概要
ポケモンXDの前作に当たる作品で、ジニアス・ソノリティが開発。
キャラクターデザインはヒロモト森一が担当。
第三世代の作品の一つで、RSEやFRLGと通信することが可能。
『シナリオモード』と『対戦モード』の2つのモードがあり、対戦モードは実質ポケモンスタジアムシリーズの後継モードとなっている。
また、初回限定盤には「拡張ディスク」が付属。クリアデータを記録したメモリーカードを挿して読み込むとセレビィ(海外版ではジラーチ)が入手出来る他、ゲーム内の「ポケクーポン」の溜まり具合によってでんきだまピカチュウやマスターボールが入手できる。
本項では主にシナリオモードについて説明する。
ゲーム情報
タイトル | ポケモンコロシアム |
---|---|
機種 | ゲームキューブ |
ジャンル | RPG |
発売日 | 2003年11月21日(金) |
価格 | 5800円+税 |
販売元 | 任天堂 |
発売元 | 株式会社ポケモン |
開発 | ジニアス・ソノリティ |
CERO | A(全年齢対象) |
本作(シナリオモード)の特色
本編ではなくシリーズ派生の外伝的な作品であるため、RPGでありながらも本編とは毛色の異なる作品となっている。
舞台設定や世界観
本作の舞台オーレ地方は、カントーやホウエンから遠く離れた砂漠に囲まれた地方で、野生ポケモンが一切出現しない。
町や施設間の移動はバイクで行われ、それ以外の場所は探索することができない。
(※オーレ地方の詳細については、オーレ地方の項を参照)
本作はこれまでのシリーズ本編とは違い、殿堂入りを目的としない(ポケモンジムやリーグは存在しない)。
従来とはゲームの雰囲気が異なり、他のポケモン作品よりアダルティな感じが結構あるといったところ。一部のトレーナーの容姿については、続編では人物名こそ違うが全く同じ容姿のトレーナーも再び登場しているといった共通点もある。
主人公も従来より若干年齢が高く(17歳くらい)、エーフィとブラッキーの二体を連れてオーレ中の荒野をバイクで走り巡る。ストーリー開始直後には所属するポケモン窃盗団『スナッチ団』の保有するスナッチマシンを盗み、さらにそのアジトを爆破するという大胆な導入がある。
また、ストーリー序盤にて後述のダークポケモンを見分ける少女が仲間になる。
主人公のデフォルトネームは『レオ』(他にはユータ、タツキ)。
パートナーのデフォルトネームは『ミレイ』(他にはアニー、チハル)。
ダークポケモン
本作最大の特徴は、スナッチ団と言う悪党組織を利用して各地の人のポケモンを盗んだあげく、悪の組織『シャドー』が持つ科学技術によって人工的にココロを閉ざされ戦闘マシンにされたのが『ダークポケモン』である。
専用わざ『ダークラッシュ』を使う、ハイパー状態(特有の特殊状態)になる、レベルアップ・進化ができないなどの特徴を持つ。敵トレーナーからダークポケモンを奪還(スナッチ)して、バトルなどを経てココロを開き、普通のポケモンに戻す(リライブ)という作業を繰り返しながら、シャドーを倒すことを目的とする。
リライブセレモニー
リライブゲージ(ココロの開き具合)がMAXになったダークポケモンのココロを開放し、元に戻す儀式。開放の仕組みは全く同じだが、ポケモンXDとはリライブする方法が異なる。
ゲージにはいくつかの段階があり、
貯まったゲージ | 状態 |
---|---|
0 | スナッチ直後 |
1 | 1つ目の技が解放 |
2 | 性格がわかり、経験値がたまるようになる |
3 | 2つ目の技が解放 |
4 | 3つ目の技が解放 |
5 | セレモニーが可能になる |
リライブが完了すると経験値やナショナルリボン、そしてダークラッシュが無くなり4つ目の技が解放されるといった恩恵を受ける。これは、儀式を行うほこらにセレビィの時の力が込められていて、そのポケモンの楽しかった思い出を呼び起こすことでココロを開くという。また、「ときのふえ」を使えばセレビィが出現してゲージに関係なくリライブセレモニーが行える。
バトル
野生のポケモンが出現しないため、プレイヤーは旅先で出会うトレーナーとのバトルで自分のポケモンを鍛え、相手トレーナーのダークポケモンを奪うことで手持ちを増やす。
基本的にゲームはダブルバトルで進行する。
野生ポケモン戦がないため戦闘には『にげる』コマンドが存在せず、代わりに『よびかける』ことができる。『よびかける』は、ねむり状態やダークポケモンのハイパー状態を解除することができるほか、スナッチ時のターン調整(タイマーボール使用時)に使うこともできる。
コロシアム
作品のタイトル通り、各地に以下のコロシアムが存在する。いわゆるニンテンドウ64用ソフトのポケモンスタジアムの様なものである。
何度でも挑戦でき、勝ち抜くことでファイトマネー(賞金)とわざマシンが獲得できる。言うなればポケモンを鍛える主戦場である。
フェナススタジアムを除きダークポケモンの出場も可能。なお、続編にある同じ場所のコロシアムと比較するとバトルの難易度がやや高いものとなっている。
フェナススタジアム
フェナスシティで開催される唯一のまともな大会。善良なバトルにするためダークポケモンは使用不可となっている。エリートトレーナーなど一般的なトレーナーが出場。
パイラコロシアム
ガラの悪い連中が集うパイラタウンで開かれるコロシアム。優勝者にはダークポケモンが手渡されるとのウワサがある。
アンダーコロシアム
地下都市アンダーで開かれる本作のみに登場しているコロシアム。地下で開かれるコロシアムだけにパイラコロシアムよりも少しレベルが高い。
ラルガタワーコロシアム
本作の最終舞台。ラルガタワーで開かれるシャドー主催のダークポケモンによる試合を見世物としたコロシアム。ダークポケモンを使うトレーナーが出場しており、ここでシャドーとの最終決戦が行われる。続編の未来ではシャドーが壊滅しており善良なコロシアムになっている。
ボトムコロシアム
アンダーのさらに地下、クリア後に訪れることができるコロシアム。シャドー幹部クラスも出場するコロシアムであり、ボトムキングと呼ばれる覇者が君臨する。
評価
本作は外部の制作会社に委託された作品であるが、シナリオモードのゲームバランスは本編シリーズより高めの難易度と言う意見が多い(全体的に敵側のAIも賢く、局所的に難易度が高い戦闘がある事や、スナッチの為には倒さないように立ち回る必要があると言った点が主な理由)。
これは制作会社のスタッフにポケモンというゲームに詳しい人間がいなかったためとインタビューにて語られている。
ただし、ダブルバトルと言うバトル形式が登場したばかりの世代作品でもある事や、野生ポケモンを自由に捕獲できない、と言った点を踏まえると仕方のない部分はあるという意見もある。
一方で舞台設定やスナッチシステム、BGMは高評価を受けており、特にBGMは本編にも欲しいと言った声も多い。
当時はエメラルドやFRLGの発売前だったため、ルビー・サファイアでジョウト御三家(本作で手に入るのはその途中進化)やライコウ・スイクン・エンテイを手に入れるのは本作との通信交換が唯一の手段であり、図鑑完成には本作が必須であった。
上記作品の発売後も、FRLGでは3体の内どれか1体しか入手できず、エメラルドでもジョウト御三家は1体しか入手できないうえ条件が厳しかったため、それらをひとつのデータ・一度のプレイですべて入手できる本作は貴重な存在であった。
発売から異色ながら光るものはある外伝作品と言った位置にあった本作だが、第8世代のソード・シールドから「証」が登場した事で「リボンによる証を付けられる最古世代かつ色違いを狙える」唯一の作品として再注目される事になった(続編であるXDも同じリボンを貰うことはできるが、仕様上色違いは出現しない)。
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オーレ地方 ポケモンスタジアム ポケモンバトルレボリューション