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海モモ

うみもも

「海モモ」とは、アニメシリーズ「魔法のプリンセス ミンキーモモ」の第2作目に関連したイラストにつけられるタグ。
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「ジョブジョブ、ダイジョブ!」

概要編集

ミンキーモモ』第2作目の主人公の出身地が海の底に沈んだ夢の国であったことから、

第1作目の主人公(通称「空モモ」)と区別して「海モモ」と表記することがファンの間で通例となっている。

見分け方としては、髪飾りが星形なのが空モモで、ハート型なのが海モモ。


物語前半は前作同様のドタバタ劇ながら、物語後半に突入すると同時に「重く暗い現実の漂う時代における夢の在り様」という重いテーマが掲げられ、核戦争、民族紛争、宗教戦争、カルト宗教、ごみ問題、受験戦争など、放映当時の1990年代における現実の社会問題がシナリオの根幹に組み込まれるになっていく。

結果として、「人々の夢が失われていく」という重い現実が前作以上にこれでもかというほど強調されていき、「これ本当に少女向けアニメか?」と言われるほど鬱展開が増加していくことになる。


特に代表的なのがアニメーター過労死を題材にした1992年10月21日が本放送の第53話「走れ夢列車」。(その2ヶ月前の1992年8月8日が本放送の『美少女戦士セーラームーン』第21話でアニメーターネタ(ハッピーエンド)をやっていたため比較された。)

なお脚本・構成の首藤剛志氏によると、空モモ編の脚本スタッフであり、首藤氏、作監のわたなべひろし氏と組んだOVAの企画を温め続けながらも制作を実現できぬまま死去した石田昌久氏への追悼の意を込めた作品だったという(実際に脚本化する予定だったエピソードが劇中劇として取り入れられている)。


残念な事に、海モモ日本テレビ系平日夕方アニメ・特撮枠水曜前半のアンカーとなってしまい、次番組を予定していた「恐竜冒険記ジュラトリッパー」の日本テレビでの放送はキャンセルとなった。(ジュラトリッパーは3年後の95年にテレビ東京系で放送)以後こう言った社会問題等を真摯に扱った作品は激減し、スポンサー主導の行き過ぎた商業主義の作品が増えていった。

成田剣にとっては確認できる最古のテレビアニメ出演作品。1992年1月22日が本放送の14話「昔々のモーニングコール」に男A役で登場する。


キャラクター編集

海の底に沈んだ夢の国マリンナーサの王女。

海底に沈んだため狭くなってしまった故郷の外に出て、広い世界を見に行くことを夢見ている。


夢の力を失って浮上できなくなった故郷のために地上に夢を取り戻すよう告げられるが、さしたる疑問を抱くこともなく「地上で遊びまわれる」という理由でひとつ返事で引き受け、まだ夢が残るあそこの街の公園にあるホテルの管理人夫婦の娘になり、大人になる魔法を駆使してドタバタ騒ぎを巻き起こしていく。

しかし、次第に夢が消え失せていく事で魔法の力を徐々に失い、夢も希望もない世界の現実を思い知らされていく中で。魔法で人の夢を叶えることはできない(魔法で叶えても本当の意味で夢を叶えたとは言えない)という現実に直面し、苦悩することになる。


フェナリナーサ王家とは遠縁の間柄であり、フェナリナーサとのモモとも血縁関係にあるが、故郷が地上から離れていくばかり(フェナリナーサは宇宙へ、マリンナーサは海底深くに沈んだ)だったこともあって、お互いに面識がなかった。

狭い国で子供も1人だけだからという身も蓋もない理由(実際には主人公はミンキーモモなんだからわざわざ別名をつける必要がないというメタ的な理由)で名前を付けられていなかったが、地上に出る際に空モモの名を受け継ぎ、ミンキーモモと名乗るようになる。


前作のモモに比べて遊びたい盛りの世間知らずな少女といった、子供っぽい一面が強調されており、林原めぐみのおきゃんで特徴的な演技も相まったキャラクター像は前作のコアなファンから大きな賛否を呼び起こした。


海モモの選んだ決断(ネタバレ注意!)編集

終盤、地球から夢が無くなればマリンナーサと海モモは地球に存在出来なくなることが判明し、海モモは実親からマリンナーサへの帰還を命じられるが、地上における里親夫婦が不治の病で余命幾ばくもなく子供を授かれない身体で、子供が欲しいという2人の願望こそが地上での海モモの存在を支え続けていたという真実を知り苦悩する。

そんな中、ロンドンに居る空モモを訪ね、自身の境遇を吐露した海モモは、空モモから励ましを受け、里親夫婦の夢を、そして世界中の人々の夢を見守るために地上に残ることを決意する。



衝撃的な裏設定(ネタバレ注意!)編集

原作者の故・首藤剛志が生前書いたブログによると、「今(2000年代当時)ならオープンに出来るが、海モモの里親はHIVだった」と告白している。事故死した空モモとは逆に海モモは地上の里親夫婦が余命幾ばくも無いという展開は、前作とはまた別の意味で非常に衝撃的なことであった。

なお、OVAシリーズ最終作の「旅立ちの駅」の内容は里親夫婦の葬儀の帰り道のさなかの出来事という裏設定が存在している。


関西地区での放送について(詳細情報提供希望)編集

関西地区では本放送当時、アニメの編成を巡り日本テレビ読売テレビが対立しており、1991~1992年冬休みと、1992年春頃と、1992、または1993年冬頃に放送されるも、全話のうち約2/3の話数しか放送されなかった。曾て読売テレビは空モモを3回再放送した実績があっただけに視聴者を落胆させた。

しかし、1994~1995年にテレビ大阪で全話が完全放送され、読売テレビの横暴に泣かされた視聴者を歓喜させた。(それでも京都府と兵庫県の各北部(要するに日本海側)、滋賀、奈良、和歌山の一部地域では残念ながら観られなかった)

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