概要
開発はポケモンコロシアムシリーズを制作したジニアス・ソノリティ。
第4世代のソフトと連動しており、データを同期させて育てたポケモンで戦ったり、アイテムを購入して受け取る事が可能となっている。また、DSをコントローラー代わりにして通信対戦が出来たりと画期的な試みが見られたソフトでもある(似たような仕組みは前作でもあったが、ワイヤレスではなかった)。
登場ポケモンはフシギダネからアルセウスまでの493体(『プラチナ』で追加されたフォルムチェンジは使用不可能だが、先述のように一応連動は可能である)。
対戦の仕様は『ダイヤモンド・パール』に準拠し、「さいみんじゅつ」は命中率70%、「ねむり」「こんらん」は最短でも2ターン続くようになっている。『プラチナ』以降で新たに覚えた技は問題なく使用できる。
実質的に第4世代版ポケモンスタジアムという位置付けの為、本作でポケモンを捕まえて本家に連れて行く事は不可能であるが、ストーリーモードではレンタルパスを使って本ソフト単体でも遊べるように設計されており、ポケモンの交換はレンタルパス同士で、レンタルパスにない新たにポケモンを追加する場合はエンディング後のゲートコロシアムを勝ち進み、パーティ内のポケモンと相手チームポケモンと交換する必要がある。
また、フレンドコードを使わなければWi-Fi通信で対戦する事が出来なかった本家とは異なり、不特定多数のユーザーと対戦が可能である事が功を奏し、ニコニコ動画黎明期でのポケモン実況を支えていた作品でもあり、この作品の実況で知名度を上げた人物も少なくない。
使用ポケモンに制限がなく、重複も可能だったため、カイオーガ統一パのようなとんでもないチームも存在した。
しかし、近年は本家シリーズの通信機能の充実やグラフィックの向上により、このような本家と連動した対戦特化型ゲームは発売されておらず、事実上の最終作品となっている。
それでも技のエフェクトの壮大さでは近年のシリーズに迫るものがあり、ポケモン重複可能なランダムマッチが可能だったフリーダムさを懐かしむ愛好家も少なくはない。
2014年5月20日にWi-Fiサービスが終了したため、現在はオフライン要素しか遊べないので注意。
登場人物
アバター
プレイヤーのアバターとなるトレーナーたち。各トレーナーの身分証明書とも言うべき、バトルパスには、固定デザインであるレンタルパスとストレージしたポケモンとトレーナーのスタイルが変更可能なバトルパスの2種類存在する。
ちなみに本作登場トレーナーのほとんどはこのアバターの流用である。
また、レンタルパスのポケモンはストレージしたポケモンとの入れ替えは不可能だが、レンタルパスのポケモン同士でなら入れ替えが可能となっている。
- しょうねん(DM:ジェイ)
赤いニット帽が特徴的な少年。
使用ポケモンは全て第4世代のポケモンの第1進化。オーソドックスな組み合わせなので初心者にも非常に使いやすいが、弱点としてはガバイトの地面技やモウカザルの格闘技の威力が貧弱な点である。持ち物は全てプレートで統一されているものの、得意タイプではなく、威力が低めの技をカバーするための物が中心となる。
最初から使用可能。
- しょうじょ(DM:リン)
ポニーテールと赤い帽子が特徴的な少女。ミルタンクのサイズはそれなりにある。
その懐かしさすら感じる風貌からもわかる通り、使用ポケモンは全て第一世代に登場したもの。
ひらいしんを持つサイホーンやでんきタイプに耐性を持つハクリューやフシギソウがいる為、でんきタイプには滅法強い。基本的にこうげきが比較的高く、おいかぜを使えるピジョットを中心にしていく戦法が中心となる。ただし、ハクリューのでんじははサイホーンと並んでしまうとひらいしんによりサイホーンに引き寄せられてしまう点には注意が必要。
最初から使用が可能。
- おにいさん(DM:セント)
青い髪にグレーのソフト帽を被った青年(画像は衣装をチェンジした時のもの)。
使用ポケモンはロトムやメタングなど上級者向けのポケモンが多く、道具もメトロノームやこうかくレンズといった対戦向きアイテムが多い。特にゴーストタイプ2匹は耐性の広さ、そして素早さととくこうが高く、グラエナは弱点を突けるタイプの技が多いのが強み。
ストリートコロシアム、ウォーターコロシアムのクリアで使えるようになる。
- おねえさん(DM:エル)
紫髮のスタイルの良い女性。
使用ポケモンは可愛らしいポケモンから美しいポケモンまで幅広い。デフォルトメンバーであるネオラントでのあまごいからのなみのりコンボや、ニューラを使用して先手を打つ戦法が中心となる。ただし、弱点タイプが非常に多く、(追加効果を除き)状態異常技を誰も持たない点には注意。
ストリートコロシアム、ウォーターコロシアムのクリアで使えるようになる。
- マッチョ(DM:カイル)
白いタンクトップに身を包んだゴリマッチョなナイスガイ。
使用ポケモンは攻撃力の高いポケモンが揃っており、即戦力級のバクーダが加入済みである点は見逃せない。
ただしみずタイプの弱点を持ったポケモンが多くいるにもかかわらず、みずタイプへ弱点を突けるポケモンがいない点ははっきり言って致命的である。
みずタイプを弱点に持たずチームで唯一特殊耐久の安定しているスリーパーのさいみんじゅつを軸にして対抗したいところ。
カジノシアターコロシアム、クリスタルコロシアム、サニーパークコロシアムをクリアする事で入手可能。
- おんなのこ(DM:キュア)
とんがりヘアーが特徴的な少女。
しょうじょ寄りも年齢は幼め。
使用ポケモンは可愛らしいポケモンが殆ど。加入済みであるピカチュウはステータスこそ低めだが、比較的威力の高いほうでんや苦手なタイプに弱点を突けるかわらわりを習得済みででんきだまを持っている為、並のポケモンであれば互角以上に戦えるだろう。シードラは総合的な技の威力こそやや心許ないが、はがね/みず/こおりと習得している技の範囲が広めなのが救いか。チェリムはあついいわを持っており、にほんばれを発動してからのソーラービームで押していく戦法が中心となる。
カジノシアターコロシアム、クリスタルコロシアム、サニーパークコロシアムをクリアする事で入手可能。
- ポケットモンスターダイヤモンド・パールの主人公
DSバトルモードでのみ登場する。
強豪トレーナーたち
- ジョー
ゲートコロシアムのマスター。
某ガンダムのパイロットを思わせるヘアスタイルの青年で、タキシードに身を包んでいる事からもわかるように、冷静だが、熱くなりやすいところがある。グラフィックは固有。
ノーマルタイプを愛用する傾向にあり、特に高ランクになるとケンタロスやカビゴンといった強力なポケモンを使用するため、彼との戦いではそれらノーマルタイプへの対策が必須となる。
クリア後のスタービューコロシアムでは4人の中でも先鋒を務め、全体攻撃を得意としたパーティを組んでいる。
- テイル
パチリスを模した衣装を着た幼女で、ストリートコロシアムリーダー。
性格は見た目に反して礼儀正しく、戦闘では可愛らしいポケモンを中心に戦う。
グラフィックはおんなのこの流用。
名前はtail(英:尻尾)からだと思われる。
- マリン
カイオーガを模した衣装を着た少女で、ウォーターコロシアムリーダーを務める。
性格は勝気でみずタイプのポケモンを中心にパーティを組んでいる。
グラフィックはしょうじょの流用。
- ラプラ
カジノシアターコロシアムリーダーを務めるロズレイドの衣装を着た大人の女性。
ギャンブル性のあるバトルを好み、くさタイプを中心にパーティを組んでいる。
グラフィックはおねえさんの流用。
- ボルド
クリスタルコロシアムのリーダーで、エレキブルの衣装を着た筋肉質の男。
その風貌も合間って作業員を思わせる。
グラフィックはマッチョの流用。
名前の由来はおそらく電圧の単位である「V」。
- リボン
サニーパークコロシアムマスターで、露出の多いアジア風の衣装を着た女性。
可愛らしい外見のポケモンを中心にパーティを組んでいる一方で、クリア後のスタービューコロシアムでは耐久型のポケモンのみでパーティを組みプレイヤーを苦しめる。
グラフィックは固有。
- ダイ
マグマコロシアムのリーダー。
グラードンの衣装を着た少年で、その見た目に違わない荒々しい熱血漢であり、ほのおタイプとシンオウ御三家を中心に組んだパーティで勝負を挑んでくる。
グラフィックはしょうねんの流用。
名前は「大地」からと思われる。
- ルイン
サンセットコロシアムリーダーを務めるクールな青年。
ルカリオの衣装に身を包んでおり、素早さと攻撃力の高めなポケモンでパーティを組んでいる。
グラフィックはおにいさんの流用。
- ルトガー
キャッスルコロシアムのマスター。
マフィアの首領を思わせる男でじめんタイプのポケモンを中心にパーティを組んでいる。
グラフィックはマッチョの流用。
クリア後のスタービューコロシアムではエテボースのサポートの元ドラピオンが急所を狙ってきたり、伝説のポケモンを中心にふういん+だいばくはつコンボを混ぜたりと力押しのパーティとなっている。
- ミステリオ
ラスボスにしてポケトピアのマスター。
シルクハットに、サルバドール・ダリを思わせるヒゲを伸ばした奇矯な人物で、実際にマジックも使う事が出来、敗北すると帽子を置いてどこかへ消えてしまう。バトルにおいてもマジックの面でも生粋のエンターテイナーとも言える人物。怪しい風貌だが過去作のワルダックやデスゴルドのような悪役ではなく、純粋なラスボス。
クリア後のスタービューコロシアム8周目には伝説のポケモンを中心にパーティを組んでくる。
グラフィックは固有。
その他
ポケモンのOVAや2代目オーキド博士役でもお馴染みのベテラン声優。
ジニアス社が開発した前2作についておらず要望が高かった試合中の実況ボイスを担当する。
その実況ボイスは非常に多岐に渡り、普段は淡々と喋るが、大技が決まると叫び出したり、時々変な言い回しが登場したりと、やや癖のある実況で人気を博し、この作品の名物となっている。
代表的なものは以下。
「『りゅうせいぐん』が襲いかかるっ!!!」
「『もろはのずつき』が炸裂ぅっ!!!」
「『オーバーヒート』が決まったぁ!!!」
「しかし相性がよくなぁい」(効果今一つの時。上のボイスと合わさるとテンションの落差が激しい)
「決まったァーーーーーッ!!!」(技名ボイスがない技で相手を倒した時)
「歪んでいます……! おかしい……! 何かが……! コロシアムのっ……!」(場が「トリックルーム」の時)
「チェリ↑ム↑ッ!! 姿が変わった!!」(「フラワーギフト発動時)
「ギラ↑ティ↑ナ↑!! 一瞬にして消えました!!」(「シャドーダイブ」使用時)
「〇〇〇! 必死で耐えています!」(最後の1匹かつHPゲージが赤の時)
「自らを犠牲にして放った大技ですが、倒れたのは自分だけ!」(「じばく」「だいばくはつ」で自分だけ倒れた時)
スタジアム
- ゲートコロシアム
ポケトピアの港に浮かぶスタジアムで、夜景が楽しめる。
バトル形式はパーティのポケモンを交換していくトレードバトル。(難易度的な意味で)悪名高きバトルファクトリーと比較すると負けた際のペナルティの薄さや見せ合いルールでの対戦となる関係で、常識的な範囲の難易度に留まっている。
ストレージなしでこのゲームを極めたいのなら避けては通れないステージである。
- ストリートコロシアム
大通りにあるコロシアムで、ビッパやパチリスの巨大バルーンが設置されている。
バトル形式は勝ち抜き形式で最もスタンダードなルールとなっている。初回のバトル形式はシングルバトル。
- ウォーターコロシアム
大滝の近くにある古代の闘技場。
バトル形式は入れ替えの出来ない団体戦方式で、運要素が非常に強い。初回はシングルバトルしか行えないが、クリア後はダブルバトルで挑めるため戦略を立てやすくなる。
- カジノシアターコロシアム
ドクロッグ型の高層ビルにあるバルコニー(ちょうど鳴嚢あたり)がコロシアムになっている。
NPCとプレイヤーが持ち寄ったポケモンからルーレット形式で使用ポケモンを決めていくと言う変則的な形式を取っている。初回のバトル形式はダブルバトル。
- クリスタルコロシアム
輝く鉱石に彩られた洞窟のコロシアム。16人の参加者でトーナメント形式での勝ち上がりをするコロシアム。参加者こそ多いが実際にやることはコンテニュー不可の4連戦。初回のバトル形式はダブルバトル。
- サニーパークコロシアム
自然豊かな公園のコロシアム。観客席は木の上にあり、ファンシーなデザインのタワーがシンボル。
初回のバトル形式はダブルバトル。クリア後はレベルが5までであり、「タマゴ未発見グループ」ではないポケモンで戦うリトルバトルとなっている。このバトル方式はのちの世代で度々公式大会のルールとして採用されている。
- マグマコロシアム
火山島の火口にあるスタジアム。
バトル形式は勝ち点を競い、勝ち点が多いと決勝へ進めるようになっておりこちらもクリスタルコロシアム同様コンテニュー不可。初回のバトル形式はシングルバトル。
- サンセットコロシアム
夕日を臨む入江にある古代遺跡。大昔はバトルの聖地だったとも。
バトル形式はランダムに選ばれた12匹の中からポケモンを選択して戦うセレクトバトル。初回のバトル形式はダブルバトル。
- キャッスルコロシアム
森林の中にある満月が美しいコロシアムで、トリデプスを模した城が特徴的。
初回のバトル形式はダブルバトルだが、戦闘開始時に霧に包まれる場合があり命中率が低い状態で戦わなければならないこともある。
クリア後は戦闘が終わっても回復できない「サバイバルバトル」に挑戦でき、回復手段は出目で効果が決まるルーレット。似た方式のバトルはのちに『鎧の孤島』にて「しばり組手」として登場している。
- スタービューコロシアム
ポケトピアの山の頂上に位置するスタジアム。その名の通り、プラネタリウムになっている。
バトル形式は全編通してダブルバトルのみ。クリア後に挑戦できるバトルではコンボを発動してきたり、伝説のポケモンが登場する高難易度ステージとなる。
また、このコロシアムのみ「ポケモンや道具の重複禁止」、「眠り状態にできるのは1匹のみ」、「じばくやだいばくはつでの全滅は使った側が負け」などの対人戦に近い細かなルールが設けられている。
- コーラルコロシアム
通信対戦専用。ポケトピア近海の小島にある。
BGMの一部はロックマンX7のOP「CODE CLUSH」を思わせる曲調になっている。
余談
本作の舞台はどこかの孤島にあるポケトピアとされており、恐らくは本家シリーズと世界観が同じであると推測されるが、具体的なモデルは不明。
また、建造物はポケモンをモデルにしており、エントランスを見る限りでは、
が確認できる。
その後
剣盾の対戦動画が投稿されていた時期に実況ボイスが「素材化」され、ポケモン動画の投稿において語録として利用されている。(主にニコニコ動画)
関連タグ
もこう:このゲームの実況シリーズで知名度を大きく上げた人物。
ハガネール:「ハガネール=わかもと」ネタの初出はこのゲームの実況ネタ。
厨ポケ:このソフトとは切っても切れない関係にある。
歴代のポケモン対戦用ソフト
第1世代対応:ポケモンスタジアム ポケモンスタジアム2
第2世代対応:ポケモンスタジアム金銀(ここまでHAL研究所開発)
第3世代対応:ポケモンコロシアム(ここからジニアス開発) ポケモンXD