概要
NINTENDO64のゲームであるポケモンスタジアムの3作目であり同シリーズのラストタイトル。
その名の通り、『ポケットモンスター 金・銀・クリスタルバージョン』に対応しており、それらの作品のポケモンをNINTENDO64に連れて来ることができる(勿論、『赤・緑』をはじめとする初代シリーズも対応)。
2000年12月14日発売に発売された『金・銀』マイナーチェンジ版の『クリスタルバージョン』とは同時発売。また、両方とも20世紀最後に発売されたポケモンのゲームでもある。
対戦ルール
ねむり、こおりは一匹までは前作や前々作と共通だが、今回から同じ持ち物は重複不可のルールが新たに追加。『金・銀』からの新技「みちづれ」「ほろびのうた」を最後の一匹で使用した場合は必ず失敗する。
実はこの時点で「みちづれ」の危険性に目をつけており、ポケモン本編で後にこの技に対して修正が入るのが約15年以上後の『サン・ムーン』だったことを考えると、先見の明は鋭かったと言わざるを得ない。
ニンテンドウカップ
『金・銀・クリスタル』で行われた最初の大会。ミュウツー、ミュウ、ホウオウ、ルギア、セレビィ以外のポケモンが出場可能。あく・はがねタイプの追加だけでなく、能力値が特攻・特防に分けられ、システムが大きく変わった。
初代大会の97カップと同様に手持ち6匹のレベルは50~55まで、出場させる3匹の合計レベルは155までというルール。(カイリューと新ポケモンのバンギラスを出場させるためには他の2匹のポケモンを50にしなければならない。)
モンスター、スーパー、ハイパー、マスターの四段階の難易度があり、全てクリアする必要がある。モンスターとハイパー、スーパーとマスターでそれぞれ対戦相手が異なる。
99カップで出禁になったポケモンは今回のバトルで復活した。
2001年以降の『金・銀』では公式大会が一気に縮小化してしまう。この間は対人戦の環境の変化を調べようにも、パソコンやインターネットはまだまだ気軽になんて利用出来ず、調べられる時間も限られていた。実はこの間に『金・銀』の対戦を象徴する果てしない持久戦がより洗練されていき、『クリスタル』限定のタマゴ(遺伝)技をも組み合わせた技構成等、どんどん高度化していった。
最終的には『クリスタルバージョン』限定で、当時だと莫大な通信料がかかるモバイルアダプタGBを利用したバトルタワーで、対戦相手を少ないターン数で倒し、ごく僅かなトレーナー達だけが本戦出場できた、幻と言えるような大会が開かれた。
ウルトラカップ
レベル100のトーナメントで全ポケモンが出場可能。前作と違ってマスターボール相応の一つだけ。
相手の全ポケモンがレベル100、前作以上に傾向や戦術コンボが豊富なので注意する必要がある。
弱点に加えて防御面が下げられたため、ミュウツー無双とまではいかない。相手は決勝戦ではミュウを、裏だとセレビィを必ず繰り出してくる。
リトルカップ
タマゴ孵化をメインとした進化可能な個体だが、一番未進化形のポケモンだけが参加できる特別なルールの基で行われる。レベルは5(当時孵化したポケモンのレベルは5)のみ。
固定ダメージ技の「ソニックブーム」、「りゅうのいかり」は使っても無効となる。HPが低すぎるため回復系全般、持ち物のきのみ、きのみジュース、おうごんのみの回復量が重要なウェイトを占める。
ぶっちゃけ「ストライクとラッキーさえいれば勝てる」ルールである。
ポケスタシリーズのスタジアムで唯一ピカチュウが参戦できない。
チャレンジカップ
ポケスタ金銀の事実上のメインスタジアム。ランダムで配られた6匹のポケモンと道具を駆使した対戦、または8人抜きする。後のバトルファクトリーの先駆けとも言えるルール。難易度はモンスター、スーパー、ハイパー、マスターの四段階があり、高いほど配られるポケモンも最終進化形にグレードアップしていき、高レベル帯になっていく。ただし技マシンが使えないポケモンと準伝説を含む伝説のポケモン、カイリューとバンギラスは絶対に出てこない。
プレイヤー側にはある程度タイプのバランスが良いオールラウンダー型が配布される。ただし、メインウェポンの火力が安定しない弱点を抱えていることが多く、ひのこ・みずでっぽう・つるのムチ・でんきショック等威力が悲惨だったり、だいもんじ・かみなり・ふぶき等威力は高いが命中が低いといったケースがある。
一方で対戦相手は自身が得意とするコンボなどの戦術、チームカラーに対応したポケモンが配られる、対人戦の如く交代読みで交代先の弱点を突く技を選択する傾向が強い。ポケスタシリーズ全体を通しても最難関の一つとして恐れられており、終盤戦ではプレイヤーよりも優れたオールラウンダー型の相手が立ちはだかる。しかも一切の攻略法が無い。
最初の一回戦から持てる知識をフルに活用しても勝ち抜くのが厳しく、お互いに一撃でひんしに出来る(追い込まれる)ケースがあったり、とにかく試合終了まで気が抜けない。
ジムリーダーのしろ
前作の同名モードのジョウト版。ジム毎にいる門下生のトレーナーを勝ち抜いてから登場するジムリーダーに勝利することで先へ進んでいく。なお、前作ではトレーナーは3人で固定されていたが、今作ではジムによってトレーナーの人数が変わるようになった。(アサギジムはトレーナーはいないがチョウジの手前でロケット団残党が乱入)
城の頂上にいる四天王&チャンピオンに勝つのが最初の目的。後半戦からは少しずつ日が落ち始めて夕方に変わり、最後は完全に夜で戦う凝った演出がある。
バトル中に戦況に応じたセリフが用意され、キャラクター性がより強くなった。
四天王&チャンピオン戦をクリアするとカントージムリーダーの城へ舞台が移って切り替え可能となる。以降は門下生無しの直接対決となる。8人全員に勝つとシロガネやまへ進めるようになり、最後の戦いを務めるレッドを倒すことで晴れてクリアとなる。
ライバルをたおせ!
全てのトーナメントとジムリーダーのしろをクリアすると出現する、ライバル(金・銀)との最終決戦。ミュウツー、ルギア、ホウオウの3匹をこちらの6匹で倒せばクリア。一見すると無理ゲーのように見えるが、表は「しんぴのまもり」を好む戦法を持ち、弱点を含めて付け入る隙がある。
裏は技構成が変わるだけでなく3匹全てが個体値最大。
倒すと念願のエンディングとスタッフロールが流れる。
ここからはクリア後やり込みの様な領域でより厳しくなった裏モードが解禁される。裏モードでも同じ条件をクリアするともう一度出現。使ってくるポケモンこそ同じだが、全個体および努力値が最大と思われるポケモンを相手にする本当の最終決戦。勝てればゲームクリア、完全攻略達成となる。
…以上、計6個のルールがある。
その他
ポケモンこうざ
キキョウシティに登場したジョバンニ先生の元で対戦における知識とテクニックを学ぶコーナー。
「トレーナークラス」「ジムリーダークラス」「してんのうクラス」の3つに分かれている。
クラスを上げるためには、講義を聞いて出題されるテスト問題をクイズ形式で解き、様々なシチュエーションを実戦で正しい三匹を選出して勝利することで進級できる。
最後の「してんのうクラス」までクリアすると、資料室が『金・銀・クリスタル』まで対応可能となる。全251匹のポケモンの具体的な個体値情報に加えて覚える技、極めつけにはタマゴ(遺伝)技といった、ポケモンに関する知りたい情報全てが網羅されていて、攻略本がいらないと言われた程の特大サービスである。
けんきゅうじょ
前作までと同様に手持ちとボックスのポケモンの整理や検索、64のボックスに大切なポケモンやわざマシンを預けて、最初からやり直すプレイも可能。ただしIDナンバーが変わってしまうので、他のトレーナーから貰ったポケモンになってしまうので注意。
初代の道具はカラーケースに、『金・銀・クリスタル』の道具はメタルケースにそれぞれ預けられる。
実はこのカラーケースを経由することで、予め預けておいたおいしいみず等を早期に引き出すことで、クチバシティ以前の段階でヤマブキシティ、さらにタマムシシティやシオンタウンにも入れるシーケンスブレイクが出来てしまう(前作までは初めからやり直すと引き出せなくなる)。
また今作では金銀クリスタルの場合、異なるID間でメタルケースのやり取りにはそのカートリッジで、ポケモン図鑑の捕まえた数が100匹以上、64のボックス間のやり取りに至っては150匹以上必要だったりと、金銀クリスタルに対して有利になる要素は全体的にアンロックが掛けられている。
特に金銀において捕まえた数150匹というのは、通信交換無しで目指す場合、出現するほぼ全ての野生ポケモンを進化含めてゲットしないと到達できない、非常に厳しい数字である。
ミニゲームであそぼう
前作から増えて12個になった。対応したポケモンを持っていると作中のポケモンに反映される仕組み(手持ちのポケモンが登場したり、なつき度が上がる)があり、いわゆるなつき進化に便利だった。なおミニゲームチャンピオンでは優勝すると本当に本編で使えるコインが手に入る(ただし最大で額面通りの9枚。雀の涙程度だが、ゲームボーイソフトをセットした方がお得に変わらない)。
以下ミニゲームのタイトル及び詳細について(☆マークはいわゆるなつき進化に関係するポケモン)。
- ☆ゴルバットのどうくつたんけん
コイルを避けながらハートを取りまくれ。
- カポエラーのベーゴマ
相手を弾き飛ばすと+1点。
- いあいぎりがっせん
ストライクとカイロス(とハッサム)により丸太を切り合う。線より上は切っちゃダメ。
- オオタチのピョンピョンボール
自分のゴールにボールをシュート!なぜかキリンリキも出場可。
特定のポケモンの数をカウント。
- ☆ピチューのはつでんきょうそう
前作の「ビリリはつでんきょうそう」に上下左右がプラス。『ピカチュウバージョン』のトレーナーはピカチュウになる。
- バリヤードのバリヤーテニス
マ○オテニスのポケモンバージョン。「バリヤー」でボールを弾き返して相手ゴールに!
- はこんでデリバード
前作の「ベロリンガのぐるぐるずし」に近いゲーム。とある条件をクリアすると2001年のゲーム機が登場するウワサも?
- ☆イーブイのフルーツダッシュ
いわゆる星のカ○ビィシリーズにおける「刹那の見斬り」系ゲーム。クヌギダマはダメ!
- ☆コロコロトゲピー
小さなトゲピーがとことこ走る。なぜかオムナイトも参加可能。
- ☆ラッキーのたまごだいさくせん
左右に傾き卵をキャッチ!ビリリダマはダメよ。ハピナスも参加出来る噂も?
- ドンファンのぐるぐるレース
砂煙を避けながらフィールドを回れ!
すね毛拡散エンジェルの実況動画。なお6つのゲームしかないので注意。
ポケモンクイズ
難易度は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3つ。金銀時代の問題なので今やると逆にかなり難しい?
「ジムリーダーのしろ」のごほうび
現在でいう「わざおもいだし」に似たシステム。カセットと64GBパックからエントリーしたメンバーで四天王とチャンピオンの5連戦に勝利すると、手持ちのポケモンからわざおもいだし(スーパーわざマシン)を一回行える。
ルビー・サファイア以降、今日のポケモンでは割と当たり前に行えるようになった忘れてしまったレベル技の思い出しだが、当時は長い道のりを経てやっと一回ずつ出来るという、貴重な手段だった。
ルールエディット
フリーバトルのルールを自分好みに作るシステム。
ふしぎなおくりもの
GSCにふしぎなおくりものを贈れる通信の一種。当時ポケモン友達がいなかった子供にとってはレアアイテムを入手できる貴重な手段であった。
じぶんのへや
GSCを使っている人のみ選べる。部屋をコーデして3D鑑賞するコーナー。
モバイルスタジアム
クリスタルのみに対応するシステム。公式大会の映像を鑑賞したり、そのトレーナーにバトルを挑める。
GBビル・GBドードー・GBドードリオ
ゲームボーイの本編をプレイする機能。条件を満たすとドードー、ドードリオとバージョンアップして、それぞれ2倍速、4倍速でプレイ可能となる。金銀クリスタルを倍速以上に関しては裏モードのGBドードー、ドードリオのみ対応している。
移植
2022年9月13日に公開されたNintendo Directにて、2023年に「NintendoSwitchOnline+追加パック」で本作と「2」が配信される事が発表され、オールドユーザーから歓喜の声が上がった。しかし、当然ながらゲームボーイのポケットモンスターシリーズとの連動は不可能で(注意書きもされている)、バーチャルコンソール版とNintendo Switchでの通信も出来ない。
しかし、2022年2月9日に配信されたニンテンドーダイレクトで、「NintendoSwitchOnline」加入者特典として、ゲームボーイとゲームボーイアドバンス(こちらは追加パック)のソフトが配信されることが決定された。…しかし、今の所各本編のポケモンシリーズは発表されてないが…?
そこはPokémon HOME待ちなのかもしれないが、2025年にはSwitchの後継機の発売のウワサがあり…(NintendoSwitchOnlineのセーブ機能等の仕様上、連動はできそうにないのだが)?
2もそうだが、チャレンジカップ以外ではレンタル縛り(持たせられる道具が限定)の上、いつでもセーブで無理やりゴリ押し可能な2と違いそれが出来ない為、実機より難易度が高くなるであろう。
余談
発売前の事前情報では、「ポケモンスタジアム金銀クリスタル」と言う仮称になっていたが、最終的な正式タイトルは「ポケモンスタジアム金銀 クリスタルバージョン対応」になり、「クリスタルバージョン対応」が副題のようになっている。
パッケージには表記されてないが、「メモリー拡張パック」に対応しており、GBビルで『金・銀・クリスタルバージョン』のプレイ中に発生する頻繁なローディングを回避できる。
本作では、バッテリーを消費してデータを保存する「バッテリーバックアップ」ではなく、当時としては新しい技術であった「フラッシュメモリ」を採用。「電池切れ」に悩まされずにデータを保存できる。
スケッチで覚えたバトンタッチを持ったドーブルは、何故かチート扱いである(ペナルティ等は無い)。それなのに一部のCPUトレーナー(特にコイツ)は平気で不正をしている(例:同じ道具を複重で持たせている)。
また、リトルカップでは、このカップで使えるレンタルポケモンの一部に、本来ならLv6以上にならないと覚えられない且つタマゴ経由でも覚えられないわざを持ったポケモンが存在している(例えばコイルは、Lv27で覚えられるロックオン、Lv11で覚えられるちょうおんぱをLv5の時点で覚えているなど)。