ストーリー
西暦2030年、東京湾上に建設された新都市メガロシティは異次元の存在「妖魔」の集団=犯罪結社GIL(ギル)の侵略を受ける。
メガロシティを守るため、響リョウ、チャック・スェーガー、アニス・ファームの3人は科学者メモリー・ジーンによって開発された強化服「バルテクター」を身につけ「ボーグマン」となってGILに戦いを挑んで行く。
概要
1988年4月から12月にかけて、日本テレビ系列局の一部に加えてテレビ朝日系列局約1局にて放送された。
ボーグマンだけでなく、小学校教師としても働く主人公3人と生徒たちの心の交流を描くが、実際はリョウ達が学園に来て犯罪組織『Gil』壊滅に9週間程度掛かった攻防戦である(月刊アニメディア 1989年2月号小冊子 BORGMAN Lastmemory参照)。
菊地通孝デザインによる新味あるキャラクター(特にヒロイン・アニスの人気は高く、現在でもpixivの当タグは8割近くがアニスメインの絵)、当時人気のロックバンド・EARTHSHAKERによる主題歌など見どころや話題性には事欠かず、高年齢層のアニメファンには一定の人気を得、後に続編など数本のOVAが製作されている。
その反面、関連玩具の売上は低迷しTVシリーズは全35話で終了となった(これは同時期に放送された『鎧伝サムライトルーパー』にもみられた現象である)。そのためなのか終盤は駆け足の展開となってしまい、多くの謎も残されたままとなった。しかもそれがOVAでもすべてが判明されておらず、2024年現在でも不明瞭な設定が存在する結果に。
一応は数々の裏設定があり、短編小説などがアニメディアに掲載された。また、「ティラノ-剣狼伝説魔空界編-」でも、剣狼の使い手のひとりとしてリョウが登場している。
ただしこれらの設定は、劇中とは矛盾点が多く、整合性も取れていない(あくまで別の物語、と言ってしまえばそれまでだが)。
また、劇中ではこれらの設定は活用されず、多くの点が説明不足のままで終わっている(下記余談も参照)。
玩具は、
- アーマー脱着可能なアクションフィギュア「バトルフィギュアシリーズ」、
- 超高速光線銃ジリオンの金型を流用した「ソニックガン・ジリオン」、
- リョウの右手首に14話から内蔵された火器「スコープブラスター」、
- ソニックシステムというテレビの光を利用して稼働する「スーパーサンダーセット」「ガンウォーリア」(これらはバトルフィギュアを乗せて遊ぶことが可能)。
等が発売された。
ソニックシステムは変身アイテムである「ソニックレシーバー」に搭載しているコントロールユニットをそれぞれのメカに装着、そこから赤外線通信を利用して連動するシステムだった。ある意味時代を先取りしていたシステムであり、後に戦隊シリーズや仮面ライダーなどのアイテムに活かされている。
セガがゲームメーカーという事もあり、セガマークⅢ/マスターシステムのタイトルとしても発売されたものの、話題性はメガドライブの陰に隠れてしまっている。
登場人物
ボーグマンチーム関係者
※ボーグマンチーム三名。
手前から、響リョウ、アニス・ファーム、チャック・スェーガー。
主人公。サイソニック学園の国語教師。正義感の強い熱血漢でノリが良いが、周囲に気を配る冷静な判断力を有する。青いバルテクターを装着し、接近戦を得意とする。
元はボーグマン計画の参加者で、宇宙飛行士志望だった。
- チャック・スェーガー(CV:井上和彦)
リョウの相棒。サイソニック学園の体育教師。リョウと同様にお調子者な一面を持つが、ここぞという時には決める。緑の重装甲バルテクターを装着し、砲撃戦を得意とする。リョウ同様にボーグマン計画の参加者で、宇宙飛行士志望。リョウとは同期だった。
三人目のボーグマン。サイソニック学園の数学教師。控えめではあるが、戦闘時には二人に引けを取らない活躍をする。赤色のバルテクターを装着し、電子戦を得意とする。元は、ボーグマン計画には無関係な一般人で、延命のためにボーグマンへの改造手術を受けている。
サイソニック学園の学園長。元はボーグマン計画の中心人物であった科学者であり、ボーグマンチームの司令塔。基地よりボーグマンたちへ指令を下し、サポートする事で、ともに妖魔と戦っている。クールな完璧美女だが、母性も強く、子供達を守りたいという想いは人一倍強い。
- フリッツ・K・リデル(CV:堀内賢雄)
メモリーとともに、ボーグマン計画に携わっていた科学者。メモリーがボーグマンたちを妖魔に対抗する戦士として用いる事に反対し、世界警察に働きかけてファントムSWATを結成させた。後に、妖魔に襲われて死亡。
ただし、メモリーに完全に反対しているわけでもなく、新型転送装置の起動パスワードを「メモリー」としているように、彼女の事を自分なりに想っていた。
世界警察関係者
世界警察の対妖魔部隊「ファントムSWAT」のリーダーで、桂コンツェルンの令嬢。
ボーグマンと当初は敵対するも、ともに妖魔へ戦いを挑む仲間として、後に協力する。
- チャーリー・バーガー(CV:藤本譲)
メガロシティ世界警察の所長。恰幅の良い男性で、メガロシティの治安を一手に引き受けている。立場上、美姫およびファントムSWATの上司。
サイソニック学園生徒・教師
サイソニック学園の生徒。詳細は当該項目参照。
- モーリー・ラングォルド(CV:神代智恵)
サイソニック学園の女生徒。当該項目を参照。
学園の生徒。いわゆるガキ大将で乱暴者だが、根はそう悪くない。
学園の生徒。他の生徒たちより目立たない。1970年代の駄玩に興味を示していた。
- 林マリモ(CV:松岡洋子)
サイソニック学園の教師。リョウの上司的存在。
犯罪結社「GIL」
- ギルバート・メッシュ(CV:銀河万丈)
本作の敵「妖魔」の首魁であり、「犯罪結社GIL」の首領。
異空間の「妖魔城」内に控えており、劇中にボーグマンたちが直接相対した事は無かった。背中に大きなパーツ状のものを装着している(設定画には、四大元素を司るパーツと記載)。
かつてはメモリーおよびフリッツとともに、ボーグマン計画に携わる科学者であった。
メモリー、フリッツとはまた別に、「人間は変わらなくてはならない」と意見を持ち、二人とは議論していた。
後に、何らかの理由で妖魔の力を受け、妖魔による世界征服を企む。その第一歩としてメガロシティの制圧を計画。ボーグマンたちが冷凍睡眠カプセルに入ったところに(妖魔人を引き連れて)現れ、まだカプセルに入っていなかったリョウとチャック、そして自分が奪った戦闘用ボーグマンを除いた、ボーグマン全員を殺害。その場から去る。
そして、メガロシティに妖魔石を落とすが、失敗。劇中に至る。
残忍冷酷であるものの、まだ心の奥底には人間だった頃の情が残っていた様子。メガロシティに赤き星(最後の妖魔石)を落として制圧する際に、その事をわざわざメモリーへ伝え、逃亡するように促している。
その妖魔としての力の源は、常時帯びている短剣「魔精剣」によるものらしい。魔精剣を奪われると、途端にパワーダウンし、顔も老化。ほとんどの力が失われてしまった。
後に、その身体を培養槽らしきものに入れられ、「妖魔王」に生まれ変わる。
妖魔の幹部。戦闘用ボーグマンであり、専用のバルテクターを装着する。
- ケルベルス(CV:島香裕)
メッシュの部下で、GILの幹部。元はメッシュ同様に科学者だったらしい。自身の身体を獣のように生体改造しており、動物型の妖魔「妖魔獣」を主に使役する。18話で、メガロシティに落とした複数の「妖魔石」の最後の一つを落とすため暗躍。自身も出撃し妖魔獣ヘルコーンと合体してボーグマンと対決するが、トリプルアタックに敗れる。
- ウォンゴット(CV:藤本譲)
同じくメッシュの部下で幹部の、元科学者(天才発明家だったらしい)。身体をメカニックで改造しており、機械型の妖魔「妖魔機械」を使役する。
ジードを妬ましく思い、13話にてリョウと戦うジードを、ともに始末しようと目論むが失敗。逆にジードにより粛清される。
- フェルミナ(CV:松岡洋子)
※画像右手前。
メッシュの部下で妖魔の女性幹部。元は科学者(医師だったらしい)で、人型妖魔「妖魔人」を使役する。幹部たちの中では最後まで生き残っている。
自身の汚名を返上せんと、自分の配下の妖魔を用いてボーグマンに挑戦し続けるが、そのことごとくが失敗。
26話で負傷しつつ帰還するも、それまでの失敗の責任を取らされ、ジードにより粛清。しかし死の直前に、2体の妖魔将に追われて絶体絶命のアニスとチャックを助け出し、ジードへの復讐を懇願しつつ絶命する。
なお、彼女たちがなぜ科学者から妖魔の幹部になったかという理由や経緯は、劇中に説明が無く不明。
設定では、元は天才的な医師であり、学会で「人体全てを改造すべし」という人体総改造諭を発表。それが元で学会を追われたという過去を有しているらしい。
- ヴェーダ(CV:塩屋浩三)
メッシュの部下で幹部の小柄な老人。いつも「フォッフォ」と不気味に笑うだけで、時折遊び半分で作戦に参加しているだけの存在だった。
作戦以外にも、メガロシティで開催された水上バイクレース大会に、暇つぶしと遊びで参加。同じく参加したリョウとも顔見知りになっていたりする。
しかし、実はメッシュ以上に妖魔に近しい存在だったらしく、立場もメッシュより上らしい事をにおわせていた。
メッシュに渡していた妖魔の力を込めた短剣「魔精剣」を、力づくで取り上げ、彼を無力化。続き、メッシュを培養槽の中に入れ、妖魔王へと変貌させている。
メモリーに隙を付かれて魔精剣を奪われ、その魔精剣に刺されて消滅する。
当初はただのギャグメーカーの予定だったが、後に妖魔(およびGIL)の黒幕的存在として設定変更したらしい。ただし、劇中に説明や描写がほとんど全くなく、その目的や真意、本性、メッシュをたぶらかした経緯やその理由などは、一切が不明。
妖魔
本作の敵。メッシュや三神官の命令を受け、メガロシティ奪取に暗躍。人型の「妖魔人」、動物型の「妖魔獣」、マシン及び兵器型の「妖魔機械」に分類される(ただし、人型でも妖魔機械にカテゴリされる個体も存在しており、やや分類は緩い)。
幹部の妖魔が召喚する「妖魔工場」の力により、二種、および三種がそれぞれ合体し、パワーアップする事も可能。
二種合体は、妖魔人と妖魔獣で「妖魔獣人」、妖魔獣と妖魔機械で「妖魔機獣」、妖魔人と妖魔機械で「妖魔機人」、
妖魔人、妖魔獣、妖魔機械の三種が合体すると「妖魔機獣人」(別名トリプルモンスター)と、それぞれ呼称される。
各話に登場した妖魔は、下記表を参照。
基本的に、妖魔人が中心であるようで、トリプルモンスターに合体した際には名称は妖魔人のそれになる(ただし11話のように、同話に登場した妖魔人ダウロスではなく、妖魔獣サラマンダーの名前が付けられているような例外もある)。
妖魔獣、妖魔機械は会話できないが、妖魔人のいくつかの個体は知性を有し、会話も可能。妖魔獣人、妖魔機人に合体、あるいはトリプルモンスター時でも、ボーグマンと言葉を交わす事もあった。
また、フェルミナは妖魔人、ケルベルスは妖魔獣、ウォンゴットは妖魔機械を主に使役するとされているが、劇中ではその辺りがあいまいになっており、フェルミナも後半には妖魔獣・妖魔機械を使役している。
また、終盤になると最強の妖魔である「妖魔将」、妖魔を統べる巨大な「妖魔王」が出現する。
その素性は、「異空間に存在する魔物」ではあるが、はっきりとした説明はアニメ誌でも行われておらず、詳細は不明である。
幹部たちは一応設定は起こされているが、劇中にそれらが描かれたり、活用されたりしてはいなかった。
(また、当時のアニメ誌の記事においても本作の設定に関してはいささか不正確である。下記余談を参照)
何らかの反応を放っている(妖魔石の共鳴反応か)らしく、劇中でリョウのバイク・サンダーは、何度も「妖魔反応」をキャッチし、そこから妖魔を発見している。ただし、反応を起こさせる原理は何かは不明(妖魔石を解析し技術を得た可能性あり)。
「犯罪結社GIL」の幹部たちは元人間らしいが、各話に登場した生粋の妖魔たちはその限りではない。
元から妖魔として登場したものも居れば、メガロシティ内のタンクや球状の繭などに入って眠っているところを、妖魔の幹部により覚醒させられ登場するものもいる(5話の妖魔獣ゴングベルス、11話の妖魔人ダウロスなど)。
これらは覚醒の際に「妖魔廃棄物が~」という台詞を口にしていたが、それが何なのかの説明は行われていない。
また、7話の妖魔獣ゲルゲロスは、同話登場の妖魔人ドロルが見せている幻影であり、厳密には別個体の妖魔と言えないような存在である。
17話登場の妖魔獣アルケロンは、「建造物そのものに憑依し、内部を妖魔空間化する」という能力を有しているため、実体が存在していない。
21話登場の妖魔獣カーメンは、フェルミナが自分の血液を海中に垂らす事で誕生させている。この際、「妖魔物質カーメンを用いた」とダストジードらは言っており、カーメンという妖魔の物質を妖魔獣に変化させている様子。
26話に登場した二体の妖魔将、ドラゴーンにシャイアンは、妖魔の中でも最強クラスの個体で、妖魔界に入ったボーグマンたちを迎撃した。その強力な攻撃力は、ボーグマン三人の攻撃を全く受け付けず、一度は彼らを完全に敗退させている。
- 犯罪結社GIL
劇中における、妖魔たちの幹部たちの集団。首魁のギルバート・メッシュ、その下の三神官に、ダストジード、そしてヴェーダの6名で成立している。劇中の妖魔人、妖魔獣、妖魔機械は、彼らの命令に従い動く。また、妖魔たちを合成させる「妖魔工場」の召喚と起動も、彼らが行っている。
「犯罪結社」ではあるものの、表向きでは社会とのつながりはほとんど無く、劇中で取っていた行動も犯罪というより破壊活動に近いものばかりであった。
初期設定では、人間社会の犯罪者および犯罪集団とつながりを有している集団で、様々な犯罪に絡めて、妖魔を暗躍させる……という役どころを想定していたらしい。
メッシュたち幹部は劇中で、1999年に巨大な水晶状の石塊「妖魔石」をメガロシティに魔法陣を描くようにして落としたが、5個目は不完全な位置に落下したらしく、石も残されていなかった。
それを落とし、メガロシティ全体を覆う巨大な魔法陣を完成させ、その内部に妖魔空間を発生。そこから世界征服を企む……というのが目的だったらしい。
終盤には、シティ中心部に巨大な妖魔王を復活させ、シティそのものを妖魔空間に変化。シティ中に巨大な妖魔の植物をはびこらせ、ザコのような妖魔も多数出現させていた。しかしボーグマンの尽力により、妖魔王は別次元へと強制転送。シティにはびこっていた植物および各妖魔も、それに伴い全てが消失した。
- TVシリーズ終了後
妖魔王とともに、全ての妖魔が消失したと思われていたが、実際には、僅かな残存勢力が生き延びていた。
OVA「ラバーズレイン」では、猫型の妖魔獣が登場。普通の黒猫に擬態し、リョウの近くに潜む事で彼の精神=夢に干渉し、一度切断された右手首の機能を不調に陥らせた。
猫型の猛獣が直立したような本性を発揮し、バルテクターを装着したリョウおよびアニスと交戦。更には残存していた周囲のエネルギーを吸収し、様々な動物を合成したような巨体の妖魔に変貌するも、ロードサンダーに乗っての二人の体当たりにより完全に消滅する。
しかし、これが最後の妖魔ではなかったようで、数十年後の続編(ボーグマン2)でも登場する。
時間をかけて少しずつ勢力を拡大させたようで、ボーグマン2の時点では「妖魔マスター」が登場し、様々な妖魔が社会の裏で暗躍するようになっている。
ただしこの時点では、世界警察も小妖魔(妖魔獣)程度の対抗策は執られており、ファントムSWATのように全く歯が立たず倒せないわけではない。
が、強力な妖魔および妖魔使いには抵抗出来ていない事には変わりなく、更には妖魔の血を引く人間の存在も確認されている。そのため、新世代ボーグマンの必要性が生じている。
ボーグマン計画
本作に登場するサイボーグ「ボーグマン」が、本来行うはずだった宇宙開発計画。
宇宙飛行士の身体をサイボーグとして改造。それに物質転送装置を用いて、重作業用装甲や各種開発用装備を転送し運用する事で、過酷な宇宙および惑星の環境に対応しつつ調査開発を行うという計画だった(ただし、劇中ではあまり語られておらず、アニメ誌の記事などでも記述がほとんどなかったため、詳細は不明)。
作中に主人公三人が装着するバルテクターは、ボーグマン計画における装備を対妖魔に転用したものである。
また、劇中でもわずかではあったが、サイボーグに改造された後にリハビリを行うリョウや、バルテクターのプロトタイプと思しき装甲服が描かれている。
メガロシティの、建造中のスペースポートにて、数十名の宇宙飛行士たちがこの計画に参加していた。リョウとチャック、メモリーは、数名の被験者と思しき人物たちと記念写真を撮影しており、劇中でも確認できる。
が、妖魔と化したギルバート・メッシュにより、リョウとチャック以外の参加者は全員死亡。更に、唯一戦闘用に作られたボーグマン(他のボーグマンが暴走した時の抑止力として用意されたらしい)のみを拉致し、メッシュは消える。
計画に参加していたメモリー、およびフリッツは、メッシュおよび妖魔に対して対抗策を用意せねばと考え、リョウとチャックとともにボーグマンチームを設立し、劇中に至る。
ボーグマン
本作の主人公たち三名の、サイボーグとしての呼称。あらゆる環境に対応するため、生身の肉体に人工筋繊維や電子機器を内蔵する改造手術を受けており、人体の各能力が強化されている。更に外部装甲を装着する事で、より強化される。所謂二重サイボーグ。
本来は宇宙開発計画の中心を担う存在だったが、妖魔のメガロシティ侵攻に伴い、戦闘用に転化し、劇中に至る。
特殊装甲「バルテクター」を基地内より転送、装着する事で、装甲服に身を包んだ戦闘形態へと変身する。
バルテクターを装着していない変身前の状態でも、巨大な岩塊を投げつけたり、高所へと跳躍、強化された視覚で弱点をサーチするなど、驚異的な能力を劇中で見せていた。
リョウおよびチャックは本人に合わせたボーグマン改造手術が施されているが、アニスのみ不慮の事故で重傷を負い、延命処置で他者のボーグマンシステムを用いている(適合したのは全くの偶然で、奇跡的に拒否反応も無かった)。そのためアニスが変身できることを他の2人は知らなかった。
ただし、人体のどの部位をどの程度改造したのか、動力源は何かなど、サイボーグとしての具体的な説明は本編中及び各記事でもほとんど行われておらず、詳細は不明。アニメディアの付録冊子SSでは、破損した体内の部品を交換していたが、その描写や具体的な方法は記載されていない。
なおアニメ誌では、生殖行為は可能らしい事がわずかに記述されていた(「赤ちゃんも産める」というキャプションがあった)。さしずめ人造人間17号や18号のようなものと言っていいだろう。
バルテクター
ボーグマン三人が腕にはめているソニックレシーバーに「ボーグ・ゲット・オン!」のボイスワードで、基地から転送し装着する強化装甲。装着する事で、ボーグマンの様々な能力が強化される。動力源は『ソニックシステム』と呼ばれる気のエネルギー対流を利用したもの。
拳銃型のソニックガン(ジリオン銃からデザインを流用している)を装備している他、体内のエネルギーを集中させ、拳で殴りつけるとともに敵妖魔に流し込むことで倒す事が可能。これは妖魔石を解析した際に音響に似たエネルギー波動を内部に注ぐことで妖魔を倒せることが判明したためであり、ボーグマンの技及び武装はそれを応用したものを利用している。
それぞれ用途が分かれており、リョウはスピード重視の接近戦仕様、チャックは重装甲火器掃討・支援仕様、アニスは電子戦仕様と、それぞれ異なる。
また、チャックは大口径火器・ソニックバズーカを装備。これは複数存在し、他の二人も使用が可能。ただし反動に耐えることができるのはチャックのみ。
装着時のデザインモチーフはロボコップ。そのため、全員ヘルメット装着時には、バイザーで顔の上半分は隠れているが、口元は露出している(劇中一度だけマウスガードが閉まる描写があったが、これは本来、真空での活動のための機能)。
バルテクター転送・装着時には、ボーグマンたちは頭部以外の全身を覆う布製のアンダースーツを着用しており、その上から装甲を装着している(転送時に既に着用している)。
また、胸部にはクリスタル状のクリアパーツが装着され、パワーを発揮時には発光する。もとより戦闘用ではなく宇宙開発用のためか、腰部分(股間部)は装甲に覆われておらず、アンダースーツのままとなっている。
ちなみにダストジード用のバルテクターは戦闘用であるため、デザインが有機的のみならず股間部を含む口元以外の全身を装甲が覆う造りになっている。
※続編に於いてチャックが開発した次世代バルテクターは、基本武装も統一され、口元は防御用にクリアパーツで覆われている。
ソニックウェポン
「バトル・ゲット・オン!」のボイスワードとともに転送される、ボーグマンたちの大型火器。それぞれ据え置き型の兵装であり、ホバー機能などもないため移動させる事は困難。そのため、必殺技のように用いていた。
リョウ専用「バトルマシンガン」、チャック専用「バトルランチャー」、アニス専用「バトルソーサー」の三種が存在する。玩具では、それぞれフィギュアと絡めて遊ぶことができた。実際に付属しているBB弾や円盤状の弾丸を装填し、発射させるギミックを内蔵している。
ロードサンダー、スーパーサンダー
リョウが常時から愛用しているAI搭載型バイク。ロードサンダーは劇中で一度破壊された後、スーパーサンダーに変形するように新型転送装置が内蔵され、妖魔の特殊空間である「妖魔空間」内でも転送が可能となる。
ビーグルヘッド
チャック専用の大型戦闘装甲車両。巨大な砲を搭載しており、車体上部にはコクピットを兼ねた砲座が設置。そのシートに座り操縦、及び砲撃を行う。初代と2代目が存在する。
ガン・ウォーリア
11話より登場した大型パワードスーツ。某映画に登場した、某パワーローダーに若干似ている。ボーグマンが乗り込み、胸部の重装甲と、パワーを用いて戦う。左腕には強力なマニピュレーターを装備し、左手首から鎖付きのパンチとして発射が可能。右腕は大型ガトリング砲となっており、妖魔に大ダメージを与える事が可能。胴体部には大型ミサイルも搭載している。
スーパーサンダーとともに玩具化された。別売りのソニックレシーバーのチップを装着させ、歩行させるギミックが内蔵。また、ボーグマンフィギュアも乗せられる。
初登場時にはリョウが乗っていたが、次第に専用機を持たないアニスが主に乗るように。
ちなみに企画時から登場は予定されており、商品化を踏まえて様々な検討用デザインが描かれていた。
メガロシティ
本作の舞台。
東京湾内の巨大人工島に建設された巨大都市であり、その中央部には象徴的な女神像が付いた巨大建造物「メガロビル」が建っている。
妖魔の侵略目標でもあり、1999年にこの周囲に巨大な「妖魔石」が落下し、五芒星を描くように周辺に屹立している(妖魔石はその後調査されたものの、巨大で除去も出来ずに放置する羽目に)。
移民が多く、日本人以外にも多くの外国人が流入し、市民となっている。市内はインフラが整備、市民は配布されたカードを用い、モノレールなどを無料で利用できるらしい。
また、過去の(80~90年代)電化製品を展示した博物館も存在。博物館では当時の電化製品の一つとしてセガのゲーム機も展示されており、ある事件で過去から蘇った少年がプレイしていた。
シティ中心部に建つメガロビルは、巨大な情報記録媒体および情報処理装置とも言える施設であり、シティ内のあらゆる情報が記録されている。妖魔は一・二話でここを襲撃し、メガロシティに関するデータを奪取、後の侵略活動に使用していた。
内部には、民間人が使用できる情報端末が存在。アニスが劇中で大量のデータディスクを持ち込み、データ処理を行っていた(ちなみに作品放送当時は、一般層にはインターネットの概念は無きに等しく、個人でPCを所有している者も少なかった。そのため、情報処理は情報端末の存在する施設に、記憶媒体に移したデータを所持して持ち込み、処理する必要があった)。
メガロシティ周辺地域には、かつての東京23区を含んだ旧市街地が残されているが、妖魔石が落下後に、復旧されず廃墟のまま放置されている。
そこに存在する「グレイタウン」では、多くの孤児や貧困層が集まり、独自のコミュニティを形成して生活。孤児たちの中には、学校にも通わずに過ごしている者も多い。
また、蒸気機関車および地下鉄がそのまま残っており、地下鉄の一部路線はメガロシティ市内にも続いている。最終回近くでメガロシティ内の各種交通機関と乗り物が、妖魔により電磁波で使用不能になった際。世界警察は一般市民の避難にこれらを用い、避難を成功させた。
また、かつては宇宙ロケットの発着場となる「スペースポート」も建造されていた。
宇宙飛行士たちの訓練施設も兼ねており、発着場自体が建造中でも、施設自体は運営していた。
リョウとチャック、メモリーは、他のボーグマン被験者たちともに、この施設で宇宙飛行士としての各種訓練、およびボーグマンへの改造手術を行っていた。
しかしメッシュが襲撃し、その際に破壊されて、冷凍睡眠前のリョウとチャック以外のボーグマン被験者は一人を除き全員死亡。そのため、施設はすべて閉鎖。発着場の建造も途中で中止され、そのまま放置されている。
世界各国は、このメガロシティの状況は不明瞭で懐疑的であったが、妖魔王が出現した事で真実を知る。海上に駐留していた艦隊は、妖魔王の姿を確認した後、ミサイルおよびレーザーでの攻撃を加えたが効果は無く、反撃されて全滅に追いやられている。
OVA「ラストバトル」では、より都市化が推進するが、グレイタウンのようなダウンタウンもそのまま存在し続けており、格差が生じている。
主題歌
OP
「DON'T LOOK BACK」
作詞:西田昌史 作曲:石原慎一郎 編曲・歌:EARTHSHAKER
「夜をぶっとばせ!」
作詞:柴山俊之 作曲・編曲:Marcy 歌:HIPS
ED
「FOREVER」
作詞:西田昌史 作曲:永川敏郎 編曲・歌:EARTHSHAKER
「TENDER」
作詞:寺田恵子 作曲:Marcy 編曲:西村麻聡 歌:HIPS
サブタイトル
※各話登場妖魔は、幹部を除く。カッコ内は各妖魔の直属上司。
話数 | サブタイトル | 登場妖魔 | |
---|---|---|---|
第1話 | 妖魔が来る。ボーグマン登場! | 妖魔人バリアン(フェルミナ) 妖魔獣アイーバ 妖魔獣ウンダ(ケルベルス) | |
第2話 | 誰だ!第3のボーグマン | 妖魔人バリアン(フェルミナ) | |
第3話 | 悪夢を破れ!ソニックパワー | 妖魔人バグベルス 妖魔獣ガバリン 妖魔獣人バグベルス(ケルベルス) | |
第4話 | 最強の敵・ダストジード | 妖魔人ラクシャーサ 妖魔獣メザロード 妖魔獣人メザロード(ダストジード) | |
第5話 | スーパーサンダー発進せよ! | 妖魔人アバンガ 妖魔獣ゴングベルス 妖魔機械デビルタンク 妖魔機獣人アバンガ(ダストジード) | |
第6話 | スーパーサンダーVSゴーストライダー | 妖魔人ウィーリッグ(フェルミナ) 妖魔機械バイクット(ウォンゴット) 妖魔機人ウィーリッグ | |
第7話 | 妖魔人ドロルの不思議な世界 | 妖魔人ドロル(フェルミナ) 妖魔獣ゲロゲルス(フェルミナ) | |
第8話 | 花が襲う!!少女が見た花の妖精 | 妖魔人ブロッサム(フェルミナ) 妖魔花アローナ | |
第9話 | 妖魔が吠える水上レース | 妖魔人フェロモン(フェルミナ) | |
第10話 | 妖魔兵器!過去から来た少年 | 妖魔人ダキニー 妖魔機械サイアーマー(ウォンゴット) | |
第11話 | パワー最強!ガンウォーリア登場 | 妖魔人タウロス 妖魔獣サラマンダー 妖魔機械デスマシーン 妖魔機獣人サラマンダー(ウォンゴット) | |
第12話 | 妖魔石からの脱出 | 妖魔人セイントメテオ | |
第13話 | 血戦!リョウ最期の日 | なし | |
第14話 | 立ち上がれリョウ!ボーグマン暗殺指令 | 妖魔機人ガンベルス(ウォンゴット フェルミナ) | |
第15話 | 見たぞ!先生がボーグマン | 妖魔獣バランダ(ケルベルス) | |
第16話 | 美女の罠!映画スターチャック大ピンチ | 妖魔人ウシャス 妖魔獣ラグナドン 妖魔機械デスボール 妖魔機獣人ウシャス(ケルベルス) | |
第17話 | ピエロが笑う!妖魔ランドの怪事件 | 妖魔人マジッカ 妖魔獣アルケロン (ケルベルス) | |
第18話 | メッシュの謎!赤き星の落ちるとき | 妖魔獣ヘルコーン(ケルベルス) 妖魔獣人ケルベルス | |
第19話 | 妖魔都市!不思議の国のアニス | 妖魔獣デスザウラ(フェルミナ) | |
第20話 | ドクター・メモリー瞳の中の戦士たち | 妖魔獣ウェイバル 妖魔機械バーニア 妖魔機獣人ウェイバル(フェルミナ) | |
第21話 | 真夏の夜の悪夢!妖魔からの贈り物 | 妖魔物質カーメン 妖魔獣カーメン(フェルミナ) | |
第22話 | 海からの恐怖!ぼくたちの冒険旅行 | 妖魔人オーク 妖魔獣ダグルス 妖魔獣人オーク(フェルミナ) | |
第23話 | シンジを救え!襲われたボーグマン基地 | 妖魔獣ボムベルス(ヴェーダ) | |
第24話 | 激突!ファントムスワットVSボーグマン | 妖魔獣ファンダスト(ダストジード) | |
第25話 | 恐怖の罠・死闘!妖魔界 | 灼熱妖魔ゴーレム 妖魔人セイレーン 妖魔獣人セイレーン+ヘルコーン(ダストジード)再生妖魔機獣人(アバンガ ウシャス ウェイバル) | |
第26話 | 決死の脱出!最強の敵、妖魔将あらわる | 妖魔将ドラゴーン 妖魔将シャイアン | |
第27話 | 崩壊の序曲!ギルトライアングルを攻略せよ | 妖魔人イフリート 妖魔獣バルナ 妖魔機械デスホロン(ダストジード) | |
第28話 | アニスの決意!この子たちは、私が守る | 妖魔人ダナッシュ 妖魔獣(名称不明)妖魔機械(名称不明)妖魔機獣人ダナッシュ(ダストジード) | |
第29話 | 崩壊の日!メガロシティクライシス | なし | |
第30話 | 緊急指令!移動基地発進 | 妖魔将ドラゴーン | |
第31話 | 絶体絶命!閉じこめられたメモリー | なし | |
第32話 | 粉砕せよ!ギルトライアングル攻防戦 | なし | |
第33話 | 妖魔城出現!終末へのカウントダウン | 妖魔将シャイアン | |
第34話 | 叫びは空に!ダストジード死す | なし | |
第35話 | 妖魔王復活!さらばボーグマン | 妖魔王 |
余談
本作は、当時に流行していた、「聖闘士星矢」から始まる「鎧モノ」の一作という側面も持つ。
当時はキャラデザインおよび、ヒロインキャラのアニス・ファーム人気で、アニメ誌を席巻していた。
しかし、本作は説明不足が顕著であり、世界観や基本的な設定などはもちろん、登場人物たちの目的や動機、心情などが、ろくに語られないままで終わってしまっている。
実際、敵方の妖魔に関しても、具体的に何者で、どういう存在で、なぜメガロシティを狙っているかの理由は劇中のみならず、アニメ誌に掲載された記事や設定などでも説明がほとんどなかった。また、ボーグマン計画や、妖魔側の幹部および彼らの過去、動機、目的など、そのほとんどが不明のまま、もしくは説明不足で終わっている。
加えて、アニメ誌に掲載された本作の設定も、初期設定および想定段階・準備稿、没設定をそのまま記事にしたものも少なくはない。
その結果、「本編中では描かれていない」あるいは「整合性がとれておらず、反映もされていない」……と言う点が多々見られた。
「リョウはバイクレースで優勝した」「チャックは傭兵で世界各地の戦地を転々とした」「アニスは歌手志望」といった設定は、全て初期の設定であり、決定稿では没になっている。没設定ゆえに、これらは本編中では反映もされず描写も無い。しかし、アニメ誌で記事化されていたために、現在でも公式設定と誤解しているファンも多い。
また、キャラクターのパーソナルデータに関しても、アニメ誌の記事に記載されているデータと、別のアニメ誌の付録に記載されていたデータとは異なる事も多い。
実際の所、異なるアニメ誌で同じ内容の記事を見比べると、異なっている点が多々あり、どちらが正しいのかも公言されていない。
例として、アニスの誕生日は、
公式では2月5日、
シリーズ構成の執筆によるアニメージュ誌付録の記述では4月17日。
家族構成は、
アニメディア誌の記事では父レクノス、母ニアと弟アントンがロスに在住。
上記アニメージュ付録の記述では、両親の名前は伏せられ、弟の存在は消されている。
また、作劇上でもスタッフ間での設定の整合性・統合性が取られていないと思しき点も少なくない。
このような当時の状況から、アニメ誌の記事に掲載された本作の設定は、いささか不正確で信憑性に欠けるものである事に注意。
加えて、玩具や関連商品(ソニックガン=ジリオン銃など)の劇中における販促も十分とは言い難く、その魅力も伝わっているとは言えないものに。
更に、当時は人気の割にムックや資料集、関連書籍なども児童向けを除きほとんど出ておらず(デザインの設定画は出ていたが、文芸的な設定集は皆無)、シリーズ構成・園田英樹氏の手による小説が出ると予告されるも、それも未発売のまま現在に至っている。
TVシリーズの後、後日談のOVAが二本、一応の続編となる「超音戦士ボーグマン2」が全三巻で製作されるにとどまる。
詳細は下記続編を参照。
また、アニス人気は、「マシンロボ・クロノスの大逆襲」のヒロイン、レイナ・ストールと共演するOVAが企画されるも、実現はならず。結果、菊池氏がデザインした新ヒロイン「ライカ・ストレンジ」とレイナが共演する「ライトニングトラップ レイナ&ライカ」として実現する。
※ちなみに、同OVAが企画された際、東宝がアニスの使用許可を認めなかったため、その代わりにライカがデザインされた。ライカもまたサイボーグ化された女性エージェントであり、アナザーアニスとも言える存在である。しかし、「ライトニングトラップ」の作品内容は「クロノスの大逆襲」及び、レイナが主役のOVAシリーズ「レイナ剣狼伝説」、そしてボーグマンの各作品とは全く関連性は無い。
続編
本編終了後、OVAで続編が製作された。
- 超音戦士ボーグマン Madnight☆gigs!
いわゆるミュージッククリップで、OP・EDの他、劇中使用曲にTV本編からの映像を付けている。
EDの「FOREVER」では、新作映像が作られ、本編の終了後の様子が描かれた。
なお、キャラデザインの菊池道隆氏は、本編中の作画監督も切望していたが、諸事情によってそれは叶わなかった。本作の新作映像で、ようやくその念願がかなう。
- ザ・ボーグマン ラストバトル
本編終了後、89年に発売。
本編の3年後を描く。かつてメモリーとともにボーグマン計画に携わっていた科学者、カーチス・火鷹による「ボーグマン・オメガ」と、ボーグマンとの戦いが描かれる。
同時期、菊池氏は「冥王計画ゼオライマー」に参加して多忙だったために、キャラデザインは別の人物(本橋秀之氏。氏はTV本編中でも作画監督を務めた)に変更されている。
本作でリョウとアニスは渡米し同棲、リョウはNASAに勤務している。また、チャックは世界警察の教官になっている。
転送せずにバルテクターを装着、アニスは囚われてしまいほぼ活躍が無し、リョウは大幅に弱体化と、TV本編中の活躍と比較すると若干パワーダウン気味。これは本部が壊滅してしまった影響と言えなくない。
なお、妖魔は登場せず、ハンターボーグマン(リョウたち同様に、バルテクターのような装甲を装着したサイボーグ)、および、カーチス・火鷹が製造した「ボーグマン・オメガ(巨体のサイボーグ。ほぼロボットであり、口部分から放つリアクティブシールドを武器とする)」が敵となる。
本作は劇場公開もされており、OVA版「バオー来訪者」と同時上映された。
- 超音戦士ボーグマン LOVERS RAIN
90年に発売。
本編とラストバトルとの間に起こったエピソードを描く。
本編中では希薄だった、リョウとアニスのラブストーリーが描かれる。
妖魔の最終決戦後。メモリーの死の悪夢にうなされるリョウは、自身のサイボーグ体の不調、特に右手首の動作不良に悩まされる。アニスが看護するも、それを突き放してしまうリョウ。
しかしこれは、妖魔の生き残りの罠だった。
本作は菊池氏が作画監督を行い、新たにキャラデザインも書き下ろされている。また、ラストバトルには無かった「バルテクターの転送・装着シーン」も描かれている。
なお、ダストジードのバルテクター装着シーンは、本作のOPでようやく初披露となっている。
本作も劇場公開されており、「魔物ハンター妖子」と同時上映された。
28年後を舞台にした続編。OVAで全三話がリリースされた。
メガロシティに新たな妖魔が出現し、新世代の新たなボーグマンチームが結成される事に。
新世代ボーグマンチームは、ケン・南井、コーツ・ガードナー、サラ・クレッセの三名。不慮の事故でボーグマン化したケンは、行方不明の妹イライザを攫って妖魔に洗脳した「妖魔マスター」へと戦いを挑む。
過去シリーズからのキャラは、新生ボーグマンチームの司令官となった年老いたチャック、および保管されていたスーパーサンダーのみが登場。
メインキャストおよびメインキャラ全てを一新しているが、あまり人気は出ず、セールス的に芳しくない結果に終わる。
菊池氏がキャラデザインを担当しているが、後年に「乗り気ではなかった」と述懐している。
映像媒体
TVシリーズ本編のVHSビデオテープは、数話をピックアップしたもの(いわゆる「ベストセレクション」)のみが1988年当時に発売された。本編全話はテープでは未発売。
OVA(ラストバトル、LoversRain、ボーグマン2)および「MADNIGHT☆GIGS!」は、全てVHSテープで発売されている。
97年に、TVシリーズ全話が、LDボックス全三巻で発売された。
DVDもTVシリーズを収録したものは出ていなかったが、2002年に、OVA全シリーズのみを収録した「超音戦士ボーグマン THE MOVIE COLLECTION」が発売された。
2011年に、TVシリーズ全話、OVA全シリーズを収録したブルーレイボックス「超音戦士ボーグマン BD SONIC POWER COLLECTION」がバップから発売された。完全版との触れ込みだったが、「MADNIGHT☆GIGS!」は未収録。
※現在、上記製品はいずれも絶版。
2022年6月29日に、フロンティアワークスより、『「超音戦士ボーグマン」シリーズ・コンプリート BD-BOX』が発売。
上記ブルーレイボックスのTVシリーズ全話とOVA全シリーズに加え、「MADNIGHT☆GIGS!」を収録した、真の意味での完全版と言える収録内容に。映像もデジタルリマスター化している。
また、2022年6月28日には上記ブルーレイの発売を記念し、TVシリーズ本編13話のみがTOKYO MXで放送された。
関連作品
:ハイテク兵器を使用する少人数チーム、主人公に当時の若手声優を起用、ウラシマンとジリオンとテッカマンブレードを除き放送短縮の憂き目に遭う共通点繋がり。
なお、
- 超獣機神ダンクーガとは同一製作プロ、
- 赤い光弾ジリオンとは放送局・スポンサー・雑誌社・広告代理店が同一の兄弟企画、
- 機甲警察メタルジャックは特撮版の製作を予定してたのが東宝、
- 宇宙の騎士テッカマンブレードとは監督が同一、
……という共通点がある。
:同じく、スタッフの一部が重複しているOVA。また、劇中に登場した巨大な魔獣「鋼」「怒鬼」は、本作の「妖魔王」のモチーフである。
:1980年~1981年に円谷プロ製作・TBS系列局ほかで放送された特撮ヒーロー番組。
当初は桜ヶ丘中学校の教師と防衛チーム・UGM隊員の二足のわらじを履いていたが、諸事情で教師設定は消滅。その代わり後半は少年少女の交流を描く展開となった。
ボーグマンは、企画時に本作のテイストが入れられている。
:ウルトラマン80から丁度10年、超音戦士ボーグマンから2年後の1990年~1991年に放送された特撮ヒーロー番組。ニュータウン小学校の教師設定があったものの、1話限りで消滅。その後「少年少女との交流を描く」と言う、ウルトラマン80と同じ運命を辿った。
また、ボーグマンのデザイナーである大畑晃一氏も、本作に参加している。
:週刊少年ジャンプに連載されていた怪奇漫画で、ウルトラマン80、超音戦士ボーグマン、地球戦隊ファイブマンが果たせなかったコンセプトを完遂。
:2012年から2019年までに放送されていたアニメ。主人公チームがアーマーを装着、音響(主に歌)を利用して敵を倒す、敵が異次元から攻めてくるなどの共通点がある。主人公に『響』が付くことと半ば人外になるのも共通。
:1995年にサンライズが制作したファンタジー系アニメだが、舞台が首都圏、異次元からの敵、魔法陣を完成することが敵側の目的で自分たちの世界のための行動、と言った設定が類似。ただし味方側が利用する能力は異世界由来である。