40分番組だった『笑点』の裏になっていた。
OVA『超獣機神ダンクーガ 失われた者たちへの鎮魂歌』は、1986年4月にテレビアニメ総集編+完結編として全1話が発売、TVシリーズでは描かれなかったムゲとの決着がなされた。他にも『GOD BLESS DANCOUGA』が1987年4月に全1話、『白熱の終章』が1989年12月から1990年にかけて全4話発売されている。
漫画『超獣機神ダンクーガBURN』は、1997年から1998年まで長谷川裕一作画により連載された。本来はアニメ作品のメディアミックスだったが、アニメが企画倒れしたため漫画単独企画となった。
テレビアニメ続編『獣装機攻ダンクーガノヴァ』は、2007年にアニマックスで放送された。
なお、「ダンクーガ」という名前に漢字表記も存在し、その際には【断空我】と書き、その意味は「我を空にして煩悩を断つ」である。
ストーリー
20世紀末、侵略者ムゲ・ゾルバドス軍の攻撃により、地球は壊滅的な打撃を受けた。だが、ロス・イゴール長官と葉月考太郎博士が密かにイーグルファイターら4体の「獣戦機」を完成させていた。これにより藤原忍ら4人を招集し「獣戦機隊」を編成して、対抗していくことになる。
登場人物
獣戦機隊
黒騎士隊
ムゲ帝国
ディラド
その他
話数リスト
話数 | サブタイトル | トピックス | |
---|---|---|---|
1 | 帝国の野望 Empire's Desire | ||
2 | 吠えろ! 獣戦機 Get your! JYUSENKI | イーグルファイター初登場 | |
3 | シャピロ! 転生 !! Reborn ! Shapiro ! | シャピロがムゲに寝返り、ランドクーガー初登場 | |
4 | 狙われたジャミング aimed Jammingsystem | 雅人&ランドライガー初登場 | |
5 | 最後に来た男 The man came last | 亮&ビッグモス初登場 | |
6 | 戦場の聖少女 Maiden in the battlefield | ローラ初登場 | |
7 | 小さな英雄 A kind of hero | ||
8 | 激戦!! 思い出を囮に Trapped memories | テッド・カイゼル(ドン)がゲスト | |
9 | アマゾン河の魔獣 Hell beast in Amazon | ||
10 | 騎士の伝説 legend of Knight | 黒騎士初登場 | |
11 | 敵からの援護射撃 A covering fire of enemy | ヒューマノイド形態初登場 | |
12 | 目覚めるな恐竜 Don't wake up megalosaurs | ||
13 | 裏切りの町 Betray town | ||
14 | ニューヨーク市街戦 Street fight | ||
15 | 獣を超え、人超え、いでよ神の戦士(前篇)God bless the machine Act.1 | ||
16 | 獣を超え、人超え、いでよ神の戦士(後篇)God bless the machine Act.2 | ゲラール戦死、ダンクーガ初合体 | |
17 | デスガイヤーの敗北 GENERAL retire | 総集編1・デスガイヤー戦線離脱 | |
18 | 神の国への誘惑 Temptation | ギルドローム参戦 | |
19 | 怪奇!! 悪魔に消された部隊 Night Terror | ||
20 | 南風ハートブレイク Southern wind | ||
21 | 降りてきた死神 The first contact | 地球人と共生しようとしたムゲ兵士・ザンテの悲劇 | |
22 | 止まった時間 Time goes around still | 平和とは何か?非常に考えさせられたエピソードで、脚本準備稿題名は「将軍の心・兵士の心」だった | |
23 | 殺人鬼への報復 Revenge for murder | ||
24 | 凱旋門燃ゆ La Marseille | シャピロと最初の直接対決、ダイガン初登場 | |
25 | ヨーロッパ戦線の罠 TRAP! | ||
26 | 黒騎士の秘密 The secret of velieves | 黒騎士の正体がアラン・イゴールと判明 | |
27 | 妖星堕つ Gildorome's decline and fall | ギルドローム戦線離脱 | |
28 | 獣戦機基地(前篇)General Attack I | 獣戦機基地の所在が暴かれ、ヘルマット参戦 | |
29 | 獣戦基地総攻撃(後篇)General Attack Ⅱ | イゴール長官戦死、ガンドール起動 | |
30 | 戦場!出会い、そして別れ We meet only to part | 総集編2 | |
31 | 去りゆきし長官 After his death | 故・イゴール元長官の葬儀 | |
32 | 空からの強敵 Target | ここでやっとダンクーガが空を飛べない弱点が判明 | |
33 | 飛べ明日へ!! 将軍の子ら Caputure the intelligence | ||
34 | 故郷に別れの歌を Long goodby | 沙羅の両親が登場し、ブースター・ガルーダ初登場 | |
35 | 月は地獄だ!! Moon is hell! | アラン、ヘルマットと相討ちに | |
36 | 野望の崩壊 Harmony love | シャピロと最後の対決 脚本準備稿題名は「追い詰められたシャピロ(前編)」だった | |
37 | 暗黒の終焉 Tell Laura I Love her ! | シャピロとの決着 脚本準備稿題名は「追い詰められたシャピロ(後編)」だった | |
38 | 最後の咆哮 Darkness and ruins | TV最終回・ギルドローム、ルーナ相次いで戦死 | |
39(OVA) | 失われた者たちへの鎮魂歌 Requiem for Victims | 断空剣初登場と最終決戦を描いた真の最終回 |
主題歌
オープニングテーマ
「愛よファラウェイ」
歌:藤原理恵、作詞:松井五郎、作曲:古本鉄也、編曲:戸塚修
歌:藤原理恵、作詞:冬杜花代子、作曲:古本鉄也、編曲:戸塚修
エンディングテーマ
「バーニング・ラヴ」
歌:いけたけし、作詞:松井五郎、作曲:いけたけし、編曲:戸塚修
歌:東郷昌和、作詞:冬杜花代子、作曲:東郷昌和、編曲:戸塚修
スーパーロボット大戦
初登場となった『第4次スーパーロボット大戦』では「初登場であるにもかかわらずリストラ候補」「空を飛べず機動力が足りない為前線に出にくい」「敵勢力が一切出ない」という不遇の扱いとなっていた。
その後もウインキー時代はあまり良い扱いではなかったが、その後『スーパーロボット大戦GC』では幻の形態である「ファイナルダンクーガ」が登場したり、シャピロ専用戦闘メカも公式に「デザイア」に、ヤラレ役の名無しの空戦メカに「ドル・ファー」に、それぞれ名付けられたり、大張正己氏が戦闘デモ原画を描いたりと、かなり優遇されている。
上記の通り『バーニング・ラヴ』はエンディングテーマではあるが、オープニングテーマにしても違和感ないほど熱い曲調なためダンクーガの戦闘BGMとして何度も使用されており、他作品の多くがオープニングテーマを戦闘BGMに採用しているため、原作未視聴者には「ダンクーガのオープニングは『バーニング・ラヴ』である」と勘違いされることもある。
ただし『愛よファラウェイ』、『ほんとのキスをお返しに』も戦闘BGMとして採用されたことはある。
『第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』では、続編である『獣装機攻ダンクーガノヴァ』とも共演し、合体攻撃の「断空双牙剣」も追加された。
『スーパーロボット大戦30』では、DLCであるエキスパンションパックにて、スーパーロボット大戦30周年を記念に相応しい新たな究極の形態となる「アルティメットダンクーガ」が参戦した。
ダンガイオー等の大張スーパーロボット達との関連
ダンクーガもダンガイオーもメカデザイナーが同じ大張正己(但し、ダンクーガは平井久司(当時は久)氏との共同デザイン)氏であり、初代は共に同じ四機合体と言う共通点もある。
しかし、それだけでなくダンクーガのタイトル候補に大張正巳『ダンガイオー』をタイトル候補に挙げるも企画書題名は『獣戦機ダンクーガ』になった事、及び完全放送されていたら番組終盤に登場予定だったムゲ版悪のダンクーガと言えるライバルロボットが何とダンガイオーだったのであり、歴史が違えば此方がダンガイオーになっていたかも知れない(但し、『ダンクーガ版ダンガイオー』は名称のみ知られているだけなので、詳細は不明)。
序でにOVA初作に登場した中ボスザン・ガイオーはダンガイオーの名残と言え、この没構想は04年の『超重神グラヴィオンツヴァイ』におけるグラヴィオン対ゼラヴィオンで実現する事となる。
ダンクーガに始まり『破邪大星ダンガイオー』、『銀装騎攻オーディアン』、『超神姫ダンガイザー3』を経て大張スーパーロボットは『超重神グラヴィオン』で到達点を迎えたと言える。
初期設定
初期の登場人物・メカ名は以下の通りだった。
決定稿&獣戦機ダンクーガ | 獣戦機ダンクーガ |
---|---|
藤原忍 | 星シノブ |
結城沙羅 | 椿ジュン |
式部雅人 | 霞ケンジ |
司馬亮 | 流リョウ |
ローラ・サリバン | シャピロの妹 |
秋田書店で本放送当時発売されたムックより抜粋。
メカ(獣戦機ダンクーガ当時のみ判明)
決定稿 | 獣戦機ダンクーガ |
---|---|
イーグルファイター | グルガン |
ランドクーガー | ヒョウガン |
ランドライガー | ライガン |
ビッグモス | モスガン |
コミックボンボン85年3月号の記事より抜粋。
なお、ダンクーガのカラープランで緑主体のものや青主体のものもあった。
余談
- 本作は『超時空要塞マクロス』のアンチテーゼを目指したと言え、三角関係の男女比を逆転させ、「空から振ってきた死神」で地球人と共存しようとしたムゲ兵士が同胞に敢え無く惨殺されている事から、地球とムゲ帝国との共存共生が断たれた事に顕著に出ている。
- ローラ役、主題歌を担当した藤原理恵は主題歌『愛よファラウェイ』で歌手デビュー後オスカープロモーション所属女性グループ 「C.C.ガールズ」の初代メンバーとして活動。1995年6月卒業後ポップロックユニット(Rie ScrAmble)を経て現在は舞台演出助手、TAP・他ダンス講師、振付師として活動(『獣装機攻ダンクーガノヴァ』にゲスト出演した時には裏方がメインで活動)。
関連イラスト
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関連作品
『超時空要塞マクロス』:宇宙からの侵略と異文明との接触の共通点と、マクロスが男1と女2の三角関係に対し、ダンクーガは女1と男2となり、マクロスの主人公一条輝が軟派な優柔不断に対し、ダンクーガの主人公藤原忍は硬派で一途とそれぞれ反転した相違点もある。
なお、ダンクーガ自体、マクロスのアンチテーゼ企画だったと言え、初代マクロスが竜の子制作なのに対し、続編『マクロス7』は葦プロが制作担当となった。これはある意味、ダンクーガのリベンジを果たした形と言えよう。
『赤い光弾ジリオン』
『宇宙の騎士テッカマンブレード』:少人数メンバーによるハイテク兵器を使用するチーム、主役に当時の若手声優を起用、放送短縮と言う共通点繋がり(ウラシマンとジリオンとテッカマンブレードは除く)。
ウラシマンのみダンクーガより先輩で、特にボーグマンは同じ葦プロ製作である。
『特捜戦隊デカレンジャー』:本作から19年後に放送された、ハイテクポリススーパー戦隊。登場人物の立ち位置がダンクーガの登場人物と似ていたり、ダンクーガ本編を連想するエピソードもあり、此方もハイテク機器を使うチーム繋がり。