曖昧さ回避
アニメやマンガでのデュエルにおいて酷使される遊戯王シリーズのモンスターにつけられる愛称→過労死(遊戯王)
概説
文字通りに「過剰な(または過酷な)労働による疲労蓄積での死」。
機械でさえ連日連夜に亘って動かせば、部品にひずみが生じたり、油が切れて間接の駆動に支障をきたしたりと、遂には故障するもの。
いわんや、人間となれば栄養補給とメンタルケアを怠れば疲れるのは必然であり、その限界を超えた状態で労働を続ければ、疲労物質の消化不良によって臓器不全を起こし、死に至ることがあり得る。
特に循環器へのダメージは深刻な影響となり、最悪の場合はストレスによる心臓への負担で心筋梗塞や脳の血管への負荷による脳溢血での急死等が報告されている。
また過労によるうつ病→自殺も過労死の類型の一つである。この辺りは単に過労だけでなくパワーハラスメントも関連する事例がある。
現代社会における社会問題の一つとされ、特にブラック企業では消化不可能なノルマをなんとかこなすために過労に走りやすい。派遣社員や外国人労働者は、規定時間内では薄給しか得られず、1円でも多く稼ぐために疲労を押して残業に出る者が後を絶たない。
また中間管理職も、部下の管理と上層部からの課題の板挟みに遭いやすく、部下のフォローと自身の事務処理に上司への報告義務と、必然的に仕事が増えてストレスによる過労死の危険に遭いやすい。
当然ながら私生活が犠牲になり、休養やストレス解消の時間が圧迫される悪循環である。
薄給も過労死の一因であり、給与から生活費一式を差し引くと、趣味や余暇に使える遊興費を捻出できず、ストレスの発散に歯止めをかける一端となってしまう。まして食費にまで及ぶと、肉や野菜の購入自体が難しくなり、安価な炭水化物に偏りやすく栄養不足に陥りやすい。
他に、バイト等の掛け持ちによって一つ一つはブラックでなくとも積み重ねた結果として過労に陥るケースもある。
解決法
シンプルに「栄養と休暇を十分に摂って心身を休める」ことが最大の薬効である。
しかし日本が経済不況に陥って以降、企業本位の労働体制という悪習が身に染みている日本社会では改善の速度が遅く、【企業の利益>社員の幸福】と【企業の繁栄≒社員の幸福】という理論が未だ以って社会通念として根強く残っているのが実情である。また、伝統的に根付いている【働くことが美徳】という精神論も、改善を阻害する一因となっている。
よって気安く有給休暇を取ろうとすると白眼視され、しかし周囲の目を気にしているとその有休を企業命令で取らされるいうダブルスタンダードが往々にして発生する。
加えてバブル崩壊からの氷河期とリーマンショックによるWパンチによる経済停滞期を受けたことで、資産家や大企業が必要以上の蓄財を続け、世間の金の流れを停滞させ、薄給に拍車をかけている。要するに不景気の再来にビビって儲けを社員の給料に還さず貯金ばかりしているのである。
ちなみに、過労死という言葉は英語圏でも「Karoshi」でそのまま通用する。理由は、欧米には過労死の概念自体がなく、故にそれを表す単語も存在しなかったため。
この事実は、過労死が日本独特のものという悲惨な事実の表れであり、面白いと取るか恐ろしいと取るかは人によるだろう。
(同じように日本語がそのまま英単語になった例に「Tsunami」や「Bonsai」等がある)
日本の過労死問題の根治には、日本社会そのもの変化が不可欠となりそうだ……。
関連項目
ネタとして
創作作品等では、明らかに過剰に活躍させられているキャラクターへの皮肉として使われるケースがある。
『遊戯王』の過労死(遊戯王)も、これに該当する。
以下、そんな働きすぎな人々の一例である。
- 新檀黎斗(仮面ライダーエグゼイド)
- 檀正宗によるリセットで消えたハイパームテキガシャットをリセット防止機能とともに再開発した際に一晩で12回も過労死し、ライフを削った。
- 諸葛孔明/マーリン/ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Fate/GrandOrder)
- 便利すぎる性能から、とにかく使い回されることを皮肉って。
- それぞれが攻撃・防御を強化させる能力を持つ上に、前者二名は味方全体の必殺技発動を加速させ、もう一人は低レアリティながら高性能な補助技能を味方の補助なしに高速回転可能と、全員が頭一つ抜けた性能を誇っている。
- 玉藻の前/スカサハ=スカディも、上述3名と比べると頻度こそ低いが、こと特定のパーティー構成では必須枠として引っ張り出される。
- 特にスカサハ=スカディの場合、狂化を受け入れた湖の騎士をはじめとした特定のサーヴァントたちとの相性が非常によく、クエストの短期周回ではマーリンに引けを取らない忙しさで使い倒されることに……。
- そして2020年の5周年記念で実装されたアルトリア・キャスターが新たに参画。玉藻の前と諸葛孔明とマーリンを足して割ったような性能だったため、瞬く間にArts周回システムの新たな動力炉として捧げられてしまった。
- ちなみに余談だが、実際の孔明も過労死で亡くなっている。
- また2021年ではコヤンスカヤとオベロンが登場したことにより、同じくBuster系サポーターであるマーリンよりも火力面のサポートとNPの供給率が良いことによりマーリンに変わって周回やレイドに連れ回されることが多くなった。
- ギルガメッシュ(Fate)
- アーチャーの方のギルガメッシュは、非常に強力かつ広範囲で便利な「サーヴァント特効」の宝具を持つため、様々なクエストで引っ張りだこになり、乖離剣エアを上から下に振り下ろすお仕事でいつも過労死が心配されている。
- キャスターの方のギルガメッシュは、特定用途のサポーターである関係上ゲーム的には過労死とまではいかないが、本編ストーリーで本当に過労死した。
- なお、この話の影響を受けてか、アーチャーの方のギルガメッシュには「我は過労死などせん!」という皮肉的なボイスが実装された。