曖昧さ回避
主に以下の意味を持つ。
ゲーム用語としてのセーブ
セーブデータも参照。
ゲームに於いてそれまでの進行状況等のデータを記録媒体に保存する事を指す。
対義語はロード。アーケードゲームよりも主に家庭用ゲーム機で使われる用語であるが、近年ではアーケードゲームでもプレイヤーカードなどでデータをセーブ出来るタイプのものも少なくない。
家庭用ゲームの歴史を紐解けば、初期の時代はセーブ機能が無いゲームが殆どで、RPGやアドベンチャーゲームのようにプレイ時間が長時間にわたるゲームには、パスワードを書きとめて次回プレイ時に入力させる事でその時のデータを呼び起こすというシステム(復活の呪文等)が用意されていた。
だが、この方法で擬似的にゲームを中断・再開出来る機構を作る事に成功する一方で、パスワードを誤って覚えて(記述して)しまうとゲームが再開出来なくなるという問題も孕んでいた。現代では写メを取る事も容易であるが、当時は携帯電話はおろか、デジカメなどあろうはずもなく、基本的にはノートなどに書き留める必要があった上、当時の画質の低さからくる文字の読み取りづらさもその原因の一角であった。
’80年代中・後期になると、バッテリーバックアップ方式のカートリッジが登場し、いちいちパスワードを書きとめる必要が無くなり、ゲームによっては複数のデータを管理する事も可能となった。
しかしながら、パスワードの記述ミスから解放されたプレイヤーは、今度はいつやってくるとも分からないデータの破損に悩まされるようになり、『ドラゴンクエストⅢ』の「おきのどくですが ぼうけんのしょ○ はきえてしまいました」のように不気味なBGMと共にプレイヤーにトラウマを植え付けていった作品もある。更に、データセーブにはリチウム電池を用いており今の様なバッテリー残量が計れないと言う残念な設計上のうえに、そのバッテリーが無くなるといつの間にかセーブが不可になるというデメリットもあった。
実際は電源不良や静電気によって発生した不良データやプログラムの誤作動でデータの読み込みに失敗したデータをソフト側で消去しているケースがままある(上記のドラクエはまさにそれ)。
従来のパスワード方式に比べて現在までのプレイ進行状況の保存が手軽になった分、やがて億劫になり「どうせ次の目的地でもまたセーブする事になるんだからいいや……」とセーブを怠ったばかりにバトルに敗れて全滅したり、重要な場面でゲームがフリーズする等して常日頃からセーブする習慣の大切さを噛み締めたプレイヤーも少なくない事だろう。
『サガ』シリーズのようにどこでもセーブ可能な作品では、セーブ時の状況次第では一種の「ハマり」状態に陥る危険性もあった。
そして、時代が進むにつれ、直接のデータ書き込みが不可能な光ディスクなどの媒体が主流になるとメモリーカード等の外部記録媒体が登場し出す。これはPS、SSなどの90年代中期くらいからの流れである。
メリットとしてはバックアップ用として複数の記録媒体を保有したり、他のユーザーとのデータのやり取りが可能となった点が挙げられるが、一方で記録媒体を別途購入しなければならなくなり、余計な出費を強いられるようになった事がデメリットとして挙げられる。また、ニンテンドーゲームキューブの『どうぶつの森+』や『ポケモンコロシアム』『ポケモンボックス』のようにソフトによってはメモリーカード59の1枚分の容量を丸々占拠してしまうような場合もあった。
その他、ポケモンボックスなどではメモリーカードは59のみに制限が掛かる限定的使用が前提の作品もあった。
RPGツクール(改造が容易であるが)やウデッタなどのフリーゲームなどでもセーブデータが独自のファイル形式の形として存在する。
しかし、どんな媒体やその対応機種の作品でもゲーム開発側の作品の設計やゲーム自体のシステム構成によっては知らぬまに上記に述べた作品の様にハマりの危険性を生んでいる事もしばしばある。その内、分かりやすい作品ではRPGツクールを使ったとある二次創作などが顕著である。
バイオハザード(一部の作品のみ)では特定の消費アイテム(インクリボン)を使う事でセーブできる仕様になっている。
そして、更に時代が進みPS3やXBOX360、Wiiになると、ゲーム機本体内のハードディスク、SSD(PS5)、フラッシュメモリ(Switch)にデータを保存するようになるようになり、別売りの記録媒体は不要となった。一方でUSBメモリやSDカード(microを含む)などのような汎用の記録媒体を用いてデータをやりとりする事が可能なハードも多くなり、データの共有などにも対応しているものが多い。(セーブデータは不可)
また、近年のゲームでは一定の間隔で自動的にゲームの進行状況をセーブするオートセーブが主流となっており、オンラインゲームではセーブデータはサーバ上に保存されるのが普通である。
バックアップ=チート?
上述の『バックアップ用として複数の記録媒体を保有(中略)』とあるが、現在のバックアップ事情は「専用のアプリのダウンロード」や、「ハード販売元の有料コンテンツ」でしか行えないようになりつつある。
これは昨今のPvP形式オンラインゲームが、大きな原因となっている。
と言うのも、一部のユーザーが「敗北記録を残さない」為にバックアップを取り、「勝てば続行、負ければバックアップで無敗記録を捏造する」からだ。
他にも「アイテム増殖の抑制」も挙げられる。
詳細は当該記事を参考にして貰うが、これにより「レアドロップの価値が暴落」してしまう為、人によって忌み嫌っている。
しかし、『努力の結果』を保存する事が、そんなに悪い事だろうか?。
前者に関して言わせれば、『勝利回数に固執させる仕様』にしているゲームと、それを強要する企業の方がむしろ悪い。
後者ならば、『長く遊べる≦プレイ時間が長くなる』のを誤解している、開発サイドに問題がある。
総括的に言えば、「ゲーム企業もプレイヤーも、互いに秩序と理性を持ち合わせる事」が最重要である。
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