花の魔法使いマリーベル
はなのまほうつかいまりーべる
1992年2月から1993年1月にかけて、テレビせとうちホスト・テレビ東京系列局とKBS京都およびTBS系列局4局、日本テレビ系列局2局、フジテレビ系列局3局、テレビ朝日系列局1局にて放送された。ただし、テレビ東京系列局以外は多少放送期間は前後する。
葦プロダクションの外注班スタジオジャイアンツが実質的な制作に携わった魔法少女アニメで、同プロダクションの看板作品「魔法のプリンセスミンキーモモ」の続編(通称:海モモ)と同時期に放映されていた作品。同じ魔法少女もの(変身少女もの)アニメでは「美少女戦士セーラームーン」などの人気作品も多く放映されていた時期だったため、知名度的にはややマイナーであるが、旧来型の作風を踏襲しつつ、本作ならではの独自性に満ちた作風を打ち出すことに成功しており、コアなファンも多い作品である。
「ミンキーモモ」同様、「異世界魔法少女の人間界来訪型」のパターンを踏襲した作品だが、童謡のパターンを踏襲した旧来の作品群とは大きく趣が異なっている。
具体的には、主人公自身がストーリーの中心に立たず、子供たちや町の大人たちが直面する問題や町の中で起きる出来事に主人公が介入し解決に導くというプロットになっている点にある。
従来の魔法少女アニメの主人公が「本来の視聴者層である子供の願望の体現者(主人公が感情移入の対象)」であるのに対し、本作の主人公はあくまで周囲を取り巻く子供たちと同等の存在であり、「子供たちのお友だち」といった位置づけで描かれている点に大きな要因がある。
その他、事件の解決に様々な魔法の道具を使用するという点も含め、作品のフォーマットはドラえもんに近い。
これに加え魔法少女アニメの本来の訴求対象である子供の中でも、特に低年齢の幼年者層に向けた作劇・演出が徹底されているのが本作の大きな特徴であり、シンプルながら明るく陽的な雰囲気に満ちた楽しい作風とキャラクターの魅力で人気を呼んだ。
サニーベルの町に住む幼い姉弟ユーリとケンの願いを聞き届け、自らを「花の魔法使い」と名乗る不思議な少女マリーベルが人間界に現れた。「実家の花屋を繁盛させて欲しい」という2人の願いを叶えた後、マリーベルはサニーベルの町に定住し、ユーリとケンを初めとする町の子供たちと楽しく過ごしながら、一人前の魔法使いになるべく、時に起こる事件を花魔法の力で解決すべく活躍していく。
実際のアニメ制作は葦プロの外注班であるスタジオジャイアンツに一任され、葦プロ自身はほとんど制作にノータッチだったそうだが、葦プロとの縁からか、葦プロの代表作である「魔法のプリンセスミンキーモモ」のキャラクターが描かれているシーンや、ミンキーモモに良く似たモブキャラがいるシーンがある。
また、企画初期の段階ではマリーベルの髪の色はピンクだったが、ミンキーモモとの混同を避けるために黄色に変更されたそうだ。
初期設定では大幅に異なり、マリーベル自身が妖精だったりお供の妖精タンバリンが人間の男子の姿をした妖精だったりと、妖精ものとして設定されていた。